+ 主要国のジニ係数【図】



■ 日本の所得上位1%が年収1300万円という識者の指摘は本当か? 「ニュースの教科書(2015.2.26)」より
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 ピケティ・ブームが続く中、日本の所得上位1%は1300万円からという数字がネット上で話題となっている。にわかには信じられない値だが、実際のところはどうなのだろうか。

 あるテレビ番組で、日本のトップ1%の年収はどのくらいなのかと司会者から聞かれた識者が、「1300万円」と答えたところ、会場が凍ってしまったという。ピケティ・ブームにあやかり、格差問題を批判しようと意気込んでいたところ、テレビ局の関係者や出演者が皆、この年収に該当してしまうことが分かったので、答えに窮してしまったのだろうと識者は指摘している。

 トップ1%の年収が1300万円というのは、にわかには信じられないが、現実はそうでもない。国税庁の調べでは、給与所得者の上位1%は1500万円以上となっているし、厚労省の国民生活基礎調査では、上位1%は2000万円からとなっている。厚労省の調査は世帯全体なので個人よりも数字が大きくなる。個人レベルで考えれば、国税庁のデータの方が現実に近いだろう。
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 国税庁のデータは、個人事業主が入っていないが、個人事業主は高額所得者もいるものの、圧倒的に零細事業者が多く、合算した場合にはさらに金額が下がる可能性がある。そうなると識者が述べた1300万円という数字はあながちウソではないという分析になる。

 年収1300万円というと、上場企業の管理職の多くが該当するし、商社マンやマスコミなどでは30代でこの金額になる人も多い。さらにトップ5%まで広げると、1000万円程度になるので、ここまでくると公務員も一部はその対象となってくる。

 富裕層とそうでない層の格差は、給与所得だけではない。配当収入など資産格差もあるわけだが、基本的に給与の額と資産の額は比例してくるので、大まかには、上位5%が年収1000万円というのは現実の姿といってよいだろう。

 このデータは日本の経済構造を如実に表している。日本には米国にいるような超富裕層がほとんど存在しないことはよく指摘されている。こうしたデータを見てもそれが裏付けられる。
 一方、日本では、このところ貧困率が急上昇しており、もはや米国並みの状況になっている。日本はお金持ちの人が少ない反面、下方向に格差が拡大しているのだ。

 貧困の撲滅活動などを行っている国際NGO「オックスファム」は2015年1月19日、経済格差に関する最新報告書を発表した。世界人口の1%ほどの富裕層が富の半分を独占しているという。

 報告書によると、1日1.25ドル未満で生活する人は、全世界で10億以上に上っているという。一方で、もっとも豊かな上位1%の層が、全世界の富の48%を占めており、この数字は2009年の44%から上昇したと指摘している。この上昇率が続けば来年には1%の富裕層が全世界の富の過半数を所有する可能性が高い。

 上位1%の富裕層は1人あたり約270万ドル(約3億2000万円)の資産を保有しており、逆に下位8割を占める層の1人あたりの資産額は3851ドル(約45万円)にしかならないという。
(※mono.--中略、詳細はブログ記事で)
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 日本でもこのところ格差問題がクローズアップされている。日本は貧富の差が少ない平等な国だといわれてきたが、実態はそうでもない。日本における富の偏りは、トップ8%が全体の富の50%を占めている状況であり、米国と比較すると、確かに超富裕層の割合は少ない。
 しかし、貧困層の割合という点でみると、相対的貧困率が米国とほぼ同水準となっており、国際的に見ても極めて高くなっている。しかも日本の相対的貧困率は年々上昇している。米国や世界はどちらかという上との格差だが、日本は下との格差ということになる。
(※mono.--以下略、詳細はブログ記事で)

貧困
■ 格差が固定化される5つの理由と日本に忍び寄る貧困の恐怖 「Darkness(2014.5.28)」より
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100戦無敗になるにはどうしたらいいのか。簡単だ。徹底的に弱い相手と戦うことだ。たとえば、大人は3歳児と戦ったら必ず勝つ。

大人が常に3歳児と戦い続ければ、常に勝ち続けることができる。それは勝負ではなく、リンチになるはずだ。大人はその気になれば、殴り殺すことさえ可能だろう。

だから、スポーツはこういった「大人vs子供」のような、最初から勝負が分かりきっているような組み合わせを禁止する。惨劇を避けるためだ。

それを不服として、大人が「自由に勝負させろ」と叫んでいたら、どうかしていると思われるはずだ。

しかし、それはスポーツの世界だからどうかしていると思われるだけで、実社会ではそのあり得ない競争が行われる世界なのである。

100万円の資産しかない人間が、100億円の資産を持つ企業と無理やり競争させられるのが資本主義の掟である。巨大な者が「もっと自由を」という時は、「弱者を叩きつぶす自由をくれ」という意味なのである。
(※ 以下略、詳細はブログ記事で)

中国
■ 中国の経済格差は国家体制を揺るがすほどの危険なレベル 「木走日記」より
(※ 前略)
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「貧富の格差」中国234倍 一段と深刻化 上海支局長・河崎真澄
2013.9.29 12:59

■不満爆発と社会不安に懸念

 中国経済のアキレス腱(けん)である「貧富の格差」が一段と深刻化している。北京大学の中国社会科学調査センターの調べでは、世帯所得で上位5%の富裕層と下位5%の貧困層の年収格差が、2012年時点の全国平均で234倍に達した。2年前の10年段階の調査では129倍だった。既得権益層とも重なる富裕層の世帯所得の伸びが貧困層を大きく上回ったものとみられる。

記事によれば、社会の所得格差や不平等さを測る指標として有名なジニ係数が、中国人民銀行(中央銀行)の調査で0・61に達して関係者に衝撃が走ったのだそうです。
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 一方、中国人民銀行(中央銀行)は昨年12月、10年段階でジニ係数が0・61に達したとの調査を発表し、関係者に衝撃が走ったことがある。
 北京大学、国家統計局、人民銀行など権威的組織が、これまで国内でタブー視されがちだった所得格差問題を正面から指摘し始めたのは、昨年11月の党大会で総書記に就任した習近平氏や新指導部の意向と受け止められる。
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 ジニ係数0・61という値は、社会騒乱多発の警戒ラインは、0.4と言われておりますから、異常値と言ってよいでしょう。
 ちなみにOECD諸国では、日本が0.329、ドイツが0.295、アメリカが0.378などとなっております。 

最終更新:2015年02月26日 21:33