アマイヒメゴト dear, my princess!! ~殺戮王女とセイギのミカタ~

承前

 生きていいよと言われたかった。誰も言ってくれないから、私たちは自分でそう言った。

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 僕は幸せとは何かを問いかける。生きていいよと口にする、そのために僕が出してきた犠牲の数に誓って、僕たちは幸せの方角へと向かっていくべきだから。

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 けれど、

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 ああ、

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『見つけてしまったのは違うもの。』

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 ワッフルコーンのチョコチップバニラを、小さな舌で舐めながら、甘い白濁が手首まで垂れて来るのも気づかずに、黒い淫らが肌に絡みつくのも解らずに、青い髪の少女は立ち続ける。木漏れ日に光の点描を刻まれて、それでも影に包まれて。

 青い鳥が風に長い尾をなびかせた。

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 教えて欲しい、昔の僕よ。君はどうして守れると思ったのだろう。
 からっぽの鳥籠から飛び出して、空の高さも知らなかったのかなあ。
 誰かを犠牲にすれば幸せになれるなんて保証、一体誰がしてくれた。
 自分に翼があるだけで、なんで飛べると妄信してた。
 ねえ、僕よ。
 どうしてなんだい。
 今はそれが、無性に知りたい。

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最終更新:2018年02月15日 10:44