涼宮ハルヒの融合1
俺は最近よく夢を見る。普通、夢ってのは起き立てのころははっきり覚えていて、いい夢ならずっと覚えていよう、悪い夢ならすぐに忘れようと思ってしまうわけだが、いい夢だろうがなんだろうが、基本的に数時間経つとアウトラインすらはっきりせず、一日も経ると夢を見たことすら忘れてしまう。でも、最近俺が見る夢は違うんだ。ずっと覚えている。何故か。内容は俺にも良くわからない。ただ、目の前に焦土と化した大地があるだけの夢。歩いて何処かにいくわけでもなく、かといって何かを考えるわけでもなく、ただ、焦土と化した大地を眺めているだけの夢。そこには俺以外の誰も介在しない。ただ、俺と赤茶げた大地だけが在る夢。唯一聴覚のみ開け、耳は悲しげな歌を拾う。どんな歌かは判らないが、心の底から震えてしまうほど悲しげな歌が流れる夢。夢は必ず覚めるもの。だが、その夢だけは、何処か現実的で、覚める気配が全くしそうに無い夢。・・・とはいいつつも、やはり夢なので覚める。奇妙な虚脱感に襲われながら。まぁ、変な夢を見ようが世界はいまだハルヒ中心に回りやがる、そんな日々。
Sing in Silence
~涼宮ハルヒの融合~
気がつけば2年生になってしまっていた究極凡人にして、名前はあるが誰も本名で呼んでくれない悲しき高校生こと俺、キョンである。SOS団なる恐らくこの都市、いやこの世界一奇妙かとも思われる学校非公認団体は、某超能力者団体の息がかかる「自称」悪の生徒会会長からの圧力を受けたり、SOS団並に奇妙な団体から事実上の宣戦布告をされたりしながらも、結成二年目に入ろうとしている。俺やハルヒを含めて皆この一年で色々と変わった。多分最も変わったのは俺だろうが、誰も褒めてくれなどはしない。まぁ、褒めてくれたところでどうなるわけでもないけどな。残念ながら、この学び舎は一年の間に変化を遂げることは出来なかった。来るべき夏に備えてクーラーを取り付ける気配も無ければ、誰かが扇風機を持ってくるような気配も無い。そして、俺の後ろの席がハルヒ以外の誰かになることも、この一年の間遂に無かった。ハルヒのトンデモ能力の所為なんだろうが、迷惑極まりないぜ。そんな人に迷惑をかけることだけを考える生命体こと涼宮ハルヒは、俺の後ろの席でなにやら鼻歌を歌いながらノートに書きなぐっている。授業中なら教師からの叱責等が必要になってくるだろうが、放課後なので特に俺も気にしない。いつもの事だしな。「何描いてるんだ?ハルヒ」なにやらどこぞの前衛ファッションデザイナーが書くような、一歩間違えばセクハラ、いや猥褻物陳列罪で検挙されてもおかしくないようなデザインの服を書きなぐっていた。 いやはや、絵心だけは人一倍、いや二倍はあるようだな。「ナース服やメイド服とかだけじゃ飽き飽きしない?結成二年目に入ったことだし、みくるちゃんにはあたしプレゼンツな服でも着せようかな、と思ってさ」やめとけ。そんなもの着せて朝比奈さんをうろつかせて見ろ。退学どころの話じゃなくなる。全国紙沙汰になるぜ。「そりゃそうだけどさぁ・・・」一年でちょっとは良識を持ったかに思われたハルヒだが、俺の見当違いだったみたいだな。ハルヒはハルヒだ。まぁいざとなったら俺と長門と古泉でとめてやるから、好きにしてろ。
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