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【ニューヨーク共同】世界各国の首脳級が集まる23日の国連気候変動サミットを前に、ニューヨーク・マンハッタンの中心部で21日、「地球を救え」などと温暖化対策の強化を訴えるデモ行進が行われ、主催者発表で約40万人が参加した。
 気候変動をめぐるデモでは過去最大規模。参加者は「地球を救えるのは私たちだけ」「(温暖化の原因となる)化石燃料を使わない世界に」など思い思いのメッセージを書いたプラカードを掲げたり、太鼓を打ち鳴らしたりして練り歩いた。
 サミットを主宰する国連の潘基文事務総長や米俳優レオナルド・ディカプリオさん、ゴア元米副大統領も行進に加わった。
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国連気候変動サミットが23日にニューヨークで開催される。同サミットにはオバマ米大統領など約125カ国の政府首脳が出席する予定だ。二酸化炭素(CO2)排出で第1位の中国と第3位のインドの首脳は今回のサミット参加を見送った。

 ◆化石燃料廃止も

 今回のサミットでは、企業の発言や行動が大きな注目を集めている。米菓子大手マーズなどの企業は、化石燃料の使用を段階的に廃止する計画だ。また、消費財メーカー大手のユニリーバなどの企業は炭素税の支持に動き、ノルウェー国営エネルギー企業のスタットオイルをはじめとする同業5社はメタン漏洩(ろうえい)防止を公約する見通しだ。

 世界自然保護基金(WWF)のカーター・ロバーツ代表はインタビューで「企業のリーダーシップは注目と歓迎に値する。企業による数々の公約が見られるだろう」と語った。

 今回のサミットでは、各国首脳がそれぞれ4分間のスピーチを行った後、午後のセッションでは各企業の公約について討議される予定だ。潘基文国連事務総長が司会を務める同セッションには、エールフランスKLM、独シーメンス、ロイヤル・ダッチ・シェル、マクドナルドなどの世界的な企業の幹部のほか、作家のナオミ・クライン氏、ゴア元米副大統領らが参加を予定している。

 また、サミットに参加しない企業にとってもひとごとではない。ロックフェラー・ブラザーズ・ファンドが率いる団体や個人のグループが石炭やタールサンドといった化石燃料に依存する企業に対して出資停止を発表する見通しだからだ。売却されたファンドの総額は現時点で500億ドル(約5兆4500億円)に達している。

 ◆米中に主導期待

 潘事務総長によれば、サミットの目的は今年後半の気候変動交渉に向けて機運を高め、来年12月のパリでの会合で協定締結につなげることだ。CO2などの温室効果ガスの排出抑制により世界の平均気温上昇を摂氏2度以下に抑えることが目標だ。

 潘事務総長は18日のインタビューで「世界の指導者らには政治的意志を見せ、明確な助言と指示を与えるように求めたい。温室効果ガスの2大排出国の米中がこの活動を主導するよう期待している」と述べた。

 ニューヨークのマンハッタンでは21日、31万人が温暖化対策を求めて大規模デモを実施。潘事務総長も参加した。同じくデモに参加したニューヨークのデブラシオ市長は同市のCO2排出量を50年までに8割削減する計画を発表した。

 機関投資家による温暖化対策推進組織、CDPのエグゼクティブ・ディレクター、ナイジェル・トッピング氏は「政策当局は企業の声に耳を傾ける必要がある」と指摘。ユニリーバのサステナビリティ責任者のジェフ・シーブライト氏も「企業、個人単独では実現できない。政府の取り組みが不可欠だ」との認識を示した。(ブルームバーグ Mark Drajem)



















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最終更新:2014年09月23日 21:52