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+ 前半
 本年、我が国が當面してゐる国際政治の環境は、心ある国民の一人として、到底黙つて見てゐるわけにはゆかない嶮(けわ)しいものになりつつある。

 直接に我が安全保障体制に関はる事項だけを考へてみても、中国共産党政府は南支那(シナ)海での人工島の建設といふ無法な手段を通じて同海域での覇権的野心を露骨に顕示してをり、東支那海では我が尖閣諸島周辺に於(お)いて相変らず挑戦的な領海侵犯を日常的に繰返し、我が監視体制の倦厭(けんえん)から来る緩怠を狙つてゐるが如(ごと)くである。

自主憲法制定の遅滞ぶり

 其(それ)のみならず北朝鮮の新年早々4回目の核実験、我が沖縄県の領空を通過してルソン島の近海に着弾したとされる長距離ミサイルの試射等は、直接我が国へ向けた脅迫を意図したものではないとしても、近隣にその様な攻撃力の所有を誇示したがる専制独裁国家が存在し且(か)つそれが我に敵意を抱いてゐる事が既に十分の脅威である。

 折から米国は自ら世界の警察官を以て任ずる強大国の矜恃(きょうじ)を放棄する退嬰(たいえい)的な姿勢を公言し、話題の的の共和党大統領候補は日本を米国の「核の傘」に入れて守つてやる氣はないとの意志を表明してゐる。その言分は我が国の自主的国防努力への決断を促す主張として元来歓迎に値する警告なのではあるが、如何(いかん)せん我が自主憲法制定の歩みの遅滞ぶりを見れば、現在日米軍事同盟の絆無くしては我が国の安全はとても保障できない、法的に脆弱(ぜいじゃく)な状況にある事は否定し難い。これは我が自衛隊三軍の世界に誇るに足る精強と、感嘆すべき士氣の旺盛にも拘(かかは)らず、残念ながら法制上の欠陥である。

 その様な目下の国際政治上の諸種の不利な条件に更に加へて、我が国は昨年8月の安倍晋三総理の停戦70年記念談話に於いてあの忌はしい20年前の村山談話を否定する最後の機会を生かす事無く、肝腎(かんじん)の点であれを踏襲してしまつた。つまり又しても東京裁判史観への屈服を公言したことになる。
{
「日本を取り戻す」を放棄}

 あの日以来、安倍氏を支持し、氏の元来の政治目標とされてゐた「日本を取り戻す」との標語に期待を繋(つな)ぎ、応援の論陣を張つてゐた言論人達は、あの談話を何とか安倍氏の功業の方向に向け、つまりは自分達の期待を満たす方向に読み繕ふべく苦心した。談話の本文は、韓国の大統領府が出したといふ〈高度な設計によつて作成された談話だ〉との巧妙な評語の通り、読む人の立場や思ひ入れによつて様々の解釈ができる体のものであつたから、元々安倍氏に好意と期待を抱いてゐた人達には、先づは此でよしとの安心感を与へることもできたのだつた。

 然(しか)し年末の12月28日に日韓両国外相の合意の結果だといふ共同発表の中で日本国総理大臣の意向なるものが伝へられると、支持者達の受取り方に微妙な翳(かげ)りが出て来た。これでは、確信犯としての村山談話よりも更に悪質な平成5年8月の河野談話さへも、結果として肯定し、趣旨を生かしてしまつたことになるではないか、との大いなる失望が広がり始めた。単に日韓関係に就いてのみではない、この合意は結局のところ、所謂(いわゆる)歴史戦に於ける日本の敗北宣言に等しい重大な意味を持つ。つまり日本は再度東京裁判史観を肯定し、そこから生ずる反日敵性諸国からの過去の戦争に関はる罪責への非難を、日本国民の次の世代が永く受け続けるであらうことを容認したことになる。

草莽は屈せず、初心に帰る

 事態の深刻さに直面して、我々の思念は以下の如くに動いてゆくより他ない。
即(すなわ)ち我が日本国の歴史の名誉を守る使命は、遂に政府に托(たく)することはできないと判明した。期待を担つて登場した現政権とても、所詮は敗戦=占領利権亡者の最強の根城である外務省が操る木偶(でく)と化してしまつてゐる。国家と国民の名誉を守るのは民間の志士・草莽(そうもう)の崛起(くっき)に依る他無い。

+ 後半
 今年も亦4月28日の国家主権回復記念日には、第20回の記念国民集会が開催される。昨年初回以来の代表世話人であつた井尻千男氏の他界といふ不幸に遭つたが、残る同志の者には老いてもなほ、所期の目的を訴へ続けてゆく力が辛うじて存してゐる。政府は歴史戦の敗北を自認してゐる以上、戦線から脱落するであらうが、草莽は屈しない。むしろここで初心に帰り、我等は独立主権国家の民なりとの自覚を基軸として、具体的には以下の如き主張を訴へてゆく。

 即ち、日本は絶対に侵略戦争を起したのではない。曽てマッカーサーが米国議会で証言し、ビーアド博士が論証し、フーバー回顧録が述べてゐる如く、20世紀の大動乱を惹起(じゃっき)したのは少くとも日本に対してはルーズヴェルトとスターリンの政治的野望と謀略であり、日本はそれに対して自存自衛の鉾(ほこ)を執つて立ち上つた迄である。そして日本の自衛の戦ひが結局A(アジア・)A(アフリカ)諸国の独立願望を覚醒させ、白人による世界の植民地的支配に終止符を打ち、今日の四海平等の秩序の前提迄は達成し得た。世界史の検証にはこの事実の承認が不可欠である。全てはそこから始まる。 

(東京大学名誉教授・小堀桂一郎 こぼり けいいちろう)

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■ 余命三年時事日記の記事(678 熊本地震⑦)から
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慶子
在特会の選択肢の全てを知ってのコメントではありませんが、他国に於いて悪意のある不法行為(不法占拠)を当然のごとく主張する等は、メディアの取り上げ「社会の不満分子が少数民族の子供たちが通う学校への集団暴行、民族差別である」だったとしても、地域住民や行政、または国の放置が大きく関与した国益毀損の問題と捉えてました。なぜ声の挙げ方だけを糾弾するのか今も疑問が残る判決です…
 今日産経新聞の記事の1つに、小堀桂一郎という人の「我が日本国の歴史の名誉を守る使命は、遂に政府に托することはできないと判断した。期待を担って登場した現政権とても、所詮は敗戦=占領利権亡者の最後の根城である外務省が操る木偶と化してしまっている。国家と国民の名誉を守るのは民間の志士、草莽の崛起に依る他ない……後略」を読んで、言葉にならないうねりの中に居る思いがしました。
 そうなんだ。既に始まって、勢いが増し続けてるのだと思いました。おそらく熊本の苦痛も悲しみも想像以上の早さで癒えるのではないかと思いました。
 余命様プロジェクトの皆様のなお一層のご活躍と、地震による不明の方の発見が1日も早く成される事を念じて失礼致します。

















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最終更新:2016年04月29日 15:28