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 ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)は、初の歴史的な首脳会談を2018年6月12日、シンガポールで開催した。

 トランプ大統領と金正恩委員長は新たな米朝関係の樹立と、朝鮮半島での恒久的で強力な平和体制を構築することについての問題に、包括的で詳細かつ誠実な意見交換を行った。トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の非核化を完結するための固く揺るぎない約束を再確認した。

 新たな米朝関係の樹立は朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると確信するとともに、相互の信頼醸成が朝鮮半島の非核化を促進できると認識し、トランプ大統領と金正恩委員長は次のように宣言する。

 (1)米国と北朝鮮は、平和と繁栄を求める両国民の希望通りに、新たな米朝関係の構築に向けて取り組む。

 (2)米国と北朝鮮は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、力を合わせる。

 (3)北朝鮮は、2018年4月27日の「板門店(パンムンジョム)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。

 (4)米国と北朝鮮は、戦争捕虜、戦闘時行方不明兵の遺骨の回収、すでに身元が判明している分の即時引き渡しに取り組む。

 トランプ大統領と金正恩委員長は、史上初の米朝首脳会談が、両国間の数十年に及ぶ緊張と敵対を乗り越えて新たな未来を開くのに重要な意味を持つ画期的な出来事であったと認識し、この共同声明の諸条項を全面的かつ迅速に履行するよう努める。米国と北朝鮮は、米朝首脳会談の成果を履行するため、マイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮側の対応する高官の主導による後続交渉を可能な限り早期に開催するよう努める。

 トランプ大統領と金正恩委員長は、新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和、繁栄、安全の促進に向け協力すると約束した。

ドナルド・J・トランプ アメリカ合衆国大統領

金正恩 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長

2018年6月12日 セントーサ島 シンガポール





ベトナムの首都ハノイで開催された第2回米朝首脳会談は、事実上の‘決裂’によって幕切れとなったため、同会談を失敗とみる辛口の評価も見受けられます。その一方で、交渉の席に同席したジョン・ボルトン大統領補佐官は逆の見方を示し、会談は成功であったと評価しております。物事の是非の評価はその最終的な結果を見なければ下すことはできないのですが、首脳会談の決裂は、幾つかの意味において国際社会に効用をもたらすように思えます。

 第1の効用は、コペルニクス的な転換とまではいかないまでも、‘合意=成功’というステレオタイプの評価に関する固定概念が崩れたことです。これまで、国際社会では、問題解決の平和的な手段として‘話し合い’を絶対視する風潮が強く、信仰にも似た対話重視の姿勢が見られました。このため、現実的な目的の実現よりも‘合意’という表面的な形式が優先され、しばしば、国益を損ねたり、法や正義を曲げるような‘悪しき妥協’や‘不条理な犠牲’も散見されたのです。現実の歴史を振り返れば、必ずしも‘合意=成功’とは限らないのは、ミュンヘンの宥和の事例を見ても明らかです。常識に立ち返る、並びに、解決手段の選択肢を広げると言う意味において、今般の決裂には効用が認められるのです。

(※mono....中ほど略、詳細はサイト記事で)
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 以上に主要な二つの効用について述べてきましたが、今般、米朝首脳会談がご破算となったことで、アメリカは、軍事制裁オプションを含め、対北朝鮮政策において取り得る手段を増やすと共に、国際社会は、国際の平和に対する重大な脅威となってきた北朝鮮が、‘合意=成功’の構図の下で、一部であれ全面的であれ経済制裁が解除され、‘甘い汁を吸う’モラル・ハザードを避けることができました。悪しき合意は不合意よりも劣るのであり、この側面は、米朝間のみならず全ての交渉ごとにおいて言える普遍的な真理とも言えましょう。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


トランプ流の「取引(ディール)は崩壊した」

(※mono....前半略)
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 ロシアゲート疑惑を払いのけるために打ったトランプ大統領の「博打」も金正恩朝鮮労働党委員長に足元を見られたようだ。

 ところが見透かしたはずの金正恩委員長はちょっと図に乗りすぎた。トランプ大統領は値踏みすらしなかった。そして「席を立った」。

 もっとも米国内には米朝首脳会談の決裂を「評価」する声が少なくない。

(※mono....続き略)
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拡大協議に米側16人、北朝鮮側5人が同席

(※mono....詳細略)

米国民は「コーエン証言」に高い関心

 米朝首脳会談が開かれていた同日、ワシントンでは、「コーエン爆弾」が炸裂した。

 トランプ氏の私的顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏は下院査察・政府改革委員会公聴会でトランプ氏の犯罪容疑を追及するうえで新たな人的・物的証拠を差し出した。

 コーエン氏はすでに有罪判決を受けて服役が決まっている。これまで集めた財産はすべて没収された。怖いものはない。

 コーエン証言について、米国民の37%が「信用できる」、25%が「信用できない」、25%が「分からない」と答えている。

 民主党支持者では58%、共和党支持者では15%、無党派層では35%が「信用できる」と答えている。

(※mono....続きは略)
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民主党は別件・選挙違反で攻める構え

 7時間にわたるコーエン氏と下院監視・政府改革委員会メンバーとの質疑応答は全米テレビ・ラジオで実況中継された。

 米国の一般大衆は、米朝首脳会談などそっちのけで、テレビ中継に釘づけになった。

 トランプ大統領もハノイ滞在中、コーエン氏の証言内容を逐一チェックしていたという。

 コーエン氏は、トランプ氏が大統領に就任する直前まで10年間顧問弁護士を務めていた。しかし、大統領としてのトランプ氏に仕えたことはない。

(※mono....続きは略)
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「米史上に残る証言だった」

 コーエン氏を議会に引っ張り出したのは、下院監視・政府改革委員会のエリジャ・カミングス委員長(民主党・ニューヨーク州選出)。同委員長はテレビカメラを前にこう宣言した。

 「200年後、後世の史家はこの日を米史上に残る日として取り上げるだろう」

 のちに大統領になる人間の顧問弁護士を10年間務めた側近がカネに関する疑惑を米国民の前にすべてさらけ出した日。

(※mono....続きは略)
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捜査費用はクリントン不倫捜査の3分の1

(※mono....この項前半略)
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 これらの人物がトランプ氏にどう結びつき、どのような指示で動いたのかを探り出すための駒だ。本命はあくまでの「大統領の犯罪」の有無だ。

「弾劾よりもトランプ再選の芽を摘め」

(※mono....この項前半略)
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 遠回りだが、失敗する可能性のある弾劾よりもトランプ大統領の再選を阻む方が確かだという読みだ。

 勝つか負けるかは、すべて選挙が決めるのが民主主義だからだ。

 民主党の女性指揮官はあくまでも冷静だ。


★■ 米朝首脳会談 食い違う「全面制裁解除」と「部分制裁解除」 「朝日新聞GLOBE(2019.03.03)」より
(※mono....前半数行略)
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トランプの交渉前のロジック

トランプ大統領が席を立ったのは、二日目の拡大閣僚協議から加わったボルトン安保担当補佐官の存在が大きいという見方が多数ある。確かに、それまでのトランプ・金正恩の1対1会談や夕食会(ポンペオ国務長官、マルバニー首席補佐官代行が同席)では、相対的に和やかな雰囲気があり、トランプ大統領も交渉に前向きな姿勢を見せていた。しかし、拡大閣僚協議でボルトン補佐官が参加してから(北朝鮮側は金英哲党副委員長と李容浩外相に限られ、夕食会と同じ顔ぶれ)大きく流れが変わったように見えるだけに、ボルトン補佐官の役割が大きかったと考えるのは自然である。

(※mono....中略)
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非核化を巡るすれ違い

(※mono....数行略)
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北朝鮮側が提示したのは寧辺核施設の破棄であると伝えられるが、これは交渉に入る前からずっと北朝鮮の立場であり、首脳会談で事前の予告を超えて何か新しい提案が出てくるかどうかが焦点だったが、結局出てこなかったことが合意出来ない原因の一つとなった。寧辺核施設は大きな施設であり、この施設が破棄されればプルトニウムの抽出が難しくなり、北朝鮮の核開発の一つのルートは閉じることが出来るとは言える。しかし、それは「完全な非核化」にはほど遠く、カンソンにあると言われるウラン濃縮施設をはじめ、まだ知られていない施設での核開発は続けられることになる。さらに言えば、既に北朝鮮が保有している核弾頭は温存されたままとなる。その意味で寧辺核施設の破棄は「完全な非核化」ではない。

(※mono....中ほど略)
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すれ違う「制裁解除」

本来予定されていた昼食会もキャンセルし、早々に会談を切り上げた後の記者会見では、トランプ大統領は、北朝鮮が「全面制裁解除」を求めてきた、という認識を示した。それに対し、北朝鮮は異例の緊急記者会見を招集し、李容浩外相が、制裁は「2016-17年に採択された国連安保理決議のうち5件、国民生活に直結する制裁の解除」を求めたと「部分的制裁解除」であったことを明らかにした。それに再反論する形でポンペオ国務長官は「ほとんど全ての制裁解除であった」と述べ、北朝鮮の要求が何であったのかが話題となった。

このやり取りの解釈は色々あるだろうが、トランプ大統領、ポンペオ国務長官の発言を聞いている限り、どうやら米朝両者の間に「制裁」を巡るイメージのズレがあるように感じている。アメリカ側は北朝鮮に圧力をかけるために、北朝鮮の核・ミサイル実験に対して行って積み上げてきた、国連安保理における「経済制裁措置(石炭や石油精製品の禁輸、海産物の輸出禁止など)」を制裁の「全て」とみているのに対し、北朝鮮は、過去数十年にわたる米国の独自制裁(アメリカは1950年の朝鮮戦争以来、北朝鮮に対して制裁をかけている)、2006年からの安保理制裁を含めた全てを制裁の「全て」とみているため、今回の要求はあくまでも「部分」であるという認識だったのだろうと思われる。

(※mono....中ほど略)
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第三回米朝首脳会談はあるのか

(※mono....前半略)
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本来ならば、そのプロセスは第一回目の首脳会談の後に行われるべきであった。しかし、シンガポールでの首脳会談が予想以上にうまくいってしまったこと、トップダウンで大枠を決めるということは可能だということで、北朝鮮から見ればトランプ大統領と交渉すれば問題解決するという幻想を抱いてしまった。そのため、ビーガン特別代表やポンペオ国務長官が北朝鮮と交渉しても、北朝鮮は実務者レベルでの協議に応じず、北朝鮮の望まない要求(例えば核・ミサイル施設のリストの提出を要求するなど)に対しては、トランプ大統領に直接掛け合うような素振りを見せてビーガン特別代表やポンペオ国務長官を牽制した。

さすがに第二回の首脳会談で席を立たれたことで、こうした北朝鮮側の甘い幻想はなくなったであろう。また、アメリカが寧辺核施設の破棄だけでは満足しないことも学んだと思われる。そのため、第三回があるとすれば、北朝鮮は寧辺核施設の破棄以上の提案をしなければならない。しかし、核戦力が自国の存続に絶対的に必要だと認識している以上、核施設のリストを申告し、それによって攻撃される場所を伝えるというリスクはことのほか大きく感じるであろうし、また、もし虚偽の申告がバレれば、更なる交渉は不可能になることを考えると、いい加減な申告をする訳にもいかないだろう。北朝鮮にとって第三回の首脳会談へのハードルは高い。

(※mono...以下略、詳細はサイト記事で)

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鈴木一人
北海道大学公共政策大学院教授

北海道大学公共政策大学院教授。1970年生まれ。2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2011年。サントリー学芸賞)などがある。


★ 北、トランプ氏に反論 「制裁解除は一部のみ要求」 「CNN(2019.03.01 Fri posted at 13:35 JST)」より
(※mono....前半大幅に略)
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李氏は北朝鮮側の提案について、米朝間の現在の信頼の水準からみて「現段階でわれわれが取れる最大の非核化措置だ」と説明。核・長距離ミサイル実験を永久停止する方針も表明したと述べた。

しかし、米国側は「寧辺(の廃棄)の他にもうひとつ」追加することを要求し、この時点で「米国にわれわれの提案を受け入れる準備がないことが明白になった」としている。


★ 「日本が気がかり」…鄭東泳代表、米朝会談決裂の裏として安倍首相名指し 「中央日報(2019年03月03日11時23分 )」より
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 民主平和党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)代表が2回目の米朝首脳会談決裂の背後として日本を名指しした。米朝会談前に日本の妨害工作があったという疑いが提起されていたが韓国政府が対応しなかったという主張だ。

 鄭代表は2日、自身のフェイスブックに「日本が気がかりだ」として2回目の米朝首脳会談直後の日本の反応に注目した。

 彼はフェイスブックへの書き込みで、「ハノイ会談決裂の裏に日本の影が見え隠れする。世界の指導者のうちハノイ会談失敗に歓呼した人は安倍首相1人だ」とした。

 続けて「安倍首相は昨年のシンガポール会談後に終戦宣言NO、制裁緩和NO、経済支援NOを叫んだ。この3つは韓国の保守勢力の主張であると同時に、ハノイ会談撃沈を狙ってきたワシントン強硬派の考えと軌を一にする」と説明した。

 その上で、2月中旬に国会議長と与野党5党代表団がワシントンで米下院外交委員会に参加した時を振り返った。 

 鄭代表は「当時討論でマイクを握った下院議員ごとに米朝会談に対する懐疑論を出し、日本を持ち出した。エンゲル下院外交委員長はなぜ韓国が朴槿恵(パク・クネ)政権と安倍政権間の慰安婦合意を破ったのかと難詰したりもした」と明らかにした。 

 彼は当時の雰囲気を「ピリピリしていた」としながら日本の妨害工作があったと主張した。「日本はワシントンでのロビーに注ぐ人的・物的資源総量が韓国の60倍に達する。ハノイでの外交惨事が安倍政権の快哉につながる北東アジアの現実こそ冷厳な国際政治の隠れた実状だ」と指摘した。 

 合わせて「韓国内部にも安倍首相のように快哉を呼んだ勢力が少なくないのが悲劇」と付け加えた。


アジア情勢】 / 【中印パ関係
■ 二階堂ののんびり日和 「北朝鮮・インド・中国がここ数日、熱い!」 「二階堂ドットコム(2019/03/02 07:37)」より
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さて、昨日の分析が良かったらしいので今日もその方向でいってみます。
北朝鮮とアメリカの会談なんてのは、バカな朝日新聞がトンチンカンな分析をしていますが、あんなもの、そもそも合意できるわけがない。核開発をやめないのだもの。無理。
合意すると思ってた奴なんて、インテリジェンスで誰もいませんけど、カスゴミの人は合意すると思ってたんですか?相当おめでたいなぁ。(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)

https://www.j-cia.com/archives/15043 ←※有料課金記事
(※mono....中国、インド、パキスタン関連の記事です。ポイント購入で読めます。)


■ 二階堂ののんびり日和 「朝鮮半島・非鮮三原則」 「二階堂ドットコム(2019/03/01 13:08)」より
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米朝会談がコケた、ということで、報道はなぜか「まさかの決裂、協定結べず」と、期待していたような報道が目立つが、最初からうまく行くわけないだろう。予想通りだ。北朝鮮はカネほしいだけだし、アメリカはトランプがいいとこ見せたいだけなんだから。世の中、物事は難しくなく簡単なのだ。トランプは「どっちでもいいけど、俺儲かるかな」だし、北朝鮮は「カネくれ」だし。あんなもん、永遠にまとまらないよ。

どう考えても、話がつくわけがないだろう。で、マスゴミとか左翼はまたなぜか「安倍が悪い」とかいうんだろうな。

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
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話は変わりますが、



■ 2回目の米朝首脳会談、合意に至らなかった本当の理由 海野素央(明治大学教授、心理学博士)「WEDGE(2019年3月1日)」より
(※mono....前半略)
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米朝の「高い要求レベル」
 2回目の米朝首脳会談の交渉に影響を及ぼしたのは、同日にワシントンで開催されたトランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の議会証言です。トランプ大統領はベトナムのハノイに到着すると、早速「コーエンは刑期を減らすためにうそをついている」と自身のツイッターに投稿しました。コーエン被告の公聴会にかなり神経質になっている様子が窺えました。

 コーエン被告は公聴会で、ロシアのハッカー集団が盗み出したクリントン陣営の情報を、告発サイト「ウィキリークス」が大量に流すことを、トランプ大統領は事前に認識していたと証言しました。

(※mono....中ほど略)

 一方、北朝鮮はコーエン被告の証言を分析した結果、完全な制裁解除を要求しても、証言によって傷つけられたトランプ大統領は譲歩してくると判断したのでしょう。北朝鮮は完全に読み間違えました。

 トランプ大統領にとって、経済制裁は北朝鮮との交渉を有利に交渉を進めていくためのレバレッジ(てこの力)であり、取引材料ではありませんでした。

 結局、コーエン被告の公聴会が影響し、米朝が互いに高いレベルの要求を行ったために、譲歩ができなくなり、会談は決裂したといえます。

(※mono....後半長文略、詳細はサイト記事で。副題のみ転記)

会談と公聴会が同日になったワケ

2020年米大統領選挙の新たな意味



★■ 米朝会談 非核化合意に至らず 外交の原則を貫いたトランプ氏 「the Liberty web(2019.02.28)」より
(※mono....前半略)
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外交の原則を貫いたトランプのディール

会談直後に行われたトランプ米大統領とポンペオ米国務長官の記者会見によると、寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄や査察を受け入れる見返りとして、「完全な制裁の解除」を求めてきた。

しかし、寧辺の核施設廃棄が行われたとしても、それ以外のミサイルや核弾頭、高濃縮ウランを生産する未申告の他の核施設などが温存されるため、今回は合意に至ることはふさわしくないと判断したという。

トランプ氏は、「早くやるより、正しいことをしたい」、「いつでも立ち去る準備ができている必要がある」と述べている。

(※mono....中ほど略)
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つまりトランプ氏は、外交交渉の基本である「譲歩できない点は守り抜く姿勢を持つ」という原理原則を貫いたということだ。この交渉は、1986年10月にアイスランドのレイキャビクで、当時のレーガン米大統領が、ソ連のゴルバチョフ大統領からミサイル防衛計画の中止を求められた際、退席するだけの精神的な強さをもっていたことに比肩されるだろう。

北朝鮮の「非核化」は楽観視できない

アメリカ側は、今後も交渉を継続するとしている。トランプ政権が期待するように、交渉は進むのだろうか。

この点について、米情報機関トップのダン・コーツ国家情報長官や、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は、非核化の先行きに厳しい見方を示している。

(※mono....以下詳細はサイト記事で)


★ 米朝首脳会談、合意に至らず トランプ氏「北朝鮮が制裁解除要求」 「ロイター(2019年2月28日 / 15:32 / 7時間前更新)」より
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[ハノイ 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談後の記者会見で、北朝鮮が制裁解除を要求したため、合意することができなかったと明らかにした。

トランプ大統領は「北朝鮮は全面的な制裁解除を要求したが、われわれはそれはできなかった」と説明した。

トランプ大統領は、会談では関係構築や非核化で進展はあったが、拙速に悪い合意を結ばないことが重要と考えたと語った。

会談は予定より早く切り上げられた。両首脳は予定していた昼食会を行わずに会談会場を離れたという。
+ 続き
トランプ大統領は、2日間の会談は非常に生産的だったとした上で「調印する文書を用意していたが、(調印は)適切ではなかった」と述べた。ホワイトハウスは、28日の会談終了時に「合意文書の調印式」を開催すると発表していた。

トランプ大統領は、金委員長は核・ミサイル実験は行わないと約束したと述べた。

トランプ大統領によると、会談では寧辺の核施設の解体を協議し、金委員長も意欲を示したが、委員長は制裁緩和を望んだという。

ポンペオ米国務長官は会見で「(金委員長に)一段の措置を求めたが、彼にはその準備ができていなかった」と語った。

トランプ大統領は、米国は北朝鮮の一部施設について査察を行うことができるとしたが、具体的な内容には触れなかった。

米朝首脳会談が合意に至らなかったとのニュースが伝わると、韓国ウォンは下落、アジア域内の株式市場は売りが膨らんだ。韓国株市場は1.8%安で終了、2018年10月以来の大幅な下落率を記録した。

国家安保戦略研究所(INSS)のシニアリサーチフェロー、リム・スホ氏は「両首脳が昨夜、微笑みを浮かべていたことを考えると、合意に至らなかったのは驚き」と話す。

「きょうは合意しなかったが、数カ月以内に合意しないというわけではない。シンガポール会談でのような実のない声明文を再び出すことができないほど、両首脳にとって重大事ということだ」と指摘した。

シンガポールで開催した初の米朝首脳会談後の共同声明では、金委員長が朝鮮半島の非核化に向けて努力すると表明するにとどまった。

トランプ大統領と金委員長が再び会談する可能性については、具体的には示されなかった。ただ、ホワイトハウスは「それぞれのチームは将来の会合を楽しみにしている」とした。

安倍晋三首相は28日にトランプ大統領と電話協議した後、記者団に対し、安易な合意を見送ったトランプ大統領の決断を支持すると表明。拉致問題の解決に向け「次は私が金正恩委員長と向き合わなければいけないと決意している」と述べ「今後とも日米でしっかり連携していく」と語った。

中国国営テレビによると、王毅外相は、中国を訪問した北朝鮮の李吉聖外務次官に対し、米朝協議において困難は避けられないとの認識を示した上で、中国として両国の対話継続を希望すると述べた。

ーーー
★ 正恩氏一転、不機嫌に去る=トランプ氏「関係継続」 「時事ドットコム(2019年02月28日19時27分)」より
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【ハノイ時事】第2回米朝首脳会談は合意に達することができないまま幕を下ろし、わずか数時間で両首脳は劇的に表情を変えた。会談2日目の28日午前、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「私の直感では良い結果が出ると信じている」とトランプ米大統領に語り掛け、余裕すらうかがわせた。しかし、午後に会場のホテルを後にする際は一転、不機嫌そうな様子を隠さなかった。一方のトランプ氏は、会談後の記者会見で「正恩氏との関係を継続したい」と未練をのぞかせた。

(※mono....以下略)

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■ 【詳報】予想外だった米朝会談 トランプ氏は得意の一言 「Yahoo!news[朝日新聞](2019/2/28(木) 16:10)」より
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■「いつでも立ち去る」在日米軍撤退でも言及(佐藤武嗣編集委員の速報解説)

 合意に達しなければ、いつでも交渉の場から立ち去る――。トランプ大統領が「ビジネスマン」としての手腕を自負し、大統領選の時から度々口にしていた言葉が、米朝首脳会談後の記者会見でも飛び出した。

 トランプ氏は大統領選のさなか、在日米軍基地撤退の可能性について、米メディアのインタビューに「交渉は、いつでも打ち切る準備がなければだめだ。我々はいつも(日本などに)米軍を派遣し、多額の出資をしている。(米軍撤退は)そうしたいと思っているわけではないが、その準備はしなければいけない」と語ったこともある。

 今回の米朝首脳会談では正恩氏と合意に至らず、当初想定した共同文書は発表できなかったが、両国が緊張関係に逆戻りするのではなく、次のステップへの一里塚だと位置づけた。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)

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文在寅(ムン・ジェイン)
★ 韓国、楽観から落胆へ…南北経済協力、完全に霧散 「Yahoo!news[産経新聞](2019/2/28(木) 21:35)」より
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 【ソウル=名村隆寛】米朝首脳会談での成果を両国の仲介役として期待していた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、「楽観から180度反対の結果」(韓国メディア)となった会談の事実上の決裂に落胆を隠せない様子だ。

 28日に和やかな雰囲気で始まった2日目の会談に、韓国政府周辺では合意が当然視され、関心はその中身だった。しかし、会談結果を受けた韓国大統領府の記者会見は沈痛な雰囲気で、報道官は「残念だ。米朝の活発な対話が続くことを期待する」などと述べるにとどまった。

 南北交流を進める文政権は、経済協力事業である北朝鮮の開城(ケソン)工業団地の再稼働や金剛山観光事業の再開などを構想していたようだ。また、朝鮮戦争の「終戦宣言」への関心も強く、メディアや専門家の間では「宣言には韓国も含むべき」との主張も出ていた。

 しかし、韓国の期待は完全に霧散。昨年9月の平壌での南北首脳会談で合意した金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「早い時期のソウル訪問」の見通しも一層不透明になった。今回の米朝首脳会談後、北朝鮮最高指導者の初訪韓を目指していた文在寅大統領の描くシナリオはかき消されたかたちだ。

 文氏の期待に反し、会談に臨んだトランプ米大統領と金委員長の眼中に文氏がなかったことを、会談結果が物語っている。トランプ氏からその努力を感謝された文氏は「後続協議でのよい成果を期待する」と伝えた。文氏としては、米朝対話が途切れていないことに期待を託し、米朝の仲介役に徹し続けるしかない。

 韓国では、文在寅政権を支持する世論で評価されている政策のトップは南北関係改善や対北政策だ。だが、北朝鮮をめぐる情勢が後退したことが、経済政策などで国民の批判を受ける文政権に微妙な影響を及ぼす可能性もある。


原田武夫国際戦略情報研究所
2019/02/26 に公開
代表・原田武夫に第2回米朝首脳会談と5G6Gについてお伺い致しました。
代表・原田武夫は、小泉政権時代に外務省北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)として訪朝し、拉致問題の解決に尽力した北朝鮮問題の専門家でもあります。専門家の見地からざっくばらんに語って頂きました。皆様、是非ご覧ください!!


■ 米朝首脳会談~日本が北朝鮮と交渉する糸口はあるのか? 「ニッポン放送(2019/02/27 11:48)」より
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月27日放送)に電話ゲストとしてデイリーNKジャパンの高英起が出演、2回目の米朝首脳会談について解説した。

きょう2月27日から2回目の米朝首脳会談

(※mono....中ほど大幅に略、詳細はサイト記事で)
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高)アメリカはそこがいちばん問題なわけですから。もちろん北朝鮮が核を持っているのが問題ですが、それが届くか届かないかということは別問題です。パキスタンも核爆弾は持っているけれども、特別にアメリカと対立しているわけでもないし、アメリカに届くわけでもない。アメリカがそのことにそれほど神経を尖らせていないとなると、いちばんの問題はICBMと長距離弾道ミサイルになると思っています。

高橋)その通りですよね。そもそもアメリカとロシアは、中距離のところはフリーにする方向になっています。アメリカもロシアも中国もフリーだと、北朝鮮だけ制限するのはロジカルには難しいですよね

経済解除された場合、北朝鮮にとって日本と付き合うメリットがなくなる

(※mono....前半および後半略)
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高)制裁解除もしくは緩和されれば、積極的に経済活動に出るでしょうが、それで北朝鮮が経済大国になるということはないと思います。問題はそうすることによって、北朝鮮にとって日本と関係を築くメリットが少なくなってしまう。北朝鮮が日本に求めているのは、拉致など何らかの問題の見返りですから。見返りが必要なくなるということになると、どんどん北朝鮮と日本の間が離れて行くのではないかと思います。

トランプ大統領が再選しない場合も考え、日本は前のめりにならない方が良い

高)アメリカが直に話しているので、日本のつけ込むすきがないという現実もあるのですが、だからと言って私は日本で言われているほど焦る必要もないのではないかと思います。今回の米朝会談で丸くまとまる可能性が高いと思っていますが、これはあくまでも金正恩氏とトランプ氏の関係だけであって、トランプ氏が再選するのかどうか。しないで別の大統領になったらわからないですよね。そうなったときに変に前のめりになってしまうと、あとで不都合なことが起こるかもしれません。もうちょっと落ち着いても良いと思います。

日本が北朝鮮と交渉する糸口

飯田)日本が独自に北朝鮮とやって行くとしたら、どうしたらいいですかね。どういう糸口があるとお考えですか?

高)糸口ははっきりしています。水面下で日朝は交渉を進めているわけですから。問題は拉致問題などを日本がどこまで北朝鮮とその部分について話し合えるかです。先日、拉致被害者の田中実さんの話も出て来ましたが、それについても、いまの安倍政権はスルーしているのかどうなのか分からないのですが、そういったことを着々と進めるべきですよね。

■ 米朝首脳会談、日本は「最悪のシナリオ」に備えを - 在韓米軍撤退の可能性を真剣に検討すべし 「JB-press:長島 昭久(2019.2.26)」より
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 二度目の米朝首脳会談が開かれる。会談の結果次第では、現在改善の兆しが見えない日本と韓国の関係を一層難しくする可能性もある。東アジア情勢が流動化し始める中、われわれ日本人はどのような備えをしておかなければならないのか。元防衛副大臣の長島昭久衆議院議員に聞いた。(構成:阿部 崇)

(長島昭久:衆議院議員、元防衛副大臣)

(※mono....以下副題のみ、詳細はサイト記事で)

レーダー照射事件で切れた「最後の信頼の糸」

朝鮮半島の連邦国家化を目指す文在寅大統領

金正恩は核を手放さない

朝鮮戦争「終戦宣言」の先に待っている事態

極限状態で日韓の防衛協力は成立しえるのか

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 情緒的に韓国に反発しても、何も解決しません。だからといって、韓国に譲歩に譲歩を重ねても、問題は解決しません。しかも、かつてのような日本の政治家の「妄言」によって日韓関係が軋んでいるのではなく、今回は、米朝、南北関係の融和ムードによって地政学的な土台が構造変化をきたしていることが日韓関係悪化の原因ですから、事はそれほど簡単ではありません。私見では、とりあえず現状がこれ以上悪化しないよう状況を管理しつつ、先ほど触れたような「最悪のケース」に備え我が国の安全保障政策を根本から見直す可能性を視野に入れて具体的な準備作業に入ることが肝要だと思います。


★ 「米朝首脳会談」融和にクギ 官邸は“北支援拒絶” 拉致問題解決へ警戒強化 「zakzak(2019.2.27)」より
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 ドナルド・トランプ米大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は26日、2回目の米朝首脳会談(27、28日)に向け、ベトナムの首都ハノイに乗り込んだ。事前の実務者協議では、「北朝鮮の非核化」に向けた具体的進展はなかった。両首脳の直接交渉が注目されるが、外交的成果を焦るトランプ氏が「危険な妥協」に応じる恐れも指摘される。北朝鮮の狡猾さを熟知する安倍晋三政権は「警戒姿勢」を崩していない。拉致問題の解決も見据え、今回の会談で何らかの合意があったとしても、対北支援に応じない考えを米側に通知した。

 「具体的に『北朝鮮の非核化』と『拉致問題の解決』が進まない限り、北朝鮮に対する経済制裁を緩めてはいけない。日本政府の姿勢は当然だ」

 朝鮮半島情勢に詳しい麗澤大学の西岡力客員教授はこう語った。

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 日本政府の毅然とした姿勢は後述するとして、米朝首脳会談に向けた両首脳の言動に世界が注目している。

 正恩氏は26日朝、特別列車で中国から国境を越えてベトナム北部ランソン省ドンダン駅に到着した。儀仗(ぎじょう)隊が整列するなか、ベトナム政府高官や、先にベトナム入りしていた正恩氏の秘書役、金昌善(キム・チャンソン)国務委員会部長らが出迎えた。

 正恩氏の姿が見えると、沿道に集まった市民から「オオッ」という歓声が上がった。

 北朝鮮最高指導者のベトナム訪問は、正恩氏の祖父、故金日成(キム・イルソン)主席(当時は首相)が1964年に訪問して以来、約55年ぶり。正恩氏は黒塗りの特別車に乗り換え、同日午後、ハノイに到着した。

 一方、トランプ氏は25日午後、大統領専用機(エアフォースワン)から《正恩氏との会談のためベトナムに向かっている。とても生産的な会談となることを楽しみにしている》と、ツイッターに投稿し、26日夜にハノイに到着。

 米朝首脳会談を前に、現地では、米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が、北朝鮮国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)特別代表らと詰めの協議を行っている。

 ただ、実務者協議では大きな進展は見られない。トランプ政権としては「核施設の廃棄や査察への合意」を取り付け、「非核化の行程表づくり」に道筋をつけたいが、北朝鮮が「相応の措置」を求めているからだ。

 北朝鮮が熱望する「相応の措置」には、国際社会による「経済制裁の解除」や、休戦中の朝鮮戦争の「終戦宣言」があるとみられている。

 難航する実務者協議を反映したのか、ニューヨークの不動産王としての駆け引きか、トランプ氏の対北姿勢が「軟化」している。

 トランプ氏は、ベトナム出発前の24日、ホワイトハウスで「北朝鮮が(核や弾道ミサイルの)実験を行わない限りは満足だ」と語ったのだ。

 ロイター通信も25日、《米政府、2度目の首脳会談で北朝鮮に「要求切り下げ」か》という分析記事を掲載した。

 記事では、トランプ政権が限定的な合意を受け入れる姿勢のようだと伝え、朝鮮戦争の終戦宣言や北朝鮮の観光特区設置など南北朝鮮間のプロジェクト承認など譲歩を示す可能性もあるとした。

 一方、マイク・ポンペオ国務長官は24日のCNNテレビの番組で、司会者から「北朝鮮は今も核の脅威だと思うか?」と尋ねられて、「イエス」と答えた。対北制裁については、「完全な非核化」が実現しなければ解除しない考えを示した。

 米情報当局や米軍高官も、北朝鮮がすべての核廃棄に応じることはなく、米国が譲歩すればアジアでの国益が損なわれると懸念しているという。

 北朝鮮がひそかに核開発を進めているとの報告は後を絶たない。

 米スタンフォード大学の国際安全保障協力センターは12日、北朝鮮が核燃料製造を継続し、18年に核兵器5~7個分に相当するプルトニウムや高濃縮ウランを生産した可能性があると発表した。

 こうしたなか、安倍政権は前述のように警戒を強めている。

 毎日新聞の26日朝刊によると、今回の米朝首脳会談で何らかの合意があっても、北朝鮮が動く保証がないため、米側との事務レベルの折衝で、「ただちに経済協力や人道支援を行うのは時期尚早だ」と伝えたという。

 同紙によると、政府には、対北朝鮮支援を拉致問題解決に向けた「交渉カード」にしたい思惑があるようだ。

 前出の西岡氏は「米朝首脳会談では、ミサイルで進展があるかもしれないが、日本としては『核問題』と『拉致問題』も重要だ。例えば、南北共同事業である開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開を認めれば、北朝鮮に外貨が入って、これまでの国際社会の制裁が骨抜きになる。米国に『制裁を解除すべきではない』と伝え続けるべきだ」と語っている。

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★ トランプ氏と金委員長、27日からハノイで2度目の首脳会談 「ロイター(February 26, 2019 / 11:59 PM)」より
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[ハノイ 26日 ロイター] - トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日にベトナムの首都ハノイで2度目の首脳会談を行う。
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米国は、北朝鮮の非核化に向けた具体的な措置を引き出すことを目指している。

米ホワイトハウスは、トランプ氏と金委員長がハノイのメトロポールホテルで現地時間27日午後6時30分(日本時間午後8時30分)から20分間の1対1の会合を行うと明らかにした。

その後約1時間半の夕食会が予定されている。ホワイトハウスの先の発表によると、夕食会には側近2人と通訳が参加する。首脳会談は28日にも行われるという。

トランプ氏は26日遅くに大統領専用機でハノイに到着。その後、滞在先のJWマリオット・ホテルに向かった。

金委員長は26日、トランプ氏よりも先にベトナムに到着。滞在しているハノイのメリアホテル周辺は厳重な警戒態勢が敷かれている。

トランプ氏はロシア疑惑などの国内問題を抱える中、外交問題での成果に意欲的とされる。

過去の歴代共和党政権で対北交渉に携わった、元ホワイトハウス当局者のビクター・チャ氏は「国内の関心を(米朝首脳会談から)そらす問題があり、大統領が譲歩しすぎて、米国がこれまでよりも安全でなくなる悪い取引をしないかが大きな懸念材料だ」と指摘した。

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★■ アングル:米朝首脳会談、両国の狙いと「落としどころ」 「ロイター(February 25, 2019 / 8:46 AM )」より
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米朝両国の主な狙いと落としどころをまとめた。

<米国>

●主要な目標

米国が実現を目指している最優先課題は北朝鮮の非核化だ。「非核化」はすべての大量破壊兵器の放棄、つまり同兵器および、同兵器の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産中止を意味する。

●落としどころ

複数の米当局者は21日、首脳会談では「非核化」の定義について北朝鮮との間で理解の共有を目指すと述べた。米政府が首脳会談後の非核化交渉について、見通しや進め方の青写真を描こうとすることも予想される。

北朝鮮の大量破壊兵器やミサイル開発計画の凍結も議題になりそうだ。スタンフォード大国際安全保障・協力センターは先に、北朝鮮が昨年、核兵器5─7個分に相当するプルトニウムや高濃縮ウランを生産した可能性があるとの報告書を発表した。

<北朝鮮>

●主要な目標

北朝鮮は公の場で米国と国連による経済制裁の停止を求めており、首脳会談ではこの点が主な目標となる。

ただ、北朝鮮が抱く朝鮮半島の非核化の概念には、米国が韓国への「核の傘」提供を取りやめ、韓国から核搭載能力のある軍を引き上げることが含まれる可能性がある。

韓国の当局者や米議会関係者などからは、北朝鮮が韓国の駐留米軍の規模修正を求めるとの懸念が出ている。しかしトランプ大統領は22日、首脳会談で在韓米軍の縮小は議題にならないと述べた。

北朝鮮は以前から米国と平和協定を結んで関係を正常化し、朝鮮戦争終結を宣言することも望んでいる。

●落としどころ

米政府は北朝鮮の完全な非核化に先立って包括的な和平協定を結ぶことには消極的な姿勢を取っている。ただ米当局者は、より限定的な合意により緊張を緩和して連絡事務所を開設し、関係の正常化を目指すことに前向きになり得ると示唆している。

金委員長は1月、北朝鮮は「ケソン工業団地と金剛山観光事業について、いかなる前提条件や対価もなく再開する用意がある」と述べた。また委員長は、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けてさまざまな措置を講じており、米国がこうした措置に相応する具体的な行動を取るよう求めるとも述べた。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は昨年12月、北朝鮮が米国に求める「相応な行動」には、北朝鮮に対する敵対的政策の中止や制裁の解除が含まれると報じた。「敵対的政策の中止」が具体的に何を指すのかは不明。


★ ボルトン大統領補佐官、訪韓を中止 「産経新聞(2019.2.23 18:31)」より
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【ワシントン=黒瀬悦成】ロイター通信は22日、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、今月末の米朝首脳会談に先立ち、週明けに予定していた韓国への訪問を中止したと伝えた。

 ボルトン氏の報道官によると、「人道支援物資の搬入をめぐり軍部が重要な決断を迫られるなど、さまざまな事態が展開している南米ベネズエラ情勢に注力するためワシントンにとどまることにした」としている。米朝の首脳再会談には出席する予定。

 ボルトン氏は北朝鮮の非核化に向けた連携を確認するため、谷内正太郎・国家安全保障局長や韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)・大統領府国家安保室長と24日に釜山(プサン)で会談する方向で準備を進めていた。


★ トランプ大統領、米朝会談に正式合意 在韓米軍縮小や撤収否定 「毎日新聞(最終更新 2月4日 16時45分)」より
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 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は3日放映された米CBSテレビのインタビューで、在韓米軍の縮小や撤収について「計画はない。議論もしていない」と否定した。2月下旬に予定する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の首脳会談で、在韓米軍の縮小などを譲歩策として提案するのではとの懸念もあったが、それを払拭(ふっしょく)した形だ。

 一方でトランプ氏は「(在韓米軍の)4万人の兵士を維持することは大きな財政負担だ」とも語り、将来的な撤収構想に関しては含みを持たせた。

 トランプ氏はまた、米朝首脳会談が「設定された」と述べ、北朝鮮と開催に正式合意したことを明らかにした。日時と開催地については「(5日の)一般教書演説かその前」に発表するという。開催地にはベトナム中部ダナンが有力視され、米朝会談に続いてダナンでトランプ氏が中国の習近平国家主席との米中首脳会談に臨むとの観測もある。

 トランプ氏は「金委員長も私も会談を楽しみにしている。我々は素晴らしい人間関係を築いている」と述べ、停滞する非核化協議をトップ会談で進展させることに自信を見せた。「中国、ロシア、韓国に囲まれる北朝鮮は経済強豪国になるチャンスを秘めている」とも語ったが、一方で「核兵器を保有したままでは無理だ」として、北朝鮮の非核化実現の必要性を強調した。


■ 米朝首脳会談の延期―トランプ大統領は足元を見られることを回避した? 「万国時事周覧(2018-10-20 12:45:31)」より
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2度目の米朝首脳会談 来年初めに開催か
トランプ大統領が第二回米朝首脳会談の開催の可能性について言及した時、その思惑として真っ先に指摘されたのが、秋の中間選挙を前にした外交上の実績づくりでした。再度、北朝鮮の金正恩委員長との会談の場を設け、その席において初回の会談で曖昧にしてきた諸点をクリアにし、アメリカの要求に沿う形の合意で両首脳が固く握手すれば、これ程、アメリカの有権者に訴える効果的な政治ショーはないからです。

 仮にこの説が正しければ、第二回米朝首脳会談は、北朝鮮側の譲歩を以ってしか、トランプ大統領が描くシナリオ通りに成功裏に導くことはできません。ところが、会談相手の当の北朝鮮は、同会談をアメリカとは全く逆の意味でのチャンスとして捉えたようです。乃ち、北朝鮮側は、共和党は中間選挙にあって不利な情勢にあると分析し、同党に属するトランプ大統領が第二回首脳会談を自党勝利に向けた起死回生の絶好の機会と位置付けているならば、その弱みを利用して、アメリカ側に自らの要求を呑ませるチャンスと捉えたと推測されるのです。先の国連総会での演説等において、北朝鮮側が、従来の段階的核放棄論を堂々と主張し、アメリカに対して自国の要求に応えるよう強気の姿勢で臨むようになったのも、この推測からすれば頷けます。

 しかしながら、北朝鮮側は、ここで重大な判断ミスをしているように思えます。アメリカにとっての第二回米朝首脳会談の成功とは、たとえ両首脳が笑顔で握手しても、実質的にはアメリカに対して北朝鮮が屈服する構図を要する点です。アメリカが北朝鮮に屈する形で合意では、それは、中間選挙にあって有利に作用するどころか、むしろ、アメリカの屈辱外交として共和党に不利に働きます。つまり、アメリカにとりましては、核廃棄に向けて北朝鮮側が折れることこそ重要なのです。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


■ 中国が独占していた北朝鮮のレアアースをアメリカに持っていかれた? 「日本や世界や宇宙の動向(2018.6.13)」より
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今回のトランプと金正恩の米朝首脳会談に関しては様々な意見があります。
日本側としては反日国の北朝鮮を今後も警戒すべきと思います。
北朝鮮には大量のレアアースが眠っているようです。アメリカは北朝鮮のレアアースが欲しくて仕方ないようです。何しろ、アメリカの財政が破たんするのも時間の問題であり、北朝鮮のレアアースの採掘権をアメリカが得たなら、大きな利益を得ることになるため、トランプも急いで金正恩と商取引をしているのかもしれません。
ただし、北朝鮮のレアアースを日本が狙う必要はありませんね。日本も大量のレアアースが埋もれているのです。

「日本の最東端にある南鳥島(東京都)周辺の排他的経済水域(EEZ)の海底に世界需要の数百年分に相当する1600万トン超のレアアース(希土類)が存在することが分かった。日本近海でのレアアースの詳細な資源量が確認されたのは初めて。」ということですから、一日も早くこれらのレアアースを効率的に採掘する方法を編み出すべきと思いますが。。。


By Capt. Dave Bertrand, Ret.

米朝和平合意で今後どうなるのでしょうか?
トランプが考えている素晴らしい商取引とは。。。アメリカが選択した国々との10兆ドル規模の商取引であり、密かに行った金正恩との6兆ドルの商取引です。つまり、北朝鮮のレアアース(希土類鉱物)がアメリカによって採掘されることになります。
その見返りに北朝鮮は中国が北朝鮮にやらせた核開発プログラムを断念するとアメリカに約束しました。北朝鮮の核開発プログラムは、何十年も前から中国が北朝鮮で採れるレアアースを独占する(採掘はほぼ北朝鮮が行ってきた)目的で利用されていました。
中国のパペット国の北朝鮮は、特定の目的のために多くの国々からの制裁を受けてきました。
中国は北朝鮮との貿易を継続したくて仕方ないのです。中国は特定の資源に対する独占権を持ち続けたいのです。

北朝鮮の核開発プログラムは、中国が不干渉戦略を強制的に実施しながら、北朝鮮を追い詰め続けるための手段だったのです。
米朝和平合意が維持されたとして、北朝鮮が、アメリカとの貿易を開始し、近代化が進み、米企業の投資が行われ、自由な国になれば、北朝鮮は核の脅威で脅し続けるよりも経済的強国になる可能性が高いのです。

北朝鮮には世界のレアアースの3分の2が埋まっています。アメリカが北朝鮮のレアアースの採掘権を獲得すれば、中国を介して世界の天然資源を支配しようとしているグローバリストの顔に平手打ちをくらわすことになります。
北朝鮮のチョソングルには2憶トン以上(数兆ドルの価値がある)のレアアースが埋まっており、世界中のレアアースの2倍以上の量になります。
チョソングルで採れるレアアースの副生物としてはホタル石、リン灰石、ジルコン、霞石、長石、チタン鉄鉱などが考えられます。
自分たちが欲しいものは何でも手に入れることができるという特権を有していると主張するイルミナティ13氏族が戦争を始めさせているのですが、今、その戦略も失敗に終わっています。

トランプは、世界を巻き込みながらNWO計画を弱体化させる貿易協定を先導し、クリントン、ブッシュ、オバマが試みた戦略を破壊しました。
同時に、アメリカ自体も、北朝鮮との自由貿易を可能にすることで非常に繁栄することになります。
民主党は今回の米朝会談は不十分だったとして批判していますが、それは、今回の会談が成功したことにより、トランプは2020年の大統領選に勝利しNWOの専門家らを暴露できるようになるからです。

世界貿易協定に関するチェスゲームの勝敗が変わり、レアアースの株価が急騰するでしょう。
トランプはノーベル平和賞を与えられるかもしれません。しかしトランプはオバマに与えたノーベル平和賞がNWOのプロパガンダの一環であると言うことを知っていますから、平和賞はデニス・ロッドマン(北朝鮮に何度も渡ったバスケットボール選手)が受け取るべきと考えています。トランプはロッドマンに平和賞を与え、すごい政治的声明を行うでしょう。



 6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化の実現が期待されていただけに、発表された共同声明の内容については落胆の声が広がっています。米国内でも手厳しい批判があり、同会談が、トランプ大統領の目論み通りに外交成果として今秋の中間選挙において有利に働くのか、怪しい雲行きともなっております。

 共同声明においてとりわけ不評を買っているのは、“CVID”や具体的な措置に言及した文言は見当たらないばかりか、北朝鮮の「完全な核放棄」に先立って既にアメリカ側が北朝鮮に対して‘安全保障’という見返りを与えている点です。事実上、トランプ政権が基本方針を転換したに等しく、中国やロシアが主張してきた段階的な非核化措置の度に見返りを与えるとする、「段階的核放棄」に移行したと報じるメディアまで登場する始末です。この展開を歓迎するのは中国やロシアぐらいであり、他の諸国や一般の人々は、トランプ大統領の‘変わり身’の速さ、あるいは、仮面の裏の真の顔に唖然とさせられたことでしょう。常識や理性を備えた人であれば誰も、全世界を騙す‘平和’と云う名の‘茶番劇’ではなかったかと疑うレベルです。

(※mono...以下略)


■ 北朝鮮の核と拉致は軍事力でしか解決できない!交渉は時間の無駄!思い出せトランプ!核武装しろ日本 「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現(2018.6.13)」より
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トランプは「クリントンもブッシュもオバマも失敗したが、私は失敗しない」と豪語していたが、残念ながら大失敗した!

ただ、援助せず、制裁を継続することは、良かった!

トランプは2017年10月にツイッターで「交渉は時間の無駄」!「ロケットマンに優しくしても25年間うまくいかなかった。なぜ今うまくいくだろうか。クリントンもブッシュもオバマも失敗したが、私は失敗しない」 と豪語した!

あの頃のトランプは、歴史を良く知り、冷静かつ正確に北朝鮮を分析し、正しい対処法を知り、公言していた。

それにもかかわらず、結局トランプはロケットマンと交渉し、時間を無断にし、大失敗した!

情け無さ過ぎる。

トランプは正気に戻れ!

歴史を思い出せ!

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<>その上で「この問題はトランプ氏の強力な支援をいただきながら、日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかなければならないと決意している」と強調し、日朝首脳会談への意欲を改めて示した。


これも完全な的外れだ!

日朝首脳会談などやっても拉致問題は解決しない!

なぜ歴史や最近の現実を学習しないのか?!

北朝鮮に取られた自国民を取り戻すために必要なのは、交渉やカネではない!

軍事力増強(核武装)と軍事的圧力だ!


■ せんりゅー 「二階堂ドットコム(2018/06/13 09:51)」より
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トランプは サイナラカードで 裏返し 元の木阿弥 デブは高飛び

買い転じ 高値売り切り 飛ばしにげ 後の祭りは 安倍日本のみ

ちょっとまて 残り根こそぎいただきだ プーさん横で ひくぞ手ぐすね


★ 【米朝会談】北朝鮮ミサイルはまた日本に飛んでくる! 何も決まらず、単なるトランプの選挙対策だった会談を分析! 「TOCANA(2018.06.13)」より
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 世界中の注目を集めた初の米朝首脳会談が終わった。しかし、その成果は非常に乏しい、何も決まっていないに等しいものであったと筆者は見る。それは、トランプと金正恩が署名した共同合意文書から読み解く事が可能だ。

+ 続き
 まず、核問題に関しては、共同合意文書には米国を含めた周辺国が求めていた核問題の「検証可能かつ不可逆的な解決(CVID)」が盛り込まれていない。単に、4月27日の南北首脳会談で合意された板門店宣言を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力をする旨が記されているだけだ。今までと何も変わっていないに等しい内容である。

 弾道ミサイルや拉致問題といった日本にとり重要な案件は、そもそも合意文書内で言及がなされていない。唯一注目すべきは、朝鮮戦争時の米将兵の遺骨の発掘調査に北朝鮮側が応じている点だ。北朝鮮側は今後、これを外交カードの1つとし対米交渉を行っていくと見られる。

 首脳会談終了後のトランプの記者会見を見るに、両者の会談では弾道ミサイルや拉致問題といった共同合意文書には盛り込まれていない事項も一応議題には上がったようであるが、金正恩から明確な返答は無かったものと見られる。核のみならず、弾道ミサイルや拉致問題に関してもやはり、今までと何も変わっていないに等しいという評価を下さざるを得ない。米韓合同軍事演習の中止や在韓米軍の縮小、撤退に関する発言もあったが、やはりこれも将来的なものだ。

 この何も決まらなかった米朝首脳会談で、トランプと金正恩は何を得たのであろうか?

 トランプ側は、ただ単に「米朝首脳会談を行った」という外交的な成果を得ることとなった。これは、秋に予定される米議会中間選挙において、共和党側に追い風となる事となろう。この会談は、トランプの選挙対策という意味合いが非常に大きいものであったのだ。

 他方、金正恩側は「交渉が継続する限り米国から体制保証を受ける」という成果を獲得する事となった。要は、北朝鮮側は時間稼ぎに成功したのである。では、この首脳会談は日本にどのような影響を与えるだろうか? 何も決まらず、かつ北朝鮮側が時間稼ぎに成功した事そのものが、日本にとり重大な問題である。これはすなわち、北朝鮮の核・弾道ミサイルの脅威が存続する事を意味するからだ。融和ムードに乗じ、北朝鮮が核・ミサイル戦力の更なる増強を行う可能性も十分に考えられる。
(文=塩原逸郎)

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★ アングル:拉致提起に安堵の日本、日朝首脳会談にはなお時間 「REUIERS(2018年6月12日 / 21:52 )」より
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[東京 12日 ロイター] - 12日の米朝首脳会談でトランプ米大統領が拉致問題を提起したことに、日本の政府内では安堵(あんど)の声が聞かれた。しかし、会談で北朝鮮の非核化に向けた具体的な進展はなく、すべてはこれから。

日本は北朝鮮との首脳会談を早期に実現したい考えだったが、まだ米朝協議の行方を見極める必要がありそうだ。

<日朝会談は「危険」>

+ 続き
「日本にとって重要な拉致問題について、しっかりと言及していただいたことを高く評価する。トランプ大統領に感謝したい」──。米朝首脳会談後、安倍晋三首相は記者団にこう語った。

トランプ氏は米朝首脳会談後の会見で、金正恩朝鮮労働党委員長に日本人拉致問題を提起したと明言。共同文書に拉致の文言は盛り込まれなかったものの、「米国の大統領が北朝鮮との会談で取り上げたことに意味がある」と、日本の政府関係者は胸をなでおろした。

拉致問題を最重要課題と位置づける安倍政権は、米朝会談で拉致問題を提起してもらったうえで、早期の日朝首脳会談につなげることを狙っていた。核・ミサイル問題と歩調を合わせて拉致問題を解決し、国交正常化を目指すことを考えていた。

狙い通り拉致問題は米朝会談の議題に載ったものの、拓殖大学海外事情研究所長の川上高司教授は「このまま日朝首脳会談を開くのは危険だ」と指摘する。米朝の間で非核化に向けた成果がないまま、日本が拉致問題を前進させようとすると「日米の離反を招く。北朝鮮の狙い通りになる」と話す。

米朝は12日の首脳会談で「北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む」ことで合意したが、具体的な道筋は合意文書に盛り込まれなかった。トランプ大統領は会談後の会見で「極めて迅速に」非核化のプロセスが始まるとの見方を示したものの、詳細には踏み込まなかった。

「(合意文書には)何も新しいこと、具体的なことがなく、非常にがっかりした」と、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は言う。「トランプ大統領や側近は、過去の過ちは繰り返さないとは言っていたが、これではうまく行かないのではないか」と指摘する。

<米韓演習は取りやめ>

金政権の体制保証を約束したトランプ大統領は会見で、北朝鮮と協議をしている間は韓国との合同軍事演習は行わないと話した。「米側が具体的な行動を示したわけだから、金委員長にはプレッシャーになる。非核化に向けた具体的な行動を取らざるをえないだろう」と、海上自衛隊の元一佐で、笹川平和財団上席研究員の小原凡司氏は予測する。

しかし、金委員長がトランプ大統領に約束したとされるミサイルエンジン試験施設の破壊も、文書には明記されていない。北朝鮮が本当に核とミサイルの廃棄を進めるのか、不明なままだ。

自民党外交部会長の阿達雅志参議院議員は「交渉しようとこれまで間接的に言ってきた2人が、直接顔を合わせ、交渉に入りましょうと確認するための会談だった。すべてはこれからなのだろう」と言う。「日本が北朝鮮と会談をするには、もう少し米朝協議の行方を見る必要がある」と語る。

久保信博、ティム・ケリー、竹本能文 編集:田巻一彦

焦点:米朝首脳会談、ニクソン訪中とは似て非なる政治イベント


[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領が12日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と行った史上初の米朝首脳会談は、1972年のニクソン大統領による初の中国訪問を彷彿させるかもしれない。しかし今回、北朝鮮から非核化に向けた具体的な約束を何一つ獲得できなかった様相から、この二つは外交的意義の点では似て非なる政治イベントと言えそうだ。

トランプ氏は正恩氏との会談の成功を早速広言したとはいえ、2人が署名した「シンガポール共同声明」はほとんどが、北朝鮮が歴代の米政権に対して守れなかった約束の焼き直しにすぎない、と専門家は断定した。

そうなるとトランプ氏が国際社会もしくは米国内で政治的な追い風を受け続けるには、次回以降の北朝鮮との交渉で、同氏が「非常に迅速に始まる」と大見得を切った非核化プロセスが、目に見えて進むことを示す必要があるだろう。

トランプ氏は12日の会談で北朝鮮の長距離核ミサイルから米国を安全にするという面で何か成果を得たわけではないが、今後国内で北朝鮮を外交交渉の席に引っ張り出したことが、「米国第一」政策の一環として国土を守る仕事をしている証拠だとアピールする公算が大きい。

与党の共和党も11月の中間選挙をにらみ、有権者に首脳会談成功を売り込むとともに、このまま同党に多数派を維持する方が得策だと訴える可能性がある。

それでも多くの専門家は、正恩氏が核武装を放棄するのは疑わしいと考えている。

米シンクタンク「ファウンデーション・フォー・ディフェンス・オブ・デモクラシーズ」のアンソニー・ルギエロ上席研究員は「残念ながら、正恩氏が核武装を放棄するという戦略的決断を下したかどうかは不明だし、今後の交渉が非核化という最終目標につながるかも分からない」と語り、今回の動きは目立った進展がなかった10年前の交渉の再現を思わせるとの見方を示した。

<なし崩しの懸念>

トランプ氏と正恩氏が約束した朝鮮半島の「完全な非核化」については、北朝鮮側が米政府の核武装解除の定義を受け入れたわけではないとの解釈が広がっている。

かつて米政府当局者として北朝鮮との外交交渉を担当したエバンス・リビア氏は「共同声明には重要な要素がほぼゼロで、新鮮味にも乏しい。願望込みの目標が列挙されている。これは北朝鮮にとって勝利で、何の意義も生み出さなかったと見受けられる」と手厳しい。

トランプ氏はツイッターで、大統領が北朝鮮トップと会談すること自体が米国にとって大損だという主張を「負け犬の遠吠え」になぞらえた。また同氏は、会談後の記者会見で「正恩氏が本気で非核化を望んでいると思う」と述べ、北朝鮮側の主要な要求である米韓合同軍事演習の中止にも前向きな姿勢を表明した。

ただ直近の3代の大統領はいずれも北朝鮮から非核化の約束を得たが、すべて反故にされてきた。

専門家の間でも、今回の首脳会談は、1972年にニクソン大統領が中国を訪れて長年にわたる米中対立の打開に道を開いた動きには、到底及ばないとの声が聞かれる。

トランプ氏の主張では、北朝鮮が非核化に実際に取り組むまで米国は制裁を続けることになる。だが緊張が緩和されることで、中国と韓国は北朝鮮に約束を確実に守らせる上で不可欠な制裁措置を完全に履行し続けそうにない。

今年に入って米国務省の対北朝鮮交渉担当者を辞めたジョセフ・ユン氏は、北朝鮮が近く「米国がわが友人であるなら、制裁を緩めてくれても良いではないか」と言い出し、非核化プロセスの枠組みそのものがなし崩しになってしまう事態を懸念している。

(Matt Spetalnick、David Brunnstrom記者)



★ 「朝鮮戦争終結も協議した」 トランプ氏の発言全文・・・米朝首脳会談に関し 「日本経済新聞(2018/6/2 13:08)」より
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 トランプ米大統領の米朝首脳会談に関する発言の全文は次の通り。

 「会談はとてもうまくいった。(金正恩委員長と)6月12日にシンガポールで会う。今はお互いのことをよく知ろうとしている段階だ。マイク(・ポンペオ米国務長官)が2日間取り組んできた。我々は相手のことをよく知ることができた。あなたたちも出張することになる。6月12日にシンガポールにいなければいけないからだ」

 「これはプロセスだ。1回の会合で済むとは決していわない。だが関係はできつつある。重要な進歩だ」

 ――北朝鮮は一気に非核化を進めようとしているのか。

 「私は北朝鮮が非核化を望んでいると思う。その過程では他のことも実現したいと思っている。国として発展したいと思っている。これは実現できると思う。疑いはない。日本も関与し、韓国も深く関係している。米国はすべてを実現するために関わっている。みんなが米国に関わることを希望している。だから(北朝鮮との交渉を)手伝っているのだ。米国なしでは実現はなかった」

 「たくさんの成果があったと思う。中国もそうだ。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はこの件に関していろいろと助けてくれて多くの成果があったと思う。今後の進展に期待しよう」

 「我々は6月12日にシンガポールに行く。それは始まりにすぎない。1回の会合で成果があるとは決して言っていない」

 「多くの国の間に長年にわたる敵対心や問題、嫌悪感がある。だが最終的にはとても良い結果をもたらすと思う。1回の会談からではなく(複数回の会談を通じて)多くの良いことがある」

 ――先週、金委員長への手紙で彼の誠実さに疑問を持っていた。疑問はなくなったのか。

 「私の手紙は北朝鮮からの手紙に答えたものだ。メディアはそのことを忘れていた。メディアは『会談の計画があった。私はそれをキャンセルした』という。私は会談をキャンセルしていない。北朝鮮側の厳しい声明に反応して会談を取りやめたのだ。私はもう機会は完全に失われたと思っていた。だが今からディールを始める」

 「12日に金委員長に会う。とてもうまくいくと思う。最終的には取り組み全体もうまくいくと思う。今後に期待しよう」

 「私の言ったことを覚えておいてほしい。今後の成り行きを注視するが首脳会談は開くのに値する過程になるだろう。それは重要なことだ。もし会談がなければそれは大きな間違えだ。関係を築けると思う。6月12日から始めよう」

 ――12日の会談で何を達成できるのか。なぜ北朝鮮が非核化に前向きだと考えるのか。

 「(金英哲・党副委員長との)会談は良かった。この会談で金委員長からの書簡を受け取ったことを思い出してほしい。しかも良い書簡だった。何が書いてあったか見てみたいと思うか」

 ――教えてほしい。

 「(私が教えるのに)いくら払うのか。いくら払うのか。いくら払うのか」

 ――部分的にでも教えてほしい。

 「とても興味深い書簡だった。いつか、たぶん、適切なときに渡せるだろう。おそらく公開できるだろう。近い時期かもしれない。書簡を渡すだけのはずの面会が結果的には2時間の会談に発展した」

 ――なぜそんなに会合が延びたのか。

 「話題が興味深いと感じたからだ。彼らが本気で前進したいと思っていると感じたからでもある。可能であれば我々もそうしたいと思っている」

 ――北朝鮮側は何を要望したのか。

 「我々がやることの全容は6月12日に分かる。何が起きるか見てみよう。彼らはマイクはとてもうまくやった。これはとても興味深いことだ。会談は単なる書簡の受け取りだったが最終的に北朝鮮で2番目の権力者と2時間の会談になった」

 ――在韓米軍の規模に関して議論したのか。

 「我々はほぼ全てのことについて話した。たくさん話した。経済制裁についても触れた」

 ――金委員長とは直接話していないのか。

 「それに関しては言及を控える」

 ――北朝鮮は完全で検証可能かつ不可逆的な非核化に合意したのか。

「多くのことに関して話し合った。その中で最も大切なことは6月12日に会談するということだ。だがこれは過程だ。6月12日に過去にない署名をするようなことはない。取り組みを始めるだけだ。私は金英哲氏らに(非核化は)ゆっくりやっても良いと伝えた。早くもできるしゆっくりもできる。ただ北朝鮮はなにかが動きだしたことを感じたいと思っていると思う。それがうまくいけば良い。その取り組みは6月12日にシンガポールで始まる」

 ――金委員長は非核化に本気だと考えているのか。

 「そう思う。金委員長もそうなった場合に何が起きるのかみてみたいと思っている。彼は注意深い。彼がそそくさとかけだして対応することはない。だが、私は金英哲氏に『正直に言おう。我々は経済制裁を科している。とても強い制裁だ。君たちが行動するまで経済制裁を解除することはない。経済制裁がどのぐらい強力なのかはあなた方が知っているはずだ』と伝えた。ある時点で経済制裁を解除できる日を楽しみにしている」

 ――(拉致問題などを含めた)人権問題に関して議論したのか。

 「話していない」

 ――首脳会談では協議するのか。

 「ありうる。おそらく取り上げて詳細について話すだろう。きょうは人権問題に関して議論しなかった」

 ――北朝鮮は制裁緩和を求めたのか。

 「議論した。彼らは制裁に関して要望をしてきた」

 ――最大の圧力を加える制裁は終わったのか。

 「いまのまま続く。ただ『最大の圧力』という言葉はもう使いたくない。我々はうまくやっているからだ。良好な関係が視野に入ってきた」

 「最大の圧力(の実行)に変更はない。現状のままだ。どこかの時点でディールをしたいと思う」

 ――今日の会談を踏まえて現在の米朝関係をどうとらえているのか。

 「良いと思う。たしかに米国と他国の関係のようにはいかない。ただ米朝関係がこんなに良好だったことは長年なかった。オバマ前政権では全く関係がなかった、なにもなかった。なにもなし遂げなかった」

 「この問題は私が取り組むべきではなかった。もっと早く解決すべきだった。(北朝鮮の核問題は)重大な局面まできてしまった。オバマ前大統領だけではなく、その前の大統領たちもこの問題を解決すべきだった。いまでなくもっと前に解決すべきだった」

 ――12日の首脳会談で北朝鮮に経済支援を約束するのか。

 「米国が資金提供することはないと思う。韓国がすると思う。正直にいうと中国も支援すると思う。日本もすると思う。米国が多額の資金支援をすることはないと思う。北朝鮮は3人の米国人の人質を抱えていた。私が人質1人あたりにいくら使ったと思うのか」

 「米国は(北朝鮮から)とても遠い。日中韓は近い。隣国だ。我々は6000マイルも離れている。日韓には(支援を)準備するように伝えた」

 「日中韓は何かいいことが起きるのを楽しみにしている。日本はそうだ。韓国もそうだ。中国も同様だと思う。彼らは隣国だ。米国はそうではない」

 ――ロシアのラブロフ外相と金委員長の会談に懸念を昨日は示していた。

 「そうだ。好ましくない」。

 ――その考えはきょうも変わらないのか。

 「好ましくない。ただこれはポジティブとも言える。ロシアが昨日、会談したことは良いと言えない。『目的は何なのか』と思った。しかし肯定的な会談だったかもしれない。もし肯定的な会談なら良いことだ。そうでなければとても満足できない」

 ――12日の首脳会談で朝鮮戦争を終結する考えはあるのか。

 「可能かもしれない。それについて(金英哲氏と)話し合った」

 ――詳細を教えてほしい。

 「我々は戦争を終結することについて話し合った。この戦争はずっと続いている。70年間も続いている。文書に署名するような大事なものだ。歴史的に非常に重要なことだがどうなるだろうか。朝鮮戦争の終結について協議した。朝鮮戦争の終結を議論するなんて信じられないだろう。70年間も続いたのだから」

 ――朝鮮戦争の終結に関する文書は準備済みなのか。

 「首脳会談前に議論する。会談の結果、そうしたものが出てくるかもしれない」

 ――朝鮮戦争の終結に関して中国の位置づけをどう考えているのか。

 「中国は前向きな結果を望んでいるはずだ。私は習主席と良い関係にある。良い人だ。中国を愛している。ただ彼は中国にとって最善のことをする。中国と習主席は米朝会談で何か起こることを望んでいると思う」

 ――金委員長の体制保証をどう実現するのか。

 「保証できるようにしっかりと確認する。戦争が終結したらそれは完全な終わりだ。二度と始まらない」

 「北朝鮮は立派な国になる可能性がある。韓国もそれを援助するだろうし、日本も大いに援助するだろう。中国も大いに手助けするだろう」

 ――昨年11月のソウルでの講演で北朝鮮が望むなら近代国家に加われるという非常に明るい約束をしていた。

 「そうだ。それはうまくいくだろう。どうなるか見てみよう」

 ――2回目や3回目の首脳会談の日程についても議論したのか。

 「12日以外にも首脳会談はあるだろうと伝えた。でも数時間の会談で突然すべてが決まるというのはすばらしいとは言えないだろう。そうなるとは思わない。時間をかけてどうなるか見てみよう」

 「私は『(非核化は)ゆっくりで良い』と伝えた。『制裁は続くがゆっくりで良い』と伝えた」

 「多くの追加制裁のメニューがある。ただ金英哲氏は尋ねなかったが私は対話が決裂するまでは発動しないと伝えた。良い対話をしているのに発動するのはおかしい」

 ――12日はお互いを知り合うだけの会談になるのか。

 「お互いを知り合うというだけでなく、追加できるものもあるだろう。それはとてもポジティブなものだ」

 ――金委員長の書簡に対して返信したのか。

 「していない。まだ書簡を見ていない。意図的に書簡を開けなかった。金英哲氏の前では開けなかった。『いま開けてほしいか』と聞いたら『後でどうぞ』と言われた。大きなサプライズがあるかもしれないな」


■ 軍事ジャーナル【5月28日号】米朝会談の行方 「鍛冶俊樹の軍事ジャーナル(2018.5.28)」より
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 一旦は中止と宣言された米朝首脳会談は再び実施の方向で動き出した。米朝の取引外交にマスコミが振り回されるのは、時々刻々の事象を報道するのがマスコミの責務であるから仕方がないが、ここで力量を問われたのは有識者の見識であろう。

 例えば元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、一旦中止と宣告された25日にツイッターでこう述べた。
「米朝会談の中止は米国大統領が会談の結果として北の核放棄を実施させることはできないと判断したからであろう。会談に応じたが何ら成果が得られないのではアメリカのメンツは丸つぶれになる。ロシアや中国は初めからそれを狙っていたのではないかと思う。北の核放棄はないと我が国も腹を固めた方がよい」
 だが、翌日にはトランプは会談実施の可能性を示唆した。駆け引きの一環としてのブラフを本決まりと即断したのは、完全な読み違えである。

 これに対して 特定失踪者問題調査会の代表、荒木和博氏は25日のメルマガで
トランプ大統領の米朝首脳会談中止通告が新聞の1面を飾っています。まあ、まだまだ二転三転するでしょう。あるいは七転八倒か。外交もまた戦争です。
www.chosa-kai.jp/
 まさに、その後二転三転した訳で、見事な見識を示している。田母神氏は公職選挙法違反の裁判中の身であり、国際情勢の分析どころではないのかもしれないが、同じ空自出身者として些か恥ずかしい。

 本誌が前号すなわち5月11日号「習近平、悪夢のシナリオ」以後、今日まで更新しなかったのは、この号で示した米朝中の関係に基本的に変化がないと判断した為である。とはいえ荒木氏の言うが如く、これから七転八倒が来るかもしれない。
 具体的にはロシアの動きである。トランプは3月20日に「近い将来にプーチンと会談する」と表明しているが、いまだ実現を見ていない。3日前にサンクトペテルブルクでの経済フォーラムでプーチン、安倍総理、マクロン仏大統領が一堂に会した。
 安倍総理とマクロンは今やトランプ外交の指南役として双璧をなしている。韓朝に米国が入って二転三転、これに日中露仏が加わって七転八倒。まだまだ米朝会談の行方は予断を許さない。


■ トランプが米朝会談中止の大バクチを平気で打てた理由 「DIAMOND-online(2018.5.28)」より
上久保誠人:立命館大学政策科学部教授
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(※mono....前半略、詳細はサイト記事で)

 結局、米朝首脳会談は当初の予定通り、シンガポールで6月12日に開催されることになる見込みだ。筆者は、突如首脳会談中止を表明し、相手が慌てたところで「やっぱりやろう」と揺さぶったトランプ大統領に、「ディールの達人」の恐ろしさを見た。そして、金委員長は、完全に逃げ場を失い、「袋小路」に追い込まれた。

「アメリカファースト」のトランプ大統領は既に「ディール(取引)」を終えている


 トランプ大統領にとって、「朝鮮半島の完全な非核化」や「北東アジアの紛争回避」など、実はどうでもいいことなのではないだろうか。そもそも、トランプ政権が「北朝鮮の核・ミサイル開発問題」に介入し始めたのは、北朝鮮が米国を直接核攻撃できる大陸間弾道弾(ICBM)を持つ可能性が出たからだった(本連載第155回)。

 トランプ大統領は、口を開けば「朝鮮半島の完全な非核化」、「拉致問題を解決する」などといろいろ言ってはいるが、実は自国の安全保障のことしか考えていない。北朝鮮が核実験場を爆破して、核弾頭を搭載したICBMを開発できないということを確認した、まさにその日に首脳会談中止を表明したのは、そのことを象徴的に示している。

 首脳会談を流すという、既存の政治家には絶対にできない「挑発」は、いかにもトランプ大統領らしい。だが、1つ言えることは、大統領にとって、「完全な非核化」など、所詮「オマケ」に過ぎないということだ。やはり、大統領の行動は、あくまで「アメリカファースト」なのだと、あらためて示したといえる(第170回)。

トランプにとって「完全な非核化」以外に会談実施の意味はない

+ 続き
 トランプ大統領にとって、米朝首脳会談とはどういう意味を持つのか、もう少し考えてみる必要がある。まず、金委員長が「ICBMの実験中止」を表明し、「核実験場」を爆破したことの持つ意味である。

 端的にいえば、北朝鮮が「米国を直接攻撃できる」懸念が消えたことを意味するだろう。つまり、米朝首脳会談の開催前にして、トランプ大統領が本当に欲しいものは、既に手に入ってしまったことになる。

 その上、北朝鮮に拘束されていた米国人3人も取り戻し、米国世論にアピールできるオマケも得た。「朝鮮半島の非核化の実現」とは、それができれば「ノーベル平和賞」級の偉大な成果となり、そういう意味での関心はあるだろう。だが、「アメリカファースト」の大統領の本音としては、実現してもしなくても、どちらでもいいこととなる。

 一方、この連載で指摘したように、「朝鮮半島の完全な非核化」の実現が「在韓米軍の撤退」を意味することは想定される。だが、これは米国の長期的方針としては既に決定していることであり、その実行のタイミングだけの問題である(第180回・p5)。そういう意味では、トランプ大統領が是が非でも米朝首脳会談をやりたいという動機付けにはなるものではない。

 あえていえば、トランプ大統領にとって米朝首脳会談は、デメリットの方が大きいものかもしれない。大統領は「ディールの達人」として名をはせているが、そのイメージが崩れるかもしれないからだ。

 例えば、米朝首脳会談の席上で、「ICBMの実験中止」「核施設爆破」を金委員長に宣言させるならば、その他が「段階的核廃絶」など曖昧な決着になったとしても、トランプ大統領が「ビッグディール」を成功させたということになるだろう。だが、金委員長は、既にそれを宣言し、実行してしまったのだ。そうなると、首脳会談で話し合うことは「朝鮮半島の完全な非核化」のみとなってしまう。

 言い換えれば、トランプ大統領にとって、首脳会談での「ディール」の成功を示すものは、「朝鮮半島の完全な非核化の実現」だけになってしまった。だが、それは北朝鮮にとって簡単に飲めることではなく、実現は難しい。そうかといって、北朝鮮が望む「段階的非核化」を大統領が認めたら、それは単なる妥協ということになる。大統領のタフなイメージが壊れるだけである。

 それでは、首脳会談の席上でガチンコで「完全な非核化」で揉めて決裂したら、どうなるか。あまりにその衝撃は大きすぎる。「ディールの達人」というトランプ大統領の評価が完全崩壊するだけでなく、北朝鮮がブチ切れて「最悪の事態」を招くリスクもある。

 要するに、金委員長が「ICBMの実験中止」「核施設爆破」というカードを先に切ってしまったことで、トランプ大統領にとって、米朝首脳会談で「ディール」を成功させるハードルが一挙に「完全非核化」に上がってしまったのだ。しかし、大統領は既に得るものを得てしまっているので、米朝首脳会談をやる意味が希薄になっていた。

 それにもかかわらず、金委員長はいささか調子に乗ったのか、首脳会談での「ディール」の「落としどころ」は「段階的核廃絶」だと、楽観的に考えていたのだろう。部下に米国を「挑発」するような、軽はずみな言動を繰り返させてしまった。

 また、金委員長と米国の「仲介役」を務めてきた韓国の文大統領や、金委員長の「後ろ盾」である中国の習近平国家主席も、同じように楽観的に構えているようであった。

 トランプ大統領からすれば、それは許せないということになったのだろう。そこで、「完全非核化を北朝鮮が飲まないのであれば、別に米朝首脳会談など無理にやる必要などないのだ。それで北朝鮮が逆ギレするなら、軍隊を出して簡単に叩き潰すぞ」という脅しをかけた。

 トランプ大統領は、金委員長や、韓国、中国に「俺は圧倒的に強い立場にあるのだぞ。それを忘れるなよ」ということを、強く知らしめたかったのではないだろうか。

金正恩も事実上の「核保有国」となるために会談を回避したほうがいいと考えるか?


 一方、金委員長の立場から見れば、事前に大統領に対してカードを切りすぎたことは大失敗だったように見える。米朝首脳会談を通じて、トランプ大統領から「体制維持の確約」を得て、「段階的核廃絶」を約束することで事実上の「核保有国」になれればよかったのに、トランプ大統領の「アメリカファースト」を読み間違えて、自ら首脳会談のハードルを「完全な非核化」に上げてしまったからだ。

 金委員長は慌ててトランプ大統領の機嫌を取って、予定通り首脳会談を実施する方向に一応向かってはいる。だが、金委員長は本当にこのまま、首脳会談を行ったほうがいいのだろうか。

 そもそも論だが、北朝鮮が目指してきたのは「核保有国」になることだ。それが「体制崩壊」を防ぐ唯一の道だというのは、金委員長の父・金正日氏の「遺訓」であった。金委員長が融和の姿勢を示し、韓国の文大統領との南北首脳会談で「核なき朝鮮半島の実現」を約束したが、それは本気ではないはずだ。

 本音は「段階的非核化」という曖昧な着地点を勝ち得て、実質的に「核保有国」になることが目標だったはずだ。だが、既に欲しいものを手に入れてしまい、あわよくば「ノーベル平和賞」でも取れれば儲けものくらいに考えて、思い切り「ディール」のハードルを上げてきたトランプ大統領と、どう渡り合ったらいいのだろう。金委員長は、これから非常に頭を痛めるはずだ。

 それならば、むしろ米朝首脳会談を流したほうがいいという判断はあり得るだろう。そうすれば、「朝鮮半島の完全な非核化」は議論する場がなくなり、中距離核ミサイルは日本に向けてズラリと並んだままとなり、北朝鮮は実質的に「核保有国」となることができる。そして、中国、ロシア、韓国も、本音では北朝鮮が核保有国となることは悪いことではないと思っている(第166回)。

 米国は、「アメリカファースト」なので、ICBMさえ持たなければ、北朝鮮を攻撃することに関心は持たないだろう(第155回)。もちろん、米国はいまや「世界の暴力団」なので、トランプ大統領を怒らせたら何をされるかわからない(第181回)。ただ、たとえ首脳会談が流れても、北朝鮮は自ら「段階的核廃絶を行っていく」と宣言したりして、慎重にトランプ大統領の機嫌を取っていけばいい。

 要するに、トランプ大統領が既に「ディール」で「実」を得たことで強硬姿勢に出たように、今度は金委員長があえて首脳会談を流して、事実上の「核保有国」となる「実」を得ようと、動く可能性があるかもしれない。

「ディールの達人」トランプは、金正恩を完全に「袋小路」に追い込んだ


 だが、金委員長が米朝首脳会談を流して核保有国になるという「実」を得ることは、相当に難しいかもしれない。それは、トランプ大統領は強硬姿勢を示すことで、韓国の文大統領の首根っこもガッチリと掴んでしまったように思うからだ。

 韓国の文大統領は、米朝首脳会談で北朝鮮が「体制維持の保証」と「段階的核廃絶」をトランプ大統領から勝ち取れば、一挙に南北首脳会談で金委員長が求めてきた経済協力を進めるつもりだった。だが、トランプ大統領が米朝首脳会談の「ディール」を、北朝鮮が簡単に飲めない「朝鮮半島の完全な非核化実現」に引き上げたことで、簡単に「ディール」が成立することはなくなり、南北の経済協力を進める思惑は棚上げせざるを得なくなるだろう。

 米朝首脳会談が流れれば、北朝鮮は事実上の「核保有国」になれるが、国連の経済制裁は解除されないことになる。金委員長にとって、南北間の経済協力が非常に重要になるが、トランプ大統領を無視して、文大統領が経済協力を進めることは、難しいのではないだろうか。

 北朝鮮に対する国連の経済制裁は、非常に効いているとされている。北朝鮮は米朝首脳会談を流して「核保有国」となれても、経済制裁が解除されなければ、早晩行き詰まることになる。かといって、米朝首脳会談を行えば、トランプ大統領から「完全な非核化」を強く要求されることになる。

 金委員長は、結局経験不足だったのだろうか。軽率にも首脳会談の前に、トランプ大統領の欲しいものを渡してしまった。結果、米朝首脳会談は「退くも地獄、進むも地獄」となってしまった。「ディールの達人」トランプ大統領は、完全に金委員長を袋小路に追い込んだように見える。

(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)




(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


★ 文大統領が米朝首脳会談参加の可能性=韓国大統領府 「BBC-news(2018年05月28日)」より
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韓国の青瓦台(大統領府)は28日、開催への努力が続けられている米朝首脳会談に文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参加する可能性があると明らかにした。

青瓦台は、文大統領が実際に参加するのかどうかは、米国と北朝鮮の間で現在進められている準備協議の進展によるとしている。

ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の歴史的な首脳会談は、来月12日にシンガポールでの開催が予定されている。

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★ 日米首脳が電話 「米朝前に会談」で一致 「日本経済新聞(2018年05月28日 23時46分)」より
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 安倍晋三首相は28日夜、トランプ米大統領と電話で約30分協議し、6月12日のシンガポールでの開催で調整が進む米朝首脳会談の前に、日米首脳会談を開くことで一致した。北朝鮮の非核化実現に向けて「米朝首脳会談が意義あるものとなるように協力していく」との方針も確認した。首相は日本人拉致問題について「解決が絶対に必要だ」と伝え、改めて協力を要請した。

 両首脳の電話は今月10日以来。両首脳は6月8日からカナダで開く主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)で会談する見通し。日本政府内にはサミット前後に首相が訪米する構想もある。北朝鮮情勢を巡る緊密な連携をアピールする狙いだ。

 首相は電話協議後、首相公邸前で、米朝首脳会談に向けて「認識を共有し、共通の方針のもと」で協力していくと強調した。日米両首脳は北朝鮮に「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を求めていく考えだ。トランプ氏は電話で、米朝首脳会談の調整状況などを説明した。

 拉致問題では、首相は28日に拉致被害者家族と面会したことをトランプ氏に伝え、米朝首脳会談でも拉致問題を取り上げるよう求めた。

 トランプ氏は米朝首脳会談の前提として北朝鮮に「完全な非核化」を求めている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長も韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との26日の会談で「完全な非核化」の意思を示しているが、米朝双方の認識の溝は大きい。

 米側は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」を求めているが、北朝鮮側は段階的な非核化とその見返りとしての体制保証を要求している。日米両国は、北朝鮮が完全に非核化しない限り、経済制裁などの圧力を続ける方針を確認している。


★■ 金正恩氏が実力過信し外交『惨敗』か トランプ氏の会談中止通告を受け文在寅氏と会談 「デイリーNKジャパン[Nifty](2018.5.29)」より
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金正恩外交は「すでに惨敗」している…自分の実力を過信か

5月26日は、金正恩党委員長の外交戦術が「惨敗した日」として歴史に刻み込まれるだろう。

トランプ米大統領が24日に米朝首脳会談の中止を通告したことを受けて、金正恩氏は26日、電撃的に韓国の文在寅大統領と2回目の首脳会談を行った。朝鮮中央通信によると、金正恩氏は「6月12日に予定されている朝米首脳会談のために多くの努力を傾けてきた文在寅大統領の労苦に謝意を表して歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志を披れきした」という。

「確固たる意思」とは、なんとしてでも米朝首脳会談を行いたいという、いわばトランプ氏に対するラブコールだ。北朝鮮の最高指導者がここまで下手に出るのは極めて異例である。

今年1月からの対話姿勢を前面に出した金正恩外交は、半年もたたずに敗北を喫したといっていい。

ただし、この敗北は自滅でもある。トランプ氏が会談中止を通告した理由の一つとして挙げられるのが、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官が24日に発表した談話だ。崔次官は談話の中で、「われわれは米国に対話を哀願しないし、米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めないであろう」と断言しながら米国を非難した。これが米国に「怒りとあからさまな敵意」として捉えられた。

これに先立ち、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官は16日、米国が非核化のハードルを高め過ぎれば「われわれはそのような対話にこれ以上興味を持たず、近づく朝米首脳会談に応じるかを再考慮するしかない」とする談話を発表。対北朝鮮強硬派として知られるボルトン米国家安全保障担当大統領補佐官に対して「拒否感を隠さない」と不快感を強調した。

北朝鮮は、トランプ氏が米朝首脳会談に前向きな姿勢を示してから、米国に対する露骨な非難を控えていた。ここに来ていきなり態度を変えた理由として考えられるものが2つある。ひとつは、米国が非核化の要求レベルを吊り上げたこと。そしてもうひとつが、中国との関係改善や南北首脳会談を通じて、金正恩氏が自らの外交手腕を過信してしまったことだ。

金正恩氏は3月26日、電撃的に習近平国家主席と会談を持った。百戦錬磨の習氏を前に、首脳会談デビューの金正恩氏は、まるで借りてきた猫のように大人しく、指導者としての格の違いを見せつけられた。それでも会談自体は概ね成功したといえる。

金正恩氏は4月27日、文在寅氏との南北首脳会談を経て、今月9日には習氏と2回目の会談を行った。わずか2ヶ月の短期間で3回もの首脳会談を持ったことで、金正恩氏は相当ストレスをもっただろう。そうでなくても、国内では頻繁に現地指導で地方を訪れているが、特殊な動線の問題から多大なストレスを強いられており、とりわけトイレ問題は深刻だとされる。

金正恩氏が、精神的に厳しい時間を過ごしていることは想像に難くない。とはいえ、金正恩氏はその最大にして数少ない武器の一つである若さ(34歳)で3度の首脳会談を乗り切った。まだまだ未熟さは見え隠れするが、端から見ても、最初に比べその振る舞いは堂に入りつつあるようだ。本人も手応えを感じていただろう。こうした中、金正恩氏は中国との関係改善に自信を持ち、米国にも強気に出られるのではないかと思い込んだのではなかろうか。

実際、北朝鮮が米韓に対して高飛車な姿勢を打ち出し始めるのは習氏との2回目の会談直後からだ。今月16日には、米韓合同軍事演習を理由に南北高位級会談をいきなり中止した。それに続き、北朝鮮外交のキーパーソンである2人、金桂冠氏と崔善姫氏が米国に対して強硬姿勢を打ち出したのだ。

金正恩氏は米朝首脳会談前に、うまく中国との関係を改善できたことで、自分の外交手腕に自信をもった。そして韓国の仲介がなくても米国に対して強気な姿勢で臨めると思った──ひらたく言えば「調子に乗ってしまった」というやつだ。

しかし、今回ばかりは相手が悪かった。これまでの米国の指導者なら、歴史的な会談の実現を優先して譲歩したのかもしれない。しかし交渉上手を自認するトランプ氏は、会談中止を表明して金正恩氏を無慈悲に突き放した。これに金正恩氏は相当なショックを受け、焦りを感じただろう。翌25日に、即座に外務次官の談話を発表したが、その中身は言い訳に終始している。

いきなり劣勢に追い込まれた金正恩氏は26日に急きょ、文在寅氏との首脳会談を持ち、「米朝会談の実現に確固たる意思」を表明した。もはや、会談を強く望んでいるのは金正恩氏であり、トランプ氏が「会ってやる」という構図ができあがった。

この間、金正恩氏の外交手腕は「したたか」「交渉上手」と評価されてきた。筆者も金正恩氏が合理的で実利的な一面を持っていることは認める。しかし、トランプ氏という型破りな人物に対して、金正恩氏の交渉術は通用しなかった。金正恩氏はたった2ヶ月で経験不足を露呈し、最初にして最大の大惨敗を喫してしまったのだ。

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★ 正恩氏“悪あがき” 文氏と組んで『非核化条件』小出しに 米は「イエス」か「ノー」のみ 「zakzak(2018.5.29)」より
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 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、悪あがきをしている。ドナルド・トランプ米大統領の「米朝首脳会談(6月12日)打ち切り通告」におびえ、とりなしを求めて韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談に踏み切りながら、条件を小出しにしているのだ。米国の求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」や「拉致問題解決」に応じない限り、正恩氏に明るい未来はない。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


★ 外交官の代わりに情報機関 トランプ大統領のために「世界最高の合意」のための場所を準備する米朝 「Sputnik(アップデート 2018年04月11日 21:55)」より
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米国と北朝鮮は、5月に予定されているトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談の開催場所を選んでいる。驚くべき事実は、交渉における重要な役割を、米国側からは国務省ではなく、中央情報局(CIA)が担っていることだ。CNNが報じた。CNNによると、米朝両国の情報機関職員はすでに数回にわたって秘密協議を行っている。

今後の交渉を担当するのはトランプ米大統領に新国務長官として指名されたマイク・ポンペオCIA元長官。外交官の役割を情報機関の職員が務めていることは、今後の協議に策動を加えるだけだ。

なお米上院外交委員会は4月12日にポンペオ氏の国務長官への指名承認に関する公聴会を行う。これも交渉プロセスにとって重要だ。ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ主任研究員はこのような見方を表し、次のように語っている-

+ 続き
「会談に向けた事前準備は部外者にはわからないように行われているが、誰が新国務長官になるか、そしてその人物が北朝鮮に対してどのような意見を持っているかが考慮されている。しかし、秘密協議が行われているという事実について、朝鮮半島問題で飛躍的な進展が起こる証拠だというにはあまりにも時期尚早だ。すべてが変わる可能性があるため、これはまだ重要ニュースには至っていない。これがセンセーションとなるのは、交渉プロセスで何らかの具体的なことが起こったときだ。現時点では情報騒ぎの一部にすぎない。米国は自分たちが何かをしていることを示そうとしており、ニュースがトップニュースで報じられるように仕向けている。」
プロセスが停滞から動き出したことにおいて重要な役割を演じたのが韓国だ。当初は、すべてを決めるのは米国であり、韓国は何も影響を与えないかに思われた。なぜなら北朝鮮関係で韓国指導部は常に米国の政策方針におとなしく従ってきたからだ。だが結果的にこの韓国が北朝鮮と2007年以来となる南北首脳会談の実施について合意した。ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮モンゴル課のアレクサンドル・ヴォロンツォフ課長はこのように指摘し、次のように語っている-

「最近韓国で開かれたオリンピックが韓国にとって大きな助けとなった。米国は当初、南北の接近に断固反対していた。だが世界のオリンピック休戦がその役割を完全に果たした。その後、韓国特使団は北朝鮮での会談に関する報告書を持って米国を訪れ、会談結果についてトランプ大統領に直接報告した。トランプ大統領はその報告が気に入った。そしてその時、トランプ氏は金正恩氏と個人的に会う可能性を開いた。米国人は自分たちのアプローチを見直さなければならなくなった。彼らは和平プロセスが自分たちのシナリオで展開し始めるのではなく、プロセスに対する制御を失う可能性が高いことを理解した。情報機関が加わったという事実は予期せぬものであり、情報機関職員がサミットの主催者であることは稀だ。また起こっていることはすべて実際に外交官には秘密にされている。両国の情報機関が準備作業をどれだけ上手く行ったかは、間もなくわかるだろう」。
大きな力が注がれているのは、米朝首脳会談の開催場所の選択だ。北朝鮮は平壌での開催を提案しているが、米国がこのような会談を外国で行うことに同意することは恐らくないだろう。だが金氏がワシントンを選ぶことも恐らくないだろう。決定までの時間は、会談実施の願望と同じように、まだある。ヴォロンツォフ氏はこのように強調し、次のように語っている-

「中立的な場所の一つとしてモンゴルの首都ウランバートルが検討されている。スイスも外交活動の中心地としてその役割を果たす用意があることを申し出た。さらに金氏がかつてスイスに留学していたことも知られている。北朝鮮にあるスウェーデン大使館は、長年にわたって北朝鮮で米国の利益を代表する役目を正式に果たしている。またサミットの開催場所候補として、ロシアのウラジオストクも挙がっている。すなわち、仲介役の希望者はたくさんいる」。
なおヴォロンツォフ氏は、トランプ大統領と金氏の会談が行われる場所は、もしそれが頓挫しなければ、恐らく直前に発表されると考えている。今はその時を待ち、金氏と大きな合意を結ぶというトランプ氏の願いが実現するかどうかを見るだけだ。

だが、書面による具体的な合意なしに金氏が核兵器を放棄するというのは、今でもやはり、あまりにも楽観的なシナリオのように思われる。



報道に拠りますと、北朝鮮の金正恩委員長は、予定されている米朝首脳会談の開催地について、同国の首都である平壌を提案しているそうです。しかしながら、以下の理由から、トランプ米大統領がこの提案を受け入れるとは思えません。

 第1の理由は、アメリカ大統領が北朝鮮の地に足を踏み入れたら最後、暗殺リスクに晒されるからです。北朝鮮は、1983年に全斗煥韓国大統領の暗殺を狙ったラングーン事件を起こすなど、過去においても敵対国の要人の暗殺を企ててきました。一昨年のクアラルンプールでの金正男氏暗殺事件も記憶に新しいところですし、同盟国である韓国においてさえ、マーク・リッパート前米国駐韓大使が危うく暗殺されかけております。朝鮮半島にあっては伝統的に暗殺というテロ的手段が許容されており、こうした国柄を考慮しますと、トランプ大統領の暗殺リスクは十分に考慮されて然るべきです。

 第2の理由は、米朝首脳会談の交渉にあって、トランプ大統領の生命が対米脅迫材料となることです。北朝鮮国内にアメリカ大統領の身柄がある限り、北朝鮮は、その生殺与奪の権を握ったに等しい有利な立場に自らを置くことができます。金正恩委員長は、米国大統領を人質として、自らの要求をアメリカに側に呑ませるために、“命が惜しければ、○○せよ”と大統領自身や米国政府に迫る可能性も否定はできないのです。

 第3に挙げられる点は、米朝首脳会談が不調に終わり、決定的な決裂を迎えた際に起き得る不測の事態です。
(※mono....以下略)
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 第4に指摘し得る点は、歴代中華帝国との間で冊封関係を結んでいた朝鮮半島の認識では、訪問する側であるアメリカが格下として位置付けられるリスクです。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


米朝関係
■ ボルトン元米国連大使、「北朝鮮との会談は時間の無駄」 「社会科学上の不満(2018-03-30 00:00:56)」より
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【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領の国家安全保障問題担当補佐官に就任するボルトン元国連大使は米政府系放送「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)とのインタビューに応じた。ボルトン氏は、5月末までに実施予定の米朝首脳会談について「真の目的は北朝鮮の非核化であるべきだ」と述べた上で、「もし北朝鮮が(非核化に向けた)真剣な議論をする用意がないのであれば、会談は極めて短時間で終わるだろう」と警告した。

 インタビューはボルトン氏が補佐官に指名される前の19日に行われ、RFAが23日に内容を公開した。

 ボルトン氏は、北朝鮮に対する軍事攻撃について「好ましくないし、誰も望んでいない」としつつ、「北朝鮮に核兵器を持たせたままにするのも誤りだ」と強調。米朝首脳会談の見通しについては「北朝鮮はこの25年間、約束を破り続けてきた。彼らが(非核化に)真剣なのかは疑わしい」との見方を示した。

 また、「北朝鮮はこれまで、交渉を核・弾道ミサイル開発の隠れみのに使ってきた。同じ策略に再びはまってはならない」と指摘。2003年にリビアのカダフィ旧体制に完全核放棄を受け入れさせたときと同様に、北朝鮮の核開発に関する全ての機器や資材を米政府が接収することを北朝鮮に認めさせるべきだと強調し、「それができないのであれば、会談は時間の無駄だ」と語った。



流石ボルトン氏、その通り時間の無駄である。北朝鮮に時間を与えたが故にミサイルや核の脅威が顕在化して来た事実がある。
これ米国民主党政権のつまりオバマ元大統領の失政の故である。
口だけの凍結や放棄なんて、戦争回避しても危機の先送りに過ぎないって
アメリカも気づいただろう。との書き込みが秀逸であり全て。
北朝鮮より先に韓国に制裁するのが効果的wとの書き込みに座布団1枚。
朝鮮民族に世界が辟易しているが日本のマスゴミはその事を報じない、何故か?お察しを。
コリア狩が世界的に流行っている事がその証左でもある。勿論日本のマスゴミは、この件について「報道しない『自由』」を行使中である。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


中韓関係
■ 韓国、「米朝仲介」真相は米の地下工作が北朝鮮を引き寄せた 「勝又壽良の経済時評(2018-03-19 05:00:00)」より
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蚊帳の外に置かれた中国

清国時代の意識で振舞う


米朝首脳会談は、5月末までに行なわれるという。ここに至るまでのプロセスが謎だ。3月8日午後5時過ぎ米ホワイトハウスで、韓国の鄭義溶国家安保室長は北朝鮮の金正恩労働党委員長による米朝首脳会談提案を伝えた。すると同時に、トランプ大統領は「OK。早期にしようと伝えてほしい」と述べた。 鄭室長が「4月に南北首脳会談が予定されているが…」と話すと、トランプ大統領は突然「4月の同時会談」を持ち出したという。

以上のやり取りは、『中央日報』(3月13日付)、「米朝会談、45分で決定、トランプ大統領は45日間の水面下作業か」と題する記事の一節である。この記事は、次のように続ける。

「トランプ大統領はペンス副大統領、ケリー秘書室長、マティス国防長官、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)の方を見つめて、『どうだ、私が言った通りにそうなっただろう』と誇らしげに語った」のだ。

前記の、トランプ氏の発言から窺えるように、ホワイトハウスはCIAを通じて、北と地下で連絡し合っていたと見られる。前記の『中央日報』記事は、次のように報じた。

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
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文大統領の発言では、前述のように米ホワイトハウスが北朝鮮と地下工作をしていた事実を全く知らされていないことが分る。米朝首脳会談が成功して、北の核もミサイルも放棄されればこれに超したことはない。ただ、米朝会談の先行きは楽観も悲観もできず、米朝が「地下ルート」を持っていたことに一縷の望みをつなぐほかない。

実は、今回の米朝会談の準備において、中国が完全に「蚊帳の外」にあったことが注目される。次の記事でそれが読み取れる

蚊帳の外に置かれた中国

『朝鮮日報』(3月12日付)は、「過去最悪の中朝関係、韓国から北朝鮮情報を入手する中国」と題する記事を掲載した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/12/2018031202774.html?ent_rank_news

中朝関係の悪化は、習氏が国家主席に就任してからだ。この間の事情については、私のブログで詳細に取り上げてきた。これまで、北を支援してきた江沢民一派は、北に膨大な鉱物資源の利権を握っていた。それを媒介に、中朝は密接な関係を築いたのだ。初期の核やミサイルの技術は中国提供である。江沢民一派は、習氏の「反腐敗闘争」により一掃されてしまい、金正恩氏にとって習氏が敵役になっている。だから、昨年11月の北朝鮮労働新聞では大々的な「中国批判」を展開した。もはや、中朝の関係修復は不可能な状態である。

中朝関係悪化を背景に、北が米国へ接近したとすれば、ごく自然な道行きである。かつて、中ソが争っていたが現在は、中朝関係が抜き差しならぬ事態に入っている。まさに、「骨肉の争い」である。こうなると、「他人同士」の話し合いの方がスムースにいくものだ。米朝が、地下で結びついていたとしてもなんら不思議はない。

(※mono....中略)
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北がこれまで、ミサイルや核の実験を行なった背景には、習近平氏を困らせるという明白な意図が感じられた。北は江沢民一派と連携しており、江戸(北京)の敵を長崎(平壌)で討つという趣が強かった。それほど、江沢民一派と金ファミリーの関係は深いのだ。ここで、北には絶対に座視できぬ事態が起こった。習氏が、「終身国家主席」になれば、もはや中国との「復縁」はあり得ないのだ。北が、米国を頼って接近した裏事情は、おぼろげながらも浮かび上がるであろう。

(※mono....中略)
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ここで、韓国は重大な点に気づくべきであろう。米朝関係は、これから吉と出るか凶と出るかは分らない。一つだけはっきりしている点は、中朝関係は修復不可能ということだ。かつて中ソが、修復不可能な事態に陥った実例を考えれば理解できるはずだ。となれば、韓国の対中外交を見直す絶好の機会が訪れている。中国から朝貢国扱いされており、「一人前」

に遇して貰えないのだ。この際、過去のしがらみを捨てて、北のように「堂々」と振る舞うことである。韓国が絶えず、中国の視線を気にしてビクビクしているのだ。独立国家として恥ずかしい限りである。

清国時代の意識で振舞う

『中央日報』(3月13日付)は、「中国習氏、韓国特使と面談した上座に、また外交欠礼論争」と題する記事を掲載した。
http://japanese.joins.com/article/486/239486.html

① 「韓国大統領の特使として訪中した鄭義溶国家安保室長は、習近平国家主席と面談した際、中国が席順で再び外交的な礼を欠いたとして、韓国メディアで「欠礼論争」を呼んでいる。「3月12日午後、北京人民大会堂で行われた面談で、習主席はテーブルの中央上座についた。鄭室長は習主席よりも格が落ちる下座につき、外見上、習主席主宰の業務会議に参加したような格好になった。これは昨年5月、李海チャン(イ・ヘチャン)元首相が特使として訪中した時と同じ席順である。当時は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題で韓中間に葛藤があった時だったので、習主席が韓国の大統領を故意に冷遇したという指摘が出ていた」

(※mono....中略)
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デイビッド・シャンボー教授の中国論は、3月18日のブログで取り上げている。今日は、韓国と中国の関係だけにスポットを当てて論じたい。韓国の「86世代」が抱く「反米・親中朝」論の誤りを的確に指摘しているのだ。印象的な点は、習氏の中国が近代化に背を向けており将来、韓国へ害を与える存在であると強調している。

日本は遣唐使時代(630~894年)、中国の文化・政治・法律と幅広く導入してきた。その意味では、中国の存在は極めて大きいものがある。だが、長い日中の歴史において、日本は中国と疎遠であったときの方が社会は安定していたという指摘がある。例えば、中西輝正著『帝国としての中国』(東洋経済新報社 2004年)がそれだ。江戸時代は中国と没交渉であった。薩摩潘がわずかに、琉球を通じて中国と間接的な貿易をしていた程度である。

シャンボー教授は、韓国に対してできるだけ中国と疎遠になるよう薦めている。これは、習氏の中国が「朝貢国の原理」へ立ち戻り、周辺国を一方的に支配する政治構造になると危惧しているのだ。その片鱗はすでに始まっている。韓国がTHAAD(超高高度ミサイル網)を設置したところ不条理なまでに反対している。韓国の安全保障という防衛権を踏みにじる行動だ。これは、「中国にとって嫌いなことをするな」という一方的な命令である。こういう中国とは疎遠になる方がベストの選択になる。

(※mono....中略)
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ここでは、日本やアジア諸国との関係強化が説かれている。THAAD問題で、韓国は今なお中国から経済制裁を受けている身だ。中国の訪韓旅行客は減ったままである。2月の平昌五輪では、中国観光客が前年比40.2%減という締め付けである。4年後の冬期五輪は北京開催である。そういう配慮はゼロという「血も涙もない」圧政国家である。他国のこととは言え、義憤を感じざるをえない。



韓国は今、中国への貿易依存度の引下げに動いている。ASEAN(東南アジア諸国連合)への市場開発では、日本に先を越されており、その差は広がっている。TPP(環太平洋経済連携協定)では、中国に遠慮してオリジナルTPP参加を見送った。いつも、中国の顔色を窺うという独立国にあるまじき行動を取っている。気の毒なほど、中国の存在に気を使っているのだ。


■ 北朝鮮、「米朝会談」正恩氏実妹・与正氏を特使派遣?「利点は」 「勝又壽良の経済時評(2018-03-17 05:00:00)」より
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金氏が米朝会談を提案した
金与正氏が特使の可能性は


北朝鮮労働党委員長の金正恩氏が、破格的な外交手段で米国トランプ大統領へ会談を申入れた。これまでの「米帝国主義打倒」を叫んでいた本人とは思えない豹変である。それだけに、正恩氏の意図がどこにあるかを巡って、種々の見方が出ている。韓国大統領府は、真剣であると言い、一方では核やミサイル開発の時間稼ぎ、制裁撤廃が目的と甲論乙駁の状態である。


米国も、今度こそは北に騙されない、と慎重な姿勢を崩さない。当然であろう。仮に、北が裏切り行為をしたとなれば、トランプ大統領の直情径行ぶりから見て、そのリアクションは相当なものになろうと見られる。すなわち、有無を言わせない軍事行動開始だ。こうなると、北が米国を「だまし討ち」にするリスクは格別の物となろう。


金氏が米朝会談を提案した

『中央日報』(3月11日付)は、「ホワイトハウス、米朝首脳会談、平壌での開催望まない」と題する記事を掲載した。
http://japanese.joins.com/article/427/239427.html

この記事では、北朝鮮が一方的に米国との首脳会談を提案したことが分る。北が何らかの条件をつけて、それに米国が譲歩するという妥協が一切されていないことだ。これは、極めて重要な点である。北朝鮮が逆に、米国に対して前提になる「ある行動」を約束したようである。米国は、この提案を受け入れたに過ぎない。よって、米国は北の「ある行動」を実現せよ、と言っている。そうすれば、米朝の予備会談に応じるという立場だ。

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
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金与正氏が特使の可能性は

米朝予備会談に当たって、北は誰を特使にするだろうか。これが、今後の米朝首脳会談の鍵を握る。

私は3月9日のブログで急転直下、米朝対話が始まる理由として、金与正氏の役割について、次のように記した。

「第三は、金正恩氏の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏の役割である。与正氏は、金ファミリーの中では、最も『聡明』との噂がある人物だ。父親の金正日(キム・ジョンイル)に、「男だったら後継者」と言わせた切れ者である。その与正氏が、平昌五輪で韓国へ来て、北との格差の余りの大きさに驚愕してのでないか。また、母親としての目線で韓国の実態に触れて、北が「核保有」と頑張っていることの虚しさを実感したのでないか。正恩氏は、与正氏が最大の相談相手と言われる。となれば、妹による韓国の実態報告に、心を動かされたと考えられる。女性は、戦争よりも平和を望む。今が、平和的解決の最後の機会と見たとしても不思議はない

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


■ 米朝会談決裂は、戦いの合図 「suzukikenzouのブログ(2018年3月14日)」より
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米朝会談は、融和の始まりのようなことを言ってますが、会談決裂は、休戦終了、戦争再開のような気がします。

 対話優先派は、ことごとく解任されています。対話優先派の元軍人のケリー主席補佐官、さえも解任の噂が流れました。自信家のトランプさんは、「俺の考えが政策になる」と言い切ってます。

 ティラーソン国務長官を解任して、国務長官にはポンペオCIA長官を充てますが、強硬派です。予て噂のあった元軍人のマクマスター補佐官(安全保障担当)も解任されました。

 北朝鮮は、現状を凍結して核査察を受け入れる、あるいは北朝鮮の安全が完全に保障されれば核廃絶のようなことを思い描いているのでしょうが、トランプさんは、短気でノラリクラリは大嫌いです。核ミサイルはすべて廃棄しない限り会談は妥結しない。

 これは北朝鮮にとって最初から無理な相談です。丸裸になれというものだからです。

 トランプさんは、会談決裂オーケーです。会談決裂を奇貨として戦争再開です。元々戦って北朝鮮を踏み潰し東部エスタブリッシュメントの鼻を明かしたいのですから。

 トランプさんを抑えていた対話派を排除した現在は、大義名分のある戦いのキッカケが欲しいだけです。首脳同士が会談する重みを金正恩は失念しています。

 北朝鮮は、米国の計画通り、煮え湯を飲まされる会談になる筈です。飲める筈もなく、戦いのリングに引っ張りだされますが、ことは、トランプさんの思うようにはいかない筈です。

 トランプさんにしてみれば、国防予算を年間67兆も使って北朝鮮一つ叩き潰せなくてどうするというものでしょう。根性見せてみれというもです。対する軍産複合体は、対立を煽るので予算が使える訳で理屈の分からない奴というものです。

 しかし、北朝鮮の実力を見くびりすぎてます。北朝鮮は、ベトナム、アフガン、イラクとまったく違う核ミサイルを保有する軍事大国です。トランプさんは、北朝鮮は、大日本帝国が水爆を持ったような国であることを側近の再三の忠告にもかかわらず失念あるいは無視しており、泥沼にはまること必死の情勢です。

 日本への被害が憂慮されますが、何もできることはない。ミサイル防衛システムが有効であることを願うだけです。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


■ 米朝会談、北朝鮮からまだ返事が無いと焦る韓国 「社会科学上の不満(2018-03-16 00:00:36)」より
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昨日アップしたvlogの続報になるのだが、


韓国は12日、ドナルド・トランプ米大統領が今月8日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談の要請を受諾したことについて、北朝鮮側から回答がないことを明らかにした。トランプ大統領は会談場所や協議内容などの合意がないなかで会談の要請を受け入れており、アナリストの間ではこの会談の意義を疑問視する声も出ている。

韓国統一省の報道官は「北朝鮮政府から、米朝首脳会談に関する公式回答を得ていない」とコメント。「北朝鮮側はこの件について慎重な姿勢を示しており、立場をまとめるのに時間を要しているとみられる」と述べた。

5日に平壌を訪れ、金委員長と会談した韓国特使団は、金氏の親書をトランプ大統領に渡した。韓国側によると、金委員長はトランプ大統領との直接対話とともに、核・ミサイル実験の停止を提示したという。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、北朝鮮との対話は「恒久的な平和」を迎えるための「貴重な機会」だと述べた。トランプ大統領と会談した韓国特使団は現在、中国と日本を訪れており、米朝首脳会談に向けた報告を行っている。特使団の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は習近平国家主席と、国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長は日本の安倍晋三首相とそれぞれ会談している。中国は北朝鮮に対する経済支援を行っているとみられている一方、米国の同盟国の日本は、韓国と同様、北朝鮮の軍事的脅威に最もさらされている。
いかそーす
http://www.bbc.com/japanese/43381814


また嘘か、韓国人はいい加減にしろよ!
トランプが即答するとは思わなかったんだろwとの書き込みに座布団1枚、しかし北朝鮮からの返事が無いと言う事ね。

(※mono....中ほど数行略)
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米朝会談なのにてめえらに言うわけないじゃんとの書き込みに座布団1枚。
北朝鮮にも相手にされてないんだよ気付け!


トランプ政権
■ ティラーソン国務長官解任  「日比野庵本館(2018/03/15 10:00 )」より
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3月13日、アメリカのトランプ大統領はティラーソン国務長官を更迭し、後任にポンペオCIA長官を充てると発表しました。

トランプ大統領は解任の理由として「長い間話し合ってきたことだ……われわれは実際には非常にうまくやってきたが、複数の案件で意見が異なった」と説明しました。

(※mono....中略)
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首脳会談が行われる前には事前協議として実務者レベルでの会合が行われるのが普通です。そのタイミングで対外強硬派のポンペオ氏を国務長官に据えた。もう明らかに意図が感じられますし、外交メッセージも含んでいるものと思われます。

実際、ホワイトハウス高官によると、トランプ大統領は金委員長との会談前に自身の新しいチームを整えたかったと述べていますから、そういうことでしょうね。

ところが米朝首脳会談合意が報道されてからは、何時どこで行うのかといった具体的な動きはまだありません。


(※mono....中略)
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先日、金正恩は韓国の大統領特使と会談していますけれども、その際、「軍事的な脅威が解消されて体制が保証されるならば、核を保有する理由はない」と表明したということで、北朝鮮が非核化の条件として、アメリカ軍の撤退を要求するのではないかという見方が出ています。

それをこのタイミングで改めて出したということは、前日13日にポンペオ氏の国務長官就任に対する牽制の可能性があります。対北強硬派が出てきたとて、要求は従来通りだ、妥協はしないぞ、という訳です。

既に水面下で米朝双方の牽制が始っています。米朝首脳会談が実現したとしてそれで問題が解決するとは限りませんし、そもそも首脳会談が流れる可能性だってないとはいえません。


■ 米朝会談、ロシアは歓迎、中国は緊張、日本は若干警戒 -栗原茂男 「純日本会(BY JUNNIHONJIN, ON 3月 11TH, 2018)」より
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1) 米朝会談、ロシアは歓迎、中国は緊張、日本は若干警戒
2) 外務省ホームページ新着情報
3) ブルックヘブン慰安婦像と桜祭り-公開書簡 他[2018年3月10日号]
4) SDHF 南京事件48人の証言 8  軍人の見た南京 2、海軍
5) インターネット情報

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
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ところで本題だが、トランプ大統領が北朝鮮の親分の金正恩と会うという情報が伝わってきている。東北アジアの情勢を考えれば当然の流れだろう。

北朝鮮は日米との戦争を望んでいない。それどころか経済交流を望んでいる。
恐らくロシアも同様。と言うより、ロシアはかつての東欧衛星国のような北朝鮮を日米と経済交流をさせて極東ロシアを経済開発をしたいのではないだろうか。

現代世界の主要国で主要国同士の戦争を本気で考えるのは中国だけ。中国は巨大人口を持て余し、エネルギーも食料も自給できない。
それで中国は国内の困難の打開策として対外侵略を志向している。それは今に始まった事ではなく、大昔からの習性。

普通の国は犯罪者は国外に出さないが、中国は積極的に犯罪者を移民させ迷惑を世界中に撒き散らすだけでなく、合法的な侵略を合法、非合法移民によって多数の支那人を住み着かせてしまう事で戦略的に対外侵略を行っている。
支那民族は朝鮮民族と同じで外国に帰化しても民族帰属意識を変えない。
アメリカも最近になってその事にやっと気が付いたようだ。アメリカは欧州系人が主要民族なので、なかなか理解しがたかったのだろう。
欧州やその他の諸国も特アの異常性に早く気付いて欲しいもの。

北朝鮮は日米と経済交流を望み、北朝鮮の支配国のロシアも喉から手が出るほど日米との経済交流を渇望している。
国境を越えた勢力のユダヤ勢力も環日本海経済圏構想を狙っている。その際は北朝鮮の羅津、ロシアのウラジオストックが大陸側の拠点となる。
更に北朝鮮を独立国としてみないで、ロシアの一部と見ることが重要だ。中国は関係ないのである。

そんな事を頭に入れて米朝接近を見ると世間で言われている事とは違った景色が見えてくる。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


★ 米、北との首脳会談で前提条件 非核化への「具体的な行動」要求 「CNN-news(2018.03.10 Sat posted at 10:10 JST)」より
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ワシントン(CNN) トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談に応じる意向を示した件で、ホワイトハウスのサンダース報道官は9日、北朝鮮が非核化に向けた「具体的かつ検証可能な行動」を取るまで会談は行わないと述べた。

サンダース氏はこの中で、北朝鮮が非核化や核・ミサイル実験の停止を約束したと主張。「北朝鮮のこうした言葉に具体的な行動が伴うまで会談は行わない」と述べた。

サンダース氏の今回の発言は、トランプ氏が正恩氏との会談に同意したとの発表に疑問符を投げかけるものだ。ホワイトハウスは、前日にはなかった新たな条件を課しているようにも見える。

+ 続き
韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は、正恩氏が「非核化に取り組む」姿勢を示したと述べたが、首脳会談実現のため非核化に向けた措置を取ると北朝鮮が約束した形跡はない。正恩氏が約束したのは核・ミサイル実験の停止のみで、米韓が合同軍事演習を今年実施することに理解を示したともされる。

サンダース氏の発言はまた、米朝首脳会談をめぐりホワイトハウスが初めて前提条件を課した形となった。

サンダース氏は前日夕の声明で、首脳会談の要請に応じるトランプ氏の意向を明らかにするととともに、米国は「北朝鮮の非核化を期待している」と述べていた。しかし今回は、北朝鮮が非核化を「約束した」と再三強調。北朝鮮政府は首脳会談実現に向けて「具体的かつ検証可能な行動」を取る必要があるとした。

サンダース氏の発言はホワイトハウスの立ち位置を調整し、トランプ氏が首脳会談に同意する前の政権高官の立場に合わせたものとも言えそうだ。ティラーソン国務長官はトランプ氏の同意の数時間前、直接対話に応じるにはまだ長い道のりが残されていると述べていた。


■ 北朝鮮、「核放棄?」米との対話認めた裏に経済制裁「音上げる」 「勝又壽良の経済時評(2018-03-09 05:00:00)」より
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北の軍部も軟化し始めた
核放棄見届けて講和条約

「核放棄を前提にした、米国との対話には絶対に応じない」。こう主張してきた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏が、前言を翻して米国との対話に応じる姿勢を見せた。もっとも、百戦錬磨の士であるだけに、この発言も額面通りには受け取れない。時間稼ぎに使っている可能性もあるからだ。噓か誠か。この背景を探ってみた。

先ず、金正恩氏の韓国代表団に発言した内容を見ておきたい。

(※mono....以下長文につき略、詳細はサイト記事で)


日米朝関係
■ あっと驚くトランプの大どんでん返し 「逝きし世の面影(2018年03月09日 )」より
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『トランプ大統領、金正恩氏と会談へ 韓国発表』5月までに実施へ 2018年03月09日Huffington Post Japan
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/08/trump-will-meet-kim_a_23381081/
(※mono....中略)
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『金正恩氏と会談へ トランプ大統領「大きな前進だ」とツイート』金正恩氏が非核化に言及したことや、北朝鮮のミサイル実験中止を評価 2018年03月09日Huffington Post Japan
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/08/trump-tw-about-mtg-with-kim_a_23381100/
(※mono....中略)
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『すべては筋書きの通りに進行する出来レース』
★注、
マスコミとか有識者の全員が考えているらしい『米朝チキンレース』ですが、この『逝きし世の面影』ブログでは180度逆に、実は米朝政府当局馴れ合いの八百長プロレス『出来レースだ』と一貫して主張していたのですが、トランプ政権成立から1年2ヶ月目にとうとう正しさが証明されたようです。
可哀想なのがトランプの脅しを信じていたらしい安倍晋三であり、40年来のお友達の『国政の壟断』で与野党のアッと驚く国共合作で弾劾され現在獄中の韓国のパク・クネ大統領と同じで、少し遅れたがモリ加計など安倍お友達の『国富の簒奪』での訴追は免れないでしょう。


日米朝関係
★■ 初の米朝首脳会談、5月までに実現へ:識者はこうみる 「REUTERS(2018年3月9日 / 12:01)」より
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[9日 ロイター] - トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の要請に応じ、5月までに史上初の米朝首脳会談を実施する意向だと、訪米中の韓国特使が8日明らかにした。

実現すれば、北朝鮮の核問題を巡るこう着状態を打開する劇的な展開となる可能性がある。

政府関係者や外交専門家、市場関係者の見方は以下の通り。

●失敗のリスクヘッジを

<クリントン政権で北朝鮮と交渉したペリー元国防長官>

これは、お互い侮辱し合うことで成り立ってきた外交の大きな前進だ。

だが、この会談では鍵となる疑問が2つある。

まず何を話し合うのか、ということだ。つまり、米国は何を得ようと考え、何を差し出す意思があるのか。

次に、対話が行われている間どうするのか。米国と同盟国は、北朝鮮に現在かけている圧力を維持するのか。北朝鮮は、ミサイル・核兵器の開発や実験を継続するのか。

+ 続き
最初の疑問点について、米政府の発表を見ると、米国の目標は、北朝鮮が核兵器を解体し、核の非保有国となることにある。北朝鮮にそこまでする意思があるのか疑う理由は十二分にある。仮に北朝鮮にその意思があったとしても、根本的な問題が残る。そのような合意の遂行を、どうやって確認するか、ということだ。

対話には十分な理由がある。だがそれは、合理的に確認でき、実行する価値があるものについて話し合う場合に限る。さもなければ、われわれは大きな外交的失敗のお膳立てをすることになる。そうした失敗のリスクをヘッジするには、対話が続く間は(核実験などの)良からぬ行為を制限する合意を事前に取り付けておくのが賢明だろう。

●意外だが歓迎すべき進展

<ロバート・ガルーチ元国務次官補 1994年の北朝鮮危機で米国側の交渉役>

意外だが歓迎すべき進展だ。米朝両国の代表者が会い、最終的には首脳会談が行われれば、緊張と戦争リスクを低下させる上でかなり進展が見られることになるだろう。

交渉によって、北朝鮮による核兵器プログラムの放棄と長距離弾道ミサイルの開発停止を目的とする検証可能な取り決めがなされるならば、北朝鮮と米国、そして他の世界との間の緊張と敵対心の主たる原因も取り除かれることになるだろう。

●平和的解決に向けた希望に

<米共和党リンジー・グラハム上院議員のツイート>

トランプ大統領と何度も議論を経て、北朝鮮と核の脅威に対する大統領の断固とした姿勢が、この数十年で一番の平和的解決に向けた希望を与えてくれると私は固く信じている。

私はナイーブではない。過去が未来の指標だとするなら、北朝鮮は言葉ばかりで行動しないだろう。しかし北朝鮮はいま、トランプ大統領が必要に迫られれば軍事行動を起こすと考えていると思う。

北朝鮮の金正恩氏に1つ警告しておこう。トランプ大統領と直接会って、欺こうとするのは、最悪の行動だ。もしそれを試みるなら、あなたはとあなたの政権は終焉を迎えるだろう。

●リスクとチャンス両方が存在

<ボニー・グレイザー氏、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で中国安全保障問題などを担当>

トランプ大統領はディールメーカーであり、恐らく独力で金正恩氏に核兵器放棄を説得できると考えているのだろう。トランプ大統領が正恩氏と会うことには、リスクとチャンスの両方がある。米国側は、極めて周到に準備して、何を達成したいのか明確に自覚する必要がある。見返りに何を提供する意思があるのかも、だ。

●米韓は圧力維持を

<米下院外交委員会のエド・ロイス委員長>

金正恩氏が対話の意欲を示したことは、制裁が効果を上げつつあることを示している。われわれは、外交を追求しつつ、圧力をきっちりとかけ続ける。

北朝鮮政権は、譲歩を引き出し時間を稼ぐために繰り返し対話や空約束を繰り返してきた。そうすることで、核とミサイルプログラムを前進させてきた。

このサイクルを破らなければならない。米国と韓国は肩を組み、この脅威を平和的に終わらせるために圧力を維持しなければならない。中国も、やるべきことをやらなければならない。

●米国は慎重になるべき

<ダニエル・ラッセル氏、米国務省の元アジア・太平洋担当次官補>

北朝鮮が何を提案し、何をする意思があるのか直接聞こう。これまでの経緯を踏まえれば、慎重になるべき理由は十分にある。次に、詳細な点まで綿密に点検しよう。北朝鮮はこれまでにも平和への歩み寄りを見せたことがあるが、結局は精査に耐えられなかった。

北朝鮮はこれまで何年も、米大統領と北朝鮮指導者とが核保有国同士として対等な立場で会談することを提案してきたことを、思い出す必要がある。今回新しいのは、(首脳会談の)提案ではなく、(それを受け入れた米側の)対応だ。

●非核化、過去の経緯から疑問

<SMBC日興証券 金融財政アナリスト 末澤豪謙氏>

トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と5月までに会談する意向を示したことが明らかになった。

平昌冬季パラリンピック終了後の米国の軍事オプション行使を警戒して、北朝鮮の「微笑み外交」が積極化している。経済制裁の効果が出てきている。

米朝会談でトランプ大統領は、非核化について要求を突きつけるはずだ。会談が行われるまでは緊張が緩和した状態が続くと思うが、会談で非核化に関して議論が決裂すれば、その後のリスクは高まるだろう。

米朝が合意して朝鮮半島の非核化が進むかという点は、過去の経緯を考え合わせると、疑問符が付く。

●ドル安基調転換には至らずも安心材料

<みずほ証券 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏>

金正恩・朝鮮労働党委員長が今後、核・ミサイル実験を控えると表明したと伝わっている。現在、地政学リスクは旬のテーマではなかったが、去年はたびたびこの問題でリスクオフになったことを考えると、為替市場にも悪い話ではない。とりあえずは円安材料と言えそうだ。

旬なテーマの米通商政策も、トランプ政権のやり方が見えてきた。当初、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税について「どの国に対しても例外を認めない」と発言していたが、だいぶ例外がある話になってきた。国内経済に保護的な姿勢を示しながらも、例外などを散りばめて、世界経済への影響や貿易戦争への突入は避けようとしている。

今回の鉄鋼・アルミ関税措置も、有権者へのアピールや北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る取引材料として打ち出した可能性がある。今後も選挙を控えて保護主義姿勢を強めることには警戒が必要だが、世界を巻き込んだ「貿易戦争」には至らず、その都度の瞬間的なドル売り材料にとどまるのではないか。

貿易戦争の先鋭化を背景としたドルの105円割れはいったん回避できたとみるが、107円台にしっかり乗せ、108円を試すような展開にならないと、ドル安トレンドが完全に転換したとは言えない。

●緊張緩和より米関税懸念の後退が日本株支援

<野村証券 エクイティ・マーケット・ストラテジスト 伊藤高志氏>

昨年から北朝鮮の態度は強硬なものとなっていた。北朝鮮がミサイルを発射した後の日本株の反応を振り返ると、一回だけ大きく下げた時があったが、ほとんどなかったと言っていい。北朝鮮情勢を憂慮して株価が下落し、緊張緩和により(下落分を)取り戻す動きがあるかというと、そもそも取り戻すものがない。

北朝鮮という国家が存続するという前提で、これからも市場は動いていかなければならないが、何か強いリスクを市場が感じた際にはリスクの低い資産に資金が流れる。過去を見ても条件反射的な円買いが頻発してきた。足元では円安が進み、日本株も動きやすくなっている。

ただ、今日の株高・円安の動きは、米国の関税の問題が思ったよりは交渉の余地がありそうだ、といった見方によるところが大きい。直近の株価が、関税を巡る米トランプ大統領の姿勢と、EU(欧州連合)と中国による対抗姿勢を嫌気していたのは明白だった。

通商リスクと地政学リスクは同じリスクでも性格が異なる。地政学リスクが完全になくなり、本当に安心して投資できる環境が実現したことなど人類の歴史上存在しない。永遠に付き合わなければならないリスクに対し、株式市場は鈍感にならざるを得ない。

通商リスクは国家間の交渉など、ある程度先が読める側面がある。報復の応酬やブロック経済化など最悪のシナリオに対し市場は身構えていたが、米国があくまで交渉の材料として使っていたと確認できたことで、投資家の心理的な負担が軽くなったとみている。

●「コリア・ディスカウント」を緩和

<韓国財務省ディレクター KO KWANG-HEE氏>

市場にとっては安心材料となり、センチメントを押し上げることは確かだが、外国の投資家は、(米朝首脳会談で)実際に何か進展が示される5月まで大きな投資判断を行うのは控えるだろう。

いわゆる「コリア・ディスカウント」を緩和させる可能性のあるポジティブな兆候だと言える。

●今後の進展次第では長続きしない可能性

<キウム証券(ソウル)チーフエコノミスト HONG CHUN-UK氏>

良いニュースであることに間違いない。だが、さらに強力な行動が後に続かない限り、これも長続きしないだろう。今日の韓国株式市場はいつもより強く反応しているが、これはすべて北朝鮮に関するニュースに起因するものではなく、韓国企業の決算が予想より悪くない兆しが見え始めているからだ。

●過剰な熱狂には慎重

<ナティクシス(香港)シニアエコノミスト TRINH NGUYEN氏>

緊張緩和がどの程度実現されるかはまだ分からないが、これは金融市場にとって、とりわけ韓国市場にとって明らかに良いニュースだ。

たとえ緊張が今にも爆発しそうでも衝突が起きる可能性は低いため、北朝鮮危機が実質的に韓国への投資に影響しないと、われわれ投資家は常に考えてきた。

投資家は、最近の緊張の高まりに対する過剰な悲観主義と同様、過剰な熱狂にも慎重に構えるだろう。

今回のニュースは、韓国成長回復にとって問題の1つを少なくとも短期的に改善する。言い換えれば、2018年は2.8%成長というわれわれの見通しが変わることはないとみている。


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★ 「金正恩氏、トランプ氏との面会熱望」 訪米の韓国高官 「朝日新聞(ワシントン=香取啓介2018年3月9日11時47分)」より
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 米ホワイトハウスで8日、韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長が記者団にした説明は以下の通り。

+ 続き
 本日、トランプ米大統領に対して、私の最近の北朝鮮・平壌訪問について、報告する栄誉にあずかった。トランプ大統領、副大統領、私の友人のマクマスター将軍(国家安全保障担当大統領補佐官)をはじめとする素晴らしい国家安全保障スタッフにお礼を言いたい。トランプ氏のリーダーシップと、国際社会と連帯した「最大限の圧力」政策でここまで来られたと説明した。そして、トランプ氏のリーダーシップに対する文在寅(ムンジェイン)大統領の感謝をお伝えした。

 トランプ氏に対し、北朝鮮指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が面会で、非核化に取り組むと言ったことをお伝えした。金氏は北朝鮮がこれ以上の核実験やミサイル発射実験を控えることを約束した。また、通常の韓米合同軍事演習が続けられることに理解を示した。そして、トランプ氏にできるだけ早く面会することを熱望していると表明した。

 トランプ氏は報告に感謝し、恒久的な非核化のために、金氏と5月までに会うと言った。韓国は米国、日本、その他の多くの世界のパートナーとともに、朝鮮半島の完全なる非核化に断固として取り組んでいく。

 トランプ氏とともに、我々は平和的解決の可能性を探る外交プロセスが続くことを楽観している。韓国と米国、我々のパートナーはともに立ち向かい、過去の過ちを繰り返さないと強調する。そして、北朝鮮がその言葉に見合う具体的な行動をするまで圧力をかけ続ける。(ワシントン=香取啓介)















最終更新:2019年03月05日 21:00