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★■ 習近平氏が人民解放軍「瀋陽軍区」に怯えている! 核の原料・技術を平壌に流す?最精強集団 「産経ニュース(2017.8.14)」より
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 1万2000人もの将兵が、一斉に爆笑したらギネス・ブックに載るに違いないが、残念ながら全員が笑いをコラえていた。筆者は7月末、中国人民解放軍建軍90周年記念観兵式で閲兵する中国の習近平国家主席の迷彩服姿を見て、心置きなく腹を抱えた。30年間安全保障問題と取り組み、60カ国以上の軍隊を見学してきたが、習氏ほど軍装の似合わぬ人物は初めて。イヤ、貴重な体験を得た。

 しかし、笑いたくて観兵式情報を集めていたわけではない。観兵式に登場する兵器のチェックは当然ながら、会場が《中国内モンゴル自治区》だと知って大変驚いた。習国家主席は、内モンゴルという「死地に活路を開く」のかと感じた。後述するが、習国家主席にとり《北部戦区》に属する内モンゴルはまさに「死地」。「死地」に赴く理由の解明には、中朝国境=鴨緑江をはさみウズ巻く、「対立する北朝鮮と中国」と「中朝一体化」なる一見矛盾する中朝情勢のナゾ解きが必要だ。

 旧満州東部からロシア沿海州南西部、つまり朝鮮半島に接する中国側は李氏朝鮮時代(1392~1910年)以降、多数の朝鮮人が移住した。深い森林でおおわれ、大日本帝國・朝鮮総督府の支配も届かず、無頼の朝鮮人や支那人の匪賊・馬賊の格好の根拠地となった。越境して朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の町村を襲撃、無辜の朝鮮人らへの略奪・殺戮を繰り返した。

+ 続き
 絵に描いたごとき無法地帯であったが、無法地帯は現在も変わりがない。ただし、支那人の匪賊・馬賊は中国人民解放軍になり、北朝鮮襲撃ではなく、逆に武器・エネルギー・食糧・生活必需品を密輸し、北を支援する。国連や日米韓、EU(欧州連合)などが北朝鮮に経済制裁を科している状況をよそに、密輸とは不届き千万だが、中国人民解放軍が、制裁の動機である北朝鮮の核・ミサイル開発まで支援しているとの観測が安全保障関係者の間で流れている。もっとも、支援は人民解放軍の全軍をあげて行われているのではない。

 そもそも人民解放軍は、軍中央の支配が届きにくい半ば独立した軍閥で、習国家主席に逆らってでも北朝鮮を支援したい軍閥と、習氏に忠誠を誓う軍閥に大別される。背景には利権と政争が薄汚く絡み合う。

 そこで、全軍統率機関=中央軍事委員会の主席を兼任する習国家主席は、共産党による「シビリアン・コントロール(文民統制)」や軍中央の統制力を強化するべく、軍制改革を大胆かつ独善的に進めてきた。 

 習国家主席のこうした野望を意識して習氏の観兵式における演説を聴くと、習氏の不安がよく理解できる。

 「軍は共産党の指導下にあり、党への忠誠を誓わなければならない」

 軍制改革の前後を検証しても、習氏の不安が透けて見える。

 軍の最大単位は7個の《軍区》であった。これを5個の《戦区》に再編したが、再編前と後の主な変化は次の2つ。

 《かつて軍区が有していた軍区内の兵員・装備に関する整備といった軍政は、中央軍事委員会に新設された『国防動員部』へと移譲。戦区は作戦立案と、作戦に沿った訓練・演習に特化された》 

 《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》

 軍種間の意思疎通&協力を阻害する縦割りや装備・業務の重複・無駄をなくし、「実戦的体制を構築し、現代戦に適合させる」という。が、実態は軍閥に近かった軍区の、習近平派による解体だ。

 特に最精強を誇り、機動力にも優れる《瀋陽軍区》は、習国家主席にとって目障りどころか、政治生命すら左右する「超危険な存在」であった。否、軍制改革後も、《北部戦区》と名前を変えたに過ぎず、今もって「瀋陽軍区」のままの、依然「超危険な存在」と言うべきだ。

 朝鮮戦争(1950~53年休戦)の戦端が再び開かれる事態への備え+過去に戈を交えた旧ソ連(現ロシア)とも国境を接する領域を担任する旧瀋陽軍区に、軍事費が優遇され、最新兵器が集積されているのは軍事的合理性にかなう。大東亜戦争(1941~45年)以前に大日本帝國陸軍がこの地に関東軍を配置したのも、軍事的要衝ゆえだ。

 習国家主席は、北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクーデターを極度に恐れている。「瀋陽軍区」高官の一族らは、鴨緑江をはさみ隣接する北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品や脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者の話も聞いた。

 もっと恐ろしい「持ちつ持たれつ」関係は核・ミサイル製造だ。中国人民解放軍の核管理は《旧・成都軍区=現・西部戦区》が担い「瀋陽軍区」ではない。「瀋陽軍区」は核武装して、北京に対し権限強化を謀りたいが、北京が警戒し許さぬ。ならば、核実験の原料や核製造技術を北朝鮮に流し、または北の各種技術者を「瀋陽軍区」内で教育・訓練し、「自前」の核戦力完成を目指す…こんな観測が浮上してくる。

 実際、2016年、中国の公安当局は、瀋陽軍区→北部戦区の管轄・遼寧省を拠点にする女性実業家を逮捕した。高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・酸化アルミニウムなど核開発関連物資や、戦車用バッテリーなど大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけていたのだ。戦略物資の(密輸)重油も押収された。独裁国家の厳しい監視網を長い間のがれられたのは、「瀋陽軍区」の後ろ盾があったればこそ、ではないのか。

日米ばかりか北京にも核ミサイルの照準を合わせる中国軍


 しかも、その核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性がある。

 理由はこうだ。

 (1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、最精強の「瀋陽軍区」はクーデターを考える。

 (2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる他ない。

 (3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化(=対北完全経済制裁の中止)ORクーデターの、二者択一を北京に迫れる。

 習国家主席が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ北朝鮮に直接影響力を行使できぬだけでなく、「瀋陽軍区」に寝首をかかれるためでもある。

 「瀋陽軍区」が北朝鮮と北京を半ば無視してよしみを通じる背景には出自がある。中国は朝鮮戦争勃発を受けて“義勇軍”を送ったが、実は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍で最強だった第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と北朝鮮の朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正日総書記(1941~2011年)も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。

 戦史上のDNAも手伝って、朝鮮半島有事になれば、北支援に向け「瀋陽軍区」の戦力が鴨緑江を渡河し半島になだれ込む。従って、各種演習も半島全域を想定する。とりわけ、第39集団軍は、人民解放軍最精強の「瀋陽軍区」でも最強とうたわれ、機械化に伴う展開速度は侮れない。現に、38度線付近の非武装地帯で2015年、北朝鮮の朝鮮人民軍が仕掛けた地雷で韓国陸軍の下士官2人が大けがを負い、南北間に緊張が走るや、瀋陽軍区の戦車を主力とする部隊が中朝国境に急派されている。

 7大軍区は5個の戦区に統廃合されたが、注目は北京の頭越しに「対北独自外交」を繰り広げる瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併できるかだった。前哨戦として、瀋陽軍区勤務が豊富で、同軍区に強く影響を及ぼす軍区内外の反習近平系軍高官粛清を断行。全軍統率機関=中央軍事委員会の副主席、徐才厚・上(大)将(1943~2015年)の汚職など規律違反での拘束(後に死亡)は、いかにも象徴的だ。半面、北京軍区司令官に習氏と近い上将を抜擢(ばってき)するなど着々と布石を打ってはいた。

 布石にもかかわらず、徐上将失脚で2014年、徐の腹心の第39集団軍幹部はクーデターを起こした。

 クーデターは小規模で鎮圧されたが、かくも抵抗勢力が跋扈する不穏な情勢では、瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併する目論みが達成できる道理がない。むしろ、瀋陽軍区は北京軍区の一部を形成していた内モンゴル自治区を北部戦区へと編入。人民解放軍海軍の要衝・山東省も飛び地の形で獲得し、膨張に成功した。

 話が長くなったが、習国家主席が「死地」に赴いたのは今秋、党指導部人事を決定する中国共産党第19回全国人民代表大会の開催を控え、共産党内の主要幹部や長老に「瀋陽軍区」の“統帥権”を掌握したと「宣言」する狙いだったと、筆者は思っている。わざわざ「宣言」しなければならぬあたりに、“統帥権干犯”の潜在が臭う。

遁走が得意の中国軍に「戦えば必ず勝つ精鋭部隊になれ」と無理スジ檄を飛ばした習氏


 ところで、習国家主席は観兵式での演説で、もう一つ興味深い言い回しを披露した。

 「戦闘力を維持し、『戦えば』必ず勝利する精鋭部隊にならねばならない」

 『戦えば』という表現がポイントだ。

 満州事変(1931年)以降、支那事変(1937年)が大東亜戦争に拡大する中、精強なる大日本帝國陸海軍と戦ったのは専ら国民党軍だった。共産党軍の役どころは、国民党軍の矛先を帝國陸海軍に向けること。孫子の兵法《不戦屈敵》を地で行く陰謀を練ったのは、初代国家主席・毛沢東(1893~1976年)だった。

 柳条湖事件(1931年)が満州事変(同年)へとつながると、国民党軍総司令官・蒋介石(1887~1975年)は共産党を「内憂」、帝國陸海軍を「外患」とみなし、共産党を排除した後、帝國陸海軍に対処する《安内攘外》戦略を樹立。国民党軍は共産党軍を潰走させた。共産党軍は《長征》と呼ぶが、中国大陸を西へ北へとグルグルグルグル、2年もの間、1万2500キロを逃げまくった健脚には驚嘆する。

 その後も、国民党軍が共産党軍に軍事的勝利を収め続けたが、帝國陸海軍との戦闘が本格化(=支那事変)すると、国民党軍は深刻な損害を被った。国民党軍はたまらず、帝國陸海軍に対抗すべく《第二次国共合作/1937年》を成立させる、重大な過ちを犯した。帝國陸海軍が与えた国民党軍の損害以上に、国民党軍が与えた共産党軍への損害は、共産党の存亡を左右するほど壊滅的だったからだ。共産党の謀略に乗せられ、蒋介石は拉致され、まんまと国共合作を呑まされた。国民党の軍費・弾薬援助も手伝い、共産党軍は蘇生。逆に国民(党)政府は合作後も、主要都市を次々に帝國陸軍に占領されていく。毛沢東は帝國陸軍が国民政府の首都・南京を陥落させると祝杯の大酒をあおり、大はしゃぎしている。

 結局、支那派遣軍は1945年の終戦時点でも100万以上の兵力を有し、極めて優勢だった。第二次世界大戦(1939~45年)の帝國陸海軍戦死者240万人中、中国戦線での戦死は46万人。先述したが、精強な帝國陸海軍と戦ったのは国民党軍で、共産党系軍は一部が散発的遊撃(ゲリラ)戦に臨んだが、帝國陸海軍と国民党の戦闘を可能な限り傍観し、同じく帝國陸海軍より逃げ回った国民党軍の《退嬰的戦法》をはるかに凌駕した。日中間の戦闘は計2800回を数えるが、共産党軍の参戦はわずか8回。わが国の敗北は、米軍の原爆を含む圧倒的軍事力がもたらしたのだった。

 ひるがえって、現在の中国大陸における軍事情勢はどうか。

 北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するには、北と一蓮托生の「瀋陽軍区」を筆頭とする反習近平派人民解放軍を習近平派人民解放軍が掃討しなければ、決着がつかぬやもしれない。

 中国は、「共共内戦」の危険を抱えているのである。「共共内戦」で逃げ回るのは、「瀋陽軍区」の猛攻を前に恐れをなす習近平派人民解放軍の役どころかもしれない。

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★■ 反習近平派の拠点、中国人民解放軍「瀋陽軍区」が北と通じてクーデターを計画している! 「産経ニュース(2016.10.10)」より
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 北朝鮮の核ミサイルはワシントンや東京を狙っているとは限らない。北京も含めるべきではないか。一方で、小欄の目には北朝鮮と中国の国境が映らなくなっている。「対立する北朝鮮と中国」「中朝一体化」という一見矛盾する情勢のナゾ解きが、今次小欄のテーマ。ナゾ解きは衝撃的な結末を迎える。 

 旧満州東部からロシア沿海州南西部、つまり朝鮮半島に接する中国側は李氏朝鮮時代(1392~1910年)以降、多数の朝鮮人が移住した。深い森林でおおわれ、朝鮮総督府の支配も届かず、無頼の朝鮮人や支那人の匪賊・馬賊の格好の根拠地となった。越境して朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の町村を襲撃、無辜の朝鮮人らへの略奪・殺戮を繰り返した。絵に描いたごとき無法地帯であったのだが、「無法地帯」は現在も変わりがない。ただし、支那人の匪賊・馬賊は中国人民解放軍になり、北朝鮮襲撃ではなく、逆に武器・エネルギー・食糧・生活必需品を密輸し、支援している。国連や日米韓などが北朝鮮に経済制裁を科している状況をよそに、密輸とは不届き千万だが、中国人民解放軍が制裁の動機である北朝鮮の核・ミサイル開発まで支援しているという観測が、安全保障関係者の間で流れている。現下の厳しい制裁にもかかわらず、なぜ北朝鮮が経済力を保ち、核・ミサイル開発の技術的向上を続けられるのか? なぜ金正恩指導部が強気の姿勢を転換しないのか? この観測で説明できる。

 「朝鮮半島の非核化」を進めたい旨を公言する習近平・国家主席はウソつきということになるが、ウソをつかせる複数の要因が存在する。例えば、そもそも人民解放軍は、軍中央の支配が届きにくい半ば独立した軍閥。従って、習主席に逆らってでも北朝鮮を支援したい軍閥と、習主席に忠誠を誓う軍閥に大別される。背景には利権と政争が薄汚く絡み合う。北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するには、北を支援する中国人民解放軍を習近平派の人民解放軍が掃討しなければ、決着がつかぬやもしれない。中国国内で、内戦が始まるのだろうか。

+ 続き
 ***核開発物資を密輸した中国人女性の後ろ盾とは?

 北朝鮮が5回目の「核実験」を行った9月以降、実験もさることながら、中朝国境の川・鴨緑江の向こう側の動きが気になる。中国の公安当局は、遼寧省を拠点にする女性実業家を逮捕した。高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・酸化アルミニウムなど核開発関連物資や、戦車用バッテリーなど大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけていたという。密輸物資には、戦略物資の重油も含まれていた。女性実業家は模範的共産党員だった。

 鴨緑江の向こう側には人民解放軍の中で最も精強で、機動力にも優れる《北部戦区(旧・瀋陽軍区)》が陣取る。女性実業家逮捕の報に接し、真っ先に浮かんだのは、遼寧省も管轄下に置く北部戦区であった。女性実業家が一党独裁国家の厳しい監視網を逃れたのは、北部戦区の後ろ盾があったからこそではないのか。

 朝鮮戦争(1950~53年休戦)の戦端が再び開かれる事態に備え、かつ、かつて戈(ほこ)を交えた旧ソ連(現ロシア)とも国境を接する領域を担任している旧瀋陽軍区に、軍事費が優遇され、最新兵器が集積されているのは軍事的合理性にかなう。大東亜戦争(1941~45年)以前に大日本帝國陸軍がこの地に関東軍を配置したのも、軍事的要衝ゆえだ。

 しかし、人民解放軍全体を俯瞰すると、合理的な体制とは言い難い。確かに、全軍統率機関=中央軍事委員会主席を兼任する習国家主席は、共産党による「シビリアン・コントロール(文民統制)」や軍中央の統制力を強化するべく、軍制改革を大胆に進めてきた。

 改革前、軍の最大単位は7個の《軍区》であった。これを5個の《戦区》に再編したが、再編前と後の主な変化は次の2つ。

 《かつて軍区が有していた軍区内の兵員・装備に関する整備といった軍政は、中央軍事委員会に新設された『国防動員部』へと移譲。戦区は作戦立案と、作戦に沿った訓練・演習に特化された》 

 《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》

 ***狙いは最精強・瀋陽軍区の解体

 軍種間の意思疎通&協力を阻害する縦割りや装備・業務の重複・無駄をなくし、「実戦的体制を構築し、現代戦に適合させる」という。が、透けて見えるのは軍閥に近かった軍区の、習主席らによる解体だ。

 特に最精強を誇る《瀋陽軍区》は、習主席にとって目障りどころか、政治生命まで左右する「超危険な存在」であった。いや、依然、「超危険な存在」と言うべきだ。今なお、北部戦区は「瀋陽軍区」なのだ。

 習主席は、北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクーデターを極度に恐れている。「瀋陽軍区」高官の一族らは、北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品武器や脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者の話も聞いた。

 もっと恐ろしい「持ちつ持たれつ」関係は核・ミサイル製造だ。中国人民解放軍の核管理は《旧・成都軍区》が担い「瀋陽軍区」ではない。「瀋陽軍区」は核武装して、北京に対し権限強化を謀りたいが、北京が警戒し許さぬ。そこで核実験の原料や核製造技術を北朝鮮に流し、または北の各技術者を「瀋陽軍区」内で教育・訓練し、「自前」の核戦力を造ろうとしているとの観測が浮上してくる。しかも、その核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性がある。

 理由はこうだ。

 (1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、「瀋陽軍区」はクーデターを考える。

 (2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる他ない。

 (3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化要求+クーデターの、2つの選択肢を保てる。

 習主席が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ北朝鮮に直接影響力を行使できぬだけでなく、「瀋陽軍区」に寝首をかかれるからでもある。

 ***「親北」のDNA

 「瀋陽軍区」が北朝鮮と、北京を半ば無視してよしみを通じる背景には出自がある。中国は朝鮮戦争勃発を受けて“義勇軍”を送ったが、実体は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍最強の第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では最大180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と北朝鮮の朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正日総書記(1941~2011年)も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。

 実際、朝鮮半島有事になれば、北支援に向け「瀋陽軍区」の戦力が鴨緑江を渡河し半島になだれ込む。従って、各種演習も半島全域を想定する。とりわけ、第39集団軍は、人民解放軍最精強の「瀋陽軍区」でも最強とうたわれ、機械化に伴う展開速度は侮れない。38度線付近の非武装地帯で2015年、北朝鮮の朝鮮人民軍が仕掛けた地雷で韓国陸軍の下士官2人が大けがを負い、南北間に緊張が走るや、瀋陽軍区の戦車を主力とする部隊が中朝国境に急派されている。

 7大軍区は5個の戦区に統廃合されたが、注目は北京の頭越しに「対北独自外交」を繰り広げる瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併できるかだった。布石として、瀋陽軍区勤務が豊富で、軍区に強く影響を及ぼす軍区内外の反習近平系軍高官粛清を断行。全軍統率機関=中央軍事委員会副主席、徐才厚・上(大)将(1943~2015年)の汚職など規律違反での逮捕は、いかにも象徴的だ。半面、北京軍区司令官に習氏と近い上将を抜擢(ばってき)するなど着々と布石を打ってはいた。

 ***クーデターは起きていた!

 布石にもかかわらず、徐上将失脚で14年、徐の腹心の第39集団軍幹部はクーデターを起こした。

 クーデターは小規模で鎮圧されたが、かくも抵抗勢力が跋扈する不穏な情勢では、瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併する目論みが達成できる道理がない。むしろ、瀋陽軍区は北京軍区の一部を形成していた内モンゴル自治区を取り込み北部戦区へと膨張した。

 韓国の朴槿恵大統領は北核実験を受け、中国に「北朝鮮が痛みを感じる実効的制裁を」と呼び掛けたが、中国の対北経済制裁後、なおも北朝鮮が延命している現実は、民主国家との緩衝地帯である北の息の根を止めぬよう中国側が水面下、国家ぐるみで援助を続けている側面もあるが、「瀋陽軍区」の隠密支援が大きな要素だ。

 「瀋陽軍区」を頼みに、核実験やミサイル発射をためらわない北朝鮮の暴挙は、北京の許容限度を超え、習近平派はメンツを失った。メンツを失う程度ならまだしも、クーデターは思わぬ形と成って現出するやもしれない。

 軍制改革は2020年まで続くが、習主席が、なりふり構わず一層の強攻策に走り、「瀋陽軍区」の完全解体や金正恩体制を打倒せんとすれば、北朝鮮と一蓮托生の「瀋陽軍区」は、北京へ向け戦術核ミサイルを撃つよう北に「命令」を下すという恐れを、小欄は完全否定できずにいる。



■ 《不気味な中国の動き!》 「水間条項(2013.4.18)」より
中国は、瀋陽軍区の解放軍を丹東など北朝鮮国境沿いに集結しています。
 数年前、北朝鮮軍の将校クラスが多数中国へ脱走したことがありますが、彼らは瀋陽軍区に配属され、いざ事あれば解放軍を前線で指揮して北朝鮮を制圧する先頭にたつためだったのです。
 現在の北朝鮮の状況は、金正恩が全権をコントロール下に置いている訳でなく、何かのきっかけでクーデターが勃発する可能性があります。一部夕刊紙が、ボストンのテロを金正恩の顔写真を使用して金正恩がやったように誘導しています。これは、いろいろな見方もでき外国の関与が明らかになったら、米国はその国へ報復の戦争を始めます。
 いずれにしても、北朝鮮が米国と矛を交えれば、一週間で制圧されることくらいは承知の事実です。
 実際、北朝鮮が倒れて困るのは、直接、米軍と国境を接することになる中国であり、ここにきて中国は本気で現北朝鮮体制を倒しに来ています。
 中国が理想としている北朝鮮は、北朝鮮から命を狙われて中国が守っていた金王朝の長男の金正男を傀儡に、親中政権を策していることでしょう。
(※ 後略)

★ 「北の核実験」中国軍が手引き? 「東スポ(2013.2.15)」より
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 やはり中国が陰で操っていた!! 12日正午前に行われた北朝鮮3度目の核実験は、世界中に衝撃を走らせた。朝鮮中央通信によると、今回の核爆弾は小型軽量で、爆発力は6~7キロトンと大きいという。気になるのは中国の対応だが、表面上は批判的なポーズを見せている。だが、事情通によると今回の実験を陰で“手引き”したのは、中国の人民解放軍に属する瀋陽軍区の軍人だという。どういうことなのか?
+ 続き
 朝鮮中央通信は、朝鮮労働党が核実験後に開いた緊急会議の中で、今後も国際社会からどんな反感を買っても人工衛星ロケットと称した長距離弾道ミサイルの打ち上げを行う意思があると報じた。もし本当に「小型軽量化」できたとすると、ミサイルの弾頭に核爆弾を搭載し米西海岸も攻撃できることになる。
 「北朝鮮は米国のオバマ大統領から経済援助を引き出すため直接対話に持ち込みたい。その手段として核実験を強行した」との政府関係者の見方もあるが、むしろ気になるのは、「後ろ盾」中国の制止を無視して実験を強行した理由だ。<br /><br />「今度の核実験は、国際安全保障理事会の決議に違反しているのは明白で、断固たる措置が取られるでしょう。ただ、北朝鮮と関係が深い中国がどういう対応を取るかで状況が変わります」とは前出の政府関係者。肝心の中国は「国際社会の反対を顧みず、再び核実験を行ったことに断固反対する」と批判している。だが、その一方で関係各国に「冷静な対応」を呼び掛けてもいる。
 この煮え切らない対応の理由こそ、中国と北朝鮮の「つながり」を意味している。といってもここ最近は中国の新指導者、習近平総書記(59)と金正恩氏の“不仲”が目立つ。
 習氏が北朝鮮を非難すると、正恩氏は毎年恒例の年賀状を送らず、中国が打診した特使の派遣も拒否するといった具合だ。だが、指導者同士が険悪になっても、軍同士が強く結びついていると指摘するのは、両国の軍事情勢に詳しい事情通だ。
 「中国の人民解放軍は7軍区あり、北朝鮮との国境を担当する瀋陽軍区が最強といわれている。その瀋陽軍区は、北朝鮮に食料や武器を支援しており、北朝鮮人民軍のボス的な存在だ」
 さらに「正恩氏は軍をコントロールできていない。叔母の金慶姫氏と、異母姉の金雪松氏、それと叔父の張成沢国防副委員長が朝鮮人民軍を率いている。この3人がいなければ体制を維持できない」(平壌情勢に詳しい専門家)といい、「中国の人民解放軍と朝鮮人民軍をつないでいるのが張氏だ」とも。
 前出の事情通は「瀋陽軍区の軍人は、米国に対抗できるように核を持ちたいのが本音。だが、さすがに世界の目があるため政府がそれを許さない。だから、張氏を通じて、北朝鮮に代理で核を造らせたといわれている。北が持てば、自分たちが自由に使えるのだから」。
 中国共産党の下に中国政府と人民解放軍が対等の関係にあるのは本紙でも度々指摘してきた。先日、中国海軍が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射したのは、中国政府が知らぬところで軍が独自にやった行為だったことが明らかになっている。つまり、習氏は自国の人民解放軍を制御できていないのだ。
 「もし、中国が率先して北朝鮮に大幅な制裁を加える安保理決議に賛成したら、北朝鮮に核実験をやらせた人民解放軍のメンツをつぶすことになる。強大な軍事力を持つ人民解放軍が素手のような中国政府にクーデターを起こすのは簡単なこと。だから、政府は強く主張できない」(同事情通)
 正恩氏は16日の故金正日氏の誕生日に表舞台に登場して核実験の成功を自慢げに語り市民から歓迎される予定だ。だが、中国の習氏同様に自国の軍を制御できない指導者でもある。正恩氏と習氏の“似たもの同士”が、東アジアの平和の鍵を握っているとしたら、やはりゾッとする。




中国分裂
■ 「北京政府の支配下にない人民解放軍・瀋陽軍区」 「イシン男塾(2012.6.4)」より
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 中国と北朝鮮が軍事同盟を結んでいるのは世界の常識であるが、事は単純でもない。人民解放軍というのは毛沢東主義を守り続ける、言うなれば原理主義組織であり、鄧小平の改革解放路線を否定してきた。先進国の軍隊のように必ずしもシビリアンコントロールが効いていなく、北京政府の意向通りに動かぬ軍隊であることを知っておく必要がある。北京政府に対する圧力団体的地位を占めているのが解放軍である。
 その人民解放軍は南京軍区とか済南軍区とか七つの軍区に分かれているが、なかでも東北地区に位置する「瀋陽軍区」は特別な存在なのである。北朝鮮とロシアに接する瀋陽軍区には1億8000万人住み、長い国境線を警備するため解放軍の主力戦闘部隊の大部分が配備されている最強最大の軍区であるのだ。その瀋陽軍区は金正日政権以来、北朝鮮を軍事的、政治的、経済的に援助してきていて、北朝鮮は北京政府ではなく瀋陽軍区のコントロール下に置かれているのである。弾薬、食糧、核開発の技術、何でも瀋陽軍区の支援あっての北朝鮮なのである。
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 ここまでを前提として中国崩壊のシナリオがあるのだ。それは北朝鮮の三回目の核実験の強行が引き金を引く可能性が大なのである。2009年5月に二回目の核実験をした際、国連安保理事会に北朝鮮制裁決議案を出したのは中国からだったので、安保理でその決議案はあっさり通ってしまった経緯がある。
 よって中国は前回同様、制裁決議案に同意するに違いない。同意すれば制裁決議に基づき制裁を実行するだろう。

 ところがである。今や瀋陽軍区は猛反発する可能性が高い。習近平は太子党のバリバリの鄧小平路線継承者であり、国家主席に就任する前に潰しておきたいところ。
 北朝鮮への制裁決議に対し反乱を起こし北京に攻め上るシナリオがある。北京政府は軍隊を持たないので解放軍最強の瀋陽軍区の部隊に制圧され、中国全土が混乱に陥るというわけである。この程度の情報は当然アメリカ情報機関は入手し分析しているので、第七艦隊は今や、ジョージ・ワシントンとロナルド・レーガンの空母二隻体制を維持している。有事の時に睨みを効かしているのである。
 北朝鮮と親密な瀋陽軍区と北京政府の完全支配下にない解放軍が、北京政府の命令の北朝鮮の制裁決議に反旗を翻す近未来。長谷川慶太郎的には2012年が鍵であり盤石に見える中国の崩壊のシナリオは近いと見ているし、自衛隊も米国も同じ見方をしているらしい。















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最終更新:2017年12月31日 23:14