【トーク】調声方法



ポーランド岡山さんからご寄稿をいただきました。ありがとうございます。以下では編集や追記も加わっていますので、編集前の原文はポーランド岡山さんのブログをどうぞ。


<CeVIOのトーク機能の特徴>

ボイスロイドとCeVIOの違い

同じような機能をもつVOICEROID(ボイスロイド)と特徴を比べてみます。
  • ボイスロイド
    長所…アクセント句ごとに抑揚・高さ・速さの調節が可能で、全体的なイントネーション調声に強く、操作が簡単。
    短所…アクセント句内の一音だけ音を上げるなどの細かい調声は出来ないため、感情表現が平坦になりやすく、工夫が必要。
  • CeVIO
    長所…セリフの感情設定や、アクセント句内の一音ごとの母音・子音を調整する事によって、強調表現や音外しなど、より人間的な話し方が出来る。
    短所…細かく操作が出来る分、調整が難しい。

CeVIOのキャストごとの調声難易度

CeVIOの調声難易度はキャスト(キャラクター)ごとに違います。
いじれるパラメータの少ないすずきつづみちゃんが一番難しく、一番新しいONEちゃんが比較的自然かつ素直に喋ってくれるため調声が簡単です。(個人の感想です)
さとうささらさんは簡単とも難しいとも言えない主人公らしい性能をしていると思います。
タカハシくんに関してはあまり触っていないのでよく分かりませんが、ささらさんと同じくらいか、もしくはささらさんより簡単かもしれません。でも単純にこだわりが無いだけかもしれません。



<調声方法>

1. まず初めに(注意書き)

この解説は(多分)基本的な日本語表現に基づく調声の行い方の解説です。スラングや略語など崩した言葉遣いや方言などの訛りまでは検証していません。
更に言うと日本語表現の解説の様な事もしていますが、専門家でも何でもないので間違った知識の可能性も多分に含んでいます。
そもそも効率的なやり方かどうかも分かりません。
「こうすればいいと思うよ!」「ふーんそっかー」 程度に読んで下さい。
また、基本的に確認はささらさんで行っています。基本的には全てのキャストで通じると思いますが、それぞれ修正は必要になると思います。

操作方法に関しては、CeVIO公式サイトのユーザーズガイドを参照してください。
製品版の全機能が一カ月無料で使用できる体験版が公式サイトからダウンロードできますので、気になる方はそちらでお試しできます。ONEちゃん以外のキャスト全員が使えます。


2. 調声に入る前に(デフォルトの表情設定)

喋らせるキャラクターのイメージを頭の中で固めましょう。キャラとして(CeVIO、もしくはCeVIOが声を当てる対象)として喋らせる場合には、まず どんな声でどんな風に喋らせるか?というイメージ が大事です。
イメージが出来たら、それに合わせてセリフ全体のデフォルトの表情を設定していきましょう(これはボイスロイドでいうところの音声効果の設定にあたります)。
(なお、後からまとめてパラメータを変えられる方法もあるので、慣れるまではとりあえず後回しでも、たぶん何とかなります。)

参考までに、私はデフォルトの表情設定を以下のとおりにしています。(大きさは全員Maxの100にしているので割愛)
さとうささら 速さ55 高さ60 声質45 抑揚50 元気100、普通0、怒り15、哀しみ15
すずきつづみ 速さ55 高さ35 声質50 抑揚75 クール100、照れ25
タカハシ 速さ50 高さ25 声質80 抑揚100 元気0、普通100、へこみ100
ONE 速さ50 高さ60 声質45 抑揚55 感情ゲージはAllMax
ささらさんとつづみちゃんは公式のキャラクターっぽさが出るように、
タカハシくんは唯一の男性トークボイスなので低さを生かした設定に、
ONEちゃんは公式キャラクター設定はほぼないので幼く、純朴で天然っぽく…などをイメージしています。

デフォルトの表情設定を作ったら、適当な名前をつけて プリセットに追加 しておきましょう。


3. 違和感を無くそう

単語内の読み方やアクセントの間違いを直そう

まず、単語の読み方やアクセントの間違いなどを修正してあげましょう(最近は頻繁なアップデートのおかげで誤読は少なくなってきていると思います)。
漢字の読み間違い などは、 単語登録 で漢字自体の読みを修正する、漢字を平仮名や片仮名に入力し直して修正する、別のセリフに言い換えるなど、自分がやりやすいと感じた方法で修正しましょう。
単語内の音の高低(アクセント) は、 単語登録 で修正するか、「 PIT 」のグラフで調整できます。音の高低を自分の耳で調声出来ない場合は、アクセント辞書で調べたりしましょう。ボイスロイドを持っている場合は、そのイントネーションタブのアクセント句の高低を参考にするといいです。

なお、 「てにをは」をきちんとつけたほうが 、アクセントが正確になりやすいです。
「てにをはを省きたいけれど、アクセントがおかしくなって困る…」というときは、てにをはの代わりにスペース(全角でも半角でもOKです)を入れると、うまく行くことがあります(スペース部分の長さはLENで詰められます)。
例:「タカハシ君はジャッジお願いね?」→「タカハシ君はジャッジお願いね?」または「タカハシ君はジャッジ お願いね?」

文章全体の高低の表現をつけよう

次は、文章全体の高低(イントネーション)を調整しましょう。
イントネーションとは、「 文全体の意図する雰囲気や空気 」のようなものです。同じ文章を話すときでも、話し手の意図や強調したい点が異なれば、文章内で高くなる場所が変わります。これがイントネーションです。
日本語は基本的に、語頭が高く語尾が低くと、音が上から下に落ちていきます。そして、文中のある単語を他よりも高く発音する事によって、強調表現を行います。強調表現という言葉にピンと来ない場合は「その文中で大事なポイント」と考えると良いでしょう。
CeVIOでは、 強調したい語句で、高いアクセントになっている母音をさらに高くする ことで、強調表現が出来ます。

例文:「私はあなたが好きだ。」
この場合、アクセント句は [私は][あなたが][好きだ]の三つに分かれます。
どのアクセント句を強調する(大事にする)かによって、文章の意図が変わってきます。
  • [私は]を強調したい場合
    [ワタシハ]のアクセントは[ア]が低く、[タシハ]が高くなる「平板型」なので、[タシハ]の母音、[a i a]のPITを高くする事で強調されます。
  • [あなたが]を強調したい場合
    [アナタガ]のアクセントは[ア]が低く、[ナ]で上がり、[タガ]で再び下がる「中高型」なので、[ナ]の母音、[a]のPITを高くする事で強調されます。
  • [好きだ]を強調したい場合
    [好きだ]も同じ「中高型」なので、[キ]の母音、[i]を上げる事で強調する事が出来ます。
考えるのが面倒だったら、とりあえず音素グラフを見て一番高い音を片っ端から更に高くすれば強調できると思います。多分。


4. さらに自然な表現にしよう

子音の調整

日本語の発音では母音の影響が大きいので、基本的には母音を中心に調整しますが、子音を調整するとさらに多彩な表現がつけられます。
PIT…母音と子音であえて高低差をつけることで自然になることがあります。また、子音を高くすることによって声をひっくり返したり、低くすることによって潜らせたりなどが出来ます。
LEN…子音を伸ばすことによってセリフに溜めを作ったりなども出来ます。

ささらさんの語尾の「だね」の不自然さの処理の仕方

「ね」の子音の「n」のPITを境界線の下くらいまで下げると程よくなります。
お好みで、「ね」の母音「e」のPITやLENをいじるといいと思います。

ONEちゃんの語尾

ONEちゃんの語尾に「?」を付けると語尾がいい感じに上がって可愛くなります。お勧め!

語尾の余韻について

言葉尻が間延びしていると感じる場合は、語尾のLENを少し短めに調節する事で改善できますが、LENでの調節だと音を切ってしまい言葉に余韻が無くなります。
ですので場合によっては、語尾のVOLを少し小さくすることによって余韻を残しながら語尾を短くした方が、自然になることがあります。

「、」の空白の長さについて

CeVIOは読点を挟まずに喋らせると連々と間を入れずに読んでしまうので、間を入れたいところに読点(「、」)を入れます。
ですが、ただ読点を入れただけでは、直前の語尾は間延びしてしまうし、間も大き過ぎてテンポも悪くなります。
そういう時は、①読点の前の母音と②読点で出来た間のLENを短くすることで、改善できると思います。
LENを短くする際は、境界線(音素グラフの色の明暗の分かれる真ん中あたりの線)を目安にするといいです。

無声化について

日本語の文章では、本来母音が発音されるはずの部分で、母音の発声を省略する(喉を震わせない発音しかしない)場合があります。これを無声化といいます。例:「好き」は本来「suki」という発音ですが、「s ki」のように聞こえます。
CeVIOでの無声化は、ボイロの無声化と違い、本来の意味での無声化を差します。要はカ行、サ行、タ行、ハ行、のみ無声化する事が出来ます。
基本的には、無声化が必要な音の母音のVOLを0にすることで無声化できます。
キャラによっては、子音やLENも調整するなどの微修正が必要です。

「はーい」など長音符のつくセリフの作り方

「はーーーーい」などと長音符を連続で入力すると、「はああああい」と認識されてしまい、音が激しく揺れてしまいます。
そこで長音符(「ー」)の使用は最小限にし、LENで音の長さをいじることによって伸ばす音を作ります。
  • 短く「はーい」と言わせる場合
    音素グラフは[haai]となります。二つ目の[a]のLENを伸ばし、[i]のPITが一番高くなるように調節して、二つの[a]のPITの高さが同じになる様に調節するとそれっぽく言ってくれると思います。
  • 長く「はーーーーーーーーい」と言わせる場合
    短く「はーい」と言わせる場合と同じくように「はーい」と入力します。音素グラフも同じく[haai]です。
    一つ目の[a]のLENを上限近くまで伸ばし、二つ目の[a]は0にします。
    あとはPITで[i]が一番高くなるように調節すれば完成です。


5. 感情表現について

音素グラフでもある程度の感情表現は行えますが、セリフの表情設定をいじった方がより簡単に感情表現が行えます。
コンディションや感情設定をいじる際は、既存のプリセット設定が変わってしまわないように、調声用に新しくプリセットを追加したり、メモ帳などに設定を残しておくと良いでしょう。
緊張など、速いテンポを表現したいときは速さを上げたり、非常にびっくりしたりテンションが上がっている表現では高さをMaxに、上の空やロボっぽくしたいときは抑揚を下げて…など、コンディションをいじるだけでも感情表現は可能です。
声質は高くすると声が大人び、下げると声が子供っぽくなります。(0にするとプライバシー保護音声みたいになります)
ささらさんやONEちゃんのように感情バーが豊富な場合は、より豊かに喜怒哀楽の細かい表現が出来ます。

なお、[Alt]キーを押しながら(押してから)パラメータの値を変えると、そのトラック内のそのキャストのセリフ全てについて、変えた後の値になります(他のトラックや、同じトラック内でも別のキャスト(キャラクター)のセリフには影響ありません)。全体的なテンションなどを変えたいときに便利です。
さらに、[Alt]キーを押しながら(押してから)プリセット枠をクリックして選択すると、そのトラック内のそのキャストのセリフ全てに、そのプリセットが反映されます。


6. 最後に

感情表現を含め、細かな調声に関しては、調声している方の感性に左右される部分が大きいと思います。
ですのでこうすれば良い、という正解は存在しません。
頭の中でイメージした自分の理想の可愛い調声を再現するのは、絵を描くように、曲を作るように、そして動画を作るように、非常に困難です。
一行のセリフを自然に喋らせるだけでも、何回、何十回と聞き直し作業が続きます。ずっとやっていると心が折れたりもします。
ですので、調声には根気と、キャラクターへの愛が必要不可欠です。というか創作全般、なんでも根本的に一緒です。
苦痛になる様であれば、自分の楽しめるラインで妥協し、次のセリフの調声を始めるか、途中保存し、一旦ソフトを終了する事をお勧めします。
それが出来ないあなたはCeVIO調声沼にハマってしまった一人です。
ようこそ、CeVIOはいいぞ。



  • ほらほらどんどん書いてこ!! いけいけどんどん!! -- 名無しさん (2016-03-03 17:56:01)
  • 最近手出したけど難しいね -- 名無しさん (2017-05-12 22:34:44)
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