暗黒帝国



1.
 “暗黒の胎動”が生んだ闇の国。冥王に支配される恐怖の領域。北大陸中央の、かつてカロアと呼ばれた地域に拡がる。
 暗黒帝国は、“闇のもの”ドルウィー・デュナルを中心とし、堕落した人間などから成る闇の種族や、鬼族、魔界から召還された魔族ナヴァルフュス魔龍などから構成される。これら雑多な諸種族の混成軍である帝国の侵攻部隊は、全世界において多方面に同時展開し、あらゆる王国、文明を根絶させることを目的としている。
 帝国の中枢は、冥王の居城である“氷の城”アルド・バルン。これに対し、“影の門”および“黒の街”とよばれるふたつの城都が軍事上の拠点である。帝国軍はここより出陣し、帝国の武具、そして数々の恐るべきナヴァルフュスはここで生み出される。これらの城都を除くと、帝国の領土はほぼ無人の荒野である。東と南を“暗黒の山脈”ダロア・ディルロスに、西を“西の防壁”ヴァルアドダラスに、そして残る北を“海龍の深淵”マイエルヴァーンによって完全に守られている。

2.
 暗黒帝国の侵攻は、いくつかの段階に分かれて為された。
 まず、冥王降臨以前に、魔族を中心とした勢力によって南大陸が侵攻され、その半分、すなわち夜が支配下に置かれた。以後南大陸の暗黒の勢力は大陸東部バスノンの地下城砦に拠点を置き、ザフルハードという強大なメルグアズールによって統括され、暗黒帝国の完全な発動に備えることとなった。
 冥王が降臨し暗黒帝国が発動した後に直ちに出撃した帝国の五つのドルドランは、全世界を攻撃し、ほぼあらゆる地域で反抗勢力を一掃した。こののちドルドランの侵攻は一時停止されるが、やがて再度の侵攻により、世界全域において人類をはじめとする諸勢力を滅ぼすに至る。だがこの時点で人類が絶滅したわけではない。国家や宗教勢力といった統一された組織が滅ぼされたにすぎない。
 暗黒帝国の侵攻の最終段階は、“死の軍勢”の招来によって為される。これは世界を破滅に導く魔霊の軍勢であり、世界を魔法的に完全掌握するための力である。

3.
 暗黒帝国の神であり、全知全能の超越者である冥王は、なぜそれにもかかわらずドルドランをはじめとする現世的な勢力によって世界を制圧しようとするのだろうか。

4.
 冥王も、「制限された神」にすぎない。

5.
 冥王は、“バルバドの禍い”を力源として駆動している。







最終更新:2009年10月25日 13:37