書名

おじさん・おばさん論

書誌情報

  • 出版社(叢書・シリーズ名)
    • 幻戯書房
  • 発行年月日
    • 2011年4月17日
  • 版型 造本データ ページ数
    • 四六版 上製 302ページ
  • 定価
    • 2800円
  • 装丁
    • 緒方修一

目次

  • プロローグ 11
  • 第一章 おじさん・おばさん考現学
    • おじさん・おばさんの文化人類学 24
    • おじさん・おばさんと友愛 33
    • アヴァンキュレート ヨーロッパ中世のおじさん 37
  • 第二章 大いなるおじさん・おばさんたち
    • ゴッホのおじさん 54
    • ストラヴィンスキーのおじさん 63
    • ロダンのおじさん・おばさん 72
    • ニュートンの姪 81
    • ベートーヴェンの甥 90
    • おじさんも大統領 二人のローズヴェルト 99
    • チェーホフの『ワーニャ伯父さん』 108
    • メイムおばさん 117
    • グレアム・グリーン『叔母との旅』 126
    • E・M・フォースターの大伯母 132
  • 第三章 おじさん・おばさん一〇〇人
    • 叔父ドガ 144
    • 叔父の教訓 146
    • 美しきミュンヒェンの世紀末 147
    • ラモーの甥 149
    • 画商ヴォラール 150
    • 教育家フレーベル 151
    • ツルゲーネフの『貴族の巣』 153
    • 『エリア随筆』 154
    • アクサーコフの幼年時代 155
    • ゴーリキーの幼年時代 156
    • 『若き日の芸術家の肖像』 158
    • バーネット『秘密の花園』 159
    • ヘンリー・ミラー『わが青春のともだち』 160
    • サローヤンのお節介な叔父さん 161
    • ろくでなしのおじさんたち 163
    • ヘルマン・ヘッセ『青春は美わし』 164
    • ギボンの伯母 165
    • マリー・キュリーのポーランドの夏休み 167
    • マイルスのかっこいい伯父さん 168
    • シャガールのたくさんのおじ・おば 169
    • ミュレーの大叔父 171
    • ピカソの伯父さん 172
    • 闘牛士のおじさん 173
    • にんじんの名づけ親 174
    • ジャン・クリストフの伯父 176
    • アルプスの少女のおじさん 177
    • モーパッサン「ジュール叔父」 178
    • ソーニャ・コヴァレフスカヤの二人のおじ 179
    • カフカのおじさんたち 181
    • パリのおじさん 182
    • 他人のはじまり 184
    • 未来は未成年が築く 185
    • シュヴァイツァーのおじさん 186
    • 遠い縁者 188
    • リルケのおばさん 189
    • おじさんのコレクション 191
    • アインシュタインの叔父さん 192
    • ニールス・ボーアの伯母さん 193
    • ロマノフ王家のおじさん 194
    • トロツキーの幼年時代 196
    • ケストナー『わたしが子どもだったころ』 197
    • アーサー・ランサムの大おば 198
    • フランクリンの伯父たち 200
    • 歴史好きの伯父さん 201
    • 世話好きなおばさん 202
    • 四人目の叔母さん 203
    • おじさんはルーツだ 205
    • 僕のボブおじさん 206
    • 金色の時は過ぎ 207
    • 伯母のための風車 209
    • パリ・コミューンと伯父さん 210
    • 『あしながおじさん』 212
    • 叔父の妻たち 213
    • 東と西の結婚 214
    • フィレンツェの伯母さん 216
    • ポーランドの夜 217
    • 夢の中の少年時代 218
    • こわいおばさんたち 220
    • おじさん? いやおばさん? 221
    • とんでもない伯父さん 222
    • あいまいなおじさん 223
    • 治療師のおばさんたち 225
    • 『怒りの葡萄』の伯父さん 226
    • 悪童とおじさん・おばさん 228
    • 母の思い出 229
    • 駄目な叔父さん 230
    • 道徳伯母さん 232
    • 金持の伯父からの脱出 233
    • ベティ・デイヴィスに会わせて 234
    • 豪快なオズワルド叔父さん 235
    • 伯母さんの婚礼衣装 237
    • アラン・レネ『アメリカの伯母さん』 238
    • ジャック・タチ『ぼくの伯父さん』 239
    • 昨日の伯母さん 241
    • 『山猫』の伯父と甥 242
    • ジャッキーの叔母さん 243
    • ペレの叔父さん 245
    • 母方の親類 246
    • 叔母に育てられて 247
    • あまりにも偉大なる親戚たちの中で 249
    • モーム『人間の絆』 250
    • 伯母さんは探偵 251
    • 伯父さんも探偵 253
    • 伯母さんは被害者? 254
    • おばさんは犯人? 255
    • やさしい伯父さん 257
    • 皇妃エリザベトの伯母 258
    • もし伯父さんが… 259
    • スタニスラフスキー伯母さん 261
    • 人類学者のおばさん 262
    • サキの伯母さんたち 263
    • 遠い親戚の家で 265
    • 「ルネおばさん」 266
    • クララ叔母さんのピアノ 267
    • 性のめざめ 269
    • イザベル叔母さんのギター 270
    • マン家のおじさん 271
    • 未来派風おばさん像 273
    • ウィーン世紀末の叔母さん 274
    • 失われた伯母を求めて 275
  • エピローグ——私の伯母さん 277
  • あとがき 284
  • 〈おじさん・おばさん〉参考資料 288

あとがきより

この本は、現代において、あまりにおとしめられ、馬鹿にされている〈おじさん・おばさん〉を文化史的に見直したい、という試みである。

第一章ではまず、〈おじさん・おばさん〉とはなにかを考えてみた。ところが、だれでも知っているようで、実は、かなり複雑で、まだ、きちんと定義できていないことがわかった。

第二章では、大いなる〈おじさん・おばさん〉たちを選んで、それぞれのケースをややくわしくたどってみた。

第三章では、コレクションした一〇〇人の〈おじさん・おばさん〉のスナップショットを並べることにした。

私はこの本を書きながら、忘れていた私の伯母さんを思い出した。いや、そうではなかったかもしれない。私の伯母さんの思いでが、この本を書かせてくれたのだろう。

「斜めに橋を架ける」という日本経済新聞に書いた短いエッセイがこの本のきっかけになっている。それを読んで、一冊の本を書けといってくれた幻戯書房の田口博さんによって、そして、〈おじさん・おばさん〉論を読みたいといってくれた辺見じゅんさんによて、このとんでもない本が実現した。

主な初出

書き下ろし

補記

最終更新:2011年05月05日 19:15
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