■ 中国で始まった外資叩きと人民日報に載った危険な論理 「石平(せきへい)のチャイナウォッチ(2014.8.8)」より
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先月23日、人民日報は共産党中央党校の
韓慶祥副学長の論文を掲載した。
「新しい闘争を深く理解せよ」と題するものである。

その中で韓氏は「イデオロギー闘争」「領土紛争」「反腐敗闘争」など
共産党政権が直面する「8つの新しい闘争」を取り上げ、
勝ち抜くために「国内外の敵」と徹底的に戦うことを党員幹部に呼びかけた。
争いが好きな習近平政権の戦闘的姿勢を端的に示した一文である。

「8つの闘争」の1つとして、韓氏は「市場争奪戦」を挙げ、
「わが国の巨大市場をめぐる西側諸国との争奪戦は
一日もやんだことがない」と指摘した。

確かに彼の言う通り、中国に進出した西側の多くの企業は
「13億の大市場」を狙って中国企業と熾烈(しれつ)な
「争奪戦」を展開している。もちろんそれはあくまでも正常なビジネス活動で、
普通の商業競争の範疇(はんちゅう)に属するものだ。

しかし、韓氏論文の論調は実に異様なものだ。
彼は、中国市場における外資企業の通常のビジネス活動を
「中国市場に対する争奪」だと捉えた上で、
中国の政権党の立場から、それに対する「闘争」を宣した。

(※ 以下略、詳細はサイト記事で)

★ 中国、VWに罰金300億円か 独禁法違反 日系企業も近く結果 「産経ニュース(2014.8.13)」より
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 中国紙、経済観察報(電子版)は12日、中国当局が独自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)の中国合弁企業に対し、独占禁止法違反で18億元(約300億円)の罰金を科す見通しだと報じた。2008年に中国が独禁法を施行して以降、最高の金額という。当局はトヨタ自動車など日系や、欧米系の自動車関連企業を調査している。罰金などになれば、近く結果が明らかになるとみられる。
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 中国当局は、VWが中国で発売している高級車「アウディ」の部品価格を不当に高くしているとして、問題視している。

 調査対象には、ドイツのメルセデス・ベンツ、BMWや米クライスラーのほか、日系12社が含まれる。既にトヨタやホンダの中国合弁会社は部品の値下げを決めた。

 中国の乗用車市場では海外ブランド車の人気が高く、国産メーカーの販売が伸び悩んでいる。一連の調査は国内産業の保護を狙った当局による外資たたきとの見方も出ている。(共同)

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★ 中国 独禁法ふりかざし外資たたき 日系自動車3社も標的 「産経ニュース(2014.8.10)」より
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 中国政府が日系をはじめ外資系企業への圧力を強めている。自動車、IT、食品などの外資系企業に対し、当局が相次いで独占禁止法違反などの疑いで調査を始め、製品の値下げに追い込まれる企業が続出している。背景には、中国企業の不正から国民の目をそらすとともに、外資系企業に圧力をかけることで国内産業を優位にしようという習近平指導部の狙いがある、との指摘も出ている。(SANKEI EXPRESS)

 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの3社の中国合弁企業は8日、車の補修に使う部品価格の値下げや見直しをそろって発表した。3社は詳細を明らかにしていないが、価格カルテルなどを調査する中国国家発展改革委員会の調査や問い合わせを受けたと説明しており、補修に使う部品の価格が高すぎるとの指摘を受けたとみられる。
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 トヨタは高級車「レクサス」をめぐり「当局の問い合わせには前向きに対応している」と説明しており、3社による部品価格の値下げは当局の圧力を受けた措置と言っていい。

 中国紙によると、同様に調査を受けた欧米メーカーも相次いで車本体や部品の値下げに踏み切った。ドイツのBMWや米クライスラーの部品価格の値下げ率は平均20%に及ぶ。中国国家発展改革委員会は6日の記者会見で、独禁法に基づき、日系企業12社などの調査をしていると明らかにしており、近く処罰を公表する。

 企業の不正を取り締まる工商当局も7月下旬、コンピューターソフトの抱き合わせ販売などの疑いがあるとして、米マイクロソフトの中国法人を抜き打ちで検査した。パソコンの基本ソフト「ウィンドウズ」が調査対象で、結果によってはマイクロソフトの中国事業は大きな影響を受けかねない。

 「世界最大の市場」と言われる中国では、世界中の企業が販売拡大を狙う。乗用車市場はドイツ、日本、米国、韓国の各社がしのぎを削り、技術力もブランド力も劣る中国メーカーがシェアを伸ばせない。

 家電もドイツや日本、韓国の製品が人気だ。外食はマクドナルドやスターバックスが地方まで店舗網を広げている。

 習指導部は明らかにこうした状況に危機感を持っている。共産党機関紙、人民日報は7月下旬「西側先進国は中国市場を奪い続けてきた」と非難する論文を掲載、外資に敵意をむき出しにした。

 こうした外資批判は、中国メディアに広まる一方だ。上海の食品会社が使用期限切れの鶏肉を米ファストフード大手などに販売していた問題が7月に発覚すると、工場の親会社が米国企業だったため、中国メディアは連日、米企業の子会社であることを強調し、外資批判を大々的に展開した。3月には、国営中央テレビが、ニコンのデジタル一眼レフカメラの性能と修理の対応に問題があると報道。国営中央テレビは昨年も米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の保証体制に問題があるとの批判を展開した経緯がある。

 巨額の罰金も経営の重荷となる。中国国家発展改革委員会は昨年、米国系などの乳製品企業6社が不当に粉ミルクの価格をつり上げたとして独禁法に基づき、計6億7000万元(約111億円)の罰金を科した。

 日系自動車メーカー幹部は「部品の品質維持のために、値段が高くなるのは仕方がない」と、値下げが難しい現状を嘆く。ただ「中国では当局には逆らえない。逆らえば、やり玉に挙げられ、事業拡大もできなくなる」(日系食品メーカー)と警戒感が強く、あきらめムードも漂う。

■ なぜ外資系企業は中国市場から撤退しているのか?その本当の理由とは―中国紙 「livedoor news[Record China](2014.5.13)」より
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2014年5月11日、中国紙・参考消息(電子版)は記事「専門家が分析:外国企業はなぜ中国から撤退するのか?」を掲載した。

近年、一部の外資系企業が中国から撤退する動きが注目を集めている。経済の先行きが不透明になったためではないか。労働コストの上昇が「世界の工場」としての魅力を失わせたためではないか。このように指摘する人も少なくない。

だが、あるチリの経済メディアは異なる専門家の声を指摘している。中国は膨大な生産機械と大量の優秀な人材を有しており、今後10年間は「世界の工場」としての地位が揺らぐことはないという。

それでも中国から撤退する企業が目立つのは、中国の政府との関係を構築できなかったり、消費者のニーズをつかめなかったりという企業自身の問題があるためだ。誤解されがちだが、外資系企業は中国企業と比べて優位だというのは幻想だ。中国に進出した外資系企業で現地企業を上回る競争力を持ち得たのはわずか13%に過ぎない。

また、中国市場に根付くためには相応の投資が必要で、すぐに利益をあげようと思っても困難。利益が出せないとすぐに撤退してしまう企業は考え違いをしていると専門家は指摘する。中国で勝つためには、目先の利を追わず、損失を我慢しつつ長期的な成功を狙うことが必要となる。(翻訳・編集/KT)
















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最終更新:2014年08月15日 20:54