涼宮「…ここ、どこなの?」
藤岡「…さぁ、どこでしょうね」
涼宮「…アンタ誰?」
藤岡「…藤岡ハルヒといいます。そういう貴方は?」
涼宮「…涼宮。涼宮ハルヒ」
藤岡「奇遇ですね、名前が一緒だ」
涼宮「そうね」
藤岡「…ここ、何処なんでしょうね?」
涼宮「…どこだっていいわ。…だって」
藤岡「だって??」
涼宮「こんな体験滅多に出来ないわ!今この場を楽しまなくちゃ損じゃない!!」
藤岡「へ?」
涼宮「さぁ!藤岡さん、だったわね?貴方を臨時SOS団のメンバーとして迎えるわ!一緒にこの空間の謎を探りましょう!」
藤岡「(…変な人と係わっちゃったなぁ。もうすぐ夕方のタイムセールが始まるのに、自分は一体何やってんだろうorz)」

涼宮「…ダメね、どこにも出口らしき場所が見当たらないわ」
藤岡「でも絶対に出る事は出来ると思います」
涼宮「そうね。もう随分と長い時間ここにいるけど、一向に空気が薄くなる気配が無い。それはつまり」
藤岡「どこからか空気がこの空間内に入っている。もしくは空気を作り出している『何か』がここにあるという事ですね」
涼宮「ご名答。でも一通り調べ上げたけれど、それらしきモノはどこにも無かった」
藤岡「…まぁ、ここって出口が無い以外は完璧に居住空間としては最適なんですけどね」
涼宮「…確かにお風呂やトイレ、ご丁寧にベッドやソファーまであるなんてね。…何の目的で閉じ込めたのかしら?」
藤岡「考えたって今は分かりませんよ」
涼宮「そうね。…ねぇ、藤岡さん」
藤岡「はい?」
涼宮「お腹空いたと思わない?w」
藤岡「…はいw」

涼・藤「「せ~~のっ、じゃんけんポン!」」

涼宮「じゃあ、夕飯の準備よろしく~w」
藤岡「…はい。分かりました」

涼宮「問題が一つ出来たわね」
藤岡「はい」
涼宮「何でベッドがキングサイズの一つしか用意されてないの?」
藤岡「…予算の問題じゃないですか?」
涼宮「そんなの知ったこっちゃないわ。乙女が二人いるのに片方がソファーなんて在り得ないでしょ」
藤岡「…涼宮さん、僕が女の子って気付いていたんですか?」
涼宮「何言ってるの?そんなの一目見たら分かるじゃない」
藤岡「いえ、学校では男の子によく間違われるんで」
涼宮「…貴方を男の子と勘違いする人は、よっぽど馬鹿か鈍感な人なんでしょうね」
藤岡「…そんな人に心当たりがあるんで、否定は出来ませんねw」
涼宮「(そういう笑い方、凄く可愛いのに…)」
藤岡「どうしました、涼宮さん?」
涼宮「何でもないわ。…今日は一緒に眠らない?別に女の子同士なら問題は無いでしょ」
藤岡「はぁ、まぁ、涼宮さんが良いなら全く構いませんけど」
涼宮「よし、決まり!wじゃあ先にお風呂入ってくるわね!」
藤岡「はい。いってらっしゃい」
涼宮「~~♪~~♪」
藤岡「(…何だろう。涼宮さん、ちょっと楽しそうに見えるんだけど?)」

涼宮「気持ち良かった~w藤岡さんもお風呂入って来たらどう?」
藤岡「はい。じゃあお言葉に甘えてw」
涼宮「いってらっしゃい」
藤岡「はい」

藤岡「(…そういえば、こんな風に同姓と接する事って今までの人生であったかなぁ?)」

藤岡「確かに良いお風呂でした。…ちょっと豪華すぎてくつろげなかったけど」
涼宮「まぁ確かに無駄にだだっ広い浴室だったわねw」
藤岡「自分の家のお風呂って結構狭いから、違和感の塊でした」
涼宮「www」

涼宮「もう今日は眠りましょう。さ、おいで。藤岡さんw」ポンポン
藤岡「そんな風に布団叩いて待ってなくてもいいですよ。…じゃ、失礼します」
涼宮「…藤岡さん」
藤岡「はい?」
涼宮「…団長と団員のコミュニケーションは必要なんだからね。もうちょっと近づきなさいよ」
藤岡「…了解しました」

涼宮「そんでキョンが超が付くくらいの馬鹿で鈍感で…!」
藤岡「へぇ。その『キョン』って人は、何でしたっけ、SOS団とやらの団員なんですか?」
涼宮「そうよ。不本意ながら入れてやったの」
藤岡「あの、一ついいですか?」
涼宮「何?」
藤岡「その『SOS団』って何なんですか?」
涼宮「ああ、そういえば説明してなかったわね。…SOS団、それは!(割愛」


藤岡「なるほど。かいつまんで言うと、『世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団』って意味だったんですか」
涼宮「そう、あらゆる謎に私は会いたいの!」
藤岡「へぇ。大変ですねぇ」
涼宮「何言ってるの、臨時団員!今回は私と貴方しか当事者は居ないのよ!今この場を楽しまなくてどうするの!?」
藤岡「僕は別に平凡に生きていたいんですよねぇ…」
涼宮「刺激が無い生活に張り合いなんて無いわよ!もっとこう何か宇宙人とか、未来人とか、超能力者とかいないのか疑問に思わない?」
藤岡「静かな生活も良いもんですよぉ。日に照らされながら縁側で飲むお茶とか僕は結構好きですけどねぇ」

涼宮「…アナタ、ちょっぴりキョンに似ている気がするわw」

その頃・・・

・・・

古泉「規格外の閉鎖空間がどこかで発生したみたいです」
キョン「また例のデカブツが暴れてるのか?お前らも大変だよな」
長門「…違う。今回のは今までとはパターンが別」
キョン 「…どういう事だ?」
長門「…涼宮ハルヒ本人が閉鎖空間に隔離された」
キョン 「!!!」
古泉「我々機関の方も居場所の特定に全力を挙げて取り組んでいるのですが、ステルス性が強すぎます。長門さん、貴方の方はどうですか?」
長門「駄目。座標の目測すらつかない」
キョン「何だよそれ…。ハルヒは、ハルヒは無事なのか!?」
古泉「…それすら、不明なんです。しかし世界の均衡が保たれているということは無事なんでしょう」
キョン「(畜生。何で閉鎖空間なんか発生させちまったんだよ、ハルヒ…。頼むから、どうか無事でいてくれよ)」

その頃・・・

須王「うおおぉぉぉーー!!どこだぁぁーー!!ハ~ルヒ~~!!」
鳳 「少しは落ち着け。今どうにかして探している最中だから。お前の方も最善は尽くしているんだろう?」
須王「父さんがぁぁ~~!父さんがどれだけ心配していると思ってるんだぁぁー!!」
鳳 「いいから深呼吸だ。乱れた精神だったら考える事柄が全くまとまらないぞ」
須王「すぅ~、はぁ~」
鳳 「よし、落ち着いたか?」
須王「ハぁ~ルヒ~~~!!!!!!」
鳳 「息継ぎ代わりだったのか!?」
光馨「「ダメだこりゃ」」

・・・・・・・

涼宮「…てな事でSOS団の団員は集まったの」
藤岡「へぇ。なんだか楽しそうですね」
涼宮「うん、正直楽しいわw別段不思議な事って特に無かったけど、少なくとも中学の頃より断然毎日が楽しい」
藤岡「良かったですね」
涼宮「…藤岡さん、貴方は毎日楽しい?」
藤岡「??」
涼宮「何でもない。聞いてみただけだから気にしないで」
藤岡「…まぁ、楽しいですよ。変な人たちに囲まれてるけど、皆良い人だから一緒に居てちょっとくらいは安らぎます」
涼宮「…そう。ならいいわwねぇ、藤岡さん。私ちょっとだけ貴方に興味が湧いたわ!何でもいいから色んな事話して頂戴!」
藤岡「え、ええっと…。突然何を言い出すかと思ったら、そんな事言われても…」
涼宮「もしかしたら団員が不思議を持ってたりするかも知れないでしょ!まぁ、兆に一つの可能性だけど…
  とにかく!これは団長命令よ!思い出とか自分の趣味とかでも良いから何でも話しなさい!」
藤岡「う~ん、そうですねぇ。実は一度食べてみたいものが自分にはあって、それに関する話なんですけど…」

涼宮「なるほど、何かと苦労してるのね…」
藤岡「いえいえ、もう慣れちゃいましたから…」
涼宮「(この子、何だか渋い哀愁が漂うわね…)」
藤岡「でも、涼宮さんがそんなに笑うってちょっぴり意外でした」
涼宮「そう?」
藤岡「難しそうな顔が初めて見た顔だったからですかね?あんまり笑うイメージが無かったんです」
涼宮「藤岡さんはあんまり表情変えないのね。最初に会った時とおんなじ顔してる」
藤岡「そうですかね?」
涼宮「(なんか、中学時代の自分を見ているみたい…でも、あの頃はもっと固い顔してた気がする)」
藤岡「(なんか、小さい頃の自分って涼宮さんみたいに笑ってたような気がするな…)」

涼宮「ふわぁぁ~~~・・・ちょっと眠くなってきたわね」
藤岡「そうですね。じゃあそろそろ電気消しますか」
涼宮「ん、お願い」
藤岡「分かりました」 カチッ

涼宮「…想像以上に真っ暗ね」
藤岡「そうですね、結構暗いですね」
涼宮「…何か雷が落ちた後の停電みたいでちょっと楽しいかもw」
藤岡「…自分はちょっと勘弁してほしいかも」

ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・

涼宮「ん?外って雨が降ってるのかしら?」
藤岡「…」
涼宮「でも外の状況が分かるだけでも大した収穫だわ。そう思わない?」
藤岡「……」
涼宮「藤岡さん?」
藤岡「………」
涼宮「藤岡さん、そんなに裾引っ張ったらパジャマが伸びちゃう」
藤岡「………スイマセン」
涼宮「もしかして、雷苦手?」
藤岡「…………」コクン
涼宮「ハァ~、ったく、仕方が無いわね。ホラ、こっちに来なさいよ」
藤岡「………スイマセン、じゃ、ちょっとだけ」
涼宮「いいわよw団員を守るのも団長の務めだからねw」

藤岡「スイマセン、こんな風にくっついちゃって」
涼宮「いいってばw」
藤岡「小さい頃から雷苦手で、結局克服出来ないままなんです」
涼宮「…確か『夜は留守番ばっかりだった』って言ってたけど、その時はどうしてたの?」
藤岡「別に。毛布かぶって鳴り止むまでずっと待ってました」
涼宮「…一人で?」
藤岡「はい。独りで」
涼宮「………」ギュッ
藤岡「…涼宮さん、ちょっと苦しい」
涼宮「アンタ、今は一人じゃないからね。私がいるから。何かあったらちゃんと団長に報告する事。我慢は無し。いい?これは団長命令よ!」
藤岡「…はいw」
涼宮「よし!なかなか良い返事じゃないw」
藤岡「…へへw」
涼宮「私は普段台風とか来たら喜ぶ性質なんだけど、今日くらいは晴れて欲しいわ」
藤岡「出来れば雷止んでほしいですね」
涼宮「そうね、止んだらいいわねw」

涼宮「…急に静かになったわね」
藤岡「…そうですね、雨音も急に消えましたね」
涼宮「この時期に通り雨?これも中々不思議な体験ね」
藤岡「確かに冬の通り雨ってあんまり聞いた事ないです」
涼宮「これは帰ったらSOS団の皆に伝えなくちゃ!!」
藤岡「……あふぁぁ~~」
涼宮「またえらく可愛らしい欠伸ね」
藤岡「スイマセン、安心したら眠気が…」
涼宮「…私も実は結構眠いのよね。もう寝ましょう」
藤岡「はい。じゃあ涼宮さん、おやすみなさい。」
涼宮「うん、おやすみ」
藤岡「それと」
涼宮「??」
藤岡「ありがとうございました。……じゃあ、今度こそ寝ます」
涼宮「…別にいいって言ってるのに///」

藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「藤岡さん?」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「寝た?」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「…寝たかな?」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「私ね、こんな風に同年代の子と二人っきりで話す事って無かったの。もちろん泊まりこみなんて論外だった」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「もしかしたら、こういうのに無意識に憧れていたのかも知れない。昔の自分じゃ考えられないけど」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「こんな心境の変化も、きっとSOS団の皆のおかげなのかも」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「貴方はそんな私の、憧れみたいな『無意識の何か』を叶えてくれた」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「礼を言うなんて全然ガラじゃないけど、寝ている相手に言うんだったらノーカンよね」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「…私がこんな事言うなんてレアなんだからね。聞き逃した事を夢の中で後悔しなさい」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」
涼宮「ありがとう、藤岡さん。そんで、おやすみっ!w」
藤岡「・・・zzz・・・zzz」

その頃2・・・

・・・

長門「…キャッチ。涼宮ハルヒの閉鎖空間が存在している事が確認された」
古泉「詳細は?」
長門「解除しかけたのが一瞬だったので、位置も把握不可。大した情報は無い。…だけど」
キョン 「だけど?」
長門「涼宮ハルヒ以外にもう一つの生命反応がある。固体識別。『藤岡』と判断された」
キョン 「何っ!そいつは一般人なのか!?」
長門「恐らく。『もう一つの生体』はイレギュラーと判断された。あらゆる意味で想定外」
キョン「こんな大変な時期だってのに…古泉!!お前は何悠長にメールなんてしてるんだよ!!」
古泉「いえね、知り合いに少しだけ詳細を伝えておこうと思いまして…」


須王「ハルヒ~~!………心配すぎて何かノドが痛くなってきた」
鳳 「それはお前が叫びすぎだからだ…」~~♪~~♪
鳳 「ん??…なるほどな。おい、環」
須王「どうした!何か分かったか!!」
鳳 「ああ。ハルヒの安否だが、(多分)大丈夫との報告が入った。詳細はしばらく待ってほしいとの事だ」
須王「そうか!!良かったぁ~~!良かったぞぉ~~!!!……ゲホゲホ、ゴホゴホ…」
光馨「「だめだこりゃ」」

・・・・・・



冒険でっしょでっしょ~♪ホ~ントが~♪(アラーム音)
涼宮「う、う~ん…よく寝たぁ」

kiss kiss fall in love♪maybe~♪(アラーム音)
藤岡「ふわぁ…おはようございます、涼宮さん」

藤岡「じゃあ朝ごはん作ってるんで、先に洗顔どうぞ」
涼宮「ありがとw流石は我がSOS団団員!団長に気を配るのは良い心がけだわ!」
藤岡「ほらほら、早く行かないと自分が朝ごはん作る方が早くなっちゃいますよ」
涼宮「うっ、分かったわよ。さっさと朝食を食べてココから出る方法考えましょ」
藤岡「了解です」

涼宮「ふ~っ、サッパリしたわ!ホラ、藤岡さんも顔洗ってきなさい!お味噌汁くらいなら作っておくから」
藤岡「じゃあ、お願いします。味噌は…」
涼宮「赤味噌でいい?」
藤岡「…はいw」

藤岡「じゃあ、食べましょうか」
涼宮「そうね、お腹も良い感じに空いたわ。じゃあ、」

ハルヒ「「いただきます」」

涼宮「うん、おいしいじゃない!…ガツガツ…これはもう既に主婦のレベルね!…ガツガツ…」
藤岡「そう言ってもらえると嬉しいです。…モグモグ…この味噌汁もかなりのモノですよ…ゴクゴク…」
涼宮「な、何言ってるの!…ガツガツガツ…団長なんだから当たり前じゃない!…ガツガツガツ…」

藤岡「はい、涼宮さん。お茶ですよ」
涼宮「うん、ありがと。…美味しいわね、誰かと食べる朝食って」
藤岡「そうですね。自分も久しぶりに誰かとご飯を食べるんで、ちょっと楽しいです」
涼宮「この団長と一緒にご飯を食べているのよ!本当はありがたい事なんだからね!」
藤岡「…そうですねw全くですw」

涼宮「…今頃キョンはどうしているのかしら?」
藤岡「ああ、例の団員さんですか」
涼宮「…ちょっとくらい、心配してくれてるのかな?」
藤岡「…会いたいですか?」
涼宮「なっ、ちょ、馬鹿じゃない!?何でアイツなんかに会いたいとか思わなくちゃいけないの!?」
藤岡「声、裏返ってますよ」
涼宮「ひぇっ!?」
藤岡「…フフッw」
涼宮「や、ちょっと、誤解しないで!ただ不意を突かれただけで、別に他意とか無いから!」
藤岡「了解ですw」

・・・

キョン「(ハルヒ、大丈夫だろうか…いや、それよりも一緒にいる『藤岡』とやらは大丈夫なのか?)」
古泉「…どうしました?難しそうな顔して」
キョン「いや、一緒に居る人はきっと疲れてるんだろうなと思ってな。あのハルヒ相手にどこまで我慢が効くだろうか…
  言い争いとか、喧嘩とかしてないだろうな。何か凄く不安だ…」
古泉「お父さんみたいですねw」
キョン 「言ってろ」
古泉「勝手な憶測ですけど、案外上手くやってたりするかも知れませんよ?w」
キョン「…だったら良いんだけどな。まぁハルヒじゃなくて藤岡さんとやらの方が俺は心配だ」
長門「…ツンデレ」
キョン 「ん?」
長門「…何でも無い」

・・・・・・

涼宮「じゃあ藤岡さんは誰かに会いたいとか無いの?」
藤岡「そうですねぇ…別に無いです」
涼宮「何て言うか、ドライねぇ。頭の中に浮かんできたりしないの?」
藤岡「いや、別に…ああ、いや、一人浮かんできました」
涼宮「ホラ!やっぱり居るじゃない!」
藤岡「う~ん。いや、何というか、確かに心配はしてくれているんだろうけど、ベクトルが違ってそうな人が…」
涼宮「……何ソレ?」

・・・

須王「ハルヒぃ~~~!!H・A・R・U・H・I~!!」
ボサノバ「何か映画のタイトルみたいに叫んでるんスけど、放っといて良いんすか?」
鳳 「もうどうしようも無いから、放っとくのが最善の手段だろう」
ハニー「でももう、かれこれ数時間はあの調子だよ。ハルちゃんに聞こえてそうなくらいのシャウトだよねw♪」
鳳 「(アイツの体力、もうちょっと別の部分に活かせないか検討しておくか…)」

・・・・・・・

涼宮「…ヒマね」
藤岡「…そうですね。勉強道具も本も無いから、何にも出来ません」
涼宮「とりあえずテレビでも点けてみましょう」ポチッ

藤岡「うわぁ、何か懐かしいですね。N○Kって凄く久しぶりに見る気がしま……す」
涼宮「(輝くような瞳)」
藤岡「あ、の?涼宮さん?まさか…」
涼宮「藤岡さん!!コレ!コレ作りましょう!!」
藤岡「ピタゴ○スイッチですか…意外と面倒なんですよ、作るのって」
涼宮「いいから制作始めましょう!退屈は神様をも殺すのよ!」
藤岡「じゃあ神様が退屈するたびに世界は危機に陥りますよ…」
涼宮「そんなツッコミは置いといて、さぁ!作るわよ!」

三時間後、少し見上げなければならないほどのタワーが出来上がった

藤岡「これはまた何と言うか…」
涼宮「予想以上の大作になったわね♪上出来よ、藤岡さん!w」
藤岡「はぁ、恐縮です」
涼宮「では、ビー玉転がすわよ!それっ!!」

綺麗に仕掛けをクリアして行き、最後の仕掛けにより爪楊枝と方眼紙で作られた簡素な旗が立った
そこには『祝!SOS団新メンバー加入!!』と書かれている

藤岡「涼宮さん、これって…」
涼宮「藤岡さん、貴方を正式に団員とします!
  学校が違うから特別枠だけど、ここから出てもたまにはSOS団の活動に参加する事!良い!?」
藤岡「…はいwわざわざありがとうございます」
涼宮「うん!いい返事ね!…だから、頑張って脱出しましょう」
藤岡「了解です、団長」

・・・

その頃の外界

キョン 「…ちょっと外で空気吸ってくる」
長門「…私も行く」
キョン「いや、スマン。ちょっと一人になりたいんだ。心配してくれたんだろ?ありがとな、長門」
長門「…別に、いい」
古泉「出かける際は気を付けて」
キョン 「そうだ、古泉」
古泉「どうしました?」
キョン 「朝比奈さんはどこに行ったか知ってるか?」
古泉「(両手を軽く上に向ける)いいえ、知りません」
キョン「そっか、分かった。何かあったら連絡を頼むぞ」
古泉「…貴方の散歩の行き先は?」
キョン 「そうだな…」

須王「ノド痛い…少し外で休んでくる」
鳳 「俺もついて行こう。お前フラフラで少し危なっかしいからな」
須王「おぅ、スマンな」
鳳 「で、どこまで出歩くんだ?」
須王「そうだな、適当にぶらついて頭でも冷やしてみるよ」
鳳 「賢明な判断だな。で、どこまで行くんだ?」

キョン・環「近場の公園にでも行ってみるよ」

・・・・・・・

涼宮「また夜が来ちゃったわね」
藤岡「そうですね、とりあえず夕飯の支度ははどうします?」
涼宮「…ここは公平にじゃんけんで決着をつけましょう!」
藤岡「はぁ、まぁいいですけど」
涼宮「じゃあ行くわよ!」

涼・藤「「せ~~のっ、じゃんけんポン!」」

涼宮「じゃあ、夕飯の準備よろしく~w」
藤岡「…はい。分かりました(デジャヴかなぁ?)」

・・・

キョン 「ハルヒ、何してるんだろうな…」

ブランコに揺られながら軽く溜め息をつく
騒がしいヤツも居なければ居ないで淋しいもんだ
何となく頭に浮かぶのは、いつも団長席で楽しそうに笑っている顔
今は大丈夫なのだろうか、泣いてないだろうか
特に意味は無い事を知りながら、地面に小さくハルヒと書いてみる

キョン 「(気持ち悪い奴だな、俺)」

足で消そうとしたが、様々な件に係わって以来、こんな些細な事が何らかの事に繋がる可能性があるのを知った
どうかハルヒを知っている人がこれを見てくれますように
そんな祈りにも似た淡い願いを落書きに託して、キョンはその場を後にした


そして10分後、確かにハルヒを知る者が落書きを目にした


須王「お、おい!この落書き見てみろ!『ハルヒ』って書いてあるぞ」
鳳 「…本当だな。」
須王「まさかこの辺りにハルヒがいるのか!!ハルヒ!ハ~ルヒ~~!!!」
鳳 「再発したか!ええい、誰だ!こんな迷惑極まりない落書きを書いた奴は!!」


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最終更新:2007年01月28日 09:10