■ シリア:自由シリア軍とアサド政府が対話を開始 「ROCKWAY EXPRESS(2013.10.2)」より
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 シリア政府軍を離脱した兵士らで構成されている自由シリア軍が、自分達の反政府革命運動が外国人でイスラム主義の過激派グループによって乗っ取られたことに幻滅し、今、政府との和解の道を探っている。

 これで実際にFSAと政府軍とが和解し統合し、FSAがシリア政府軍の別働隊のような形で共闘して、イスラム主義過激派グループとの戦闘を始めたら、欧米や湾岸アラブ諸国は、あるいはトルコやイスラエルはどうするつもりなのであろうか? 

 イスラム主義過激派がシリアを乗っ取れば、シリア内のスンニー派以外の、キリスト教徒、アラウィ派、ドゥルーズ教徒、クルド人etcは抹殺されるか、殺される前に難民となってシリア国外に逃れるしかなくなるであろう。また残されたスンニー派教徒であっても、イスラム主義の頑迷固陋な生活を余儀なくされ、特に女性たちは今までのシリアで味わえたような自由は一切剥奪され、厳格な生活様式を押し付けられることで、苦悩が深まるであろう。

 シリアの「反政府勢力」を支援してきたアメリカやフランス、イギリスなどは、それでもアルカイダ系のグループを「反政府勢力」として支援し続けるのか? しかも彼等はシリア外相に言わせれば、83カ国からシリアに密入国した、殆どが外国人の傭兵達なのだ。だからそれは自分達で「テロリスト・グループ」として断罪したグループを支援する愚行となるが、どうするのか?その非論理性、非合理性、非整合性をどう説明するつもりなのか?

 このように、もともと陰謀で始まったこのシリア紛争で、早い時期からアルカイダ系過激派が反政府勢力に加わって、シリア政府軍と戦っていることは分かっていたのだから、今更欧米も、湾岸アラブ諸国も、トルコも引くに引けないはずだ。こうして、自分達の非論理性の罠に自らががんじがらめにとらわれて自滅していくのである。愚かで哀れな者たちがみにくい姿で、右往左往するのが見えるようである。

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シリア
■ 対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ(その1) 「ROCKWAY EXPRESS(2013.10.3)」より
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 クルド人が既にアサド政権と共闘の形を取って、反政府勢力と戦っていることはこのブログでも指摘してきた(8月14日号「クルド系イラク人:シリアのクルド人を防衛する決意を表明」、9月25日号「49カ国から13万人の外国人傭兵がシリアにきてテロ活動」など)

 結局、このクルド人の指導者らが語っているように、シリアのアサド政権は、反政府勢力に比べれば、”ずっとマシなのだ”、ということが真相である。それであるが故、自由シリア軍も昨日の記事のように、いまやアサド政権と肩を並べて、イスラム主義過激派の外国人傭兵テロリスト集団と戦う方向でまとまろうとしているのである。

 この構図を見れば結局は、「シリア人(クルド系も含めて)VS外国人傭兵」、との戦い、あるいは、「シリアの愛国者VSシリア侵略者」、との戦いということがシリア紛争の実態となっていることがわかる。

 そして米英仏とサウジ、カタール、トルコ、イスラエルがこの外国人傭兵側を、つまり「侵略者側」支援しているのであるが、その外国人傭兵とは、実態はイスラム主義過激派テロリストなのである。自分達自身で、「テロリスト」と規定し、「テロとの戦争」、で戦うべき相手、とした、そのテロリストたちなのだ。だから全く矛盾した狂った戦いをしている、狂った者たちとしか思えないのである。
(※ 以下略、詳細はブログ記事で)

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■ 対トルコでアサド政権はクルド人と共闘へ(その2) 「ROCKWAY EXPRESS(2013.10.4)」より
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 この世に完全な政府などありはしないし、完全な国もありはしない。シリアはバース党が国家を導く党である、と憲法にあり、確かにパース党が独裁的に国家を運営してきた。これはカダフィのリビヤも似たようなものであった。そしてそれで国家はそれなりの繁栄を築いてきたのである。

 今、「アラブの春」運動を利用して、戦略的陰謀を企てる者たちがシリアに「擬似アラブの春」運動を起こし、そこで死者や負傷者を大量にだすことにし、それを湾岸アラブ諸国の運営するアル・ジャジーラとかアル・アラビア、それに欧米のメディアを利用して、死者や負傷者がでたのは、アサド政権が血の弾圧をしたからだ、と喧伝することで、反政府勢力側への支援を正当化し、それを実施してきたため、今の泥沼のシリアの現状を生み出したのである。

 そして一度はアラウィ派が主導権を握るシリアの政府軍から離脱した軍人達が自由シリア軍(FSA)を編成したが、欧米、湾岸アラブ諸国、トルコなどが支援するため外国人傭兵がシリアに流入、その彼等のシリア領内でのあまりの蛮行に幻滅したFSAの者たちや、かつてはシリア政府と戦っていたクルド人が、”シリア政府の方がマシである”、と認識を新たにし、今漸く祖国防衛の戦線で共闘を始めようとしているのである。

 こうしてシリア領土で生活をしてきた、政府軍、自由シリア軍、クルド人らが、そして勿論その他のキリスト教徒もドゥルーズ教徒も、アルメニア人も、理想とは言えないが、そうひどいわけでもないシリアでの生活を守る為、再びアサド大統領を中心としてまとまって、「シリア愛国勢力」として、「外国人傭兵侵略者」と戦う覚悟を固めているのである。
(※ 以下略、詳細はブログ記事で)


NHKを初めとして日本のニュースソースは、シリアのジャーナリスト達を殺害しているのはアサド政権や、アサド政権に加担する民兵組織だと報道します。

しかし、実際にシリアでジャーナリスト達を拘束し、殺害しているのは自由シリア軍です


トルコ政府はシリアとの国境に「 安全地帯」を設置しようとしてきたが、それが成功したかどうか分からない。しかし今回の新華社通信の記事によれば、アレッポでの戦闘で、シリア政府軍側はトルコからの供給路を絶つ作戦に成功したようで、反政府側は孤立し始めているようだ。また3日の朝には、1000kg級の爆発物による爆弾事件が起き、34名が死亡、122名が負傷する事件が起きた、という。一般市民が犠牲者になっている。これが反政府勢力が外国人傭兵である証拠の一つにもなろう。シリア人の命などなんとも思っていない輩なのだ。
大事な点は、もしもシリア国民が1年半前に本当に現アサド政権に対して反政府の大掛かりなデモを各地で起こした、というのが本当ならば、今のこの時点でもシリア全土でそのような反政府デモが頻繁に起きておかしくないし、そのデモに対し政府が鎮圧の作戦をあちこちで展開している、というニュースがどんどんあっておかしくないにもかかわらず、シリアに関してのニュースは、大規模爆弾騒ぎがあった、と言うくらいで現在は殆ど報じられることもなくなっていることだ。


現状、シリアの反乱軍に武器を供与しているのはサウジアラビアを筆頭とするアラブのアメリカの傀儡国家と、EUとの関係も深いトルコです。

彼らは小火器しか供与していないと言われますが、小型対空火器のスティンガーや、対戦車兵器なども、供給していると見たほうが良いでしょう。

今後、戦闘が激化する中で、反乱民兵を装ったアルカイーダが、シリア政府軍を追い詰めてゆく事でしょう。







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最終更新:2013年10月06日 21:22