「ションボリーナのお話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ションボリーナのお話」(2010/04/25 (日) 15:59:21) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

いまはむかし、ここはどこか。 きんいろのかみをした、ションボリーナというおひめさまがおりました。 ションボリーナのくには、うみのむこうにあるくにとけんかをしていました。 くにとくにとのけんかを、せんそうといいます。 まいにちたくさんのひとが、せんそうのためにおもいよろいをつけて、 おおきなけんやゆみをもって、うみのむこうへたびだっていきました。 せんそうでは、たくさんのひとがしぬそうです。 しぬということは、もうにどとあえなくなるということです。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 どうしてけんかなんかするんだろう、はやくなかなおりすればいいのに、と、 まいにちぽろぽろないていました。 せんそうがはじまって2かいめのなつがきて、 ションボリーナのきんいろのかみがかたからむねまでのびたころ、 ションボリーナとなかよしの、にわしのおにいさんもせんそうにいくことになりました。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 いかないで、とおねがいしても、おにいさんはわらってションボリーナのきんいろのかみをなでるだけです。  なかないでションボリーナ。  そうだ、きみにこのかみかざりをあげる。  きみのきれいなかみにきっとにあうよ。  わらっていればきっともっとにあうよ。 そしておにいさんはわらいながら、 おもいよろいをつけて、ふねにのって、せんそうにいってしまいました。 せんそうでは、たくさんのひとがしぬそうです。 しぬということは、もうにどとあえなくなるということです。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 おにいさんにもうにどとあえなくなったらどうしよう、と、 なみだがぽろぽろとまらなくなってしまいました。 なきっぱなしではひからびてしまいます。 おにいさんがたびだって3かめ、ションボリーナはからからのぱさぱさになっていました。 きんいろのかみもぱさぱさして、ちっともきれいじゃありません。 このままではおにいさんのくれたかみかざりがにあわなくなってしまう。 そうおもったションボリーナは、なみだをとめようと、ぎゅっとめをつぶりました。 すると、めをとじたまっくらやみのなかに、おにいさんのわらったかおがうかびました。 なかないでションボリーナ、というこえが、きこえたきがしました。 ションボリーナはなみだをもうひとつぶだけながすと、ごしごしかおをふいてはしりだしました。 おにいさんにもうにどとあえないなんていやだ、いやだ、いやだ。 ションボリーナはしょんぼりすることもわすれて、せんそうをおわらせようとどりょくをはじめました。 ションボリーナはまずおとうさんであるおうさまに、どうやったらせんそうがおわるかききました。 おうさまはむずかしいかおで、それはとてもむずかしいことだよションボリーナ、といいました。 あんまりむずかしくて、おうさまはせんそうをおわらせるのをすこしあきらめているようにもみえました。 でも、ションボリーナはあきらめませんでした。  おうさま、むずかしいとかそんなことはかんけいないの。  わたしはせんそうをおわらせたいの。  わたしといっしょに、がんばってください。 それからおうさまとションボリーナはがんばって、がんばって、 4かいめのなつにやっとせんそうをおわらせることができました。 むねまであったションボリーナのきんいろかみは、こしよりながくなっていました。 でも、おにいさんはかえってきませんでした。 ションボリーナはおにいさんをむかえにいくために、ふねにのってとなりのくにへとやってきました。 ずっとせんそうをしていたとなりのくにはさばくのくにで、 いつかのションボリーナのように、からからでぱさぱさのくにでした。 ションボリーナはおにいさんをいっしょうけんめいさがしました。 けれどもおにいさんはどこにもいません。 それでもションボリーナはいっしょうけんめいさがしました。 でも、みつかったのは、おにいさんのなまえのはいったちいさなおはかだけでした。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 また、なみだがぽろぽろとまらなくなってしまいました。 いつかのようにめをぎゅうっとつぶっても、もうなみだはとまりません。 おにいさんはかわらず、めをとじたまっくらやみのなかでわらっていましたが、 ションボリーナはおにいさんのおはかのまえから、もうはしりだすことはできませんでした。 ションボリーナはないて、ないて、そのままみずになってさばくのなかにしみこんでしまいました。 おにいさんのおはかのまえには、あのかみかざりと、ちいさなみずたまりがのこりました。 みずたまりはふしぎなことにすこしずつすこしずつおおきくなって、いつしかみずうみのようになりました。 そのみずうみはいま、レンジャーれんぽうというくにのオアシスとなって みんなにみずとしあわせをあたえているということです。 おしまい。 (霰矢 蝶子)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: