『居眠り』

まったく職員室で説教なんてやめて欲しいよな……ふぅ。まぁ俺の天使様がかわいい声で迎えてくれる場所で癒してもらおう。
コンコン
「……………」
あれ?返事がないな。
コンコン
……ガチャッ
み「静かにして下さい……あ、キョンくん」
キ「いったい何事ですか?」
み「中見て。涼宮さんが体育ではしゃぎすぎたって言って寝てるんです」
確かに今日は機嫌よさそうにはしゃぎ回ってたな……
み「ほんとはキョンくんが来たら起こしてって言ってたんだけど……」
キ「わかってますよ、しばらく寝せときましょう」
み「ありがと、それにしても……」
朝比奈さんがハルヒのほっぺたをプニプニとつついた。
どっかで見た光景だ。
み「こうやって寝てるともの凄くかわいいですねぇ。子猫みたいです、ふふっ」
あなたの笑顔もかわいいですよ。とは言えずにしばらく小声で話していると……

パタン
ん?長門、いきなり本を閉じてどうしたんだ?
長「彼女は2時間13分32秒は起きない。だからもう帰る」
そこまでぐっすり寝てるのか、こいつは。
み「じゃあ今日は解散かなぁ、古泉くんも用事があるって言ってたし」

キ「そうですね、まぁ自然な流れでしょう」
み「そこでなんですけどぉ…キョンくんは涼宮さんが起きるまで……ね?」
必殺の笑顔でそんなこと言われた日にはイエスとしか言えませんよ。
キ「だけど……なんで俺ですか?」
とぼけてみた……が、墓穴を掘った。
み「んふふ~、自分に正直になってくださいね?それじゃキョンくん、また明日!」
長「………ごゆっくり」
おいおい、長門までか。

まぁゆっくりと起きるのを待つか、こいつも起きた時一人だと明日なにしでかすかわからんしな。
キ「しかしまぁ……」
俺は朝比奈さんがしたようにハルヒのほっぺたをプニプニとした。
ハ「ん………スースー」
なんてかわいい顔で寝るんだよ。理性を押さえるのでいっぱいいっぱいだ。
俺は少し離れた椅子に座り、独り言のようにつぶやいた。
キ「お前が好きだ。そんな顔して寝てるお前も全部ひっくるめて好きだ」
……聞こえてやしないだろうがな。
いつか面と向かって言ってやる日が来るかなぁ……とか考えてると、睡魔に襲われ、あっさりと寝てしまった。
 

キ「ん……」
目を覚ますと、ハルヒが立っていた。
ハ「バカキョン!いつまで寝てんのよっ!あたしが寝てたらみんないなくなってるし……」
キ「すまん、伝えるつもりだったが寝てしまった。」
ハルヒは何故かかなり機嫌がよさそうだった。
ハ「まったく、しょうがないわねぇ。一緒に帰ってあげるわよっ」
俺は苦笑いして
キ「ああ、頼むぜ」と言った。
ハ「その前に……っと」
ハルヒが近付いてきたな……と思った瞬間、
キスされた。

ハ「待っててくれたお礼だからねっ!さ、行きましょ!」顔を真っ赤にしてハルヒは歩き出した。

門を出る直前、いきなりハルヒが声をかけてきた。
ハ「ね、ねぇキョン。んっと、実はあんたにほっぺたつつかれた時にあたし起きたのよ……」
キ「…………」
俺は絶句した。
となると確実に俺の告白のセリフは聞こえてたわけだ。ぐあ、ぬかった!
ハ「あ、あたしもあんたが好き……だからさ、もしよかったら…つ、付き合ってよ」
キ「マジか?」
ハ「い、嫌ならいいわよっ!帰る……」
帰ろうとするハルヒを俺は抱きしめて、キスした。
キ「これが答えだ、付き合おう」
ハ「バカキョン………」

それから、俺たちは手をつないで暗い坂道に向かい歩き出した。

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最終更新:2020年03月13日 00:52