※ 2014.5.21以降は、新国立競技場 を参照。

■ オリンピック以外に使えない「新国立競技場」ってナンなんだ!? 「独立行政法人・日本スポーツ振興センター」は解散するか? 「コラコラコラム(2013.10.18)」より
(※ 前略)
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「新国立競技場」案は、遊園地の巨大宇宙船みたいなモノだ。
こんなオモチャのようなもので、心がときめくか、何を考えているのだ。
少なくとも「国立の施設」は、日本の精神文化が凝縮されていなければならない。
それをオリンピックで発露し、参加するアスリート、取材者、観客に遡及するものでなければならない。
一国の精神文化をスポーツ施設に凝縮すれば、こうなるというものであるべきだ。
今から、修正しても十分に間に合う(合わせなければならない)。
でなければ、国費の投入は認められない。
現在の案を押し通そうというなら、「独立行政法人・日本スポーツ振興センター」は解散しろ!無くても十分にやっていける。
税金を喰うのは止めろ!
引用開始→ 新国立競技場案「巨大過ぎる」建築家・槇文彦さんが疑義、幅広い議論を
(産経MSN2013.10.9 11:08)

2020年東京五輪の主会場として東京・神宮外苑に計画されている新国立競技場案は「巨大過ぎる」と世界的建築家の槇(まき)文彦さん(85)が疑問を呈している。景観、安全性やコストの面から現計画は問題が多いと指摘。運営主体に対し国民への詳細な情報開示と説明を求めるとともに、幅広い議論の喚起につながればと話している。

◆損なう景観と歴史
昨秋、新国立競技場の国際コンペで選ばれた最優秀案がメディアで公表されたとき、美醜や好悪を超えて、スケールがあまりにも巨大だというのが私の第一印象だった。

もともと神宮外苑は東京の風致地区第1号に指定された場所。周知の通り、明治天皇崩御後に民間有志らの請願により、天皇を記念する神宮内苑・外苑、表参道・裏参道を一体として整備した歴史的経緯がある。

2016年の五輪招致計画のように、臨海部に建設する案ならいい。聖徳記念絵画館とイチョウ並木を中心に濃密な歴史と美観を保つ地域、しかも限られた敷地(約11ヘクタール)に、総床面積29万平方メートルという五輪史上最大のメーンスタジアムをなぜ建てなければならないのか。

五輪会場の基準として8万人収容が条件としても、例えば昨年のロンドン五輪のメーンスタジアムは、総床面積約10万平方メートルで東京の3分の1、逆に敷地は1・5倍とゆったり確保された。しかも8万席のうち6割以上が仮設席で、五輪後は縮小し使うという。

そもそも、ロンドンやアテネ、シドニーの約3倍にあたる総床面積29万平方メートルが条件というコンペの募集要項にはどんな根拠があるのだろうか。敷地に余裕がないため大きな地下駐車場などサポート施設を内部に作るうえに、店舗や博物館、図書館なども入れる構想のようだが、関係者からなぜそれらが必要なのか、明確な説明はない。

一般によく知られているのは、上空から見た完成予想図だけだろう。しかしあのアングルで見ることはまれであり、普段近隣を通る人々が、8万人の観客席を支えるコンクリートの建造物を見上げてどう感じるかの方が大事だ。競技場の宿命は、美術館やオペラハウスのように都市の象徴となり得る建築とは違い、見て楽しいものではないということ。競技やイベントが終われば、さっさと立ち去りたい場所なのだから。

◆コストと安全面も
無論、私は五輪そのものに反対なのではない。ただ、華やかな五輪の17日間の後も、競技場は50年、100年と世代を超えて維持管理し続けなければならない。サッカーやラグビー、陸上競技のほか、文化イベントにも活用するというが、なにしろ東京ドームの約1・5倍の人数、恒久的に8万人を収容できる巨大施設である。東京ドームならプロ野球試合をはじめ一定の需要が見込めるが、8万人を満たすパフォーマンス(ロックコンサートなど)はそう頻繁に行われるとは思えない。もし可能だとしても、より重大な懸念がある。安全面だ。

自然災害の多い日本で、道路に近接した巨大施設が、安全にスムーズに8万人の観客を周縁へと誘導できるのか。専門家の確証があるなら開示してほしい。運営主体は、五輪後の維持管理や収支見通しなどについても、広く説明する責任があるのではないか。

欧州など成熟社会では、公共施設案は市民の意見を聞いて検証されるのが常となっている。そういう手続きなしに今回の計画が実現に向かっていることに、私は最も憂慮する。個人的には、可能な限りプロジェクトを小さくし、将来的に建物が緑で隠れることを願う。巨大なものを将来的に抱え続けることが本当に幸せなのか、皆さんに考えてもらうきっかけになればうれしいです。(談)


【用語解説】新国立競技場案
現国立競技場(東京都新宿区)の全面建て替え計画として、独立行政法人、日本スポーツ振興センター主催の国際デザインコンペが行われ、昨年11月にイラク出身の建築家、ザハ・ハディドさんの案が選ばれた。平成27(2015)年秋の着工、31(2019)年春の完成予定。総工費1300億円を見込んでいる。


【プロフィル】槇文彦
まき・ふみひこ 昭和3年、東京都生まれ。東大工学部建築学科卒業後、米ハーバード大大学院修了。プリツカー賞、高松宮殿下記念世界文化賞など受賞多数。主な作品に代官山ヒルサイドテラス、幕張メッセ、新国立競技場の建設予定地に隣接する東京体育館など。←引用終わり
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital

引用開始→ 新国立競技場、五輪できてもインターハイさえ開催困難な情勢
(産経MSN2013.10.18 00:21)

2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の改築計画が陸上競技関係者に波紋を広げている。サブトラックが併設されないためだ。新競技場は東京五輪で開閉会式や陸上などを行うが、このままでは五輪開催後には陸上の高校総体や全国中学校大会の開催さえ困難な形となる。「どのような方向性で使っていくか見えない」との声は強く、五輪後の位置づけや利用法について議論を深めていく必要がありそうだ。(宝田将志)

「新しい国立は、第2種の競技場になる」というのは日本陸連関係者。日本陸連は国内の競技場を1~4種に分類しており、国際大会や日本選手権など全国規模の大会を開ける「1種」の条件に、全天候舗装された400メートルトラックの併設を挙げている。この規定は移行期間を経て17年度から徹底する方針で、19年に完成予定の新競技場では各年代の全国大会を開けなくなる情勢だ。

「そもそも競技会を行うのに、サブトラックがないと危険だ」とは日本陸連の森泰夫事業部長。陸上は全国中学校大会も高校総体も1700人前後の選手が集まる。走・跳・投と動きが多様なうえ、各種目が同時進行する特性上、ウオーミングアップ場としてトラックを準備できなければ、混雑した状況を生み選手の安全を確保できない。

だが、日本スポーツ振興センター(JSC)による「神宮外苑地区地区整備計画」にサブトラックの新設は盛り込まれていない。東京都の都市計画などにより、神宮外苑は公園の保全や建造物の規制が定められているため、十分な敷地が確保できないという事情がある。

JSCによると、新競技場の将来構想を話し合う有識者会議で「地下に作っては」との意見が出たが、地下鉄の状況や投擲競技での利用などを考えれば実現は不可能だ。

20年東京五輪では、聖徳記念絵画館前の野球場に仮設でトラックを作る。1964年東京五輪や91年東京世界陸上の際と同じ対応だ。ただ日本陸連関係者によると、トラックを仮設するのに3~4億円かかるとされ、「費用の面から高校総体などではとても作れない」。8万人収容に生まれ変わる新競技場は「サッカーの代表戦とコンサートでしか使えなくなる」との指摘もある。

現在、陸上やサッカー、ラグビーなどの選手は、敷地内にある70メートル×6レーンの走路と、7・2メートル×45メートルの人工芝とで試合前の準備をしている。JSCは来年3月までをめどに、各競技団体の関係者らで構成する有識者会議の意見を踏まえ、ウオーミングアップ施設を含めた競技場の基本設計を固めていく方針。JSC新国立競技場設置本部の高崎義孝運営調整課長は「新しい国立も“スポーツの聖地”と呼んでもらえる施設にしていきたい」と話している。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital












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最終更新:2013年10月21日 19:17
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