★円売り介入の余波・・・2010年9月16日 14:59
昨日来の円売り介入だが、すでにその効果が切れつつある。
現在、ドル円は、85.3円台と円高に振れている。
今朝の【重大ニュース】でもあったように、海外の反応は総じて芳しくない。
米国は人民元高圧力を掛けているだけに、余計なことをするなと言わんばかりである。
また、昨日もお伝えしたように、円高基調に変化はないという論調も多い。
さらに、日銀が資金を回収せず放置する"非不胎化"が報じられていたが、それを疑問視する市場関係者らの声があがっている。
以下はブルームバーグからの抜粋である。

◆市場に対しては最高のリップサービスになっている。要するに美人投票だから、皆がそう思えば市場はそう動く。それを承知で日銀が「非不胎化」みたいなニュアンスのイメージを意図的に流しているとすれば、一応それで日銀は臨時の金融政策決定会合を開かずに済み、得点を稼いだことになる。(三井住友アセットマネジメント、武藤弘明氏)

◆お金に色はないので、日銀当座預金残高のどの部分が介入資金かという議論をしても意味はない。非不胎化介入に効果があるという見解は、現在の環境においては迷信に近いのではないか。(東短リサーチ、加藤出氏)

◆03年から04年にかけて大量介入と日銀の量的緩和が同時並行的に行われていた際、介入の効果を少しでも増幅するため、介入資金の非不胎化が行われているかのようなメッセージを、もっぱら外国人投資家を意識して発信していたことの再現を狙ったものだろう。(みずほ証券の上野泰也氏 )

以上だが、先ほどの日経新聞では、日銀が17日に1兆円の共通担保資金供給オペを実施する通知したという。これにより市場には介入資金が残ることになり、実質"非不胎化と同じことになるようだ。

なにやら小手先の介入措置である。介入を断続的に行うほどに効果はさらに薄れていくだろう。
むしろ、海外の態度の変化が気になるところである。


自国通貨安政策を日本が単独で採ったことからブラジルでは自国企業の保護の方針を打ち出してきた。
このような保護主義的貿易が強まっていくことに、日本の円売り介入が利用されていく可能性がでてきている。
中国人民元圧力もそうであるが、今、国際的に自国経済を守るために各国政府は躍起となっており、これによる摩擦が生じてくる恐れがあるのだ。


次第に第二次大戦前夜と同じ状況になりつつあるようである...。


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最終更新:2010年09月16日 17:26