ハルヒ「さあて、キョン!あたしたちで伝説つくるわよ!!」

キョン「都市伝説なら作れそうだな」

ハルヒ「初めて宇宙人や未来人とのコンタクトをとった人として、教科書にのるのよ」

キョン「アホか…。おい長門どう思う?」

長門「…私にふるな」

キョン「……はい」



キョン「あっやべ!
お前んちに財布忘れた」
ハルヒ「え」
キョン「鍵貸してくれ」
ハルヒ「うん」


キョン「……あれ?鍵あわねーぞ?」
ハルヒ「ごめーん!
それ鶴屋さんに借りた「レンタル調教室」の鍵だったー!」
キョン「Σ」



私は何故彼を――キョンを――選んだのだろう?
私が高校生活に求めていたもの、それは決して普遍的ではない非日常の世界。
それを求めてSOS団を創ったし、無口キャラに萌えキャラ、謎の転校生もつれて来た。
私としては私の望む非日常を見つけるための、理想の団を創り上げているつもり。
でもその中の不純物、想定外、普遍的で面白くもない日常世界における一般的高校生の模範ともいえるキョン。
私は何故彼を、日常を非日常に招き入れたのだろう。

私は今まで色々なことをやってきた。
校庭に宇宙人へのメッセージを書いたり、毎日髪型を変えてみたり……
どんなかたちでもいいから、私は日常から抜け出したかった。
折角この世界に生まれたんだから、折角人間として生まれたんだから、
私は何か特別なことがしたかった。特別な存在でありたかった。
そして何時頃からか、頭の中をメリーゴーラウンドのようにぐるぐる回り続ける言葉達。

   私ニハムリ

      諦メナサイ

         普通ノ幸セヲ

でも、もう私はこの生き方を変えることは出来ない。
行けるのなら行ける所まで、進むのなら限界まで。

「やらないで後悔するのなら、やって後悔を」

少し俗っぽい考え方だけど、間違ってはいないと思う。
一度昇り始めた風船は、割れるまで地上に戻ってくることは出来ないのだから。

本当は気付いていた。
何時からかはわからない。
最初からかもしれないし、それはついさっきなのかもしれない。

――私とキョンは、似ている。

似ているなんてものじゃない。
それはほぼ同一の存在、イコールよりもイコールで、合同よりも合同。
重なりあうそのカタチは、まるで鏡に投影された自分自身。
故に、果てなく遠い位置にいるのかもしれない。
合同だからこそ、同一だからこそ、決して混ざり合うことは出来ない。
「1+3=2+2」でも「1+3」は「2+2」ではないように。
自分が、決して鏡の中の自分と出会うことが出来ないように。

私は知りたい、どうすれば自分の望むところにいけるのかを。
私は知りたい、どうすれば自分の望むものになれるのかを。
私は知りたい、どうすれば私は私になれるのかを。

教えて、鏡の中の私。
答えて、鏡の中の私。
この胸に秘めてる願いの、私には辿り付けそうにもない隠された答えを。

真実は虚言であり、虚言こそが真実。
境界の曖昧な薄っぺらな世界でも、信じるものがあるから先に進める。
辿り付けない答えを、私は初めから持っていた。
現実の闇に呑まれそうになっても、信じ続ける理想の光で進むべき道を照らし出そう。
不確かだけど、不鮮明だけど、それこそが答え。
不定形な私自身の、唯一の真実。

現実を超えたところ、そこにある私達の到達点。
さぁ、鏡の向こうの私。一緒に行きましょう?
確かな未来を、つかむために。

――私はあなたを、信じている

~fin~



いつものように退屈な授業を終え、元・文芸部の部室に向かう。
…と、いつもなら絶対に聞こえるはずのない音が部屋から流れて来た。

「…モーターマン?」

何故?いや、まず誰がこんな歪んだ音を文芸部というロックから程遠い場所から響かせているのか…答えを知るために俺はドアを開けた。
そこにいたのは、文化祭以来久し振りに体に不釣り合いなギターを抱えた姿をした人物だった。

「…長門」
長門「…」



ハルヒ「みくるちゃん」

みくる「は、はいぃ!なんですかぁ?」

ハルヒ「今がベストタイミングよ、有希にお茶をこぼすチャンスよ」

みくる「そ、そんなこと出来ないですよぉ」

ハルヒ「いいから、やれ!!」

みくる「は、はいっ」

みくる「な、長門さぁ~ん、お茶でs…きゃあっ!」 ビチャッ 
長門「………」

みくる「す、すいませぇん!」

長門「大丈夫、もともと濡れていたから」

み・ハ「???」



「いっぺん、揉んでみる?」


「いや、揉むほどないだろ」




「……ぺたぺた」



キョン「朝比奈さん、今度の日曜に映画でも観にいきませんか?」

みくる「すいません、私キョン君と遊んでる暇ないんです」

キョン「じゃあ、長門行かないか?」

長門「………」

古泉「じゃあ、僕といきまs…」

キョン「おまえは閉鎖空間にいってろ」

キョン「ハルヒ、映画みにいこうぜ?」

ハルヒ「キョン…、自分の顔を鏡で見てから言いなさいよ」


キョン「今日もかっこいいじゃん俺」



長門「すぅぅぅ・・・。
   まっくろくろすけ 出ておいでぇー!」
がちゃ
キョン「あれ?今日は長門だけか。」
長門「・・・・・・。」
キョン「?」
長門「・・・・・・。」



ハルヒ「♪となりのっトットロットット~ロ」
みくる「♪となりのトットロットット~ロ」
長門「♪となりのっののちゃ~ん」


キョン「違っ!?」
古泉「僕も「ののちゃん」読んでますよ」
キョン「うおっ!?顔近っ!?」


長門「…ユニーク」



ハルヒ「♪となりのっトットロットット~ロ」
みくる「♪となりのトットロットット~ロ」
長門「…子供の時にだけ貴方に訪れる、不思議な出会い」

キョン「トトロがホラーに見えて来たのは、気のせいか…?」



ハルヒ「メイがいないの!私、どうしていいかわからなくて・・・。」
キョン「誰?」
ハルヒ「ノリなさいよ」
みくる「キョンくん、ノリ悪いです」
長門「空気嫁」
古泉「そんなひねくれようじゃ、トトロは現れませんよ?」

キョン「・・・・・・。」



    ガチャッ

キ 「ん、長門。お前だけか?」
ナ 「……」
キ 「ハルヒや朝比奈さんは?」
ナ 「……近所の小売店へ買い物に行ったと思われる」
キ 「そうか、ありがとな」
    バタン

ナ「    ガチャ      」
ナ 「そうそういい忘れてた」
ナ 「何?」
ナ 「今は誰もいないから言うが……俺はお前が好きだ」
ナ 「……!」
ナ 「付き合って、くれるか?」
ナ 「……私という個体も、それを望んでいる」
ナ 「そうか! ……キス、してもいいか?」
ナ 「……了解した」
ナ 「目を閉じてくれ」
ナ 「……んっ」

   ガチャッ
古「おや?長門さんお一人ですか?声がするからてっきり他に誰かいるかと」
ナ「……気のせい」



ハルヒ「妊娠まだかな・・・」
キョン「なに!?」
ハルヒ「いやSS・・・」
キョン「・・・」



長門「………」カタカタ

キョン「ん?何やってんだ?長門」

長門「…解析中」ピッピッ

キョン「何をだ?」

長門「ID」

キョン「なんだそれ?」

長門「今にわかる」ピッ



ハルヒ「みんなが好きな音楽ってなに? ちなみに私は矢井田瞳が好きよ」

キョン「俺はJ‐POPだな、ちょっと古いが19とか」

古泉「僕はクラシックのフーガが好きですね」

みくる「あ、私は合宿曲とか好きです。地平線の彼方に、とか旅立ちの日にとか」

長門「ALI PROJECTの聖少女領域……」

キョン「……」
ハルヒ「……」
古泉「……」
みくる「……」



ハルヒ「今日は平和ね」

キョン「そうだな」

長門「……」

古泉「そうですね」

みくる「そうだね」

ハルヒ「平和っていいわね」

一同「お前が言うな」



ハルヒ 「みんなでキョンを呼んで誰の所に行くか勝負よ!」

……………………………………………

コンコン

「「「「どうぞー!」」」」

キョン 「何やってんだお前ら」

ハルヒ 「キョン、こっち来なさい!来ないと死刑よ!」

みくる 「キョンく~ん、こっち来てくださーい」

古泉 「すいません、こっち来てください。涼宮さんについて大事な話があります。」

ハルヒ 「ちょっと古泉君、それは卑怯よ!」

長門 「えちきにっとからかd、えっつrえったかw?おyせdんあにくさごとこにhさたw」


キョン 「…長門?」



ハルヒ「ひよこぐみしゅっしんすずみやはるひ、ただのにんげんにはきょうみありません。
    このなかにウルトラマン、かめんライダー、プリキュアがいたらわたしのところにきなさい!いじょう」

キョン「じゃあおれウルトラマンな!」

古泉「ぼくはカブトですね」

みくる「わたしはしろいほうね」

長門「黒」


涼宮ハルヒの幼稚園




長門「…ユニーク」
長門「…ユニーク!」
長門「…ユニーク♪」
ガチャ
キョン「お前だけか長門。…何やってんだ?」
長門「パーソナルネームキョンを敵性と判定。対象の有機情報連結を解除する」







長門「という夢を見た」
キョン「…ユニーク」



ハルヒ「ロン!タンヤオのみ!」


2342342345六六六 ロン5


古泉「涼宮さん、それ四暗刻です。」



「貴方に一つ、聞きたい事があるんですよ」
俺の対面に座っている自称機関の刺客こと常備ニヤケ仮面の小泉は俺にそんなことを言ってきた。
俺に聞きたい事? そりゃ誰だって疑問を持つことはあるだろう。
そしてその疑問を解決するためには、"聞く"という行為は非常に有効である。
しかしこれは質問者にとって疑問をかけられている相手が意識を持っていて
なおかつ自分の考えを言語化できる有機生命体にしか効果がないのである。
「ねぇねぇ犬さんなんで尻尾を振ってるの?」といった疑問に「それはね、今僕は嬉しいからなのさ」と質疑応答をこなしてくれるものなどは人間以外には思いつかん。
最近はコミュニケーション用ロボットというものがあるらしいが、
あれは人工プログラムに則った応答しかしてくれないわけで到底人間様には追いつかないだろう。
と、問題は古泉がオレに疑問があることだな。コイツが俺に、ということは俺にしか分からないことだろう。
ありえないことだが、仮に数学の問題が分からない、この生物の名称を忘れてしまった。というものであれば、
わざわざ高校生までの基本知識と今現在増幅中の変態団長問題で脳内キャパシティーが満たされていて
他人の問題を理解し解決法をインストールする容量がない俺なんかより
俺の視界の端に映っている宇宙の膨張速度と同じスピードを出せたり
うっかりしたら超新星爆発並みのくしゃみを出しそうな万能型宇宙人に聞けば早いことである。
あえてそれをしないということは俺の性格や思想、いわば精神的な質問があるということだろう。
もっとも、俺の精神は至って普通だと自負している。
高校生になってから生活は一変とまでは及ばないが、少なくとも変化は絶えないな。
だがそれでも中学生時代までは休日に級友とゲームセンターに行ったり、
友達の家で談笑やゲームというバーチャル戦闘型コミュニケーションツールを通して
さらに友好関係を深めるという至って平凡な生活を送っていた。
普段の生活によって性格が分かる、というのは真理ではないがあながち間違ってもいないだろう。
よって今は少し変わってしまったが、俺は今でも常識的行動と普通の思想をしていると思っている。
常識外な言動や超常現象に慣れる、ということは仕方ないことだろう。というかそうであってほしい。
しかしこの森羅万象を見透かしてそうな憎たらしい目をして「趣味は人間観察なんですよ」とか言っても、
誰も疑問を持たないような心理学者予備軍のコイツでも分からないこととは一体何なのだ。
俺は別にこの赤玉に変身し、よってたかって巨人を集団暴行するような変態超能力者に疑問をかけられることはないと思うのだが
一応俺の寛容な精神はその切実な要望に答える事にしてやった。 して、一体何だ?
「貴方は、何故そんなにくどいのですか?」



手記1

今日のエラーの発生回数、25回。
観察対象Hと鍵Kが私にエラーを発生させる。
言語化出来ない感情?
データベースを検索してもエラーの原因は解明出来ず。

手記2

このままエラーが発生し続けると計算して、Xデーは36日と21時間16分2秒後。
最善を尽くすも今だ原因は解明出来ず。情報統合思念体に掛け合うが回答は得られない。

手記3

雨。カーディガン。彼。そして私。

手記4

うらやましいうらやましいうらやましい
わたしは、どうしててどうして
げんごかできない、どうして
にくい、にくい、いなくなってしまえばいい
かれをわたしのものにしたい
なんでわたしなのなんでかれは
つかれた、もういやだ
かえてやるじゃまするな
みんなきえろ、いなくなれ
かれ、としょかん、わたし
わたしはまつ



ハルヒ「キョン…」
キョン「ん?」
ハルヒ「ボソボソ…」
キョン「何だって?」
ハルヒ「にっ…」
キョン「に?」
ハルヒ「ににんがし…」
キョン「…九九?」
ハルヒ「じゃなくて、に…」
キョン「に?」
ハルヒ「…にんじん!」
キョン「ああうん人参だな、そして殴るな」
ハルヒ「でもなくて、にっ…」
キョン「に?」
ハルヒ「…にんしんした」
キョン「妊娠したのか…!」
ハルヒ「……」
キョン「そっかそっか、男の子かな女の子かな」
ハルヒ「……」
キョン「気分悪いのか?大丈夫か?」
ハルヒ「お前のせいだ!せきにんとれ!」
キョン「確かにそうだけど殴るな!責任とるし!」



長門「………朝比奈みくる」

みくる「な、なんですかぁ?」

長門「…なぜそんなに着替えに時間をかける」

みくる「はぁう、すいません私動きが鈍くて」

長門「…ちがう、下着でいる時間が長い」

みくる「そっ、それは・・・そのぅ」

長門「…それに鍵もかけていない」

みくる「あっ、そそういえばそうですね。うっかりしてましたぁ」

長門「……次に誘惑したら、許さない」

みくる「はいぃぃ!すいませんでしたぁ」

長門「分かればいい」



ハルヒ「さぁ選びなさい!私とキョン、どっちと探索いくの!?」

長門「…彼」
古泉「僕はどちらとでもいいですよ。(もちろんキョン君ですよ、ふふふ)」

ハルヒ「みくるちゃんは!?」

みくる「ふぇ?え、あ、あの、そのぅ…」

キョン「こらこら、落ち着けハルヒ。朝比奈さん、別にイヤならハルヒを選んでもいいんですよ」

みくる「むっ、私もキョン君と行きたいです!」

ハルヒ「じゃいいわよ、古泉君行くわよ!!何よキョンばっかり…」

古泉「ははは、ではまた(閉鎖空間発生しませんように…)」

キョン「…やれやれ」



みくる「ふぇ!キョンくん・・・・・・
   少しだけなら・・・見てもいいですよ」


長門「だめ、あんな淫乱に騙されないで」


古泉「キョンタンのこと考えると・・・僕は・・・・」







キョン「ハルヒ、一緒に帰ろうぜ」
ハルヒ「うん!」


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最終更新:2020年03月12日 00:11