吉祥学苑3年4組担任の鬼塚英吉が、引田留々香達によってパンツを口に詰め込みながら気絶していた時、相沢、飯島、白井の三人が、
小さな木造アパートに向かっていた。
「ここが、アイツの家よ。」
「ちょっと雅~、大丈夫なの?」
三人の中で比較的大人しい性格である取り巻き、白井知佳子がリーダー格である相沢雅に意見をする。
「麗美も鬼塚に影響されちゃってるし、こうなったら手段を選んでなんかいられないわよ!」
雅が語気を強くして二人に怒鳴る。彼女達はここまで神経をすり減らしてまで鬼塚を担任から外したいようだ。
「ここの、203号室ね……」
雅がインターホンを押す。しかし、応答はない。その後何度も呼びかけを試みたが変化がない。
雅の取り巻き二人が帰ろうと階段を下り出した時に扉が開いた。
「うるせえな。何でお前等がここにいるんだ?相沢。」
「今度の担任が中々しぶとくてさ、力を貸してほしいのよ。あんたに。」
男は加えていた煙草を吐き捨て、雅に近づく。
「ふざけんな!!何で教師の顔を見る事になるんだ!!!」
男の怒鳴り声に三人は思わず目を閉じる。
「お願いよ、私達だけじゃどうしても落とせないのよ。あんただって暇なんでしょ?」
雅が多少声を震わせて男の説得を試みた。他の二人はもう階段を下りていた。
「神崎はどうしたんだよ。」
「麗美は鬼塚達とつるんじゃって、話にならないわよ。」
男はため息を吐きながら雅に告げた。
「分かったよ、何だかんだでお前とは小等部以来の付き合いだからな。」
その言葉に雅は卑屈な笑みを浮かべていた。
「じゃあ明日来てね、阿久津。」
小さな木造アパートに向かっていた。
「ここが、アイツの家よ。」
「ちょっと雅~、大丈夫なの?」
三人の中で比較的大人しい性格である取り巻き、白井知佳子がリーダー格である相沢雅に意見をする。
「麗美も鬼塚に影響されちゃってるし、こうなったら手段を選んでなんかいられないわよ!」
雅が語気を強くして二人に怒鳴る。彼女達はここまで神経をすり減らしてまで鬼塚を担任から外したいようだ。
「ここの、203号室ね……」
雅がインターホンを押す。しかし、応答はない。その後何度も呼びかけを試みたが変化がない。
雅の取り巻き二人が帰ろうと階段を下り出した時に扉が開いた。
「うるせえな。何でお前等がここにいるんだ?相沢。」
「今度の担任が中々しぶとくてさ、力を貸してほしいのよ。あんたに。」
男は加えていた煙草を吐き捨て、雅に近づく。
「ふざけんな!!何で教師の顔を見る事になるんだ!!!」
男の怒鳴り声に三人は思わず目を閉じる。
「お願いよ、私達だけじゃどうしても落とせないのよ。あんただって暇なんでしょ?」
雅が多少声を震わせて男の説得を試みた。他の二人はもう階段を下りていた。
「神崎はどうしたんだよ。」
「麗美は鬼塚達とつるんじゃって、話にならないわよ。」
男はため息を吐きながら雅に告げた。
「分かったよ、何だかんだでお前とは小等部以来の付き合いだからな。」
その言葉に雅は卑屈な笑みを浮かべていた。
「じゃあ明日来てね、阿久津。」
翌日、吉祥学苑の3年4組は騒然としていた。
「お前、よく来たな!!」
村井が突如クラスに訪れた男子生徒、阿久津に声を掛ける。
「よ、村井。相変わらずマザコンなのか?」
「な、何だとテメー!!」
というようなやり取りをしている中、クマの着ぐるみを着た男が教室に入ってきた。
「よーし、出席取るぞー。ん、何だお前。転校生か?」
着ぐるみ男もとい鬼塚は阿久津を見つける。
「いや、最近来てなかっただけですけどね。俺、阿久津薫っていいます。」
「そうか~、うちのクラスだったのか。」
そんなやり取りをしながらも鬼塚は、初めて見る筈の男に、”再会”したような感覚を覚えていた。
『どっかで会ったかな?初対面な気がしないんだが。』
一方で神崎は鬼塚を見て笑っている雅を見ていた。
『あの子、な~に企んでんのかしら。』
早速H.Rと呼べないようなH.Rを始める鬼塚。この時の彼は後に起きる事件など想像もしていなかっただろう。
校内での事件は2年3組の体育の時間に起こった。
「お前、さっき2年の教室で何かしてたよな。」
菊池が阿久津に詰め寄る。すると阿久津は菊池に煙草の煙を吹きかけてきた。
「宣戦布告♡」
その瞬間2年3組の教室は大きな爆音と共に炎上した。
「ガっハハハ、流石に俺人殺す勇気はないからな。」
爆音に気付いた生徒と職員が焼け焦げた教室を見る。そこには無残に焼かれた黒板や机が残る悲しい風景だった。
「いい、一体誰がこんな事を~~~、鬼塚か!!!」
内山田教頭が鬼塚を探す。時間は少し戻り、鬼塚は村井、藤吉、草野と屋上で屯していた。
「あの阿久津って奴よ~、お前等何か知ってるか?」
「まあ、同じクラスだしな、けどあいつは担任イジメには関わって無かったんだ。」
「”あの事件"以来学校には来てなかったけどな。」
阿久津に対して不可解な気持ちを抱く鬼塚の頭がショートするのに三分もかからなかった。
「しかし、どっかで見たような気ぃすんだよな~、どこだったか……」
屋上から下りようとしていた四人はその時例の爆音を聞いた。
「な、なんじゃあ!!??」
四人は急いで校内を駆け回っていた所でゲートボールのスティックを持った教頭に見つかった。
「おおにおおににおにおににおに……鬼塚ーーー!!!!!」
鬼気迫る表情で四人に襲い掛かる教頭に弁解する間もなく四人は逃げる。
「一体どうなってんだよ!!!」と村井。
「知るか、とにかく何でかわかんねえけど逃げろー!!!」
その頃2年3組の教室の前で笑っている阿久津に、菊池と神崎が近付いてきた。
「阿久津!お前がこれをやったのか!!」
菊池は阿久津の肩を鷲掴む。
「まあ、ガソリンとグリセリンで簡単な時限式の爆弾をな。」
特に悪びれる様子もなく阿久津は淡々と語る。その様子に菊池は恐怖心さえ抱いたという。
「さっきもいっただろ、宣戦布告だって。」
「宣戦布告…だと?」
一瞬風が止み、野次馬のいなくなった教室前は静寂に包まれた。
「大方雅に頼まれて、鬼塚をクビにさせようと企んでるんでしょうが、そう上手くいくかしらね……」
神崎の挑発的な言動に阿久津の表情が変わる。
「あ~ヤダヤダ、自分だけ天才って呼ばれてないのが悔しいんだ。確かに小等部の頃から呼ばれてないもんね。」
「神崎ィ、貴様俺に殺されたいのか?文部省認定の特別待遇児は、お前だけじゃないんだぜ?」
「そうやってスグ頭に血を上らせてるから区別されるのよ。」
あくまでも落ち着いた物腰の神崎とすぐにでも飛び掛かりそうな阿久津、口喧嘩では完全に神崎が勝っている。
「お前、よく来たな!!」
村井が突如クラスに訪れた男子生徒、阿久津に声を掛ける。
「よ、村井。相変わらずマザコンなのか?」
「な、何だとテメー!!」
というようなやり取りをしている中、クマの着ぐるみを着た男が教室に入ってきた。
「よーし、出席取るぞー。ん、何だお前。転校生か?」
着ぐるみ男もとい鬼塚は阿久津を見つける。
「いや、最近来てなかっただけですけどね。俺、阿久津薫っていいます。」
「そうか~、うちのクラスだったのか。」
そんなやり取りをしながらも鬼塚は、初めて見る筈の男に、”再会”したような感覚を覚えていた。
『どっかで会ったかな?初対面な気がしないんだが。』
一方で神崎は鬼塚を見て笑っている雅を見ていた。
『あの子、な~に企んでんのかしら。』
早速H.Rと呼べないようなH.Rを始める鬼塚。この時の彼は後に起きる事件など想像もしていなかっただろう。
校内での事件は2年3組の体育の時間に起こった。
「お前、さっき2年の教室で何かしてたよな。」
菊池が阿久津に詰め寄る。すると阿久津は菊池に煙草の煙を吹きかけてきた。
「宣戦布告♡」
その瞬間2年3組の教室は大きな爆音と共に炎上した。
「ガっハハハ、流石に俺人殺す勇気はないからな。」
爆音に気付いた生徒と職員が焼け焦げた教室を見る。そこには無残に焼かれた黒板や机が残る悲しい風景だった。
「いい、一体誰がこんな事を~~~、鬼塚か!!!」
内山田教頭が鬼塚を探す。時間は少し戻り、鬼塚は村井、藤吉、草野と屋上で屯していた。
「あの阿久津って奴よ~、お前等何か知ってるか?」
「まあ、同じクラスだしな、けどあいつは担任イジメには関わって無かったんだ。」
「”あの事件"以来学校には来てなかったけどな。」
阿久津に対して不可解な気持ちを抱く鬼塚の頭がショートするのに三分もかからなかった。
「しかし、どっかで見たような気ぃすんだよな~、どこだったか……」
屋上から下りようとしていた四人はその時例の爆音を聞いた。
「な、なんじゃあ!!??」
四人は急いで校内を駆け回っていた所でゲートボールのスティックを持った教頭に見つかった。
「おおにおおににおにおににおに……鬼塚ーーー!!!!!」
鬼気迫る表情で四人に襲い掛かる教頭に弁解する間もなく四人は逃げる。
「一体どうなってんだよ!!!」と村井。
「知るか、とにかく何でかわかんねえけど逃げろー!!!」
その頃2年3組の教室の前で笑っている阿久津に、菊池と神崎が近付いてきた。
「阿久津!お前がこれをやったのか!!」
菊池は阿久津の肩を鷲掴む。
「まあ、ガソリンとグリセリンで簡単な時限式の爆弾をな。」
特に悪びれる様子もなく阿久津は淡々と語る。その様子に菊池は恐怖心さえ抱いたという。
「さっきもいっただろ、宣戦布告だって。」
「宣戦布告…だと?」
一瞬風が止み、野次馬のいなくなった教室前は静寂に包まれた。
「大方雅に頼まれて、鬼塚をクビにさせようと企んでるんでしょうが、そう上手くいくかしらね……」
神崎の挑発的な言動に阿久津の表情が変わる。
「あ~ヤダヤダ、自分だけ天才って呼ばれてないのが悔しいんだ。確かに小等部の頃から呼ばれてないもんね。」
「神崎ィ、貴様俺に殺されたいのか?文部省認定の特別待遇児は、お前だけじゃないんだぜ?」
「そうやってスグ頭に血を上らせてるから区別されるのよ。」
あくまでも落ち着いた物腰の神崎とすぐにでも飛び掛かりそうな阿久津、口喧嘩では完全に神崎が勝っている。