第1章-6 unknown encounter
とりあえず、元の世界に帰る方法は今のところないらしい。どうやら、協力してくれるらしく、しばらくSOS団とやらで活動することで話を終え、帰ることにした。
そして、駅まで俺を含めて5人で行ったのだが、ここで重大なことに気づいてしまった。家の一番近くにある駅までの行き方、電車の乗り方がわからない……。だって、仕方ないだろ?初めて来た土地なんだからさー。 格好悪いと思いつつ、背に腹は代えられないので、4人に事情を話し、俺と同じ電車に乗って帰る人を聞いてみた。すると、長門が俺を見て「降りる駅が一緒」それだけ言い、駅の中に入っていく。置いていかれないように、3人に手を振り、必死になって長門に着いていった。 長門は電車に乗っている時も、移動中も本を読んでいた。信じがたいが、宇宙人ってのは本が好きなんだろうか?人間よりも頭がいいはずで、本なんて読む必要はないって思うんだが、間違いだったみたいだな。そのうち、でっかいマンションの前で長門は立ち止まり、俺の顔を一度だけ見て中に入っていった。
周りを見ると、見覚えのある風景。朝の記憶を辿っていき、少し迷ったが家に到着。少し、ゆっくりしよう。今日はとてつもなく疲れた。慣れない電車に乗ったり、全く知らない奴ばかりのクラスで空気になじめないまま授業を受けたり、神経使ったんだぜ。
そして、満身創痍で部屋に入ると……、
「お前、何やってんだ?」「暇つぶし」
なぜかナツキが我が物顔をして俺の部屋でくつろいでいた。 ぐっ、こいつって奴は世界が違っても変わらない……。暇つぶしなら、自分の部屋でやれ。俺は非常に疲れている。「放課後どこ行ったの?」人の言うことを無視して質問すんなよ、何でもねえよ。俺が適当に答えると、ナツキは、とたんに含み笑いをして「長門さんから、本を貸してもらったじゃない?」めざとい奴だ、見てたのか。だけど、それがなんだっていうんだ?もしかして、こいつも異世界がどうとか知ってるんじゃ……
「あたしの勘じゃ、放課後に文芸部の部室に行ったんじゃない?それで、長門さんと……うふふふふ」気持ちの悪い声を出すな。断じて違う。どうやら、何も知らないみたいで、変わった様子はない。頭に花が咲いてるのも、いつも通りだ。「帰りも一緒だったなんてことないでしょうね」おいおい、どこまで勘がいいんだ?まさか見てたんじゃないだろうな。「すごい、適当に言ったことが当たるなんて、今から宝くじでも買ってこようかな。誰が話しかけても無視する美少女の長門さんが、あんたみたいな朴念仁を気に入るなんて世も末ね」 おい、勝手な妄想をするな。それにものすごく失礼なことを言っているぞ。はあ……、涼宮や長門といい、最近の女ってのは話を聞かないもんなのかね。世の中のお父さんは嘆いているぞ。ああ、朝比奈さんだけは例外ですよ。「まあ、よかったじゃん。うまくいくといいね」そんな気の利いたことじゃなく、自体はもっと深刻なのだ。なにしろ、宇宙人に未来人に超能力者だぜ?頭が痛いっての。
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