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俺が無口、無感動な長門がいる世界とちゃんとした人間である長門(会話では有希とします)のいる世界、
つまり改変世界のどちらかを選択した時から一ヶ月・・・
俺は変わった世界を選んでいた。

キョン「始めは元の世界に戻そうと思ってたんだ。」
本当だ。あの日前の長門が用意してくれていたプログラム・・・俺は実行しようとしていた。
俺は前の世界が好きだった。

有希「そう・・・」

長門は悲しそうな表情をする。前ではほんの少ししかわからなかったことだ。表情がよくわかるぶん辛いものもある。

有希「どうして戻さなかったの?」

キョン「長門。」

有希「え?」

キョン「元の世界に戻そうとした時の長門の顔。寂しそうな長門の顔。だから。」

我ながらダメな答だと思った。

有希「それ・・・同情じゃないの?」

寂しげな表情がいっそうに増す。胸がいたい。

キョン「でも今は違う。わかったんだ。俺は今の長門有希が好きなんだ。」

しまった!どさくさ紛れに言っちまった!!内心では長門が「うれしい!」とか言って抱きついて来たらうれしいなぁなどと考えていた自分が恥ずかしい。

有希「・・・」

返事がない。そりゃそうか。

キョン「あの。スマン。」
なぜ謝る俺。不意に長門が答えた。

有希「私の話しも聞いてほしい。」

長門の雰囲気が変わったような気がした・・・・・

  • (場面かわります)
彼は現れた。部室のドアを突然開けて。私は驚いた。突然部室に入ってきて私を壁に追いやり、世界が変わったとか話す彼・・・
私は彼を知っていた。忘れない。図書館で私のカードを作ってくれた優しい人。
その彼が恐かった・・・でも、男の人はおろか同性の人ともうまくコミュニケーションがとれない私に、彼が気になるという感情が芽生えた。
彼は私を知っているようだった。でも図書館での事は覚えていなかったようだった。少し悲しい。

有希「よかったら・・・」
私は彼に文芸部に入ってほしいと思い白紙の入部届けを渡していた。今思えばどうしてあんなに積極的になれたのだろう?家に招いた事もそうだ。
彼の言った明日また部室に来てくれるという言葉がうれしかった・・・



彼は来ない。どうしたのだろう?本が進まない。昨日何かまずい事を言ったのだろうか?そんなことを考えているとドアが開いた。

ガチャッ

彼が入ってくる。うれしい。素直にそう思った。彼の他にも人が入ってくる。
なんだかうるさい他校の女の子と男の子、それに朝比奈先輩が。
なぜ?

ピポ

パソコンが突然起動する。彼は私に言った。

キョン「どいてくれ。」

真面目な顔で私に言う。


ディスプレイにはYUKI.Nの文字。

私はわかった。今ここに表示されているのは、彼の言っていた前の世界の私だ。
画面には何かを実行するかしないかという文字が見える。直感的に思った(きっと今の私は消えてしまうんだ)
彼は悩んでいた。

私は彼と別れるのが嫌だった。

有希「いかないで・・・」
もしかしたら声に出ていたかもしれない。
彼は私の方を見て頷いた。
彼が出した答・・・

NO

パソコンは普通の画面に戻っていた。
私の中に変化が起こった。それだけは覚えてる。

  • (場面かわる)
長門「今の私はあなたの言う改変前の私。対有機生命体ヒューマノイド・インターフェイスの私。」

キョン「えっ?」

長門「私はあなたがあのプログラムを実行しなかった時、改変後の私に変わり改変前の私が出てきた。」

キョン「長門・・・」

長門「あなたは改変前の私がいた世界より改変後の私がいる世界を望んだ・・・あなたに嫌われたくなかった・・・」

つまり長門は今の世界での長門有希を演じていたのか。俺に嫌われないために・・・・・

長門「この一ヶ月・・・楽しかった。」

キョン「そうか。」

なんと言っていいか分からなかった。

長門「でも、あなたが一緒にいると思っているのは改変後の私。それが辛かった・・・」

長門は俺がアホみたいに楽しんでいた時そんなにも悩んでいたのか・・・

長門「あなたは私に告白をした。でもそれは改変後の私に対して。私はどうすればいい?」

キョン「どうすればいいと言われてもなぁ。」

長門「私は今の自分を消すことができる。私が消えるべきか決めてほしい。」

キョン「お前が消える?」
長門「今の私の感情がということ。」

何を言ってるんだコイツは
キョン「あのなぁ!俺は今ここにいる長門に好きだと言ったんだ!お前が消えちまったら俺はどうすりゃいいんだ?
   お前が改変後の長門を演じてたとかいうのも、普通の人間なら自分を演じるなんて事はよくあることだ!」

長門「・・・」

キョン「全てひっくるめて俺はお前が好きなんだ!!」

言ってやった。

長門「私はここにいていいの?」

キョン「ああ」
それから俺達は付き合いだした。

長門「キョン。待った?」

長門は今では普通の女の子みたいだ。

キョン「いや。待ってないぞ。」

長門「じゃあいこうね!」

キョン「ああ」

俺はボソリと言ってやった。
キョン「好きだぜ。」

長門は満面の笑みを浮かべた。


-fin-
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