さて、いきなり自分の不明を述べる、というのも
なかなか気が引けるものですが。
あの時の僕が油断をしていた、というのは端的な
事実でしょうね。いつも通りにつつがなく
不思議探索パトロールが終了して、少しばかり
気が抜けていたというのは、はい、単なる言い訳です。
 
僕個人としては、むしろあの時の彼の果断が傑出していた、と
主張したい所なのですけれどね。ふふ。


 
この日、恒例の定期パトロールを終えた我々SOS団一行は、
駅への道のりを歩いていました。
先頭は長門さん、その後に涼宮さんが朝比奈さんに絡みつつ続き、
呆れ顔の彼と僕が最後に並んでついていく、という
順番でしたね。
ええ、まったく普段通りの光景でした。あの時までは。
 
「ん、メールだわ。母さんからかな?」
 
ピリリピリリと響いた音に、涼宮さんが歩きながら
Gジャンの胸ポケットに手を入れました。しかし手が滑ったのか、
彼女は取り出しかけた携帯を、道に落としてしまったのです。
 
「あっ、このっ…」
 
当然ながら携帯を拾おうと、涼宮さんは身を屈めます。ところが
間の悪い事に、横に跳ねた携帯は車道側へ転がっていき、
それを追って涼宮さんは前に踏み出しました。
その、次の瞬間です。
僕の隣に居たはずの彼が、驚嘆すべき速さで涼宮さんを横倒しに
路上に押し倒していたのは。
 
それは一瞬、長門さんが例の瞬間移動を行使したのかと
錯覚する程のスピードでしたね。
そうして、もつれて倒れこんだ二人のすぐ横を、白のセダンが
通り抜けて行きます。すぐにセダンは急停車して、
サラリーマンと思しき背広の男性が、慌てて駆け寄ってきました。
 
「だ、大丈夫ですかっ!?」
「ええ…すみません、こちらこそ…」
 
応じながら、彼が身を起こします。涼宮さんをかばうように
倒れこんだ彼がスリ傷程度で済んだのですから、
もちろん涼宮さんにも大きな外傷はありません。ですが、
ちょっとした放心状態のようですね。
 
「え…? キョン、あたし…?」
「なにボーッとしてんだ! お前、車に轢かれかけたんだぞ!?」
 
そんな彼女を、彼が大声で叱りつけます。そう、涼宮さんは
後方から迫っていたセダンに気付かず、
あやうく撥ねられてしまう所だったのです。
朝比奈さんなど、まるで自分の事のように顔面蒼白になって
震えていますね。かく言う僕も、正直肝が冷えました。
長門さんは…じっと二人を見ていますが、残念ながら僕には
彼女の表情の変化は測りかねます。
 
と、彼はいきなり涼宮さんのGジャンの後ろ襟を引っ掴むと、
自分共々、サラリーマン氏に頭を下げました。
 
「すみません。このバカがいきなり車の前に飛び出したりして」
「ちょっ、何よ、キョン!? このあたしをバカ呼ばわり…」
「うるさい! いいから、謝れ!」
 
反論しかけた涼宮さんを彼は逆に一喝し、強引に頭を下げさせます。
その剣幕に、むしろサラリーマン氏の方が恐縮していました。
 
「あのう、事故にはならなかったようですから、そうまで
して頂かなくても。こっちも不注意でしたし…」
「いえ、今のは完全にこちらの落ち度です。ご迷惑をお掛けして
本当にすみませんでした」
 
そう言って、彼は再び深々と頭を下げます。結局、双方ともに
実害は無かったという事で、この場は収まりました。
一応、男性の身なりと車のナンバーは記憶に控えておきましたが、
おそらくは本当にただの偶然による事故未遂でしょうね。
 
セダンが走り去ったのち、僕は足元に転がっている物体を
拾い上げました。
涼宮さんの携帯です。その成れの果て、と言った方が
正しいでしょうか。タイヤに轢かれたそれは見事にひしゃげ、
液晶画面も粉々に砕けていました。
苦笑しながら、僕は涼宮さんにそれを差し出します。すると彼女は、
非常に憤懣を湛えた顔でこれをつまみ上げました。
 
「あーあ、もうボロボロね。古泉君、これ、データとか
吸い出せないかな?」
「厳しいでしょうね。ソケット部分が大丈夫なら万が一という事も
ありえますが。まあ、ダメ元で試してみ…」
 
そう僕が言いかけた所で。横合いから伸びてきた手が涼宮さんから
携帯を奪い、そして、地面に叩きつけました。
こんな事をするのは、ええ、ただ一人ですね。肩を大きく怒らせた彼は、
見た事も無いような憤怒の表情を涼宮さんに向けていました。
 
「何が、データだ…ふざけんな、バカ野郎!!」
 
叫ぶなり、彼は涼宮さんの携帯に向かって、さらに片足を
踏み降ろします。ふう、これはトドメの一撃という奴ですね。
もはや修復など望むべくもないでしょう。
 
彼のあまりの険相に、朝比奈さんは見るからに怯えた様子で
長門さんの後ろに縮こまっています。涼宮さんは
しばらく呆気に取られていましたが、すぐに彼の襟元を
掴み上げました。
 
「な、何すんのよ、キョン! あたしの携帯に…」
「何するの、じゃないだろうが! まだ分かってないのか、
下手すればお前自身がこうなってたんだぞッ!?」
 
涼宮さんの威勢を物ともせず、彼は自分の足元を指差します。
そこには『残骸』としか表現しようのない物体が、
無残な姿をさらしていました。
そう、つい先程まで立派な携帯電話だったはずの“それ”は、
いまや単なる無機物に成り果ててしまったのです。
 
ごくり、と息を呑む音が聞こえます。さすがに意気消沈した様子の
涼宮さんに向かって、彼はさらに畳み掛けました。
 
「不注意も大概にしろ! 今日はたまたま運が良かっただけだ!
こんなつまんない事でくたばりたいのかよお前は!?」
 
彼の言い分はもっともです。普通の女性なら、しおらしく
うつむいてしまう場面でしょうかね。
しかしながらやはりというか、涼宮さんはそんなおとなしい人物では
ありませんでした。
 
「何よ、何が『運が良かった』よ!?
あたしは携帯落として、壊されて、車に撥ねられかけて、あげくに
あんたに突き倒されたのよ!
服だって傷だらけになっちゃったし。それの何が運が良いって!?」
「つくづくバカだなお前は! 携帯や服なんざ幾らでも
取り返しが利くだろ! 命よりそんな物が大事だってのか!?」
「分かってるわよ、そんな事! でもだからって、なんであたしが
こんなに怒鳴られなきゃなんないの!?
もう少しくらい…や、優しい言葉を掛けてくれたって…」
 
おやおや。なるほど、それが涼宮さんの本音でしたか。
けれども残念ながら、女性の機微にはどうも疎い彼には、その想いが
伝わりかねているようですね。急にしょんぼりしてしまった
涼宮さんに、彼は怪訝そうな表情を浮かべています。
 
「あのなあハルヒ、何度も言うようだが、俺はただ…」
 
と、説法らしき言葉を口にしかけた所で、彼の体に
異変が起こりました。
涼宮さんを正面から見下ろしていたはずの彼が、突然、がくりと
崩れ落ちてしまったのです。
 
「う、あ…?」
 
道路に両膝を着き、それでもバランスを保てず後ろに倒れこんだ
彼は、べたりと尻餅を着いてしまいます。
この事態に、朝比奈さんが大慌てで彼の元へ駆け寄りました。
 
「だだだ、大丈夫ですか、キョンくんっ!? やっぱり、さっき
どこかにぶつけてたんじゃ?」
「い、いや、そんなハズないですよ。どこにも痛みは無いし。
ただ、なんだか足に力が入らなくって…」
 
彼自身、立ち上がろうと努力をしているようですが、小刻みに
足が震えるだけで、どうにもままならない様子ですね。
と、僕のシャツの肘の辺りが、くいっと後ろに引かれました。
 
「長門さん?」
「…彼は一時的な心身の消耗、いわゆる『腰砕け』の状態。車を
調達すべき」
「ああ。はい、承知しました」
 
僕だけに聞こえる声量で、彼女は簡潔に用件を伝えてきます。
少々味気なくはありますが、こういう時には
応対方法が明快で助かりますね。
僕は早速、自分の携帯から『機関』に出動を要請しました。


 
という訳で現在、僕と彼は新川さんの運転する車の後部座席に
並んで座っています。
涼宮さんはよほど同乗して来ようとしましたが、僕が
 
「すみませんが、ここはご遠慮願います。親しい女性には
あまり見せたくない姿でしょうから。
彼の男心を、どうか察してあげてください」
 
と小さく耳打ちすると、彼女は渋面を作りながらも
引き下がってくれました。幸いにして、涼宮さんの方には
ケガらしいケガもありませんでしたし、後の事は
朝比奈さんと長門さんにお任せしましょう。
僕としては当座、こちらの方が対処すべき問題でしょうし。
 
「さて、どうします? 涼宮さんにご説明した通り、
まっすぐ病院に向かいますか?
『機関』の支援のある施設ですから、治療費の心配なら
要りませんよ」
「大げさだな。長門の話じゃ、あくまで一時的な症状なんだろ、
こいつは。時間を置けば治るさ」
 
貧乏ゆすりのように膝をカタカタ鳴らしつつ、憮然とした表情の
彼は、窓の向こうを眺めたままでそう答えます。
見るからに意地を張っているその様子に、僕はついつい
苦笑してしまいました。
 
「まあ、そう落ち込まないでください。言うなればこれは
名誉の負傷ですよ」
「みっともなく腰を抜かして、何が名誉だよ」
「いえいえ。先程のあなたの行動は、まさしく感嘆物でした。
お世辞抜きで、常人の域を遥かに超えた動きでしたよ。あれは
いわゆる火事場の馬鹿力的な爆発力だったのでしょうね」
「その反動が、コレか」
 
パシンと、彼は意のままにならない自分の足をはたきました。
 
「ええ、ほんの数瞬で全力を出し切ってしまったために、一時的な
脱力状態に陥っているのでしょう。
いやしかし、世が世ならノーベル平和賞を差し上げたくなるような、
それほど見事な行為でした」
 
まったくもって偽りなく、僕は彼を賞賛したつもりだったの
ですけれどね。彼は僕を一瞥すると、ふん、と再び不機嫌そうに
窓の外を見やってしまいました。
 
「別に、誰かに褒められたくてした事じゃねえよ」
 
彼の常套句を借りるなら、やれやれ、といった所でしょうか。
まあ、彼が不機嫌な理由も理解できるのですが。
 
「お気持ちは分かりますが、涼宮さんへの応対は
もう少し考えてください。あそこまで喧嘩腰になる必要は
なかったはずです。
死に直面した恐怖に飲み込まれないために、涼宮さんが
強がっていた事くらい、あなたにも分かっていたでしょう?」
「ああ、分かってたさ。だがな、あんな物言いされて
落ち着いていられるかよ!?
あんな…自分の命を安売りするような物言いしやがって…。
大体あいつは、くそっ、自覚が無さ過ぎるんだ!」
 
苛立たしげに、彼はそう吐き捨てます。彼女の身を
案じるが故の彼の苦悩に、僕は図らずも微笑んでしまいました。
 
「ふふ。まあ、あまり自覚され過ぎても困るのですけれどね」
「まったく。厄介な神様モドキだよ、あいつは」
 
お手上げだとばかりに両手を左右に広げて、それから彼は
真顔で僕に訊ねかけてきました。
 
「で、今日も暴れまくってんのか、神様モドキの
ストレス発散代行人は」
 
言葉にこそ表しませんが、言外に申し訳なさそうな雰囲気が
にじんでいます。先の僕の注意を、彼なりに
反省して受け止めているのでしょう。
こういう部分が、彼の憎めない所なのですよね。ふふふ。
 
「それが、ですね。実は今の所、閉鎖空間の現出は
確認されていません」
「は? ハルヒの奴、あんなに不機嫌そうだったのにか?」
「そう見えましたか?」
 
意外そうな顔をする彼に、僕は笑いながら逆に訊ねかけました。
 
「表面上は、確かに不機嫌そうだったかもしれません。しかし
それは照れ隠しというか。僕にはむしろ喜んでいるように
見えましたよ、先程の涼宮さんは」
「喜ぶ?」
「よく週刊誌の記事にあるじゃないですか。優しい彼は
好きだけどそれだけじゃ満足できない。時には
わたしを乱暴に振り回してほしいの♪なんてのが」
「どこのエロ雑誌だ、そいつは。そんな話を真に受けるなよ」
「はてさて。新川さんはどうお考えになります?」
 
こういう話題を振られるとは思っていなかったのでしょうか。
運転席の新川さんはバックミラー越しに苦笑しながら、こう答えて
くれました。
 
「ははは、わたくしも色恋沙汰には疎うございまして、
大したお話も出来そうにありませんが。
そうですな、お見受けした所、涼宮様は強さと脆さの混在した、
玉鋼のような少女だと感じられました」
「タマハガネ?」
「日本刀などの材料ですよ。彼女もいずれ、秀麗かつ鮮烈な
存在になっていくのではないかと、そんな予感がいたします。
なればこそ、彼女には鞘となるべき存在が
必要なのではないか、というのがわたくしの私見でございますが」
「ははあ。“刀”に対する“鞘”ですか」
 
僕が呟くと、新川さんはひとつ頷きました。
 
「良かれ悪しかれ、涼宮様は周囲に多大な影響を及ぼされる
お方です。それはしばしば、ご自身の意識とは全く関係なしに。
まかり間違えば、彼女自身が彼女を傷つけるでしょう。
そうならないために。ありのままの彼女を理解し、なおかつ
時には力ずくで押さえ込んでもくれる。
そういった“鞘”となるべき存在を、彼女もまた無意識に
欲しているのではないでしょうか」
「…だ、そうですよ?」
 
そう言って僕が見つめると、彼は露骨に顔をしかめてみせました。
 
「なんで、そこで俺に振る」
「おや、理由を聞きたいのですか? それとも、僕に
恥ずかしい言葉を口にさせたいという趣向でしょうかね?」
「…新川さん、降ろしてください、今すぐ」
「すみません、冗談が過ぎました」
 
僕がおどけて肩をすくめると、彼はわざと聞こえるように
大きく、ちっと舌打ちします。
ふふ、まるっきりコントですね。新川さん、別に
笑い出しそうになるのを無理に堪えなくてもいいですよ?
背中が震えているので丸分かりですし。
 
「まあ、憶測の話はこのくらいにしておきましょう。事実として
明らかなのは、今日、あなたが涼宮さんの命を救い、
おかげで僕らは神人退治に出掛けなくても済んだ、という事です。
そのお礼と言っては何ですが…」
 
言いながら、僕は数枚のチケットを彼に差し出しました。新川さんに
用立てて貰った品々です。
 
「何だ?」
「大した物ではありません。ただの優待券ですよ。
しかしながら僕の予想が正しければ、明日、あなたには
コレが必要になる事でしょう。
どうぞ拾い物だと思って、お納めください」
「ふん」
 
文面を見て納得したのか、彼は割と素直にそのチケットを
ポケットの中にねじ込みました。
 
「どうやら、明日はやたら憂鬱な日曜日になりそうだ」
「ふふ、ご冗談を。僕にはあなたが素晴らしく
にやけているように見えますよ?」
「お前にだけは言われたくない一言だな、そいつは」
 
うそぶいて、彼はまた車窓の外へ視線を向けてしまいます。
そんな彼の態度に、僕はくつくつと笑わずには
いられませんでした。彼も、彼女も、もう少し素直になれば
よほど楽しく生きられると思うのですけれど、ねえ?


 
月曜日、僕は少し遅れて部室に向かいました。ノックをして
扉を開けます。
 
「すみません、遅くなりました」
「あっ、古泉君ちょうどいい所に来たわね! ほら、これ見てよ!」
 
僕の挨拶が終わるまでもなく、涼宮さんが喜色満面な様子で
こちらに駆け寄ってきました。僕は涼宮さんに応じつつ、
ちら、と彼の方へ視線を泳がせます。
すると涼宮さんの背後で、彼はこっそり、やれやれと肩をすくめて
みせました。ふふ、あのチケットはお役に立ったようですね。
 
「もう新しいのを購入されたのですか」
「うん、やっぱり無いと不便だもの。本当は、最新型のを
買おうと思ったんだけど…」
 
そこで言葉を止めた涼宮さんは、じろりと彼を一睨みしました。
 
「キョンの奴、少し前の機種の方がお買い得だとか
しつこく喰い下がるもんだから。仕方なく、これにしたのよね」
 
「当然だろ。お前の事だ、どうせまたすぐにうっかり落として壊すに
決まってる。最新機種なんか買うだけ宝の持ち腐れだ」
「なによ、あんたの割引チケットが最新のには適用外だった
せいじゃない。憎まれ口叩いちゃってさ」
「けっ、悔しかったら今度は落っことしたりするなってんだ」
 
売り言葉と買い言葉の応酬に、メイド姿の朝比奈さんが
おろおろしています。長門さんは本から視線を逸らしませんね。
そして僕は、微笑を浮かべながら二人のやり取りを
眺めていました。言っておきますが、これは作り笑顔なんかじゃ
ありませんよ。本当に心の底から湧き上がってくる笑みです。
 
だって、そうでしょう?
なにしろ涼宮さんが嬉しそうに僕に見せびらかしてくれた
その新品の携帯電話は、
なぜだか彼の所有しているそれと色違いの同系機種で、
つまりは二人お揃いだったのですから。
 
「ああ、なるほど」
「何がなるほどなんだよ」
 
思わず、ポンとひとつ手を打った僕に対して、彼が
不審そうに訊ねてきます。僕は彼と彼女をそれぞれ見つめて、
それからゆっくりと口を開きました。
 
「いえいえ、ただの言葉遊びですけどね。
涼宮さんは一昨日、確かに携帯を“落として”しまわれたけれど、
代わりにあなたのおかげで“命拾い”をしたのだなあ、と
そう思いまして」
 
途端、いがみ合っていた二人が顔を見合わせ、すぐに
真っ赤になって視線を逸らせます。
必然的に、ご両人の矛先は僕に向けられました。
 
「「な、なにつまんない事言ってんのよ(んだよ)!!」」
 
ふふ、見事なハモり具合ですね、お二人さん。
そうして僕は、微笑ましい二人の突き上げを喰らいながら、
今日も愉快な時間を過ごしたのでした。
 
ああ、でも朝比奈さん、ニコニコと笑ってばかりいないで
そろそろ助け舟を出してくれませんか? 長門さんも
視線は本に向けたままですが、口元がほんの僅か
ほころんでいますよね?
 
はて、ひょっとしたら僕は知らない間に、個人的な幸せを
どこかに落としてきてしまったのでしょうか。そして
僕が不遇を負えば負うほど、周りの皆が
幸せそうな表情を浮かべている気がするのは、はたして
ただの思い過ごしですかね?
自分の薄幸さに思わず苦笑いがこぼれる、けれども
意外とそんなに悪い気分はしない、それはいつも通りの
平和な放課後のひとコマなのでした。


 
落し物、拾い物   おわり

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最終更新:2021年11月07日 20:23