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うぃーっす。俺は谷口、どこにでもいるごく普通の高校生だ。
といってもまだなったばかりだけどな。今日はまだ高1の5月中旬で
時は昼食、俺はいつも通りキョン達と席を囲って会話をしていた。
「そんなわけでよ~また女に逃げられちまったんだよ!」
俺は先日のナンパ失敗の愚痴をこぼしていた
「それ何回目だっけ?よくあきらめないね谷口。ある意味尊敬するよ」
おい国木田、ある意味って何だある意味って
「谷口、悪いことは言わん。もうやめとけ」
こいつもこいつで何てこと言いやがる!俺は頑張ってるんだぞ!?
まあしかしこうも何回も失敗が続くってのは絶対何か原因がある。今度は別の方法でやってみよう。
「ところで谷口、ナンパは結構だけど何でそれを同じクラスのコにはやろうとはしないのかな?」
いきなり何だ国木田
「ああ?しようと思えばいつでもできるさ。ただ同じクラスだと何かあったときウワサになりやすいからな。
それが面倒だからやらねーだけだ」
「もしかして谷口、中学のときの涼宮さんの件がトラウマになってるのかな?」
「く、国木田!?」

「涼宮の件だって?何のことだ?」
「ほらキョン、前話してた中学のときの告白のことだよ」
嫌な過去を思い出させるんじゃねー国木田!!しかも俺が涼宮に告白したってのがキョンにばれちまったじゃねーか!
言わんこっちゃない!キョンがニヤニヤしながらこっちを見てるぞ!
「…ああ、そうだよ、確かに俺は涼宮に告白したことがある。まあ5分もしないうちにフラれちまったけどな」
「5分?よくそんなにもったな」
キョン、それは涼宮の高圧的な性格を指摘しているのか?それとも俺をバカにしてるのか?
まあキョンのことだから絶対後者だろうな。くそ、覚えてろよ…さて、きちんとこいつらにもう一度言わねば
「だが、決してそれがトラウマになってるわけじゃあない!さっきも言ったが、俺はクラスの女子でも
やろうと思えばできる!」
「アテはあるの?」
「へ?」
「相手がいないことには始まらないよ?」
確かにそうだ
「この前も言ったが…やはりAA+の朝倉だろう。裏を返せば、それ以外の女子にナンパする気はない」

「へえ朝倉さんか。強敵だねえ」
「応援してるぞ谷口、まあほどほどに頑張ってくれ」
お前の応援はあてにならねえ。…今の俺の言葉は冗談半分本音半分といったところか。
朝倉以外の女子と付き合う気はない、これは本当だ。…だからといって朝倉と付き合える自信もない。
しかも相手は委員長だぜ?ふざけたマネもしにくいしな
ってか今になって気付いた。クラスの知り合いという時点でそれはもはやナンパじゃあない。
では何だ?付き合うには…告白しかねえわなあ。
あれ!?まさかこれ、いつのまにか俺が朝倉に告ろうかどうしようかって話になってるのか!?
俺は国木田を見た。…笑ってる…こいつが笑ってるのはいつものことだが何か邪悪な気配を感じた。
キョンを見た…微妙に笑ってる…まるで俺の反応を楽しんでるかのように…
つまり俺は国木田の上手い口車にのせられたってことかよ!なんだよそれ!?
「今の俺はただのピエロじゃねーか!!」
やべ、思わず口に出してしまった
「今も昔もお前はピエロだから気にするな」
ああ、そうかい。もういいや



しかし俺は踏ん切りがついた。こいつらはおちょくってるだけかもしれねーが、朝倉が前々から
俺の理想の女だったのは確かだ。しかしあまりにそれが高嶺の花…であるが故に…オーラってやつか?
俺は行動できずにいた。だが、朝倉のことを改めて考えるいいきっかけになった。礼を言うぜ国木田&キョン。
「よし決めた、俺は今日の放課後決行するぜ!!」
単純と言われるかもしれねえが、それが俺の売りなんだ。誰にも否定はさせねーッ!!
「…感動したよ谷口」
「ああ、まったくだ」
にしては二人とも微妙に呆れた顔になってるのは何でだろうな?ふ、まあそんなことはもうどうでもいい。
今日をもって男谷口はこれまでの不運な運命を変えさせていただく!!俺は神に反逆するぜ!!
…とは言ったものの、放課後に呼び出すにはまずそのことを朝倉に伝えなきゃな。呼び出すのは教室でいいだろう。
さて、いつどのタイミングでそれを朝倉に伝えるか…
「ねえねえ、今私の名前が聞こえたんだけど、一体何を話してたの?」
「ええっと、実は谷口がね」
ーッ!?なんと向こうからやってきてくれるとは!これって大チャンスじゃね?…だが…やはり俺はヘタレなのか、
あまりに急な出来事のため口が思ったように動かない!!頑張れ男谷口!
「へえ、そういうこと♪用って何かな谷口君?ま、それはそのときでいいや。じゃあ放課後教室でね!」

ってあれ?俺はまだ何も言ってないぞ?ま、まさか朝倉は俺との意志疎通ってやつができたとでもいうのか!?
なんてこった、まさにベストカップルじゃねえか!!俺の未来は明るい!
「谷口、大丈夫?僕がかわりに朝倉さんに用件を伝えておいたよ、5時に教室にって。
生徒もいなくなる頃合だし、ちょうど適当な時間だよね?後は頑張ってね」
俺は上げて落とされた。何だ、俺が頭の中であれこれ考えてるうちに国木田が朝倉に伝えただけかよ。
…って勝手なことすんなよ!俺はまだ一言も朝倉としゃべってねーぞ!?
「まあまあ谷口、国木田はお前を思ってやってのけたことだ。察してやれ」
まあ一応礼は言っとくか。サンクス国木田!
何だかんだでついに放課後になった。…今日まだ一言もしゃべってねー相手に告白ってのも奇妙な話だよな。
相手は混乱すること間違い無し…だが男谷口、例え結果がどうなろうと全力で行かせてもらう!!
さすがに夕方5時となると校舎に人も少なくなり、聞こえてくるのはグラウンドにいる運動部の声だけ…
もっとも5時半~6時なら完全に人影がない状態で完璧だったんだろうが、いくらなんでも女の子をそんな遅くまで
待たせるわけにもいかねーしな。そのへん国木田わかってるじゃねーか!改めてお前の機転に感謝だぜ


俺は大きく深呼吸した。そして覚悟を決めて、ゆっくりと教室のドアを開いた。中では律儀に朝倉が待ってくれていた。
ってか今の時代、男に放課後呼び出されて、素直にそれをきく女なんてのもそうそういないんじゃね??
やっぱり朝倉…お前は容姿だけじゃなく性格も素敵すぎる!俺の言ったAA+で間違いなかった!!
「で、谷口君、用って何?」
ここで焦って、いきなり好きです付き合って下さいって言うヤツは愚か者だ。そんなの芸がねーし華もねー
俺は俺なんだからMy wayでいかせてもらう!
「なあ朝倉、人は窮地に立たされたときどうすると思う?」
「どうしたの急に?」
「特に深い意味はねえけどよ」
「うーんそうね、その窮地っていうのがどういう状況なのかはわからないけど
私なら、その場で自分が出来る可能な限りの努力を尽くすと思うな」
さすが優等生朝倉。目が飛び出るほどの正論だぜ。
「そうだよな、それは俺も同じだ。そして今俺は窮地に立たされている」
そう言うと朝倉は笑い出した
「え、何?私と一緒にいることが谷口君の窮地?よくわかんないけど谷口君面白いね♪」
よし、計算通り!朝倉は俺の言いまわしに笑ってくれている!告白するときの状況ってのはよく厳格で閑静
っていうイメージで見られがちだが、俺はまず相手をリラックスさせてやることを優先した!!
今日まだ1回もしゃべってなかったんだから、まずは互いの状態を良好なものにしようという考えは妥当だろう?

…もしここで、谷口君どうしたの?頭おかしくなっちゃった?と冷めた目で見られていたら俺はその場で
自爆していたであろう。だが朝倉ならそんなこと言わないって信じてたからな、とにもかくもよかった。
「朝倉、ここで問題だ!俺の言った窮地とはどういう意味かわかるかな?」
「今度はクイズ?そうね…お腹が減ったとか?♪」
いつにもまして朝倉は笑顔だ。さすがクラス委員長だけあって相手の話題に合わせるの得意だな!!
「うむ、確かにお腹は減っている。夕食何食べよっかなー朝倉の今日の夕食は何の予定なんだ?」
「そうね、普通すぎて面白くないって言われるかもしれないけど、味噌汁、ご飯、小魚にほうれん草の胡麻あえ
ってところかしら」
確かにあまりに普通すぎたんで驚いた。しっかしさすが優等生、もう夕食まで何にするのか決めているのか
「もしかしてお前、自分で作ってるのか?」
「あ、わかっちゃった?」
わかる。俺は鈍感なキョンと違ってこういうところは繊細だ。
こんな簡素なメニューを見れば高校生が作りそうなってことぐらい予測がつく。
「谷口君鋭い…私のところ両親が帰ってくるのが遅いから、結局いつも夕食は自炊ってことになっちゃうのよね」
偉い!偉いぞ朝倉!!いまどき自分のご飯を自分で作るってのあんまいねーからな。…自分も含めて
「そういう谷口君の夕食は何かな?」
「そうだなーマーボー豆腐にでもしようかなーって思ってたけど、思い切って今朝倉が言ったメニューにしてみんかな?w
まさにザ・日本食って感じだし健康にもよさそうじゃん?」
「あれー?私なんかに合わせちゃっていいのかな?wすでに作るの決まってたら家の人困るんじゃない?♪」

「その考えいただき、やっぱお前に合わせないことにした!」
俺たちは笑っていた。楽しい時間だな……ってあれ?俺は一体何やってるんだ?…………
いかんいかん、当初の目的を忘れていた!!このままだと日が暮れるまで朝倉と談笑していたところだった!!
そろそろ切り出すっかな。
「ところでだな朝倉、さっきの窮地についてなんだが。確かに俺はお腹が減っている、それは事実だ。
だが、もう一つあるんだなーこれが」
「また窮地?谷口君お手上げよ、人の心なんてそうそう読めるわけないじゃない、いじわるな人ね」
これ以上この話題をひっぱっても逆効果だろうから、もう言ってもいいだろう
「じゃあ言わせてもらうぜ!」
俺は覚悟を決めた。

「俺はお前が好き好きで仕方ないんだ…お前のことを考えると俺は苦しくなる…そういう意味での窮地さ
……だから朝倉、俺と付き合ってくれ!!」
ついに言っちまった。朝倉はその言葉にハッとし、顔を床に向け何か考えている様子だ。
(その場で自分が出来る可能な限りの努力を尽くす)…朝倉、お前がいった言葉だ。
俺はお前に言われた通りにやってみせたぞ。さて、後は結果待ちだ……………
もしかしたら保留ということも考えられるよな…いや、自惚れはいけないな。
今までナンパしてきた女ならともかくとして、朝倉はAA+の別格なんだ。俺と釣り合わねーってのもわかってる。
決して予防線はってるわけじゃないが、おそらく高確率でふられてしまうだろう。だが俺はベストを尽くした。
さあ朝倉よ、君の返答を聞かせて欲しい!!


「…谷口君、私のどういうところに惚れたわけ?」
!そうきたか。俺は正直に答える
「俺は…………お前の全てに惚れた!」
すまん、これはちょっと正直すぎた
「だが一番の極めつけは、お前の誰にでも対して公平にいたわる思いやり、優しさだ!俺はそれにひかれたんだ!」
そうだよな。さっきの会話でもわかっていはいたが、やはり朝倉はいいコだ。
「もし将来朝倉と付き合う男がいたら、それが俺でなくともそいつには精一杯朝倉を幸せにさせてやってほしい」
柄にもねーな、俺ってこういうキャラだったか?一応言っておくが口説き文句ではない。
確かに俺は谷口であり谷口でしかない、故に口説き文句にしか見えねえかもしれねえ。
ま、そう思われても別にいいさ、だが今俺が言ったこの言葉に偽りはねえ!!!
「……そこまで真剣に私のことを考えててくれたなんて正直嬉しかった…」


「いいよ」


………!?何だって?小さくてよく聞こえなかったが、俺の耳がいかれてなければ確かに(いいよ)と聞こえた。
つまり朝倉は俺の告白を受け入れてくれたってことか!?

「それは…付き合ってもいいって意味か朝倉?」
俺は朝倉に確かめる。
このとき俺は妙に警戒していた。本当に告白は成功したのかどうか、俺は焦っていた。
…認めるしかねえ、国木田が言ってた例の涼宮の件、あれが俺のトラウマになってるってのは確かに正しかった。
それを今気付いた。もちろん、朝倉が涼宮みたいに5分で…とかそういうマネをしないのはわかってる。
わかってるのに!俺は今ひどく警戒している。涼宮~一体どうしてくれんだー谷口様をここまで完膚亡き者にした
罪は重いぜ!勝手に一人で焦っている俺であったが朝倉の言葉で俺は救われた。
「うん、今日から私は彼女ね」

「…誰の?」
「今の状況を見たら、どうみたって谷口君しかいないじゃない!」

「…そうだよな」
気付けば朝倉は床に落としてた目線を俺にしっかりと向けている。とにもかくも、
俺はそれを聞いて安心した。そしていつもの谷口に戻った。おい、そこ、単純とか言うな。それが俺の売りなんだからよ

「もう遅いし帰るか!涼子!」
「ちょっと、あなた、いきなり下の名前で呼ぶつもり?」
いきなり名前で呼んでしまったが、これが俺、谷口というキャラなんだ。察してくれ
「何か問題あるか?」
「…ふふ、谷口君らしいわね」
「それとさ」
「何?」
「手つないでいいか?」
「…いいんじゃない?彼女だし」
そんな他愛のない会話をしながら、俺たちは仲良く下校した。
朝倉が彼女になったという嬉しさで頭の中がいっぱいだったため、まともな思考ができそうではなかったが
俺は頑張って状況を整理し、その帰り道に俺はあることを尋ねてみた
「なあ…本当に俺なんかでよかったのか?」
「どうしたの急に?」
「お前はさっき自分のどういうところに惚れたのって俺に尋ねたよな。俺も聞き返すぜ。
なぜお前は俺でOKしてくれたんだ?」
「…ええっとね、私今までいろんな人と話したわ。女の子とも男の子ともね」
そりゃそうだろうな、みんなをまとめるのが上手な朝倉のことだ、さぞかしいろんな人間を見てきたんだろう
「谷口君と始めて出会ったのは4月の始業式のときよね」

「そうだな。ちなみに、あのときからお前に惚れてたわ俺。お前の容姿はそりゃあ…女子の中でも輝いてたぜ?」
ホント、正直だな俺。
「ありがと♪でもお世辞いっても何もあげないんだから」
「お世辞じゃねーよ涼子」
「ふふ、どうも。それでね、その日は高校における第1日目だったから、大半が知らない人ばかりでちょっと不安だったの」
知らない人ばっかってのはそりゃ当然だ。一つの中学校からみな来てるわけじゃないからな
「そんな状況で私がクラスの委員長に何でなったか谷口君わかる?」
?ひょっとして試されてるのか?わかんねえな、谷口らしく適当に答えておくぜ
「周りが朝倉さんならやれる!とか言っていつのまにかなってたとか?w」
「谷口君正解♪」
当たっちゃった。ラッキー!
「中学校のとき私は生徒会に入ってたし、なんていうのかしらね、こういう役柄が個人的に気に入ってたのかもね。
それで今回どうしようか悩んでたら、中学校のときの同級生にいろいろ励まされちゃって。
そんな後押しを受けて早速1学期から委員長になってたわけ」
「へえー…ってそれがお前が俺にOKしたことと一体何の関係が?」
「最後まで聞いてればわかるわ」
関連性が全然わからん俺だったが、朝倉の言うことに黙って従うことにした。


「委員長だからまずはプリントや教材の整理とかしなくちゃならなかったわ」
そりゃ大変だ。俺にはむかねーな
「ある日業者から教材が届いて、それを教室にもっていくよう岡部先生に指示されたわ。
それほど重かったわけじゃないけど量が凄かったから何回も分けて運んでたの」
「…岡部は手伝ってくれなかったのか?」
「まさか!先生も手伝ってくれたわ。で結構積んでたから、運ぶとき前方が本で見えなかったの」
「…危険な状態だな。人とぶつかったらオシマイだぜ?」
「そうね。でもそんなときある人が私に声をかけてくれてね。大変そうだなおい、俺も手伝ってやろうか?ってね。
私は前方が見えなくて、本を支えるのに一生懸命だったから相手の顔も見えないまま手伝いをお願いしたわ。
そういうわけだから相手からも私が見えなかったと思うの」
「何でだ?横から見れば相手は誰だかわかるじゃん。まあお前は一生懸命だったからわからなかったとしても
相手はお前のこと確認できたんじゃねーの?」
「いいえ、確認してないわね。なぜなら今のあなたのその一言で、私の言ってたことが証明されんだから♪」
うーむ、バカな俺には何のことだかさっぱりわからんぜよ。
「わからないの?」
「さっぱりだ」
あ、いや、待てよ?
「もしかしてその相手って………俺!?」

「ピンポーン♪またまた谷口君正解♪だけど特に今景品はないの、ゴメンねw」
あらら?そんなことあったか!?思い出せ思い出すんだ俺………
入学当初、俺はなんとしても彼女をつくりたいと思ってた。そのためにもまずは女にいいところを見せなければ…
ってなわけでいろんな女子に話しかけたり、困ってそうな人を助けたりしてたっけ。
もっとも、その9割がウザいだのお節介だので撃退されたが。国木田やキョンに何回もやめろって言われたな。
だが俺は谷口だ、故にそれは問題じゃなかった。問題はその日の昼休み、朝倉が教室にいなかったことだ。
やっぱ本命は朝倉だったからな。彼女がその場にいなかったのは残念だった。
ってなわけで俺はしぶしぶ廊下を歩いて階段を降りて1階の事務室まで何のアテもなくぶ~らぶ~ら歩いてたっけ。
……思い出したぜ!!そんとき教材やプリントがたくさん詰まってそうなでっかい箱を抱えて運んでる女子がいたっけか。
顔が見えねえから誰かわからなかったし、まあご苦労様としか思ってなかったが朝倉を手伝えなかった分、せめて
このコでも手伝ってやるかと思って…そうか、あれ朝倉だったのか…結局自己満足に終わって相手の顔を
見ることさえ忘れてたな…なんてこった、男谷口一生の不覚!!
「思い出したよ、そうかあれ涼子だったんだな」
「谷口君はやっぱ気付いてなかったみたいね。お礼言おうとしたらもう消えてどっか行ってるし」
「…?じゃあ何でそれが俺だってわかったんだ?」
「後で岡部先生に聞いたの。先生も運ぶの手伝ってたわけだから廊下を行き来してるでしょ?
なら横から顔を見てたっておかしくないと思ったの」
「おーなるほど」

「私は谷口君を優しい人だと思ったわ。しかも礼も聞かずに自然と消えてるんだから何かかっこいいじゃない?」
「ははは…」
自然消滅した件については結果オーライだな。しっかし大抵の女子は俺の行為をウザがっていたというのに…
さすが朝倉涼子!!誠実な行為を誠実のままに受け止めてくれていたなんて…なんか嬉しいぜ
「まだあるの♪」
「まだあるの!?」
万人に認められる行為がそんなにあったとは驚きだ
「いつかの掃除の時間だったわ。そのとき、私は掃除当番じゃなかったんだけど、忘れ物をしちゃって
教室に取りに帰ったの。そしたら谷口君たちがいたわ」
ってことはその日、俺は掃除当番だったってことか。あれ?でも俺は掃除は…
「あ、谷口君だ!と思ったらキョン君と二人で箒でホッケーしてて遊んでたわね」
NOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!朝倉の言う通り、俺は掃除を真面目にやったことは一度もない!
だるいしよ、1週間に一度でいいじゃん、みたいな。まあ女子が教室にいるときは見栄はって頑張ってたがな。
「さぼってたのが一部始終見られたってわけか」
「そうね。私ちょっとがっかりしちゃった」
あ~あ、なんてこった、あの場に朝倉がいたなんて…男谷口一生の不覚!!(あれ?今日これ2回目?)
「で、そんな掃除の最中にね、教室の隅からアリが何匹か現れたらしくてね」
あ…もしかしてアレか。

「他の男子はそのアリを殺して捨てようとでもしてたみたい。確かに処理は楽だと思ったわ。
でもそこで谷口君がその男のコの肩に手をのせて言ったの、生き物にも命があるからそのなんだ…ダメだってね。
それで谷口君、アリを全部ビニール袋に入れていちいち1階まで降りていってグラウンドの隅に逃がしてやったのよね。
私、窓から見てたからわかったんだけど…些細なことだけど私感動しちゃった。今の人達って些細なことでさえ
面倒臭がってやろうとしないじゃない?だから何かその…谷口君偉い!と思っちゃったわ」
なるほどーまあ俺は昔から昆虫一般が好きだったしなー小学生の頃とか1日に1回のペースで山にセミとりや
カブト虫探索には努めたもんだ。それにもともと、生き物は殺しちゃダメだって親からうるさいほど言われてたしな。
こういう所って人に見られてないと思っても見られてるもんなんだな。素直に嬉しいぜ
「涼子…ありがとな。だが俺は決して偉い人間じゃないぜ」
「そうね、掃除をもっと真面目にやってもらわないと」
はい、次から一生懸命やります
「そういうところかしら。そんなわけで私の中でまた一段と谷口君が大きくなったの。好きって気持ちは抱いてなかったけど
なんとなく、話してみたいなって気持ちは持ってたわ。それで…あなたさっき私に告白したでしょ?
最初は私も動揺してたわ。でも…きっかけって大切ね。その瞬間、私の谷口君への気持ちがlikeからloveに
変わっちゃったの。もしあなたが私に告白するようなことがなければ私はあなたを永遠にlikeのままだったかもしれない。
恋っていうのは不意に訪れるのね。」
恋っていうのは不意に訪れる…うむ、同意しておくぜ。人間何があるかわかんないからな、
その場その場で思いは変化するし………ってか今の朝倉の言葉を聞いていて、マジで告白してよかったと思った。
俺を後押ししてくれた国木田&キョン、改めて礼を言うぞ!!


「涼子…俺、これからもっともっとお前に好かれる男になれるよう頑張るよ」
「頼むわね♪…もちろん私だって同様にね」
俺は幸せだった…死んでもいいと思った!!いや、訂正、やっぱ死んじゃダメだ!!こんな幸せを手放したくはないしよ!
「あ…じゃあ私、家こっちだから。今日は楽しかったわ谷口君♪」
「俺はお前の2倍楽しかったぜ涼子!」
「じゃあ私はさらにその倍と…キリがないわねwじゃあね谷口君、また明日!」
「おう、また明日な!!」

俺、本当に朝倉の彼氏になったんだよな…何か実感ねえけど、でも俺頑張るわ。
もっともっと朝倉にとってふさわしい男になってみせるぜ!!!!!俺は強くそう決心した。
家に帰った後は、俺は朝倉のことしか考えられなかった。そんな状態は寝るまで続いたな。そういえば俺は最初、
自分の運命のためなら神に反逆するって言ってたっけ。つまり俺は神を倒したってわけか!?スゲーじゃん俺!!!
そんないかにも俺(谷口)らしいことを考えていると、いつのまにか眠りについていた…
こうして俺史上最大のインパクトデーは幕を閉じたのである…………





翌日、俺はなぜか起床が早かった。朝倉と会えることが楽しみだったのだろうか。そうだな、間違いない!!
誰が否定しようと俺は今朝倉に会いたいと思ってる!!この思いに偽りはねえ!!!
朝っぱらからとばしながら学校へ行く俺!お、目の前にキョンのやつがいるじゃねーか
「よ!キョン!!!!!!!」
バシ
俺はヤツの背中を後ろからはたいた
「いってええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
あ、すまん、興奮のあまり強くたたきすぎたかも
「す、すまんキョン、俺調子のってたわ、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。しかし谷口…お前いつになく機嫌がよさそうだな…そんなにいいことでもあったのか?」
どうする?言っちまうか?あ、でもここで黙ってても教室での俺と朝倉のやり取りを見られたらいずれバレるよな。
「実はなキョン…俺は昨日成功しちまった」
「成功?何の話だ?」
こいつ…忘れてるのか!?そもそもお前らがこの話を持ちかけたんだろ?
それとも何か!?俺がふられることは200%想定済みだったから
忘れてもいいほどどうでもいいことだったとでもいうのか!?!?キョンーッッッ!!!?!!


「え……ま、まさかお前、冗談だよな?」
やっぱこいつは俺がふられると信じて疑わなかったらしい。ま、もういいや、この扱いには慣れたしな
「そのまさかだ。俺は昨日朝倉に告白して見事、OKをもらった」
それを聞いたときのキョンの顔ときたら、怒り?絶望?驚愕?いろんな要素が混じった顔だった…
こんなキョンの顔が見れるのは、一生に一度二度あるかないかだからな。
今のうちにこいつの顔を脳に焼き付けておくぜ!
「そうか…OKもらったのか……すまん、俺はお前に何て言ったらいいかわからない。
が、とりあえず言うべきことは言っておこう……おめでとう谷口」
そんな幽霊を見た感じの顔でおめでとうって言われてもなあ…まあ頑固なキョンにしては頑張ったほうか?
「おう、サンキュ」
俺は教室に入った。なんと、すでに朝倉は来ていた。
「あら、谷口君おはよう♪」
「ああ、おはよう涼子」
「りょ、涼子だって!?」

キョンが驚愕する。ん?よく見ると他のクラスメートもまるで時が止まったかのように俺達の方へ顔を向け動こうとしない。
俺そんなにおかしなことしたか?あいさつしただけじゃねーかよ!!
……あ、わかった、朝倉のことを(涼子)と下の名前で呼んだからか。まったく、変なところで敏感な連中だぜ。
国木田のやつ…さっきから必死にキョンに事の有様を聞いてるな。まあ後でお前にもゆっくり話してやるよ。
「涼子、俺勉強でわかんねーとこあるんだ。これからちょくちょく教えてもらってもいいか?迷惑ならいいが」
「迷惑ね」
「そうかスマン」
「冗談よ♪」
「お前ならそう言うと思ったぜw」
「どこがわからないの?まだ始業まで時間があるから私がみてあげる♪」
「涼子サンキューな。ところで今度の土曜だけど…ヒマあるか?」
「あると思うけど?」
「一緒に遊ばねーか?」
「うんうん、いいんじゃない?どこにしよっか?♪」
そんな普通な会話をしてた俺たちだったが…さてさて、これは一体何の超常現象だ?
なんと俺と朝倉を除くクラス全員が岡部が来るまで死んだように突っ立ってたんだぜ!?お前ら死人かよ!?みたいな。
そんなに俺と朝倉が仲良くしゃべってたことに衝撃的なのか?まあ周りがどう思おうが知ったこっちゃない、
それが谷口、つまり俺なんだからよ!

案の定、俺と朝倉が付き合ってることは全校生徒に知れ渡ってしまったみたいだな。
国木田曰く、「ウワサの拡散速度がキョンと涼宮さんのそれ以上だったよ!?」だってさ。
……別に俺たちがキョン×涼宮カップルに勝ってると言われてもそれは何の褒め言葉にもなんねーぞ国木田。
ってか何だ?そんなに衝撃的なのかよ全校生徒のみなさん!?
さて、ようやく今日の授業も終わり、俺と朝倉は一緒に下校していた
「今日は大変な一日だったよなー」
「そうね、疲れちゃった」
「なあ、お前聞いてくる女子には何て答えてたんだ?」
「…気になる?」
「気になっちゃうな」
「私の大事な大事な彼氏をこれからもよろしくね!!って言ってたの♪」
なんとも大胆だな朝倉涼子
「そういってもらえると嬉しいな」
「どうも。そういう谷口君は?男のコたちに何て答えてたわけ?」
「俺の彼女に手出すんじゃねーぞって言ってやった」
本音だから仕方ねえ。正直者の俺万歳
「ちょ、ちょっとそれ強引じゃない??」
「こ、こんくらいは言ってやらんとダメなんだ男ってのはよ!」
「ふーん…そんなに気遣ってくれるんだ…嬉しいなぁ…ありがとね。」

「そうだ、昨日谷口君、私にクイズを出してきたよね?」
「ああ、告白のときにな」
「その手段使わせてもらってもいい?」
「どーぞどーぞ」
何のつもりだ?
「今、私は何を考えてるでしょう?」
「なんだそりゃ」
「いいから答えて」
「…俺のことだったり?なーんてな」
「ピンポーン、正解♪」
「……おいおい単純すぎやしねーか?」
「そう、単純。だからこの内容まで当ててみて♪」
まったく、ノリノリだな朝倉。谷口の名にかけて、ここは大胆なことでも言ってみるか
「そうだなぁ……キスしてほしいとか?」
「…………」
顔が赤い…まさかとは思ったが図星かよ!?あんま感情を表に出さないやつって思ってたけどそうでもないんだな
「どうした?照れてんのか?」
たたみかける俺
「わかってるくせに…ぁ」




説明は不要だよな?俺も進化したもんだ、まさか自分からキスしちまうなんてよ

「谷口君…好き…」
「愛してるよ涼子…」

おう、さっきから俺のキャラが壊れてるのは理解してる。だがな、いつも谷口な谷口でいるわけにゃいかねえよ。
俺は…こいつを本当に本当に愛してるんだってことを伝えたかった。
そして俺は思ったんだ。
例え神であっても俺と朝倉との関係を引き剥がすことはできねえってな
…神を倒して運命を変えた男が言うんだから間違いねえ!!!
おいおい何かまたいつもの俺らしくなってきたぞな。所詮俺は俺ってことか。
まあ、そんなことはいい。ただ俺はこのままずっと朝倉と一緒にいたい…もう離したくねーんだ……
今の俺にはそれしか考えられなかった。

「こんな感情初めて…私、もう谷口を離したくない」
俺が言おうと思ってたことを朝倉のほうから言ってきてくれた!驚かすなよ
「俺だってぜってー離さねえよ!!」


「ところで朝倉」
「な……何?」
「土曜の約束忘れんなよ?」
「…覚えてるに決まってるじゃない…」


「じゃぁ私こっちだから!また明日ね谷口君!」
「ああ、気をつけてな。」
「あ、涼子!!」
「え、何?!」

「また教室で!!!」

Fin
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