(前奏:ちゃちゃーん!
 ちゃら…… ちゃらちゃちゃ ちゃらちゃちゃ ちゃらー
 ちゃちゃっちゃちゃー ちゃっちゃっちゃっちゃ)

君にも 見ーえるかー ま・ぁ・か・な たーいよーう
心に 燃ーえるー せ・い・ぎ・の 星ーさー

輝く さーばーくーのー ち・へ・い・の 果ーてにー
僕らのー 希望のー オーアーシースがーあるー
(#転調)

あーくのー か・げ・ろ・う
そ・の・身・を 焼いてもー

負けないー 想いがー
すーべーてーを とかっすー!

(#サビ)
レン!レン!レーンジャー! アイ!アイ!ばーくねーつ!

レン!レン!レーンジャー! 行け!行け!とーもにーっ!

宇宙をー 超ーえたー
心のー むーげんーっ
(#たっぷりのタメ)

無限爆愛、

レンレンジャー!

(たらたった たらたった てれーん
 ちゃら! ちゃーん……)

/*/

●イントロダクション

(ステージ上、いかにもチープな中流家庭のセットが展開されている)
(若い母親とやんちゃ盛りの子供が食卓についている)

子供「えー、またお魚のサラダー?」
お母さん「魚は体にいいのよ」
子供「僕、いらない。バタフライアイス食べてくるー」

(ご馳走様ー、と食卓から勢いよく離れて駆け出す子供)
(まったくもう…と、お母さんは腕を組み頬杖つきながら、ほとんど手付かずのサラダを見る)
(台所に寂しく光る、ブリの水煮缶詰)
(ステージ暗転)

/*/

(黒子がステージ上を走る)
(瞬く間にセットが入れ替わり、どこかの薄暗い高級レストラン風に入れ替わる)

ナレーション『宇宙の彼方よりやってきた、悪の美食集団「クラウデス」、その銀河要塞レストラン「ウマイヤ」内……』

(居並ぶ幹部達)
(いかにも二枚目敵役といった風情のコック帽の男、露出度がやたらに高いウェイトレス姿の女二人、刀を腰に下げた着流し無頼、彼らの頭上を飛び回る一羽のカナリヤ)
(そして、四人を前に笑うスーツ姿のぱりっとした慇懃そうな紳士)

クラウデス宣伝部長・アーク「ほーっほっほっほっほ!」
クラウデス料理長・ヤミノ「何がおかしい、アーク」

(じろりとコック帽の男はスーツ姿の紳士をにらみつける)
(おや、これは失礼、と小さく断りを入れてからお辞儀をしてみせる紳士、いかにも慇懃無礼な態度である)

アーク「いえいえ。ただ、クラウデスの幹部が揃いも揃って、たかが5人の正義の味方にてこずるとは、ねえ」
クラウデス店長・ワルーニャ姉妹「あらぁ、それなら宣伝部長さん」「あなたなら、奴等をやっつけちゃえるのかしら?」

(二人で1つの台詞を喋る女コンビ)
(それにも向き直ると、紳士は、いえいえ、とんでもございません、と、オーバーなリアクションで両手を振る)

アーク「ただ……」
ワルーニャ姉妹「「ただ?」」
アーク「物量で圧倒的に勝っているのは、依然、私達クラウデスの方」
アーク「いくらでも、やりようというものはあるのですよ、そう、いくらでも……」

(紳士が腕時計を見る仕草をする)
(腕時計型の超小型液晶に映る、魚の缶詰たち)

/*/

(舞台再び暗転)
(今度は先ほどより大勢の黒子が現れ、大急ぎでレストラン風に見せていたテーブルや壁を取り払う)
(かわりにすえつけられたのは、ごくごく普通の中流家庭のリビング風のソファやテレビなどの家具類、それに壁)
(照明がつくと、5人の男女が思い思いの格好でくつろいでいる)
(瓶底ぐるぐる眼鏡の白衣を着た三つ編み女性が、ぱたぱたお盆に紅茶を載せてかけてくる)

アイアイ博士「みなさーん、お茶が入りましたよ~」

(いかにも熱血そうな青年、おう、ありがとよ、と受け取る)
(その瞬間、びーっ、びーっとサイレンが鳴り響く)
(慌てて転ぶ博士、紅茶をひっかぶる青年)
(壁が割れてスクリーンが出てくる。レーダー風のサイトに輝く赤い光点)

アイアイ博士「みんなー、出動よ~」
一同『ラジャー!』

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(一瞬の舞台暗転、セットがすべて取り払われる)
(決めポーズをする若者たち、腕には特異な形のブレスレット)
(ブレスレットをふりかざし、一斉にかけ声をあげる)

5人『爆愛、チェーンジ!!』

ナレーション『説明しよう! レンレンジャーの爆愛ブレスには、愛する気持ちが生み出す脳内化学物質PEA(フェニルエチルアミン)に反応する未知の粒子構造体を内蔵したシステム・通称Loveスフィア(正式名称:Love on various Endorphin反応球)が組み込まれており、Love反応が起こることによって、爆発的に身体能力は高まる。その向上比率、なんと通常時の12倍!!』

(どるるーん!と車のエンジン音がスピーカーから流れ、ドップラー効果に似せてどんどん遠くなっていく。出動の演出)

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(舞台上手から出てくるレンレンジャー、なぜかセットは採掘場風に取り替えられている)
(舞台中央に立ちはだかる一際大きな影、そしてその背後には、影に隠れて見えないが、確かに何かがある)

怪人ブリサバカン「ぎょーぎょぎょぎょぎょ!」
レッド「うお、なんだあの魚、喋るぞ!?」
ピンク「きっとあれがクラウデスの怪人よ!」

(頭はブリ、両肩にはサバの生えた、体がウロコで覆われた怪人)
(いかにもチープな着ぐるみだが、デザインが狂っているせいか、一種異様な迫力をかもし出している)

怪人ブリサバカン「よく来たなレンレンジャー、今日がお前たちの命日よ!」
ブラック「ふむ、そう言って私達に何度敗れてきたことかな?」
怪人ブリサバカン「くくく……これを見ろ!」

(一同、ああっと悲鳴をあげる)
(ブリサバカンの後ろには、十字架に縛り付けられた子供の姿が)

ピンク「子供を人質にとるなんて……!」
怪人ブリサバカン「おおっと、そいつは間違った認識よ」
ブルー「…なんだって?」
怪人ブリサバカン「俺は食べてもらえない魚たちの怨念が集まって生まれた存在、そしていわばこやつは俺を生み出した元凶!」
怪人ブリサバカン「レンレンジャー、果たしてお前達が救うに価する存在かな……?」

(子供、真っ青な顔でぶるぶる震えている)

レッド「ぐああ!」
グリーン「な、なまぐさーい!?」

(なす術もなく両肩のサバで滅多打ちにされていくレンレンジャーたち)

ブルー「食べ物を粗末に扱うとは……クラウデスの怪人め……許せませんね」
怪人ブリサバカン「その言葉はこいつに言ってやるんだなぁ!ぎょーぎょぎょぎょぎょ!!」
子供「れ、レンレンジャー!ごめんよ、僕、僕…!」
ブラック「人は、弱いものだ。1つ間違っても、また、取り戻せばよい」

(ブラック、力強く、そしてやさしく微笑む)
(子供、言葉にならないでぽろぽろ涙をこぼす)

怪人ブリサバカン「お前達に次はない、とどめだぁーー!!」
怪人ブリサバカン「BIG・BURI・BOMBER-----!!!!」

(頭のブリを投げるブリサバカン、大爆発の効果音、ステージの屋根から下からもうもうと灰色の煙が立ち昇る)
(煙が晴れた後には、傷つき倒れた5人の戦士達……)
(ついでになぜか頭が再生しているブリサバカン)

/*/

司会のお姉さん「みんな、レンレンジャーがピンチよ! 応援してあげて!」
司会のお姉さん「せーの」
会場の子供達『れんれんじゃー!』

(大きく肩を前後に揺らしながら客席に向かって笑う怪人ブリサバカン)

怪人ブリサバカン「馬鹿め、そんなことをしてなんになる?」
怪人ブリサバカン「こやつらはもう虫の息、立てっこ…な、何!?」

(次々と立ち上がるレンレンジャー)
(腕のブレスが猛回転している効果音がスピーカーから流れて来る)

ブラック「笑止。愛こそ私達のパワーの源なれば……」
グリーン「レンレンジャーは何度だって甦るよ!」
ブルー「そう、みんなの心に愛がある限り」
ピンク「私達は、負けない!」

(一番最後に立ち上がるレッド)
(ゴーグルの下から覗く口許が、にやりと笑って白い歯を見せる)

レッド「戦いで負けることなんざ、負けじゃねー」
レッド「愛を諦めることが、負けなのさ」

怪人ブリサバカン「ぐ、ぐわーっ!!」

(ブリサバカン、まばゆい光と共に明滅。ステージにスモークが焚かれる)
(後には一個の缶詰が転がるのみ)

レッド「ブリサバカン……お前は強かった」
レッド「しかし、間違った強さだった」

(グリーン、わーいわーいと缶詰拾う)

グリーン「今夜のおかずげっとー!」

(ピンク、子供を十字架から降ろしてあげる)

子供「ごめんなさい……」
レッド「…………」

(レッド、無言で子供に近寄る)
(レッドに手を伸ばされ、びくっとする子供)
(レッドの手は子供の肩を力強く叩いた)

レッド「これからは、ちゃんとごはん、食べるんだぞ」
子供「……うん!」

(舞台上手から子供のお母さんが駆け寄ってくる)
(子供と抱き合うお母さん、レンレンジャーはうんうんその光景を見て頷いている)
(一瞬だけ舞台の下手に垣間見える、スーツ姿の紳士の姿)
(その手はまるで笑う口許を隠しているかのような仕草)
(さっと消え、いかにも大団円っぽそうなBGM,流れて来る)

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ナレーター『怪人ブリサバカンの脅威は去った。だが、人々が食べ物に感謝を忘れ、隣人を愛することを見失った時、第二第三のブリサバカンが現れないとも限らない』
ナレーター『戦え、レンレンジャー! 負けるな、レンレンジャー!』
ナレーター『心に愛がある限り、正義のパワーは無限大だ!!』

(わー、と子供達が拍手)
(レンレンジャー、それぞれ決めポーズを取ったままステージの幕が降りてくる)
(愛想よく客席に向かって最後まで手を振りながらばいばいする司会のお姉さん)

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最終更新:2008年07月25日 18:01