485 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 20:58:56 ID:6tNOnf/1
トナカイです。

今日は、「自分で考える」ことの話です。

会話が上手くいかない根本原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、声が小さい、ドキドキする、挨拶が出来ない、人の話を聞けない、話を伝えるのが極端に下手であるetc,,,
いわゆる、基本的な能力が足りていない場合です。この場合、これらを解決する事は大切ですし、
話し方教室や市販の本などで、専門家に解決してもらうのが早道だと思うんです。
そして、いわゆる街で売っているコミュニケーション本は、これらの問題は解決してくれます。


しかし、原因として上記のよりももっと多い原因が
2つめの原因である、「自分で考えられない」という原因です。

会話ベタは、「自分で考えられない」というところが、問題です。
もっといいますと、「自分で考えることの意味をよく理解していない」というのが近いかもしれません。




486 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 21:11:15 ID:6tNOnf/1
僕も含めみなさんは、会話に悩んでいますので
市販のコミュニケーション本を読んだことがあると思います。

役に立つ部分もありますが、多くは、役に立ちません。
その通りやっても、退屈になってしまうからです。
そして、その主な理由は「事実確認」で終わってしまうからです。

例えば、相手の興味のある話題を話そう、と言うアドバイスがあります。
相手が映画が好きだったとします。

自分:最近何か面白い映画あった?(と話題を振る)
相手:うーん、「墨攻」は結構面白かったよ。
自分:へー、どんな映画なの?
相手:中国の戦国時代の映画でね、
   1人の賢者が、自軍より圧倒的に多い敵を、策略で打ち負かすってストーリーなんだ。
自分:なんか壮大だねー、俺は最近映画見てないなー。

例ですが、このような会話になったりしてしまうのです。
映画が、どんな内容だったか、という「事実確認」で終わってしまっています。
会話が上手な人、面白い人の話を聞いてみてください。
「事実確認」はあまりしていないことに気づくと思います。
事実を受けて、「自分の考え、意見」を表現しています。

そしてポイントは、事実確認をすると、会話のテンポが1テンポ遅れる、ということです。



487 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 21:24:05 ID:6tNOnf/1
事実確認だけで会話がつながる場合もあります。
久しぶりに会った友達などはそうです。
お互いに、話題になるような事実が積もっているから、それだけで間が持ちます。
給料が上がった。彼女が出来た。車を買い替えた。会社が倒産した。
この間バーベキュ-に行った。友人が海外留学に行った。。。。etc
これらはすべて単なる「事実」です。でも久しぶりの友人なら、こんな話だけでも持つんです。

事実確認は、会話の難易度としては、比較的簡単です。

では、「自分で考える」とはどういうことでしょうか?
いわゆる、頭の良さというものがあります。
難しい本が読めたり、政治に対して何か自分の意見を持っていたり
仕事ができたり、理論的な話が上手かったり。。
これらも「自分で考える力」ではあります。

しかし会話において必要とされる「自分で考える力」は、また別の考える力なんです。
この区別が大切です。
自分は「自分で考えることは出来る、自分の意見を持っている」と思っているかもしれません。
しかし、それは、会話において必要とされる「自分で考える力」なのかどうか、ということです。


488 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 21:38:11 ID:6tNOnf/1
では、具体的に
“自分で考える” とは、
事実を受けて
「推察する」「どうすれば有利かを考える」になります。(一例ですが)

これが、コミュニケーションにおいて「自分で考える」ということになります。

世の中は、いろんな「事実」で溢れています。
「朝、人身事故で、電車が止まりました。」このような事実があるとします。

会話で、「人身事故で朝遅刻しちゃったよー、最悪」と言ったとします。
人身事故で時間が遅れて遅刻するのは、全て事実です。
このセリフには、“自分で考える力” を用いていません。
事実を述べただけです。「最悪」と最後に感情を述べていますが、そりゃそうだろう、
というあたりまえの感情であり、言わないよりはマシかもしれませんが、根本的にズレているのです。

(もちろん、何も考えず事実確認だけの会話もあって良いです。
 しかし、今は「自分で考える」場合の話をしています)


489 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 22:01:09 ID:6tNOnf/1
では、同じ体験を
“自分で考える力” を用いて表現した場合、どんなセリフになるでしょうか(例えばですよ)

「今朝人身事故でさ。不可抗力だよ、部長クラスが飛び込んだんじゃないの?
 またこんな事あるかもしれないけど、その時は遅刻してもよろしくね~」

このようになります。(もちろん、相手が上司ならこんな言い方はできないでしょうが)
このセリフを分解すると
今朝人身事故でさ。不可抗力だよ(事実)
部長クラスが飛び込んだんじゃないの?(推察)
またこんな事あるかもしれないけど(推察)
その時は遅刻してもよろしくね~(どうすれば有利か)

このように事実確認以外に、自分の表現が入っています。
事実を受けて、その事実をもとに
「推察」「どうすれば有利か」を考えた時に、自分の意見がでてきます。


490 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 22:01:46 ID:6tNOnf/1
話していて、“相手との距離が縮まる瞬間“ というのがあります。
それは、「その人独自の意見」が出て来た時です。
「その人独自の意見」は、その人だからこそ出てくる意見です。
そこにはその人の人間性、個性が出ます。
正しいか、間違っているかは関係ありません。
その人の表現だからです。

世の中は、事実で溢れ帰っています。
事実をただ伝えても、その人の個性は伝わりません。

料理だと考えると分かりやすいです。
自分は、料理人です。
世の中には「事実」という材料があふれかえっています。

どう調理して、出すか。
調理して出て来たものが、あなたの料理(個性)です。

料理をせず(自分で考えず)、冷蔵庫から素材(事実)をもってきて
そのまま客に出しても、単なる素材でしかないのでおもしろくもなんともない
というわけです。


491 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 22:16:13 ID:6tNOnf/1
とてもレべルが高い話ですが、
むかしTV番組で松本人志を中心にみんなで温泉に行く、というのをやっていました。
みんな温泉で浴衣にも着替えて座っているとき、
1人、遅刻して部屋に入って来たほっしゃんに、松本人志は
(ほっしゃんを営業マンと見立てて)「今日、何個売れた?」と言うギャグを放ちました。

ようは、こういうことです(笑)
「ほっしゃん、なんで遅刻したの?」等とは言いません。
それは単なる事実確認ですよね。

「今日、何個売れた?」と言うギャグも、
松本人志がほっしゃんが遅れて来た事実を受けて、そこから「推察して」出て来た言葉です。
このセリフには、言った人の個性、人となりが出ています。

事実を受けて
「推察」「どうすれば有利か」と考えることが
自分の頭で考え、自分のオリジナルの意見、表現になるということです。

493 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/18(日) 22:27:32 ID:6tNOnf/1
「悩み」には、必ずそれを引き起こしている「原因」があります。
自分の悩みが解決しない場合、なにが「原因」なのかを見つけられていなかったり
間違ったことを「原因」としてとらえてしまっている場合がほとんどです。
「原因」さえしっかりと見つけられれば、解決は時間の問題です。

今回言いたかったのは、
会話が上手く行かないという悩みの「原因」は
「会話術」とか「知識」とかいう部分に視点が行きがちですが

「自分で考える」ということができてない、ということが「原因」である場合も多く
それなのに
「自分は考えることが出来ている」と思い込んでいる人が多いために(僕もそうでした)
「自分で考える」ということができてない、という「原因」をみつけられずに
見当違いのものを原因としてとらえ、
見当違いの努力をしている可能性がある、と思い、書きました。

508 名前:マジレスさん[sage] 投稿日:2007/02/19(月) 02:32:23 ID:vS6wFhFC
トナカイの言うことは分かるんだけど、実際どうやっていけばいいのか分からない('A`)


509 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 03:55:47 ID:SsTVYwM7
夜中に目が覚めました。
僕は夜中に目が覚める癖があるんです(笑)

508
トナカイの言うことは分かるんだけど、実際どうやっていけばいいのか分からない('A`)

それでは、さらに具体的に説明をしますね。

日常生活における会話力というのは、次の2つの要素で成立すると考えます。
1. 表現力(話の構成、声の大きさ、聞く、話す、話題を振るなどの基本力も含む)
2. 話の内容

で、市販のコミュニケーション本に書かれている多くは、1の表現力について書かれています。
相手の話をどのように聞くか、話をどのように振るか等です。
しかしこれらは、ハッキリ言ってしまいますと表面的なことです。
会話のテンポやリズム、相手の気が悪くならないような言い回し等。。
僕のLv1【すべてを良い風に解釈する】もそうです。
ハッキリ言って、表面的なことです。

しかし、大切です。基本です。
だけど、これができても、口べたは解決しないことが多いんです。
何故なら、会話は話の内容(というか発想)に、その人特有の面白さが表われるからです。

よく、会話は内容より、言い方が重要と言われます。
しかし、それは極端です。
言い方も重要ですが、内容も重要です。両方同じくらい重要です。
内容が無い話を言い方でごまかしていても、必ずボロが出ます。


511 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 04:04:35 ID:SsTVYwM7
1があって、2が無い人は、長い付き合いでは通用しなくなります。
うさんくささや、退屈さが出てくるんです。

逆に、1がなくて2がある人(表現力は無いが、話の内容がある)もいます。
こういう人は、通用するんですよ。
声が小さいが、面白いことを言うので、相手がその小さい声を聞くようになるんですね。
ボソッと話す、というキャラとして認知されるのです。

そのくらい、話の内容は大事なんです。

512 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 04:27:19 ID:SsTVYwM7
では、話の内容の磨き方の説明に入ります。
(これは表現力を磨くのと平行して進めてください。)

さきほども書きましたが、世の中には「事実」が溢れています。
例をあげます。

A 兄弟が3人いる。
B 街で芸能人をみかけた。
C 宝くじで100万円が当たった! 
D 漫画のように道でバナナの皮にすべって転んだ人を目撃した。
 さらに転んだ拍子にカツラと入れ歯が取れた。

これらはどれも、単なる事実です。しかし、事実の程度の差はあります。
Aは、話題になる事実ではありません。「俺、兄弟3人いるんだ!」って言っても、盛り上がりません(笑)
まあ、聞かれたら答える程度の、事実です。
Bは、場合によっては、話題になるかもしれませんが、芸能人にもよりますし、相手が興味の無い芸能人なら
やっぱり話題になりません。
Cはどうでしょうか?これは話題になります。相手も選ばないでしょう。誰に対しても
話題として活躍できるだけの事実です。(まあ、おごってと言われるリスクがあるだけですが。。)
Dはどうでしょう?メチャクチャ話題になりますね。この事実を棒読みするだけでも
相手は「ほんとに?信じられない」とびっくりして笑ってくれるくらいの事実です。

このように、同じ「事実」でも、話題になる事実と、話題にならない事実があります。
しかし、結局はどれも「事実」でしかありません。「事実」という意味では同じです。
程度の差があるだけで、どれも「事実確認」なのです。

では、これから自分が「話の内容を磨く修行」にあたっては、
「事実確認」でウケている人をみても、こわがる必要はありません。
うらやましがる必要はありません。




513 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 04:45:08 ID:SsTVYwM7
飲み会があったとします。
隣の男性が「3ヶ月前、パリに行って来てさー」と言ったとします。
女の子が「へー、パリいったんだ!私ルーブル美術館好きなんだー、行った?」
男性「行ったよー。1日じゃ回りきれないねー。でもモナリザだけは見逃すまいと真っ先に見たけどね」

なんてことを話していたとします。
このとき、「話の内容を磨く修行」をしているあなたは、
このやりとりをうらやましがる必要はありません。こわがる必要はありません。
このやりとりは「事実確認」だからです。
確認している「事実」が、話題になり得るレベルの事実だったというだけです。

「君、兄弟何人?」「3人だよ。」というやりとりと、会話の構造は全く同じなのです。

世の中には事実が溢れています。
会話の内容を磨くということは、「話題になる事実をより多く体験する」ことでは決してありません。
「事実に対する自分の意見を磨く」ということです。
事実を、あなたというフィルターを通した時に、どのように解釈できるか。発想できるか。
それが会話の内容を磨く、ということです。



514 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 05:23:40 ID:SsTVYwM7
僕が今もっているフィルターは、いくつかあるんですが
その中の一例として、さきほどもあげましたが
「推察する」「有利になるか考える」というフィルターがあります。

このフィルターを通して、さきほどの飲み会の例を再現してみます。

男性「3ヶ月前、パリに行って来てさー」

この時点ですでに、隣のあなたが挟める言葉としていろいろあります。

●「推察する」のフィルターを通します。
「3ヶ月前、パリに行って来てさー」から何が推察できるでしょうか?

推察               その推察から生み出される言葉
旅行に行けるだけのお金が入った。→「(冗談まじりで)へー、宝くじでもあたったの?」
本当は行ってない→「(冗談で)本当に行ったの?女の子のだからかっこつけてパリに行ったことにしてんじゃねえの?」

●「有利になるか考える」のフィルターを通します。

有利になるか考える         有利になるか考えたおかげで生み出される言葉
旅行に行けるだけのお金が入った→「えー、ちょっと待ってよ!なんで俺も連れてってくれなかったの!いい旅行カバン持ってたのに!」
お土産→「(冗談まじりに)あらら、お土産まだだけど?」

このように、2つのフィルターを通して、
つまり頭の中にある「推察する」「有利になるか考える」という言葉がとっかかりとなって
ヒントとなって、言葉が生まれてくるのです。


515 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 05:32:36 ID:SsTVYwM7
この例で生まれた言葉が、いいかわるいか、うまいか下手かは置いといてください(笑)
それは、あまり重要ではありません。というか、それを重用視している限り、会話は上手くなれません。

この例で生まれた言葉は、僕が自分のもつフィルターを通して出した、自分の意見です。
「事実確認」ではなく、自分で考えた自分独自の言葉です。ですから「僕の表現」とも言えます。
僕の人となりが見えてきます。うまかろうが、ヘタであろうが、「僕という個人」を分かってもらえます。
あ、こういう発想をする人なんだ、と分かってもらえます。それが大切なのです。
ですから、いいか悪いか、ではありません。
絵で自分を表現する人がいますが、それと同じです。
絵を描いた人を見て、この人はこんな絵を描くんだ、と思います。良いか悪いか、というよりも、
この人はこういう表現をするんだ、という話です。それと同じです。それの言葉バージョンです。

場数を踏めば上手くなります。なのでそこは今は置いておいて、
「事実」対して「自分のフィルター」をかけて、自分の表現をする、という、この仕組みを知ってください。

516 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 05:52:13 ID:SsTVYwM7
やばい、5:30です(笑)

では、最後にまた料理に例えて、終わります。

話の内容の磨き方について

あなたは料理人です。
食材が、世の中に溢れています。
それをそのままお客さんに出すのではなくて
煮るのか、焼くのか、蒸すのか、生のまま使うのか。。etc
調理して、提供してください。

これを置き換えます。

あなたは料理人です。
食材(事実)が、世の中に溢れています。
それをそのままお客さん(話し相手)に出すのではなくて
煮るのか(推察する)、焼くのか(有利になるか考える)、蒸すのか(他のフィルター)、生のまま使うのか(他のフィルター)。。etc
調理して(自分のフィルターを通して)、提供(表現)してください。



517 名前:トナカイ[] 投稿日:2007/02/19(月) 05:55:27 ID:SsTVYwM7
まずは、自分がどんなフィルターを持ちたいか、決めてください。
周りの人の会話や、TV番組を見て、決めるんです。
言葉の表面でなく「その言葉が出て来た原因となる、考え方は?」という思考回路を見るんです。
どんなフィルターを使っているのか?を見るんです。

後は、そのフィルターで事実に接する癖をつけるんです。
無意識の領域に落とし込む作業です。
習慣化すれば、事実に対し、そのフィルターを通して接する癖がつきます。

1つが身に付けば、もう一つ、と徐々にフィルターの数(調理法の数)を増やして行きます。
調理法が増えればそれだけ、いろんな料理が出せます。

よく、自分のフィルターを通してものごとを曲がった目で見てはダメだ。という話があります。
そこで使われるフィルターは、「偏見、先入観」という意味のフィルターです。そんなフィルターはいりません。
しかし、今回説明した、会話におけるフィルターは、偏見でも先入観でもありません。「発想」というフィルタ-です。
「発想」のフィルターがなければ、事実確認しかできないので、つまらないのです。

話の内容を磨くには、「発想」のフィルターを身につけることです。

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最終更新:2007年05月20日 20:29