米議会が週末に審議へ、「財政の崖」回避を目指し土壇場の協
12月28日(ブルームバーグ):米議会は6000億ドル(約51兆円)余りの実質増税・歳出削減が年明けに重なる「財政の崖」の影響を一部でも回避するため、週末に土壇場の財政協議に臨む。
リード民主党上院院内総務とマコネル共和党上院院内総務は、税制と歳出の全面的な見直しではなく、焦点を比較的狭い範囲に絞りながら12月30日までに合意のとりまとめを目指す考えを示した。交渉期限は31日に迫っており、来年1月3日には今年の選挙で当選した議員が初めて議会に招集される。
オバマ大統領は28日にホワイトハウスで記者団に対し、「直ちに行動すべき時が来ている」と述べ、合意について「控えめながら楽観している」と発言。その上で、ぎりぎりになるまで行動を先送りする議会の姿勢に不満を漏らし、「政治が自ら招いた経済への痛手を米国民は我慢しないだろう」と続けた。
両党は超党派の合意案を好ましいものとして受け入れる立場を取っており、協議が決裂して財政の崖から転落した場合に相手方を批判できるよう歩み寄りの姿勢を見せようとしている。
協議に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによると、民主・共和の上院院内総務は減税延長と失業保険給付の継続のほか、医師へ支払うメディケア(高齢者向け医療保険制度)払戻金削減や一部の自動的歳出削減を回避する条項なども検討するという。ただ、合意が成立しても、連邦債務上限の引き上げはないという。
オバマ大統領は上下両院指導部との会談で、年収25万ドル超が望ましいとしてきた増税対象を40万ドル以上とする可能性も残したと、会談内容について説明を受けた共和党関係者が匿名を条件に明らかにした。
上院指導部が合意に至らない場合、大統領は21日に提示した年収25万ドル超の富裕層に増税となる案についてリード上院院内総務に採決を行うよう求めると述べた。
原題:Lawmakers to Hold Weekend Talks on Averting U.S. BudgetChanges(抜粋)
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更新日時: 2012/12/29 12:39 JST