我が名はレイフェル

魔を封じる者

それは邪(よこしま)な存在。触れるものをして正気を失わさせる魔のチカラを持つ。

この世を統べる(すべる)大きな存在。お前たちが神と呼ぶ何者かが私を使ってそれを大剣に封じ込めた。そして、人間はこれをブレインソードと名付けた。

それ以前の記憶はない。私がこの時に生まれたのか、この命を受けたのかは分からない。

ブレインソードは妖刀(ようとう)となった。ブレインソードにまつわるのは血の歴史だ。

ブレインソードが覚醒しなければただの大刀(だいとう)だが、ひとたび覚醒すると、相手の脳裏に地獄の光景を見せ、恐怖により動けなくしてしまう。どんな剛気な英雄や悪人も地にひれ伏し泣き叫ぶ。 生きたまま地獄に落とされた者の哀れな姿は痛みとともに私の記憶に刻まれている。

ブレインソードを手にしたものの多くは人生を狂わされた。いや、狂った人間がブレインソードを手にしたいと思ったのかもしれない。権力者や金持ち、腕に覚えのある剣士たちがこの剣を手に入れようと争った。

が、ブレインソード本来のチカラを使える勇者はめったに現れない。私が見込んでブレインソードを呼び出しても、多くの者は覚醒したブレインソードによって支配された。敵に向かうべきチカラによって自分の精神が支配されてしまう。あるものは狂い、あるものは見境のない殺人鬼となり、果てた。

心・技・体、全てが揃ったものだけがブレインソードのチカラを制御することができる。ブレインソードのチカラを使って邪悪なものを倒し名を残した英雄もいる。

それができた最後の勇者がおまえの祖父だ。ブレインソードを使ってお前の祖父は人々の生活を守った。お前の祖父といた短い時間は私の記憶の中でほんの一瞬の穏やかな時間であった。

主人公「じゃ、なんでじいちゃんはあの時ブレインソードで敵を倒せなかったんだ?」

レイフェル「心・技・体と言ったはずだ。おまえのじいさんは鍛え上げた肉体故(ゆえ)、そのようには見えなかっただろうが、病魔に蝕まれていたのだ。隠していたが、普段の生活にも苦痛を感じるまでに進行していたのだ。あのままブレインソードを覚醒させていたらお前の祖父は、ブレインソードに支配され、死ぬまでの残されたわずかな時間を殺戮を繰り返す悪鬼(あっき)として過ごすことになっただろう。だから私はブレインソードを覚醒させられなかった・・・」

主人公「じいちゃん・・・知らんかった・・・」

レイフェル「おまえはどうする?」

主人公「俺なら使えると思うか?」

レイフェル「今は無理だ。お前は激しやすい。自分の心を制御出来ないものがブレインソードを制御できるはずがない。まず、その燃える復讐心の炎を沈めるのじゃ。私はいつでもブレインソードと共にいる。」









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最終更新:2016年03月30日 13:03