● 名誉の殺人〔Wikipedia〕
名誉の殺人(めいよのさつじん、honor killing)とは、女性の婚前・婚外交渉(強姦の被害による処女の喪失も含む)を女性本人のみならず「家族全員の名誉を汚す」ものと見なし、この行為を行った女性の父親や男兄弟が家族の名誉を守るために女性を殺害する風習のことである。イスラーム文化圏では同性愛者も対象となる。
アムネスティ・インターナショナルは名誉殺人が行われている国および地域として、バングラデシュ、トルコ、ヨルダン、パキスタン、ウガンダ、モロッコ、アフガニスタン、イエメン、レバノン、エジプト、ヨルダン川西岸、ガザ地区、イスラエル、インド、エクアドル、ブラジル、イタリア、スウェーデン、イギリスを挙げている。名誉殺人は、主に中東のイスラーム文化圏を中心に行われているため、イスラーム教と関連した風習と見なされることが多い。しかし、イスラーム教徒以外の間でも行われており、実際はイスラーム教とは無関係であり、専ら地域の因習によるものであるとされる。
名誉の殺人は特に、パキスタンで多く発生しているとされる。これは、パキスタンは中央政府の統制力が弱く、地方においてはその土地の部族の力が伝統的に強いため、部族の慣習法が国の法律に先立つ状態となっているためである。
前近代における日本にも名誉の殺人に相当する慣習が存在した。→密懐法



パキスタン
★ できちゃった婚望む娘、家族十数人で殺害 父親「名誉の問題だ」 パキスタン 「産経ニュース(2014.5.30)」より
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 パキスタン東部ラホールの裁判所前で、恋愛結婚をして妊娠していた女性(25)が、結婚に反対する父親や兄弟らにれんがなどで殴り殺される事件があり、シャリフ首相は29日、関係当局に詳しい調査を命じた。

 女性はいとこと婚約していたが、恋愛関係にあった別の男性との結婚を選択。家族は結婚相手に女性が連れ去られたと訴え、裁判所で争いになっていた。女性は27日朝に裁判所に赴いた際、家族ら十数人の集団に襲われ死亡した。

 ロイター通信によると、男性は、暴行があった約15分間、警察が何もしてくれなかったと語っている。父親は殺害したことを認め、名誉の問題だと話しているという。

 パキスタンの有力人権団体が公表した報告書によると、昨年同国で「名誉殺人」で殺された女性は869人に上った。(共同)












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最終更新:2014年05月30日 17:23