部品構造
- 大部品: 都市計画 RD:48 評価値:9
- 部品: はじめに
- 大部品: 巫太陽都市計画 RD:21 評価値:7
- 部品: 太陽都市の由来
- 部品: 都市概略
- 大部品: 交通機関 RD:2 評価値:1
- 大部品: 中京二条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 中京三条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 右京一条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 左京一条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 左右京二条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 左右京三条 RD:3 評価値:2
- 大部品: 左右四条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 中京一条、中京四条 RD:2 評価値:1
- 大部品: 巫太陰都市計画 RD:26 評価値:8
- 部品: 秘匿
- 部品: 比して
- 部品: 目的
- 部品: 陰陽のバランス
- 大部品: 呪術都市巫 RD:12 評価値:6
- 部品: 神仏との関わり
- 大部品: 水路十二坊と黄道十二宮 RD:2 評価値:1
- 大部品: 大路四十八里と八卦六位図 RD:9 評価値:5
- 部品: 社の配置
- 部品: 工芸品の生産の助け
- 部品: 福祉施設への影響
- 部品: 水気による清め
- 部品: 人の暮らし
- 部品: 商売繁盛の仕組み
- 部品: 勉学に励むこと
- 部品: 安定した観光業を求めて
- 部品: 自然の守護
- 大部品: 小路九町と九星、住戸坊と八卦図 RD:2 評価値:1
- 大部品: 国家の守護 九数図の魔方陣 大八卦と小八卦 RD:2 評価値:1
- 大部品: 内裏の守護、大八卦 九数八卦図 RD:4 評価値:3
- 部品: 馬車停
- 部品: 八門遁甲
- 部品: 橋による陣形
- 部品: 特定の順路
- 大部品: 政庁の守護、小八卦 九数八卦図 五行相克図 RD:2 評価値:1
部品定義
部品: はじめに
砂漠からの再生後、神聖巫連盟の人口は増加を続けている。そしてこれまでの生活のあらゆる面で不足が生じるようになった。どうせ作るならつぎはぎだらけの見栄えの悪い都市よりも、いっそゼロから新しい整然とした都市をつくり出そう、こうして提出された数ある一案のうちの一つが以下に記す「巫太陽都市計画」である。
部品: 太陽都市の由来
太陽という名の都市を造るわけではない。太陽のように日の出の勢い、力強さを持った都市にしよう、そう言った思いを込めて付けられた名称である。都市名に関しては変更するかどうかは定かではない。
部品: 都市概略
都市の規模は旧都に比べて倍近い面積となっている。 都市内部は縦横に大路、小路、水路が格子状に走っており、小路で区切られた場所を「町」とし、大路で区切られた九の町を「里」とし、大水路によって区切られた里を「坊」として、それらが行政区分の単位となっている。
部品: 馬車
都市内部での主な交通機関は陸路による馬車と水路による小舟の二つである。
馬車は、移動速度が早く、大型の物は乗車可能人数も多くなるが、停車場所や出発時刻、通行ルートなどが定められているため利用者の自由が少ない。
部品: 水路
小舟は、速度が遅く、乗船可能人数は少ないが、一町単位で乗り降りできる場所が有り、船の数が多いため簡単に捕まえることが出きる。
この二つは例えて言うなら、バスとタクシーの関係である。それぞれに一長一短が有り、これらを上手く使って利用することが通である、などと旅行者には語られている。
部品: 内裏
中京二条。巫の官庁所在地である。周囲を城壁で囲んでいるが、これらは有事の際に置ける役割を考えてのもので、戦時でない限り門が閉ざされたり、堀の橋がはずされることはない。
部品: 内部
内裏内部は、中央に姫巫女と近侍の巫女達が暮らす宮殿が置かれ、東に政務を司る三公(さんこう)、北東に行政の中心である八省(はっしょう)、南東には国軍である巫四軍(かんなぎよんぐん)、西には藩国内七層を監督する七層監察(しちそうかんさつ)、北西に首都を司る六職(りくしき)、北東には神祇祭祀を司る天地二官と巫の道祖神、神社、南には若い官僚達が暮らす九つの寮があり、北には侍女が所属する『みたらし団子茶房巫』が置かれている。
部品: 学礼坊
学礼坊は南北で毛色の異なる珍しい坊である。北には国内最高学府である太学とその付属高、中、小学が置かれており、太学の周囲には学生寮や古書店、素材店など、学問に関するもので占められている。
部品: 観光地
一方南に目を移すと観光地が占めている。碧の瓦と朱の柱、白の壁による三元で囲まれており、南北の城門(これも観光物の一部)をくぐるとそこには北とは趣の異なった賑やかさがひらかれている。 一部の有識者達からは、学問と繁華街を一緒にするなどけしからん、学力が低下したらどうするつもりだ、などと不平が出ているようであるが、それらは最高学府の厳しさを知らない有識者達の杞憂でしかない。むしろ、遊び場が近くにありながらも、行くことの出来ない学生達に憐れみを覚えてやるべきなのである……。
部品: 工芸坊
都市模型では南北で工房と住居が区分されているが、実際のところは住居区域にも小さな工房が多数存在しているし、工房区域の方にも集合住宅が建設されている。
部品: 職人の住まい
いわゆる町工場と呼ばれる区画であるが、ここで作られているものは機械や部品と言った工業品ではなく、陶器、大工、金物や織物など工芸品に分類される物である。徒弟制度の習慣が今も根強く続いており、頭領とその家族、弟子と妻子が一家を形成し工房周りに集まって暮らしている。
直売所では日用品から芸術品まで、南の商業地域とは異なった品揃えを安値で販売しており、西住戸坊の北辺で生活する人々は商業坊よりもこちらを利用することの方が多い。
部品: 寺社坊
寺社坊
本来は寺社仏閣のみを主とするはずであったが、様々な宗教関係の組織が立ち並ぶようになり、ある種奇怪な……、否、国際色豊かな宗教施設群が出来上がっている。 それぞれの宗教で対立などはあるが、配置や国内の規律、規制、内政による通達、風潮のため、それぞれが喧嘩することなく並列している。
部品: 寺社仏閣区
丑寅(鬼門)には寺社仏閣を配置。古典的と言うか、王道と言うか、まあ、そんな理由で作られた寺社仏閣坊であり、学礼坊に置かれた観光用の寺や神社と異なり、真面目に修行に打ち込む者達がこちらには多い。しかしながら、あらゆる宗教が集まっているため、およそ一月に一度の割合で祭が行われるため、観光客が集まってくることが多々有り、責任者達の嬉しい矛盾と誤算のため息が聞かれることもしばしばである。
部品: 東西住戸坊
巫の一般国民が暮らす住居区である。普通の住宅地である。どこにでも在る住宅地である。強いて他と違う点を挙げると、建築物はほとんどが木造建築である。建築には瓦屋根がついており、地震が起きると瓦が落ち、建築物の倒壊を防ぐ仕組み。
部品: 区画整理
区画整理のときにやたらと厳しかった。これは神聖巫連盟の建築物のほとんどが木造であるため、燃え移りを最低限にするための配置、消防が最速でかけつけるための配置としている。
部品: 東西商業坊
東西それぞれの坊に二つずつ商会があり、商業坊を取り仕切っているのは、その四つの商会である。商業坊で市以外に店舗を構えるためにはこの四商会のいずれかに属す必要がある。
部品: 商会
商会とはゼロからの起業をメインに考えられたシステムである。四つの商会の名は蘇芳(すおう)縹(はなだ)浅葱(あさぎ)山吹(やまぶき)であり、その役割は商品の仕入れ、流通、経営コンサルト、資金融資など民間的サービスと営業登録、株の管理、経営監査、訴訟の調停など公的サービスの二種類、要約すると中小企業の福利厚生、起業支援を行っている。
部品: 巫市場
もう一つ、商業坊の特徴は市である。市とは、東西どちらにも設置されている公営の貸店舗のことで、屋根と柱と商品棚だけの簡素な作りになっており、公営フリーマーケット会場、と呼ぶのが適切かもしれない。商会に所属する必要も無く使用手続きも簡素で、場所さえ開いていれば当日申請でも受け付けており、行商人や日曜大工から、芸術家や学問家など様々な人が集まって来る。また、商会に所属していても使用は許可されるため、新製品の売り出し、期間限定商品や地方特産物の販売など、商会による突発的なイベントが開かれることもしばしばある。
部品: 東西農耕坊
都市の規模を拡大すると南方にあった農作地に限りなく接近した。ならいっそ、農地も都市の一部に組み込んでしまおう、ということになり、農地も都市にあわせて拡大された。そうしてできたのが農耕坊である。
部品: 農業
もともとあった食糧生産地を吸収したため、この区画は大路、小路、水路、社の建設以外はほとんど手がつけられていない。住人の多くが自ら自宅に畑を持つ神聖巫連盟であるが、やはりこれらの職業は欠かせない。土地にはそれぞれ理力使い、式神使いがついており、畑の
手伝いを行っている。
部品: 公営住宅、農地
公舎坊、公田坊は国が管理している公営住宅と公営農地である。 北は住居と農地がセットになって貸与され、南は農地だけを貸し出す方針で作られている。公舎坊は基本的に低所得者向けの福祉施設のため手続きや審査が厳重に行われるが、公田坊は日曜農家感覚で借りることができるほど簡素な事務で行われている。
部品: 賃貸制度
貸借料は金銭が基本となっているが、農地であるため物納も可能としており、収穫量の20~25%ほどで支払われることもある。こちらの農地にも理力使いらが配置され、農地の虫除けや、豊穣祈願を行っている。が、地味なためかあまり活躍は知られていない。こちらでは学問をしながら農地の手伝いをする理力使いも多い。
部品: 秘匿
太陰都市計画は、国民番号を持つ国民の他には秘匿される、太陽都市計画と対象となる都市計画である。表向きの区が整理された太陽都市計画の他、街の配置や神社仏閣の配置を用いて区の防御、安定を図っている。
部品: 比して
太陽とは天空に登る日輪の他に、陽気に満ちあふれた状態を意味する語でもある。国家の興亡にも都市の栄枯盛衰にも、盛者必衰の理があるように、天地の四象も陽気が充ちればあとは陰に転じていくのみである。太陽とはつまり、将来に陰気が充ちることの忠告でもある。
部品: 目的
そうしたときのために、穏やかな陰気のときを迎えるための計画、それがこれから記す太陰計画である。一つ説明しておくが、陰気とはけして不幸、不運を指し示す言葉ではなく、さらに言えば、陽気が幸運、幸福と言うものでもない。陽とは動であり、活発であり、陰とは静であり、柔順であり、いわば気の形であり、自然の在り方なのである。
部品: 陰陽のバランス
例えば、ここに一つの部屋がある。そこに活動的な少年(陽)がいたとして、静かな空間(陰気)であれば、彼がいかに活動的でもただ一人から回るだけである。柔順な少年(陰)が、賑やかな空間(陽気)に入れられれば気疲れするであろう。都市の陰陽も、国家の陰陽も、つまりはそれと同じなのである。
部品: 神仏との関わり
巫は神仏の加護の中に生きてきた民であるので、神話、宣旨の類から、おみくじ、迷信に至る小さな神事まで、現在でも広く受け入れられている。いわば呪術的土壌が構築されているのである。そのため、計画者達は都市に結界をしくことで巫を守ろうと考えた。
部品: 夜の気
陰気とはすなわち夜の気をあらわす。都市にとって天の明かりは月であり、地上の明かりは王である。月は満ちて欠けていく。王もまた同じである。望月であれば明かりはあるが朔であればどうだろうか。世界は闇に包まれる。答は否である。
部品: 灯火
たとえ朔の夜であろうとも、それには無数の星が小さな灯火を発している。故に地上にも星の守護を求めた。十二坊に必ず一つ神社が置いてあるのは、十二宮を求めるためである。二神を祀っている内裏の神社に社が三つあるのもそのためである。
たとえ空が曇ろうと、王に陰りが見えようと、神社の灯火によって人を導くための守護が十二宮の神社なのである。
部品: 社の配置
四十八里大路で区分された四十八の里には必ず社が置かれている。小さな社であるために由緒但書は何もない。ただの一市民の目から見れば、地蔵か稲荷か、その類の一つにしか見えないものである。だがその中にこそ、八卦六位の守護が祀られているのである。
八卦六位図とは、縦の八卦と横の六爻に干支を配当したものである。
部品: 工芸品の生産の助け
工芸坊には甲乙(木気)の十二支が祀られている。工芸品を生産するには火を使う。火気を強めるためには、木気が必要なのである。故に、この坊が強い火を必要とする工芸坊となった。
部品: 福祉施設への影響
公舎坊には甲乙(木気)壬癸(水気)の十二支が祀られている。弱者を大樹(木気)へと育つように、栄養(水気)を与える。木気を強めるのは水気である。
故に、福祉施設である公舎坊となった。
部品: 水気による清め
寺社坊には壬癸(水気)の十二支が祀られている。万物は陰陽に別れ、初めに清浄なる水を生じた。つまり万物は水によって生じ、水によって清められる。故に丑寅において邪気を防ぎ汚れた寺社を浄める。故にこの坊は寺社坊となった。
部品: 人の暮らし
住戸坊と内裏には丙丁(火気)の十二支が祀られている。人は生活に火を使い、暖をとって活動的となる。人の営みは火によって生じるのである。 故にこの坊は、人が活動的であることを要する住戸坊と内裏となった。
部品: 商売繁盛の仕組み
商業坊には戊己(土気)の十二支が祀られている。人は商いによって金を生まなくてはならない。金気は土気によって生じる。 故にこの坊は金を必要とする商業坊となった。
部品: 勉学に励むこと
学礼坊には戊己(土気)癸(水気)の十二支が祀られている。 太学には戊の気で満ちている。「戊」の字義には植物の成長の絶頂期を意味し、学ぶ者達が大いに伸びるようにと願われている。
部品: 安定した観光業を求めて
観光地には己と癸が置かれている。この二つは相克の関係にあり、土気が水気を吸い取ってしまい水気が弱められる。そのような土地に何故観光街がおかれたか。それは、観光街、華やかさを意味するのは金気であり、金気は土気によって生じる。より華やかさを生むために、そして金を生むために、この場所は観光地に適しているのである。そして金気は水気を生む。弱められた水気はこうして新たな力を得て木気を生じようとするが、過分な力は土気によって吸収されてしまう。つまりこの地は常に三気で安定しているので、大成せずとも没落もしないのである。
部品: 自然の守護
農耕坊と公田坊には庚辛(金気)の十二支が祀られている。金気によって水気が生じ、農地を潤して作物を育てる。そして豊饒な土地(土気)には金気が生じる。農地によって生じた金気で守護が強められ、人智では防ぎようもない災厄からこの地を守る。 故にこの坊は自然との共生が重要な農耕坊と公田坊となった。
部品: 運気の一定化
各町の名前には九星に因んだ名称を(一白水星の地なら白商町、一水町など)つけて、九星の気の力が作用するようにした。九星の気とは、年、月、日、時刻に割り当てられている、いわば時の運気である。時の運気を一定にさせ、運や偶然による格差を無くして争いを減じさせることを目的とした結界である。陰気が満ちた時はつまらない誤解や勘違いで嫉妬や妬みといった陰鬱な感情が渦巻く。努力した者には相応の報いが、怠けた者には相応の報いが、それぞれ下るようになっている。
部品: 八卦図の設置
さらに、人が多く住む住戸坊の九町は、中央を除く八方位に先天、後天それぞれの八卦図を作成した。八卦は陰(- -)陽(ー)二種の線を三本積み上げて示される八つの気で、天、沢、火、雷、風、水、山、地の八つの自然を指し、八卦図とは各方位にそれぞれを配当した結界の図であり、先天と後天の二種類がある。
住居区域を綿密に測定し、家の立ち位置、連なりによって陰陽二本の線を現し、それによって八卦を作り、八卦図の魔方陣を敷き上げたのである。そのため住戸坊では、区画制限が厳しく、簡単に土地の分配が出来ないように国有地が設けられている。
部品: 都市の守護
十二宮、八卦六位、九星によってある程度十分な結界を敷くまでに至ったが、これらは全て都市のための結界であって、この都市にはもうひとつ、都市ではなく守るべきものがある。それはつまり内裏、都市の中心部であり、神聖巫連盟藩国の中心でもある場所である。
部品: 魔方陣
太陰計画ではさらに、この内裏を守護するための結界も敷くことになった。その結界が九数図による魔方陣である。九数図とは縦横三マス、計九マスの中に一から九までの数字を当てはめ、縦横斜めの総和が全て十五になる形の数字による結界で、中央を除く数字には八卦が宿る。
部品: 馬車停
大八卦として、内裏と周囲八坊に九数図を敷いた。それぞれの坊において数字を示すのは、馬車停の数である。大水路に沿ってはしる大路の中心に線を引いて九分割したとき、馬車停の数はそれぞれの九数図に相応するようになっている。表向きには、縦横斜めの総和が十五であるため、ダイヤの作成が容易になる、とされているのだが、裏にはこのような事情が隠されていた。
部品: 八門遁甲
また、この九数八卦図は結界としての機能だけでなく、物質的な、より正確に言うならば、軍事的な戦闘においても結界、すなわち、陣形となっている。外部から九坊に入るためには水路を越えなくてはならないが、侵入のために固定されている橋は八本しか無く、他は全て跳開橋となっており、容易に突入できないようになっている。
部品: 橋による陣形
軍事に堪の良い方ならお分かりであろうが、八本の橋とは、八門であり、すなわち八卦の陣のことである。少し解説しておくと、八卦の陣とは方陣に組まれた隊列のなかに八門と呼ばれる突入径路があり、正しい門から突入しなければ必ず負けると言われた陣形で、一説には十万の兵に匹敵するとまで言われている。
部品: 特定の順路
この九坊に敷かれた八卦陣も同様で、正しい順路で橋を降ろしていかないと内裏に辿り着くまでに時間がかかり、場合によっては孤立してしまう事態にもなりかねない。さらに戦場は街中であるから、大軍であろうとも大きく展開できず、大軍の利を行かせない作ず、小国である巫にとっては非常に有利な地形となるように計算されている。
ただし、この陣には大きな欠点があり、それは、人で作った陣形ではないため門の位置が完全に固定されていることにある。したがって、八門の位置が知られた場合この陣は無効になってしまうため、八門の位置は慎重に秘され、都市設計の段階にあっても一切の記録を残さず数名の頭の中にのみ記述されていたほどである。
部品: 九数の相応
周囲の大八卦と同じく、内裏内部にもいても九数図の結界が敷かれている。大八卦では馬車停で数を現したが、内裏内部では政庁舎、細かく言えば各省庁の長官執務室が置かれた官舎、もしくは長官職の数、によって九数の相応がされている。そして、内裏敷地内にかなりの空き地があるのは、それが原因である。この先場合によっては官職の増加や官舎の建て増しが必要になって来る可能性が大いにある。そのとき、官舎の建て直しにより九数図の結界を破壊されかねない。それを防ぐためにわざと空き地を多くとり、建て増しに備えたのである。
部品: 五行相克
もうひとつ、内裏には結界が張られている。それが五行相克による結界である。 九数図の中心数は何があろうとも五である。つまり馬車停の数は五であり、馬車停をもちいて五行図を描いたのである。内裏の馬車停は内裏の中心を中心として正五角形に配置されている。南二つの馬車停車が城壁内部にあるのはそのためである。
提出書式
大部品: 都市計画 RD:48 評価値:9
-部品: はじめに
-大部品: 巫太陽都市計画 RD:21 評価値:7
--部品: 太陽都市の由来
--部品: 都市概略
--大部品: 交通機関 RD:2 評価値:1
---部品: 馬車
---部品: 水路
--大部品: 中京二条 RD:2 評価値:1
---部品: 内裏
---部品: 内部
--大部品: 中京三条 RD:2 評価値:1
---部品: 学礼坊
---部品: 観光地
--大部品: 右京一条 RD:2 評価値:1
---部品: 工芸坊
---部品: 職人の住まい
--大部品: 左京一条 RD:2 評価値:1
---部品: 寺社坊
---部品: 寺社仏閣区
--大部品: 左右京二条 RD:2 評価値:1
---部品: 東西住戸坊
---部品: 区画整理
--大部品: 左右京三条 RD:3 評価値:2
---部品: 東西商業坊
---部品: 商会
---部品: 巫市場
--大部品: 左右四条 RD:2 評価値:1
---部品: 東西農耕坊
---部品: 農業
--大部品: 中京一条、中京四条 RD:2 評価値:1
---部品: 公営住宅、農地
---部品: 賃貸制度
-大部品: 巫太陰都市計画 RD:26 評価値:8
--部品: 秘匿
--部品: 比して
--部品: 目的
--部品: 陰陽のバランス
--大部品: 呪術都市巫 RD:12 評価値:6
---部品: 神仏との関わり
---大部品: 水路十二坊と黄道十二宮 RD:2 評価値:1
----部品: 夜の気
----部品: 灯火
---大部品: 大路四十八里と八卦六位図 RD:9 評価値:5
----部品: 社の配置
----部品: 工芸品の生産の助け
----部品: 福祉施設への影響
----部品: 水気による清め
----部品: 人の暮らし
----部品: 商売繁盛の仕組み
----部品: 勉学に励むこと
----部品: 安定した観光業を求めて
----部品: 自然の守護
--大部品: 小路九町と九星、住戸坊と八卦図 RD:2 評価値:1
---部品: 運気の一定化
---部品: 八卦図の設置
--大部品: 国家の守護 九数図の魔方陣 大八卦と小八卦 RD:2 評価値:1
---部品: 都市の守護
---部品: 魔方陣
--大部品: 内裏の守護、大八卦 九数八卦図 RD:4 評価値:3
---部品: 馬車停
---部品: 八門遁甲
---部品: 橋による陣形
---部品: 特定の順路
--大部品: 政庁の守護、小八卦 九数八卦図 五行相克図 RD:2 評価値:1
---部品: 九数の相応
---部品: 五行相克
部品: はじめに
砂漠からの再生後、神聖巫連盟の人口は増加を続けている。そしてこれまでの生活のあらゆる面で不足が生じるようになった。どうせ作るならつぎはぎだらけの見栄えの悪い都市よりも、いっそゼロから新しい整然とした都市をつくり出そう、こうして提出された数ある一案のうちの一つが以下に記す「巫太陽都市計画」である。
部品: 太陽都市の由来
太陽という名の都市を造るわけではない。太陽のように日の出の勢い、力強さを持った都市にしよう、そう言った思いを込めて付けられた名称である。都市名に関しては変更するかどうかは定かではない。
部品: 都市概略
都市の規模は旧都に比べて倍近い面積となっている。 都市内部は縦横に大路、小路、水路が格子状に走っており、小路で区切られた場所を「町」とし、大路で区切られた九の町を「里」とし、大水路によって区切られた里を「坊」として、それらが行政区分の単位となっている。
部品: 馬車
都市内部での主な交通機関は陸路による馬車と水路による小舟の二つである。
馬車は、移動速度が早く、大型の物は乗車可能人数も多くなるが、停車場所や出発時刻、通行ルートなどが定められているため利用者の自由が少ない。
部品: 水路
小舟は、速度が遅く、乗船可能人数は少ないが、一町単位で乗り降りできる場所が有り、船の数が多いため簡単に捕まえることが出きる。
この二つは例えて言うなら、バスとタクシーの関係である。それぞれに一長一短が有り、これらを上手く使って利用することが通である、などと旅行者には語られている。
部品: 内裏
中京二条。巫の官庁所在地である。周囲を城壁で囲んでいるが、これらは有事の際に置ける役割を考えてのもので、戦時でない限り門が閉ざされたり、堀の橋がはずされることはない。
部品: 内部
内裏内部は、中央に姫巫女と近侍の巫女達が暮らす宮殿が置かれ、東に政務を司る三公(さんこう)、北東に行政の中心である八省(はっしょう)、南東には国軍である巫四軍(かんなぎよんぐん)、西には藩国内七層を監督する七層監察(しちそうかんさつ)、北西に首都を司る六職(りくしき)、北東には神祇祭祀を司る天地二官と巫の道祖神、神社、南には若い官僚達が暮らす九つの寮があり、北には侍女が所属する『みたらし団子茶房巫』が置かれている。
部品: 学礼坊
学礼坊は南北で毛色の異なる珍しい坊である。北には国内最高学府である太学とその付属高、中、小学が置かれており、太学の周囲には学生寮や古書店、素材店など、学問に関するもので占められている。
部品: 観光地
一方南に目を移すと観光地が占めている。碧の瓦と朱の柱、白の壁による三元で囲まれており、南北の城門(これも観光物の一部)をくぐるとそこには北とは趣の異なった賑やかさがひらかれている。 一部の有識者達からは、学問と繁華街を一緒にするなどけしからん、学力が低下したらどうするつもりだ、などと不平が出ているようであるが、それらは最高学府の厳しさを知らない有識者達の杞憂でしかない。むしろ、遊び場が近くにありながらも、行くことの出来ない学生達に憐れみを覚えてやるべきなのである……。
部品: 工芸坊
都市模型では南北で工房と住居が区分されているが、実際のところは住居区域にも小さな工房が多数存在しているし、工房区域の方にも集合住宅が建設されている。
部品: 職人の住まい
いわゆる町工場と呼ばれる区画であるが、ここで作られているものは機械や部品と言った工業品ではなく、陶器、大工、金物や織物など工芸品に分類される物である。徒弟制度の習慣が今も根強く続いており、頭領とその家族、弟子と妻子が一家を形成し工房周りに集まって暮らしている。
直売所では日用品から芸術品まで、南の商業地域とは異なった品揃えを安値で販売しており、西住戸坊の北辺で生活する人々は商業坊よりもこちらを利用することの方が多い。
部品: 寺社坊
寺社坊
本来は寺社仏閣のみを主とするはずであったが、様々な宗教関係の組織が立ち並ぶようになり、ある種奇怪な……、否、国際色豊かな宗教施設群が出来上がっている。 それぞれの宗教で対立などはあるが、配置や国内の規律、規制、内政による通達、風潮のため、それぞれが喧嘩することなく並列している。
部品: 寺社仏閣区
丑寅(鬼門)には寺社仏閣を配置。古典的と言うか、王道と言うか、まあ、そんな理由で作られた寺社仏閣坊であり、学礼坊に置かれた観光用の寺や神社と異なり、真面目に修行に打ち込む者達がこちらには多い。しかしながら、あらゆる宗教が集まっているため、およそ一月に一度の割合で祭が行われるため、観光客が集まってくることが多々有り、責任者達の嬉しい矛盾と誤算のため息が聞かれることもしばしばである。
部品: 東西住戸坊
巫の一般国民が暮らす住居区である。普通の住宅地である。どこにでも在る住宅地である。強いて他と違う点を挙げると、建築物はほとんどが木造建築である。建築には瓦屋根がついており、地震が起きると瓦が落ち、建築物の倒壊を防ぐ仕組み。
部品: 区画整理
区画整理のときにやたらと厳しかった。これは神聖巫連盟の建築物のほとんどが木造であるため、燃え移りを最低限にするための配置、消防が最速でかけつけるための配置としている。
部品: 東西商業坊
東西それぞれの坊に二つずつ商会があり、商業坊を取り仕切っているのは、その四つの商会である。商業坊で市以外に店舗を構えるためにはこの四商会のいずれかに属す必要がある。
部品: 商会
商会とはゼロからの起業をメインに考えられたシステムである。四つの商会の名は蘇芳(すおう)縹(はなだ)浅葱(あさぎ)山吹(やまぶき)であり、その役割は商品の仕入れ、流通、経営コンサルト、資金融資など民間的サービスと営業登録、株の管理、経営監査、訴訟の調停など公的サービスの二種類、要約すると中小企業の福利厚生、起業支援を行っている。
部品: 巫市場
もう一つ、商業坊の特徴は市である。市とは、東西どちらにも設置されている公営の貸店舗のことで、屋根と柱と商品棚だけの簡素な作りになっており、公営フリーマーケット会場、と呼ぶのが適切かもしれない。商会に所属する必要も無く使用手続きも簡素で、場所さえ開いていれば当日申請でも受け付けており、行商人や日曜大工から、芸術家や学問家など様々な人が集まって来る。また、商会に所属していても使用は許可されるため、新製品の売り出し、期間限定商品や地方特産物の販売など、商会による突発的なイベントが開かれることもしばしばある。
部品: 東西農耕坊
都市の規模を拡大すると南方にあった農作地に限りなく接近した。ならいっそ、農地も都市の一部に組み込んでしまおう、ということになり、農地も都市にあわせて拡大された。そうしてできたのが農耕坊である。
部品: 農業
もともとあった食糧生産地を吸収したため、この区画は大路、小路、水路、社の建設以外はほとんど手がつけられていない。住人の多くが自ら自宅に畑を持つ神聖巫連盟であるが、やはりこれらの職業は欠かせない。土地にはそれぞれ理力使い、式神使いがついており、畑の
手伝いを行っている。
部品: 公営住宅、農地
公舎坊、公田坊は国が管理している公営住宅と公営農地である。 北は住居と農地がセットになって貸与され、南は農地だけを貸し出す方針で作られている。公舎坊は基本的に低所得者向けの福祉施設のため手続きや審査が厳重に行われるが、公田坊は日曜農家感覚で借りることができるほど簡素な事務で行われている。
部品: 賃貸制度
貸借料は金銭が基本となっているが、農地であるため物納も可能としており、収穫量の20~25%ほどで支払われることもある。こちらの農地にも理力使いらが配置され、農地の虫除けや、豊穣祈願を行っている。が、地味なためかあまり活躍は知られていない。こちらでは学問をしながら農地の手伝いをする理力使いも多い。
部品: 秘匿
太陰都市計画は、国民番号を持つ国民の他には秘匿される、太陽都市計画と対象となる都市計画である。表向きの区が整理された太陽都市計画の他、街の配置や神社仏閣の配置を用いて区の防御、安定を図っている。
部品: 比して
太陽とは天空に登る日輪の他に、陽気に満ちあふれた状態を意味する語でもある。国家の興亡にも都市の栄枯盛衰にも、盛者必衰の理があるように、天地の四象も陽気が充ちればあとは陰に転じていくのみである。太陽とはつまり、将来に陰気が充ちることの忠告でもある。
部品: 目的
そうしたときのために、穏やかな陰気のときを迎えるための計画、それがこれから記す太陰計画である。一つ説明しておくが、陰気とはけして不幸、不運を指し示す言葉ではなく、さらに言えば、陽気が幸運、幸福と言うものでもない。陽とは動であり、活発であり、陰とは静であり、柔順であり、いわば気の形であり、自然の在り方なのである。
部品: 陰陽のバランス
例えば、ここに一つの部屋がある。そこに活動的な少年(陽)がいたとして、静かな空間(陰気)であれば、彼がいかに活動的でもただ一人から回るだけである。柔順な少年(陰)が、賑やかな空間(陽気)に入れられれば気疲れするであろう。都市の陰陽も、国家の陰陽も、つまりはそれと同じなのである。
部品: 神仏との関わり
巫は神仏の加護の中に生きてきた民であるので、神話、宣旨の類から、おみくじ、迷信に至る小さな神事まで、現在でも広く受け入れられている。いわば呪術的土壌が構築されているのである。そのため、計画者達は都市に結界をしくことで巫を守ろうと考えた。
部品: 夜の気
陰気とはすなわち夜の気をあらわす。都市にとって天の明かりは月であり、地上の明かりは王である。月は満ちて欠けていく。王もまた同じである。望月であれば明かりはあるが朔であればどうだろうか。世界は闇に包まれる。答は否である。
部品: 灯火
たとえ朔の夜であろうとも、それには無数の星が小さな灯火を発している。故に地上にも星の守護を求めた。十二坊に必ず一つ神社が置いてあるのは、十二宮を求めるためである。二神を祀っている内裏の神社に社が三つあるのもそのためである。
たとえ空が曇ろうと、王に陰りが見えようと、神社の灯火によって人を導くための守護が十二宮の神社なのである。
部品: 社の配置
四十八里大路で区分された四十八の里には必ず社が置かれている。小さな社であるために由緒但書は何もない。ただの一市民の目から見れば、地蔵か稲荷か、その類の一つにしか見えないものである。だがその中にこそ、八卦六位の守護が祀られているのである。
八卦六位図とは、縦の八卦と横の六爻に干支を配当したものである。
部品: 工芸品の生産の助け
工芸坊には甲乙(木気)の十二支が祀られている。工芸品を生産するには火を使う。火気を強めるためには、木気が必要なのである。故に、この坊が強い火を必要とする工芸坊となった。
部品: 福祉施設への影響
公舎坊には甲乙(木気)壬癸(水気)の十二支が祀られている。弱者を大樹(木気)へと育つように、栄養(水気)を与える。木気を強めるのは水気である。
故に、福祉施設である公舎坊となった。
部品: 水気による清め
寺社坊には壬癸(水気)の十二支が祀られている。万物は陰陽に別れ、初めに清浄なる水を生じた。つまり万物は水によって生じ、水によって清められる。故に丑寅において邪気を防ぎ汚れた寺社を浄める。故にこの坊は寺社坊となった。
部品: 人の暮らし
住戸坊と内裏には丙丁(火気)の十二支が祀られている。人は生活に火を使い、暖をとって活動的となる。人の営みは火によって生じるのである。 故にこの坊は、人が活動的であることを要する住戸坊と内裏となった。
部品: 商売繁盛の仕組み
商業坊には戊己(土気)の十二支が祀られている。人は商いによって金を生まなくてはならない。金気は土気によって生じる。 故にこの坊は金を必要とする商業坊となった。
部品: 勉学に励むこと
学礼坊には戊己(土気)癸(水気)の十二支が祀られている。 太学には戊の気で満ちている。「戊」の字義には植物の成長の絶頂期を意味し、学ぶ者達が大いに伸びるようにと願われている。
部品: 安定した観光業を求めて
観光地には己と癸が置かれている。この二つは相克の関係にあり、土気が水気を吸い取ってしまい水気が弱められる。そのような土地に何故観光街がおかれたか。それは、観光街、華やかさを意味するのは金気であり、金気は土気によって生じる。より華やかさを生むために、そして金を生むために、この場所は観光地に適しているのである。そして金気は水気を生む。弱められた水気はこうして新たな力を得て木気を生じようとするが、過分な力は土気によって吸収されてしまう。つまりこの地は常に三気で安定しているので、大成せずとも没落もしないのである。
部品: 自然の守護
農耕坊と公田坊には庚辛(金気)の十二支が祀られている。金気によって水気が生じ、農地を潤して作物を育てる。そして豊饒な土地(土気)には金気が生じる。農地によって生じた金気で守護が強められ、人智では防ぎようもない災厄からこの地を守る。 故にこの坊は自然との共生が重要な農耕坊と公田坊となった。
部品: 運気の一定化
各町の名前には九星に因んだ名称を(一白水星の地なら白商町、一水町など)つけて、九星の気の力が作用するようにした。九星の気とは、年、月、日、時刻に割り当てられている、いわば時の運気である。時の運気を一定にさせ、運や偶然による格差を無くして争いを減じさせることを目的とした結界である。陰気が満ちた時はつまらない誤解や勘違いで嫉妬や妬みといった陰鬱な感情が渦巻く。努力した者には相応の報いが、怠けた者には相応の報いが、それぞれ下るようになっている。
部品: 八卦図の設置
さらに、人が多く住む住戸坊の九町は、中央を除く八方位に先天、後天それぞれの八卦図を作成した。八卦は陰(- -)陽(ー)二種の線を三本積み上げて示される八つの気で、天、沢、火、雷、風、水、山、地の八つの自然を指し、八卦図とは各方位にそれぞれを配当した結界の図であり、先天と後天の二種類がある。
住居区域を綿密に測定し、家の立ち位置、連なりによって陰陽二本の線を現し、それによって八卦を作り、八卦図の魔方陣を敷き上げたのである。そのため住戸坊では、区画制限が厳しく、簡単に土地の分配が出来ないように国有地が設けられている。
部品: 都市の守護
十二宮、八卦六位、九星によってある程度十分な結界を敷くまでに至ったが、これらは全て都市のための結界であって、この都市にはもうひとつ、都市ではなく守るべきものがある。それはつまり内裏、都市の中心部であり、神聖巫連盟藩国の中心でもある場所である。
部品: 魔方陣
太陰計画ではさらに、この内裏を守護するための結界も敷くことになった。その結界が九数図による魔方陣である。九数図とは縦横三マス、計九マスの中に一から九までの数字を当てはめ、縦横斜めの総和が全て十五になる形の数字による結界で、中央を除く数字には八卦が宿る。
部品: 馬車停
大八卦として、内裏と周囲八坊に九数図を敷いた。それぞれの坊において数字を示すのは、馬車停の数である。大水路に沿ってはしる大路の中心に線を引いて九分割したとき、馬車停の数はそれぞれの九数図に相応するようになっている。表向きには、縦横斜めの総和が十五であるため、ダイヤの作成が容易になる、とされているのだが、裏にはこのような事情が隠されていた。
部品: 八門遁甲
また、この九数八卦図は結界としての機能だけでなく、物質的な、より正確に言うならば、軍事的な戦闘においても結界、すなわち、陣形となっている。外部から九坊に入るためには水路を越えなくてはならないが、侵入のために固定されている橋は八本しか無く、他は全て跳開橋となっており、容易に突入できないようになっている。
部品: 橋による陣形
軍事に堪の良い方ならお分かりであろうが、八本の橋とは、八門であり、すなわち八卦の陣のことである。少し解説しておくと、八卦の陣とは方陣に組まれた隊列のなかに八門と呼ばれる突入径路があり、正しい門から突入しなければ必ず負けると言われた陣形で、一説には十万の兵に匹敵するとまで言われている。
部品: 特定の順路
この九坊に敷かれた八卦陣も同様で、正しい順路で橋を降ろしていかないと内裏に辿り着くまでに時間がかかり、場合によっては孤立してしまう事態にもなりかねない。さらに戦場は街中であるから、大軍であろうとも大きく展開できず、大軍の利を行かせない作ず、小国である巫にとっては非常に有利な地形となるように計算されている。
ただし、この陣には大きな欠点があり、それは、人で作った陣形ではないため門の位置が完全に固定されていることにある。したがって、八門の位置が知られた場合この陣は無効になってしまうため、八門の位置は慎重に秘され、都市設計の段階にあっても一切の記録を残さず数名の頭の中にのみ記述されていたほどである。
部品: 九数の相応
周囲の大八卦と同じく、内裏内部にもいても九数図の結界が敷かれている。大八卦では馬車停で数を現したが、内裏内部では政庁舎、細かく言えば各省庁の長官執務室が置かれた官舎、もしくは長官職の数、によって九数の相応がされている。そして、内裏敷地内にかなりの空き地があるのは、それが原因である。この先場合によっては官職の増加や官舎の建て増しが必要になって来る可能性が大いにある。そのとき、官舎の建て直しにより九数図の結界を破壊されかねない。それを防ぐためにわざと空き地を多くとり、建て増しに備えたのである。
部品: 五行相克
もうひとつ、内裏には結界が張られている。それが五行相克による結界である。 九数図の中心数は何があろうとも五である。つまり馬車停の数は五であり、馬車停をもちいて五行図を描いたのである。内裏の馬車停は内裏の中心を中心として正五角形に配置されている。南二つの馬車停車が城壁内部にあるのはそのためである。
インポート用定義データ
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"title": "都市計画",
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"title": "はじめに",
"description": "砂漠からの再生後、神聖巫連盟の人口は増加を続けている。そしてこれまでの生活のあらゆる面で不足が生じるようになった。どうせ作るならつぎはぎだらけの見栄えの悪い都市よりも、いっそゼロから新しい整然とした都市をつくり出そう、こうして提出された数ある一案のうちの一つが以下に記す「巫太陽都市計画」である。",
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},
{
"title": "巫太陽都市計画",
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{
"title": "太陽都市の由来",
"description": "太陽という名の都市を造るわけではない。太陽のように日の出の勢い、力強さを持った都市にしよう、そう言った思いを込めて付けられた名称である。都市名に関しては変更するかどうかは定かではない。",
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},
{
"title": "都市概略",
"description": "都市の規模は旧都に比べて倍近い面積となっている。 都市内部は縦横に大路、小路、水路が格子状に走っており、小路で区切られた場所を「町」とし、大路で区切られた九の町を「里」とし、大水路によって区切られた里を「坊」として、それらが行政区分の単位となっている。\n",
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},
{
"title": "交通機関",
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{
"title": "馬車",
"description": "都市内部での主な交通機関は陸路による馬車と水路による小舟の二つである。 \n馬車は、移動速度が早く、大型の物は乗車可能人数も多くなるが、停車場所や出発時刻、通行ルートなどが定められているため利用者の自由が少ない。 ",
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},
{
"title": "水路",
"description": "小舟は、速度が遅く、乗船可能人数は少ないが、一町単位で乗り降りできる場所が有り、船の数が多いため簡単に捕まえることが出きる。 \nこの二つは例えて言うなら、バスとタクシーの関係である。それぞれに一長一短が有り、これらを上手く使って利用することが通である、などと旅行者には語られている。",
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},
{
"title": "中京二条",
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{
"title": "内裏",
"description": "中京二条。巫の官庁所在地である。周囲を城壁で囲んでいるが、これらは有事の際に置ける役割を考えてのもので、戦時でない限り門が閉ざされたり、堀の橋がはずされることはない。 ",
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},
{
"title": "内部",
"description": "内裏内部は、中央に姫巫女と近侍の巫女達が暮らす宮殿が置かれ、東に政務を司る三公(さんこう)、北東に行政の中心である八省(はっしょう)、南東には国軍である巫四軍(かんなぎよんぐん)、西には藩国内七層を監督する七層監察(しちそうかんさつ)、北西に首都を司る六職(りくしき)、北東には神祇祭祀を司る天地二官と巫の道祖神、神社、南には若い官僚達が暮らす九つの寮があり、北には侍女が所属する『みたらし団子茶房巫』が置かれている。\n",
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}
],
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},
{
"title": "中京三条",
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{
"title": "学礼坊",
"description": "学礼坊は南北で毛色の異なる珍しい坊である。北には国内最高学府である太学とその付属高、中、小学が置かれており、太学の周囲には学生寮や古書店、素材店など、学問に関するもので占められている。 ",
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},
{
"title": "観光地",
"description": "一方南に目を移すと観光地が占めている。碧の瓦と朱の柱、白の壁による三元で囲まれており、南北の城門(これも観光物の一部)をくぐるとそこには北とは趣の異なった賑やかさがひらかれている。 一部の有識者達からは、学問と繁華街を一緒にするなどけしからん、学力が低下したらどうするつもりだ、などと不平が出ているようであるが、それらは最高学府の厳しさを知らない有識者達の杞憂でしかない。むしろ、遊び場が近くにありながらも、行くことの出来ない学生達に憐れみを覚えてやるべきなのである……。\n",
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],
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{
"title": "右京一条",
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{
"title": "工芸坊",
"description": "都市模型では南北で工房と住居が区分されているが、実際のところは住居区域にも小さな工房が多数存在しているし、工房区域の方にも集合住宅が建設されている。 \n",
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},
{
"title": "職人の住まい",
"description": "いわゆる町工場と呼ばれる区画であるが、ここで作られているものは機械や部品と言った工業品ではなく、陶器、大工、金物や織物など工芸品に分類される物である。徒弟制度の習慣が今も根強く続いており、頭領とその家族、弟子と妻子が一家を形成し工房周りに集まって暮らしている。 \n 直売所では日用品から芸術品まで、南の商業地域とは異なった品揃えを安値で販売しており、西住戸坊の北辺で生活する人々は商業坊よりもこちらを利用することの方が多い。\n",
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}
],
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{
"title": "左京一条",
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{
"title": "寺社坊",
"description": "寺社坊\n本来は寺社仏閣のみを主とするはずであったが、様々な宗教関係の組織が立ち並ぶようになり、ある種奇怪な……、否、国際色豊かな宗教施設群が出来上がっている。 それぞれの宗教で対立などはあるが、配置や国内の規律、規制、内政による通達、風潮のため、それぞれが喧嘩することなく並列している。\n",
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},
{
"title": "寺社仏閣区",
"description": "丑寅(鬼門)には寺社仏閣を配置。古典的と言うか、王道と言うか、まあ、そんな理由で作られた寺社仏閣坊であり、学礼坊に置かれた観光用の寺や神社と異なり、真面目に修行に打ち込む者達がこちらには多い。しかしながら、あらゆる宗教が集まっているため、およそ一月に一度の割合で祭が行われるため、観光客が集まってくることが多々有り、責任者達の嬉しい矛盾と誤算のため息が聞かれることもしばしばである。",
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],
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{
"title": "左右京二条",
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{
"title": "東西住戸坊",
"description": "巫の一般国民が暮らす住居区である。普通の住宅地である。どこにでも在る住宅地である。強いて他と違う点を挙げると、建築物はほとんどが木造建築である。建築には瓦屋根がついており、地震が起きると瓦が落ち、建築物の倒壊を防ぐ仕組み。\n",
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},
{
"title": "区画整理",
"description": "区画整理のときにやたらと厳しかった。これは神聖巫連盟の建築物のほとんどが木造であるため、燃え移りを最低限にするための配置、消防が最速でかけつけるための配置としている。\n",
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],
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},
{
"title": "左右京三条",
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{
"title": "東西商業坊",
"description": "東西それぞれの坊に二つずつ商会があり、商業坊を取り仕切っているのは、その四つの商会である。商業坊で市以外に店舗を構えるためにはこの四商会のいずれかに属す必要がある。",
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{
"title": "商会",
"description": "商会とはゼロからの起業をメインに考えられたシステムである。四つの商会の名は蘇芳(すおう)縹(はなだ)浅葱(あさぎ)山吹(やまぶき)であり、その役割は商品の仕入れ、流通、経営コンサルト、資金融資など民間的サービスと営業登録、株の管理、経営監査、訴訟の調停など公的サービスの二種類、要約すると中小企業の福利厚生、起業支援を行っている。 \n",
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{
"title": "巫市場",
"description": "もう一つ、商業坊の特徴は市である。市とは、東西どちらにも設置されている公営の貸店舗のことで、屋根と柱と商品棚だけの簡素な作りになっており、公営フリーマーケット会場、と呼ぶのが適切かもしれない。商会に所属する必要も無く使用手続きも簡素で、場所さえ開いていれば当日申請でも受け付けており、行商人や日曜大工から、芸術家や学問家など様々な人が集まって来る。また、商会に所属していても使用は許可されるため、新製品の売り出し、期間限定商品や地方特産物の販売など、商会による突発的なイベントが開かれることもしばしばある。\n",
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{
"title": "左右四条",
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"title": "東西農耕坊",
"description": "都市の規模を拡大すると南方にあった農作地に限りなく接近した。ならいっそ、農地も都市の一部に組み込んでしまおう、ということになり、農地も都市にあわせて拡大された。そうしてできたのが農耕坊である。",
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{
"title": "農業",
"description": "もともとあった食糧生産地を吸収したため、この区画は大路、小路、水路、社の建設以外はほとんど手がつけられていない。住人の多くが自ら自宅に畑を持つ神聖巫連盟であるが、やはりこれらの職業は欠かせない。土地にはそれぞれ理力使い、式神使いがついており、畑の\n手伝いを行っている。\n",
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"title": "中京一条、中京四条",
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"title": "公営住宅、農地",
"description": "公舎坊、公田坊は国が管理している公営住宅と公営農地である。 北は住居と農地がセットになって貸与され、南は農地だけを貸し出す方針で作られている。公舎坊は基本的に低所得者向けの福祉施設のため手続きや審査が厳重に行われるが、公田坊は日曜農家感覚で借りることができるほど簡素な事務で行われている。 ",
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"title": "賃貸制度",
"description": "貸借料は金銭が基本となっているが、農地であるため物納も可能としており、収穫量の20~25%ほどで支払われることもある。こちらの農地にも理力使いらが配置され、農地の虫除けや、豊穣祈願を行っている。が、地味なためかあまり活躍は知られていない。こちらでは学問をしながら農地の手伝いをする理力使いも多い。\n",
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"title": "巫太陰都市計画",
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"title": "水路十二坊と黄道十二宮",
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"title": "小路九町と九星、住戸坊と八卦図",
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"description": "各町の名前には九星に因んだ名称を(一白水星の地なら白商町、一水町など)つけて、九星の気の力が作用するようにした。九星の気とは、年、月、日、時刻に割り当てられている、いわば時の運気である。時の運気を一定にさせ、運や偶然による格差を無くして争いを減じさせることを目的とした結界である。陰気が満ちた時はつまらない誤解や勘違いで嫉妬や妬みといった陰鬱な感情が渦巻く。努力した者には相応の報いが、怠けた者には相応の報いが、それぞれ下るようになっている。 \n",
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{
"title": "八卦図の設置",
"description": "さらに、人が多く住む住戸坊の九町は、中央を除く八方位に先天、後天それぞれの八卦図を作成した。八卦は陰(- -)陽(ー)二種の線を三本積み上げて示される八つの気で、天、沢、火、雷、風、水、山、地の八つの自然を指し、八卦図とは各方位にそれぞれを配当した結界の図であり、先天と後天の二種類がある。 \n 住居区域を綿密に測定し、家の立ち位置、連なりによって陰陽二本の線を現し、それによって八卦を作り、八卦図の魔方陣を敷き上げたのである。そのため住戸坊では、区画制限が厳しく、簡単に土地の分配が出来ないように国有地が設けられている。\n",
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"title": "国家の守護 九数図の魔方陣 大八卦と小八卦",
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{
"title": "都市の守護",
"description": "十二宮、八卦六位、九星によってある程度十分な結界を敷くまでに至ったが、これらは全て都市のための結界であって、この都市にはもうひとつ、都市ではなく守るべきものがある。それはつまり内裏、都市の中心部であり、神聖巫連盟藩国の中心でもある場所である。 ",
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{
"title": "魔方陣",
"description": "太陰計画ではさらに、この内裏を守護するための結界も敷くことになった。その結界が九数図による魔方陣である。九数図とは縦横三マス、計九マスの中に一から九までの数字を当てはめ、縦横斜めの総和が全て十五になる形の数字による結界で、中央を除く数字には八卦が宿る。\n",
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"title": "内裏の守護、大八卦 九数八卦図",
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"title": "馬車停",
"description": "大八卦として、内裏と周囲八坊に九数図を敷いた。それぞれの坊において数字を示すのは、馬車停の数である。大水路に沿ってはしる大路の中心に線を引いて九分割したとき、馬車停の数はそれぞれの九数図に相応するようになっている。表向きには、縦横斜めの総和が十五であるため、ダイヤの作成が容易になる、とされているのだが、裏にはこのような事情が隠されていた。 \n",
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{
"title": "八門遁甲",
"description": "また、この九数八卦図は結界としての機能だけでなく、物質的な、より正確に言うならば、軍事的な戦闘においても結界、すなわち、陣形となっている。外部から九坊に入るためには水路を越えなくてはならないが、侵入のために固定されている橋は八本しか無く、他は全て跳開橋となっており、容易に突入できないようになっている。 \n",
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{
"title": "橋による陣形",
"description": "軍事に堪の良い方ならお分かりであろうが、八本の橋とは、八門であり、すなわち八卦の陣のことである。少し解説しておくと、八卦の陣とは方陣に組まれた隊列のなかに八門と呼ばれる突入径路があり、正しい門から突入しなければ必ず負けると言われた陣形で、一説には十万の兵に匹敵するとまで言われている。 \n",
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{
"title": "特定の順路",
"description": "この九坊に敷かれた八卦陣も同様で、正しい順路で橋を降ろしていかないと内裏に辿り着くまでに時間がかかり、場合によっては孤立してしまう事態にもなりかねない。さらに戦場は街中であるから、大軍であろうとも大きく展開できず、大軍の利を行かせない作ず、小国である巫にとっては非常に有利な地形となるように計算されている。 \n ただし、この陣には大きな欠点があり、それは、人で作った陣形ではないため門の位置が完全に固定されていることにある。したがって、八門の位置が知られた場合この陣は無効になってしまうため、八門の位置は慎重に秘され、都市設計の段階にあっても一切の記録を残さず数名の頭の中にのみ記述されていたほどである。\n",
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"title": "政庁の守護、小八卦 九数八卦図 五行相克図",
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"title": "九数の相応",
"description": "周囲の大八卦と同じく、内裏内部にもいても九数図の結界が敷かれている。大八卦では馬車停で数を現したが、内裏内部では政庁舎、細かく言えば各省庁の長官執務室が置かれた官舎、もしくは長官職の数、によって九数の相応がされている。そして、内裏敷地内にかなりの空き地があるのは、それが原因である。この先場合によっては官職の増加や官舎の建て増しが必要になって来る可能性が大いにある。そのとき、官舎の建て直しにより九数図の結界を破壊されかねない。それを防ぐためにわざと空き地を多くとり、建て増しに備えたのである。 \n",
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{
"title": "五行相克",
"description": "もうひとつ、内裏には結界が張られている。それが五行相克による結界である。 九数図の中心数は何があろうとも五である。つまり馬車停の数は五であり、馬車停をもちいて五行図を描いたのである。内裏の馬車停は内裏の中心を中心として正五角形に配置されている。南二つの馬車停車が城壁内部にあるのはそのためである。",
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最終更新:2017年08月14日 23:40