先日、「ソブリン・デフォルト」懸念を謳った世界経済フォーラム(WEF)の報告をお伝えしたが、中国に関して次のような報告があった。
中国経済は過熱、世界成長の「大きなリスク」-WEF
世界経済フォーラム(WEF)は、中国では資産バブルやインフレ圧力の高まりで景気が過熱しつつあり、それが世界の成長の「大きなリスク」になっていると指摘した。
WEFは今月27-31日に開かれる年次総会(ダボス会議)を前にリポートを発表。中国経済のモメンタム(勢い)が低下すれば「世界の資本・商品市場に悪影響をもたらす可能性がある」との見解を示した。
チューリヒ・ファイナンシャル・サービシズのグループチーフエコノミストで、同リポートの執筆者の1人でもあるダニエル・ホフマン氏は14日、ロンドンで記者団に対し、「2010年に中国の成長率が6%を下回ればそれは警報だと言える」とした上で、「中国経済のハードランディングは大きなリスクだ」と述べた。
中国国家発展改革委員会(発改委)が14日発表した昨年12月の同国の不動産価格は、1年半ぶりの大幅上昇となった。政府が経済成長を維持させながら、投機を抑制するのに苦戦している状況が浮き彫りになった。
ホフマン氏は「中国経済は過熱に向かっている」と指摘。「金融面での刺激策により、信用はこの1年だけで30%拡大した。上海や北京といった大都市では住宅価格が09年だけで60%余り上昇している」と加えた。 【ブルームバーグ 1月15日】
再三「チャイナ・リスク」については指摘しているが、前回も述べたようにWEFの報告は、ほぼこの通りになることを表明している。
ただ、この表明の目的が、金融引き締め策を採ろうとする中国当局の後押しになっているということだ。つまり、リスクを謳うことで、金融収縮を行わせ、投資資金を巻き上げる魂胆が働いているということだ。
世界から資金を吸収し、そして弾かせる。
それが現在の中国バブルであり、その後、再び態勢を立て直し、新たな経済システムのもと世界を牛耳っていく計画が進行しているのだ。
前回述べたように、20世紀を牽引してきた先進国は没落し、21世紀は新興国を中心に世界がまわりだす歴史的転換期にきていることは言うまでもない...。