女子A「前から思ってたんだけどあの子キモくない?」
女子B「全然しゃべんないしね。なに考えてんのかわかんないよねー」
女子C「ちょっとイタズラしてみない?怒ったらなんかしゃべるかもしんないしー」
一同「アハハ!さんせー!!」

一部の男子と結託し、チャバネを15、6匹集めさせて
長門がトイレに行ってる間、弁当箱につめる。

~昼休み~

女子A「あれえ?長門さんどこ行くの?」
長門「え・・その・・・」
女子B「長門さん昼休みになるといっつもどっか行ってるよね」
長門「その・・・部室に・・・」
女子C「たまにはあたしらとごはん食べようよ(ニヤニヤ)」
長門「え・・・うん・・・」

長門、半ば強引に連れられていく。すでにクラス中に回覧がまわったらしく、
ほぼ全員がニヤニヤしながら長門を見つめている。

きょどきょどしながらも女子の輪に入る長門。
おもむろに弁当のフタをあけると・・・

長門「ひっ!!」

ごはんやおかずにまんべんなくふりかけられている10数匹の
チャバネの残骸を見て、思わず弁当箱を落としてしまう長門。

A「やだ!なにこれ!!」
B「長門さんの弁当、ゴキブリ入りじゃない!!」
C「ちょっと、信じらんなーい!あんたいつもこんなの食べてたの!」

長門「え・・そんな・・・違う・・・」

男A「おい長門、ゴキブリってうめーのかー?」
男B「今目の前で食ってみてくれよww」

一同「ギャハハハハハハハハ!!!」

長門「そんな・・・わ、わたし・・・違う・・」

女子A「あー?長門さんきこえなーい!」
女子B「もっと大きい声出してくんなーい?」

長門「・・・・・」

女子C「ちょっとー!黙ってちゃわかんないんですけどー?」
女子A「あんた、とりあえずこのゴミ始末しときなさいよ!きもちわるい」

泣きながらゴキブリまみれの弁当を片付ける長門。
クラスメイトは追い打ちをかけるように、上からゴミを投げつける。

長門「う・・・やめて・・・」

男子A「はい全員ちゅうもーく!」

調子に乗った男子が、黒板消しを持って長門の後ろに立つ。

男子A「今から少し早めの掃除タイムを開始しまーす!」

そういうと、長門の頭や背中を黒板消しで叩き始めた。

長門「やめて・・やめて・・・」

男子B「おい長門!メシ食ってるときにホコリたてんなよー!」

一同「ギャハハハハハハハハハ」

その日から長門のあだ名はゴキになった。

男子A「おいゴキ!トモダチ集めてきたぞ」

クラスの男子は、長門が教室を出たスキをみはからって
ゴキブリの死骸を長門の机にのせる。

長門「ひっ・・・うう・・・もうやめて・・・・」

あるときは読みかけのハードカバーのしおりが抜かれ、
かわりにゴキブリがはさまれていることもあった。

女子A「ゴキってなかなかいい名前ね。長門ゴキ・・・ぅっくくくくくww」
女子B「はやくその死骸片付けなさいよ!!あんたの友達でしょ!」
女子C「もー、ゴキのせいで教室中ゴキブリだらけになってきもいんですけどー!」

長門(うう・・・もうやだよ・・・)

彼女の名前は長門有希。元は情報生命体である統合情報思念体が作った
対人間用の有機インターフェイス、一言でいえば宇宙人的な存在であった。

12月18日の早朝、彼女は原因不明のエラーにより世界を改ざんしてしまった。
彼女が望んだ結果かどうかはわからないが、改ざん後の世界では
彼女は普通の女子高生となっていた。

しかしそれ以降、無理矢理に世界を変えたことによる反作用が働きだし、
彼女は世界から排除されようとしていた。

彼女のクラスメイトたちは、なにも好き好んで陰湿なイジメをしているわけではない。
改ざんの反作用を受け、世界の一部として無意識的に行っていることなのだ。

今や世界は彼女を必要としていなかった。

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