物語とは人知れず始まり、そして投石されて出来た波紋の様に広がっていく。
しかし、何事もきっかけがなければ何も起こらない。
例えば、この日ポップがある物を見なければ、物語は表に出ることもなく、終了していたのだ。
その日ポップ、マァム、メルルの三人はあの日キルバーンの策略によって行方不明になった勇者ダイを探す為にベンガーナ王国に向けて旅を続けていた。
「ちょっと、ポップ!ベンガーナ王国の場所間違えないでよ。地図をしっかりみたの?」
「う、うるせえ。俺だって間違えることはあるぜ。おかしいな~この道の筈だと思ったけど。」
マァムには弱いポップだが大魔宮での一件以来、二人の距離は微かに縮まっていた。
それ故に、前からポップに思いを寄せていたメルルは二人を見て軽い嫉妬心もあった。
その時メルルは一つの間違いを見つけた。
「あの、ポップさん。地図、逆です。」
「へ、あっ本当だ!はっはははは。」
「笑い事じゃないわよバカ!!全然別方向じゃない。もうあんたに地図持たせないわ。」
左頬に真赤な手形をつけたポップを先頭に来た道と逆の道を歩くのだった。
森に入った頃には昼過ぎで温度もあがる頃だった。
「この森を抜ければベンガーナに着くぜ。」
ポップは自信たっぷりにそう言った。
その時メルルは不穏な気配を察知していた。
「あの、何か嫌な予感がするんです。うまく言い表せないのですが不吉な物がすぐ近くにある様な気が
冷たい感じがします。この森に入ってから。」
「そんなの俺は感じなかったけどな。」
とさりげなくポップが足元を見るとそこには黒の核があったのだった。
「な、な、なんでこんなところにこんなものが~~~~」
その場にいる全員が凍りついていた。
小粒程度の小さな結晶だったが充分な破壊力を秘めていると考えられた。
「とっとりあえず、ベンガーナにいくのは後回しだ。先にこの事をみんなに伝えないと。」
三人はルーラでパプ二カへ向かった。
しかし、何事もきっかけがなければ何も起こらない。
例えば、この日ポップがある物を見なければ、物語は表に出ることもなく、終了していたのだ。
その日ポップ、マァム、メルルの三人はあの日キルバーンの策略によって行方不明になった勇者ダイを探す為にベンガーナ王国に向けて旅を続けていた。
「ちょっと、ポップ!ベンガーナ王国の場所間違えないでよ。地図をしっかりみたの?」
「う、うるせえ。俺だって間違えることはあるぜ。おかしいな~この道の筈だと思ったけど。」
マァムには弱いポップだが大魔宮での一件以来、二人の距離は微かに縮まっていた。
それ故に、前からポップに思いを寄せていたメルルは二人を見て軽い嫉妬心もあった。
その時メルルは一つの間違いを見つけた。
「あの、ポップさん。地図、逆です。」
「へ、あっ本当だ!はっはははは。」
「笑い事じゃないわよバカ!!全然別方向じゃない。もうあんたに地図持たせないわ。」
左頬に真赤な手形をつけたポップを先頭に来た道と逆の道を歩くのだった。
森に入った頃には昼過ぎで温度もあがる頃だった。
「この森を抜ければベンガーナに着くぜ。」
ポップは自信たっぷりにそう言った。
その時メルルは不穏な気配を察知していた。
「あの、何か嫌な予感がするんです。うまく言い表せないのですが不吉な物がすぐ近くにある様な気が
冷たい感じがします。この森に入ってから。」
「そんなの俺は感じなかったけどな。」
とさりげなくポップが足元を見るとそこには黒の核があったのだった。
「な、な、なんでこんなところにこんなものが~~~~」
その場にいる全員が凍りついていた。
小粒程度の小さな結晶だったが充分な破壊力を秘めていると考えられた。
「とっとりあえず、ベンガーナにいくのは後回しだ。先にこの事をみんなに伝えないと。」
三人はルーラでパプ二カへ向かった。
~魔界~
ここは地上とはまるで異なり住んでいる生物も強大な力を持ったものばかりである。
地底深くにあることは知られているが魔界への入り口などは知られてはいない。
その魔界を統べる魔界の神、大魔王バーン、冥龍王ヴェルザーの二人の権力者は、
一人は竜の騎士によって倒され石像と化していた。
そしてもう一人は竜の騎士の息子の覚醒によって滅びた。
だがそのうちの一人、冥龍王ヴェルザーは石化してなお地上を欲する事を諦めてはいなかった。
「ピロロめ、しくじったか。バーンも勇者も殺せずに死ぬとは、奴に命令しなければよかったな。」
ピロロとはキルバーンの横についていた使い魔の様な存在であったがじつはピロロが正体でありキルバーンは人形であった。
「やっぱあんなガキに俺の傀儡人形を使わせたのは不味かったじゃん。」
「カンクロウか、だがお前が地上に設置した黒の核が勇者の仲間に見つかったのだ。これは由々しき問題だ。責任を取れるのか?」
「任せて下さいよ。黒の核を見つけた彼らにとってこれは大きな脅迫になったはず。
それにあの規模であれば地上征服に支障はきたさないですよ。」
カンクロウはそう言うとヴェルザーの部屋を出た。
「さてと、正直あそこで見つけられるのは想定外だったが仕方ない、
黒の核を持っているであろう勇者の仲間達を殺しに行くじゃん。
俺はピロロみたいに甘くないからな。」
カンクロウはその日魔界から姿を消した。
「ふふふふ、もう少しだ。もう少しで私の体が元に戻る。バランめ、あの日に受けた屈辱を貴様の息子を殺すことによって晴らす!
幸い勇者ダイも魔界にいるようなのでな。はははは。」
ヴェルザーの目的は魔界と地上の制圧、そして勇者ダイを殺すことだった。
ここは地上とはまるで異なり住んでいる生物も強大な力を持ったものばかりである。
地底深くにあることは知られているが魔界への入り口などは知られてはいない。
その魔界を統べる魔界の神、大魔王バーン、冥龍王ヴェルザーの二人の権力者は、
一人は竜の騎士によって倒され石像と化していた。
そしてもう一人は竜の騎士の息子の覚醒によって滅びた。
だがそのうちの一人、冥龍王ヴェルザーは石化してなお地上を欲する事を諦めてはいなかった。
「ピロロめ、しくじったか。バーンも勇者も殺せずに死ぬとは、奴に命令しなければよかったな。」
ピロロとはキルバーンの横についていた使い魔の様な存在であったがじつはピロロが正体でありキルバーンは人形であった。
「やっぱあんなガキに俺の傀儡人形を使わせたのは不味かったじゃん。」
「カンクロウか、だがお前が地上に設置した黒の核が勇者の仲間に見つかったのだ。これは由々しき問題だ。責任を取れるのか?」
「任せて下さいよ。黒の核を見つけた彼らにとってこれは大きな脅迫になったはず。
それにあの規模であれば地上征服に支障はきたさないですよ。」
カンクロウはそう言うとヴェルザーの部屋を出た。
「さてと、正直あそこで見つけられるのは想定外だったが仕方ない、
黒の核を持っているであろう勇者の仲間達を殺しに行くじゃん。
俺はピロロみたいに甘くないからな。」
カンクロウはその日魔界から姿を消した。
「ふふふふ、もう少しだ。もう少しで私の体が元に戻る。バランめ、あの日に受けた屈辱を貴様の息子を殺すことによって晴らす!
幸い勇者ダイも魔界にいるようなのでな。はははは。」
ヴェルザーの目的は魔界と地上の制圧、そして勇者ダイを殺すことだった。
~パプニカ宮殿~
ポップ達五人は今までの経緯をすべて話した。
黒の核の事そしてダイに関する重要な手掛かりを・・・
「これがその証拠の品です。」
それはキルバーンの爆発に巻き込まれるまえにダイが履いていたズボンであった。
「たしかに所々荒んでおりますが判別ができる、普通ならば黒の核にふれれば跡形もなく消滅するはず。
しかしこうしてあの日ダイ様が履いていた物がこうして我々の目に映っているという事はダイ様はどこかで生きているということです。」
ラーハルトの言葉に先程のポップ達のようにレオナ姫は感激した。
「それでダイ君がどこにいるのか分かったの?いま彼はどこにいるの?」
レオナ姫は国政の為感情を殺してまで国事に紛争していたがこの半年ダイのことが気掛かりでならなかったのだ。
「その事なのですが・・・」
メルルが話そうとした瞬間ヒュンケルが静止した。
「ここから先は俺が話します。ダイのズボンがあそこにありダイがいなかったことには確信に近い一つの答えがあるからです。」
ヒュンケルのやけに小さい声にレオナ姫は不安な気持ちを持ち始めた。
「あの日キルバーンは大陸ごと黒の核で俺達を消し飛ばし自分は魔界に帰ろうとしていた、
そしてダイとポップに阻まれキルバーンは倒れたわけですが、もしもあの時キルバーンの開けようとしていた穴が不完全ながら黒の核の爆発によって空いてしまったとしたら。」
「ちょっと待って、もしかしたらダイ君はその不完全に空いてしまった穴に入ってしまったの?」
カール王国のフローラ姫は少し信じられないといった表情だったがラーハルトの言葉が真実味を醸し出した。
「あの時ダイ様は遥か上空まで飛びあがり同じ上空にいたポップにもダイ様の姿を見ることはできなかった。
魔界と地上を繋げる穴はせいぜい成人男性が入れる程度、ですがその吸引力は巨大生物ですら呑み込むのです。」
「ということはあの時本当はダイ君の近くにその魔界に続く不完全な穴が開いていてそれを肉眼でとらえることは不可能であった、ということですか?」
さすがの勇者アバンも半信半疑であった。それ程この仮説は信じがたいものだった。しかしラーハルトの仮設は続く。
「何故この穴が不完全かというとダイ様の肉体しか魔界に運び込むことが出来なかったからです。
実際に魔界に通じる穴を使った人物がいるのです。」
ラーハルトの言葉にレオナ姫は問いただした。
「一体誰なのその人は?」
「それがよ、その穴を通ったのはバランなんだ。」
ポップの言葉にレオナ姫は驚いた。
「そう、ヴェルザーが黒の核を使いバラン様をおいつめましたが、結局ヴェルザーはバラン様に倒された。
しかし、ヴェルザーの黒の核の影響で黒い穴が空き、バラン様は穴に吸い込まれて地上に出てきたのです。
そしてバラン様はおぼろげながらも答えを導き出しました。」
~結論~
黒の核は開こうとしている次元の穴の近くで発動すると不完全に穴が開き、不完全に対象を呑み込む。(ダイのズボンが残ったのはその為)
しかしヴェルザーの使った黒の核は何もないところから偶発的に完全な次元の穴を出現させ、対象をそのままの状態で送り込む。
ポップ達五人は今までの経緯をすべて話した。
黒の核の事そしてダイに関する重要な手掛かりを・・・
「これがその証拠の品です。」
それはキルバーンの爆発に巻き込まれるまえにダイが履いていたズボンであった。
「たしかに所々荒んでおりますが判別ができる、普通ならば黒の核にふれれば跡形もなく消滅するはず。
しかしこうしてあの日ダイ様が履いていた物がこうして我々の目に映っているという事はダイ様はどこかで生きているということです。」
ラーハルトの言葉に先程のポップ達のようにレオナ姫は感激した。
「それでダイ君がどこにいるのか分かったの?いま彼はどこにいるの?」
レオナ姫は国政の為感情を殺してまで国事に紛争していたがこの半年ダイのことが気掛かりでならなかったのだ。
「その事なのですが・・・」
メルルが話そうとした瞬間ヒュンケルが静止した。
「ここから先は俺が話します。ダイのズボンがあそこにありダイがいなかったことには確信に近い一つの答えがあるからです。」
ヒュンケルのやけに小さい声にレオナ姫は不安な気持ちを持ち始めた。
「あの日キルバーンは大陸ごと黒の核で俺達を消し飛ばし自分は魔界に帰ろうとしていた、
そしてダイとポップに阻まれキルバーンは倒れたわけですが、もしもあの時キルバーンの開けようとしていた穴が不完全ながら黒の核の爆発によって空いてしまったとしたら。」
「ちょっと待って、もしかしたらダイ君はその不完全に空いてしまった穴に入ってしまったの?」
カール王国のフローラ姫は少し信じられないといった表情だったがラーハルトの言葉が真実味を醸し出した。
「あの時ダイ様は遥か上空まで飛びあがり同じ上空にいたポップにもダイ様の姿を見ることはできなかった。
魔界と地上を繋げる穴はせいぜい成人男性が入れる程度、ですがその吸引力は巨大生物ですら呑み込むのです。」
「ということはあの時本当はダイ君の近くにその魔界に続く不完全な穴が開いていてそれを肉眼でとらえることは不可能であった、ということですか?」
さすがの勇者アバンも半信半疑であった。それ程この仮説は信じがたいものだった。しかしラーハルトの仮設は続く。
「何故この穴が不完全かというとダイ様の肉体しか魔界に運び込むことが出来なかったからです。
実際に魔界に通じる穴を使った人物がいるのです。」
ラーハルトの言葉にレオナ姫は問いただした。
「一体誰なのその人は?」
「それがよ、その穴を通ったのはバランなんだ。」
ポップの言葉にレオナ姫は驚いた。
「そう、ヴェルザーが黒の核を使いバラン様をおいつめましたが、結局ヴェルザーはバラン様に倒された。
しかし、ヴェルザーの黒の核の影響で黒い穴が空き、バラン様は穴に吸い込まれて地上に出てきたのです。
そしてバラン様はおぼろげながらも答えを導き出しました。」
~結論~
黒の核は開こうとしている次元の穴の近くで発動すると不完全に穴が開き、不完全に対象を呑み込む。(ダイのズボンが残ったのはその為)
しかしヴェルザーの使った黒の核は何もないところから偶発的に完全な次元の穴を出現させ、対象をそのままの状態で送り込む。
「これでバランが地上に戻ってきたみたいなの。私自身まだ半信半疑だけどこの二人が言ってることは事実だと思うわ。」
マァムは情報源がヒュンケルのせいかすぐに話を信用した。
その時のポップの心情はなにか遣る瀬無い気持ちであった。
「しかし、もしそうならダイ様は既に殺されていてもおかしくはない。会えなくなる可能性もあるということです。」
ラーハルトの言葉に城内の空気は重くなっていた。
マァムは情報源がヒュンケルのせいかすぐに話を信用した。
その時のポップの心情はなにか遣る瀬無い気持ちであった。
「しかし、もしそうならダイ様は既に殺されていてもおかしくはない。会えなくなる可能性もあるということです。」
ラーハルトの言葉に城内の空気は重くなっていた。