<かんなぎ劇場>

政庁の一室。
姫巫女、摂政が臨席する全体会議も終わり、みんなでお茶を飲みながら和やかにおしゃべりを楽しんでいたときのことだった。
「みなさーん、クジひくですー!!」
唐突に、箱を持ったみぽりんが声をかける。
首をかしげる一同。
勢いに押されて、クジに手を伸ばす。
「桃太郎と書いてあります」
「僕のは、『七人のこびと』ですね」
「配役ですうー。主役さん、たーくさんで、みぽりんが脚本書いたですよ」
「脚本?」
「みんなでお芝居するですー!」
にっこりと笑顔なみぽりん。
「面白そうだね♪」
姫巫女の一言で、上演が決まった。そして、
「あ、あの…。みぽりんさん。僕のクジ『かぐや姫』って書いてあるんですけど」
おそるおそる尋ねるボロマール。
「ぼろまさん、かぐや姫ですね!お姫様ですー!!」
「ええええええっっ?!女装???!!!!」
うわあああああああ!!!
政庁に、ボロマールの悲痛な叫びが響き渡った。


《配役》
【王子様】藻女  【かぐや姫】ボロマール  【白雪姫】みぽりん  【シンデレラ】七比良 鸚哥  【おじいさん】ミツキ  【おばあさん】柊 久音  【七人のこびと】有馬 信乃、若葉りっか  【桃太郎】雹  【月の王様】あすふぃこ


 はじまり、はじまり~~~~~~♪♪


□■□□■□
  ある国に、王子様がいらっしゃいました。
 「よい結婚相手はいないか」
 臣下に相談すると、舞踏会を開いて国中の女性を招待してはとうかと助言されました。
 よい考えだと思った王子は早速、国中におふれを出し、舞踏会を開きました。
 そこで、王子は美しい娘と出会います。

王子(藻女):「………」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「………何ですか?」
王子(藻女):「………可愛くない」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「………、はあ…(ため息)」
(裏からみぽりん「摂政さま!まじめにやるですよー!」)
シンデレラ(七比良 鸚哥):「(わかってますよ!)ああ、十二時!もう行かなくては!」
王子(藻女):「帰るの?気をつけてね」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「…そこは引き止めるところでは?」
王子(藻女):「帰りたい人を無理に引き止めたりはしないよ」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「…そうですか……では…」

□■□□■□
娘は夜中の12時になるとあわてて大広間から駆け出していきました。
 後に残されたガラスの靴。
 あの美しい娘のものに違いない。
 王子は臣下に命じてガラスの靴の持ち主を探させました。
  どうしてもシンデレラが忘れられない王子。
 気分を変えようと、森へ出かけました。
 そこには、ガラスの棺に入った白雪姫と、その周りで悲しみにくれるこびと達がおりました。

七人のこびとA(若葉りっか):「ああ、白雪姫、どうして死んでしまったの?」
七人のこびとB(有馬 信乃):「だから知らない人からもらったものを、むやみに食べてはいけないと、あれほど言ったのに」
王子(藻女):「こんにちは。どうしたの?」
七人のこびとA(若葉りっか):「私たちの白雪姫が死んでしまったんです」
白雪姫(みぽりん):「(むにゃむにゃ…)」
王子(藻女):「寝てるだけじゃないの?」
七人のこびとB(有馬 信乃):「(姫様、ここは死んでいるんですよ。姫様が生き返らせるんです)」
王子(藻女):「いくら私が巫女でも蘇生まではできないよ」
七人のこびとB(有馬 信乃):「(白雪姫は王子様のキスで目覚めるんです。フリでいいですから)」
王子(藻女):「(顔を近づけてキスのフリをする)これでいいの?」
七人のこびとB(有馬 信乃):「(はい。ありがとうございます。これで白雪姫が起きるんです)」
白雪姫(みぽりん):「(むにゃむにゃ…)」
七人のこびとA(若葉りっか):「(……みぽりんさーん?)」
白雪姫(みぽりん):「…もう食べられないですー、むにゃむにゃ…」
七人のこびとB(有馬 信乃):「(…待っている間に寝てしまったようですね。みぽりんさん!起きてください!白雪姫が起きないと、お話が進まないですよ?)」
七人のこびとA(若葉りっか):「(私にまかせてください)(まな板と包丁を用意。野菜をきざみはじめる。あっという間にお味噌汁完成。よい香りがあたりにたちこめる)」
白雪姫(みぽりん):「(むく)いいにおいですー。わーい!お味噌汁ですー!」
七人のこびとA(若葉りっか):「(みぽりんさん、お味噌汁飲んだら、お芝居続きしましょうね♪)」
白雪姫(みぽりん):「はーいノ(もぐもぐもぐ)」
王子(藻女):「そうか、王子のキスでなく、こびとの味噌汁で目覚めるんだね」
白雪姫(みぽりん):「ほえ?あ、姫様~。おはようございますー」
七人のこびとB(有馬 信乃):「(みぽりんさん、お話覚えていますか?みぽりんさんは、姫様につれられて姫様のお城にいくんですよ?)」
白雪姫(みぽりん):「姫様といっしょにいくですか?はーい。」

□■□□■□
 王子が白雪姫を城に連れ帰ると、臣下が待っておりました。
 王子様、お探しの方が見つかりました。
 そこには、ガラスの靴を履いたシンデレラがおりました。
 シンデレラと白雪姫の、はちあわせです。

シンデレラ(七比良 鸚哥):「まあ!王子様!その方はどなたですの?!(妙にノリノリ)」
白雪姫(みぽりん):「摂政さまだー!こんにちはー」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「(こんにちは。じゃなくて…みぽりん、ここは王子をめぐり喧嘩するところだったのでは?)」
王子(藻女):「私とコンビをくんでいるのは、みぽりんだよ?」
白雪姫(みぽりん):「姫様すきですー!ぎゅーw」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「(それではお話が進みませんが)」
白雪姫(みぽりん):「ほえ?んーと、んーと、じゃあ、みぽりんと摂政さまで『どっち!』」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「『どっち!』」
王子(藻女):「みぽりん」
白雪姫(みぽりん):「わーい!勝った~!!」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「(床をたたいて悔しがる)」
王子(藻女):「でも、このままではお話がすすまない。」
シンデレラ(七比良 鸚哥):「(気をとりなおして)ふたまたをかけていたのね?!ひどいわ、王子様!!行くわよ!白雪姫!!」
白雪姫(みぽりん):「はーい。姫様いってきますー!(笑顔で手を振っている)」
王子(藻女):「(笑顔で振りかえしている)」


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最終更新:2007年08月12日 20:38