● 猫猫塾
猫猫塾(ねこねこじゅく)は,作家・評論家の小谷野敦が 2009年に開校した,人文系の教養塾です.
講義を中心とする講座に加え,個別指導も行っています.
18歳以上で向学心旺盛な方であれば、どなたでも受講可能.文学や歴史に関心のある大学生・大学院生,社会人・主婦・定年退職後の方などのご参加をお待ちしています.


■ 小谷野敦について 「馬鹿の一つ覚え(2009.2.22)」より
ずっと「あつし」だと思っていたら「とん」と読むらしい。有り得ぬ。

僕が彼を初めて知ったのは『もてない男』ではなくて、知る人ぞ知る絶望書店の店主とのweb論争(http://www.zetubou.com/nikki/index.php?s=%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E9%87%8E)でだった。この論争はネットの世界ではかなり有名(知る人ぞ知るじゃないのか!)で、一級の学者小谷野敦がネット論者に完膚なきまでに論破されたものとして記憶に残された。久々に読み返してみるとやはり笑える。これを読んで僕は「学者先生というのは可愛いもんだなあ」と感慨に耽り、以後小谷野敦のことを「あっちゃん」と呼び習わしていたものである。しかしどうやら「あつし」ではないので今後は「あっちゃん」とは言えまい。「とんちゃん」が妥当なのだが、その呼称は別の人の為に取っておきたい)

そういう理由で長らく彼のことを侮っていたものの、今回『もてない男』『かえってきたもてない男』を読んで感心した次第。学者の鑑というほどよく調べておられる。『萌える男』は批判したいが『もてない男』は批判する場所がみつからない。と言ってもこの本最大のメッセージは「もてないやつはもてないんだから諦めろ」であって、そんなものを否定しても負け犬の遠吠えにしかならないのだが。


■ 「小谷野敦 VS 佐藤優」 紛争のくだらなさ 「書評日記:パペッティア通信(2007.5.31)」より
「佐藤優という『罠』」『アエラ』4月23日号を契機にして、佐藤優と小谷野敦は、論争というか、論争にもなってないというか、空中戦・盤外戦を演じているのはご承知のことであろう。 ところが、この紛争、はやくも小谷野敦の劣勢。 山崎行太郎ブログで皮肉られているが、むべなるかな。 


■ 自慢する中島義道 「猫を償うに猫をもってせよ(2006.5.22)」より / 小谷野敦
ところで中島は「喧嘩したあとで仲直りするのがうまい」と自慢している。こないだ私に『後悔と自責の哲学』を送ってきたが、開かずにブックオフ行きである。なのにその前の、私の悪口が書いてある『私の嫌いな10の人びと』は送ってこなかった。送ってきたらいい度胸だと褒めてやったのに(嘘)。

■ 覚悟を持った嫌われ者 :小谷野敦『すばらしき愚民社会』 「呉 智英〔新潮社「波」2004年9月号〕」より
小谷野敦は、無鉄砲と思えるほど辛辣な批判をする。論争は必ず受けて立つと広言しながら、しばしば聞こえなかったふりをする上野千鶴子などとは較べものにならない。しかし、実は小谷野は無鉄砲ではない。その辛辣さは該博な知識に裏づけられている。専門の英米文学以外にも江戸期の芸能に詳しく、またタコツボ化した学者とはちがってジャーナリスティックなテーマにも広く通じており、それでいて、半可通のディレッタントのようなカルスタ派を手厳しく批判している。五年前の『江戸幻想批判』(新曜社)は、江戸の遊郭がユートピアであったかのようにもてはやす連中を黙らせた。









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最終更新:2012年10月09日 18:36