+ ニュースサーチ〔自閉症〕




■☆ 自閉症の原因・症状・特徴 「All About(2008.11.17)」より (※「発生頻度・原因」の項目のみ転載。)
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自閉症の発病頻度・原因
 自閉症の発病頻度は1,000人中3人程度ですが、自閉症と健常者との境界は明確でなく、どこまでを自閉症と見なすかによって数字は異なってきます。自閉症の周辺症状までを含めると発病頻度は1%近くになるとも言われ、その意味で自閉症は決してまれな疾患ではありません。日本自閉症協会によると国内の自閉症患者は約36万人。男性に多く、女性の約4倍を占めます。

自閉症は、何かの出来事がきっかけで自分の殻に閉じこもってしまう病気ではなく、親の子供への接し方や幼少時の体験といったものとは全く関係ありません。生まれる前に、胎内での中枢神経系の発育に何らかの問題が生じてしまうことが原因と考えられています。しかし、現段階でははっきりした病気発症のメカニズムはわかっておらず、遺伝負因、生物学的要因、免疫学的要因などが、複雑に作用した結果ではないかと言われています。






■ 特発性自閉症の原因が造血系細胞のエピジェネティックな異常だとマウスで解明-神戸大 「医療ニュース(2022年05月09日 AM11:30)」より
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血球系細胞に注目し、卵黄嚢と大動脈-生殖腺-中腎に焦点をあてて解析
神戸大学は5月2日、特発性自閉症の原因が、胎児の時の造血系細胞のエピジェネティックな異常であり、その結果が脳や腸に見られる免疫異常であることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学研究科生理学分野の内匠透教授(理化学研究所生命機能科学研究センター客員主管研究員)、Chia-Wen Lin研究員らの国際共同研究グループによるもの。研究成果は、「Molecular Psychiatry」に掲載されている。

自閉症(自閉スペクトラム症)は、患者数が急増しているにもかかわらず、未解明な部分の多い発達神経症。免疫異常は現在においては、さまざまな疾患の原因と考えられるが、自閉症の発症においても重要な役割を果たしている。脳内炎症や末梢免疫系の障害は、自閉症患者において頻繁に観察される。さらに、免疫異常は腸内細菌叢の異常を併発し、これも脳腸軸を介して発症に関与していると考えられている。しかし、これらの免疫異常の背後にある本質的なメカニズムは、まだ解明されていない。
+ 続き
研究グループは、自閉症発症における免疫障害の重要な発達段階と免疫系の広範な関与を考慮し、共通の病因が広範な免疫調節不全の根底にあり、異なるタイプの前駆細胞にあると仮定。免疫細胞のもとになる血球系細胞に注目し、さらに胎児の時の造血に関わる卵黄嚢(YS)と大動脈-生殖腺-中腎(AGM)に焦点をあてて解析を行った。これらの結果は、脳内炎症と末梢免疫系の異常の共通の祖先を探すことになる。

AGM血球系細胞の一細胞RNA-seq解析により、免疫異常の病因として「HDAC1」を同定
研究では、原因のわからない自閉症のモデルとして、自然発症のBTBRマウスを用いた。BTBRマウスの一細胞RNAシーケンス(sc-RNA seq)により、免疫異常の起源をYSとAGMの胚の段階まで遡り、マクロファージ(ミクログリア)と末梢免疫細胞が分化している場所を特定した。YSとAGMにおける二次造血の一細胞レベルの解析により、発生初期段階における希少な前駆細胞内の分子レベルでの病理学的メカニズムを特定することに成功。つまり、これらの病態の根底にヒストン脱アセチル化酵素であるHDAC1を介した転写制御の共通メカニズムを見出した。

また、特定の発生段階においてエピジェネティックな機構を操作することで、脳や末梢組織における免疫異常を回復させることができることを示した。すなわち、共通のメカニズムとして同定したヒストン脱アセチル化酵素HDAC1の阻害剤(酪酸ナトリウム、ロミデプシン)をBTBRマウスの胎児期に投与すると、炎症性サイトカインの上昇やミクログリアの活性化が抑制された。

免疫細胞と腸内細菌のバイオマーカーが、免疫異常を有する自閉症のサブタイプの分類手段となる可能性
さらに、免疫異常が自閉症モデルマウスの特定のプロファイルの腸内細菌の異常を決定するという因果関係を明らかにし、免疫細胞(Treg)と腸内細菌のバイオマーカーが免疫異常を有する自閉症のサブタイプを分類する手段となる可能性があることを明らかにした。

以上のことから、自閉症に見られる脳と腸などの末梢臓器での異常は、免疫細胞の祖先である造血幹細胞系のエピジェネティックな異常によって引き起こされることが明らかになった。

自閉症のサブタイプ分類が自閉症治療の新たな道を切り開く第一歩に
今回の研究成果により、自閉症における全身性免疫異常という長年の謎が明らかにされただけでなく、環境リスク要因の異なる自閉症モデルに共通する病因として、エピジェネティックな障害が果たす役割が示唆された。

「将来的に自閉症の精密医療、個別化医療を発展させるためには、発症メカニズムに応じた自閉症のサブタイプ分類が必要であり、自閉症治療の新たな道を切り開く重要な第一歩となる」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部)






■☆ 特集:ミラーニューロンと自閉症:自閉症の原因に迫る 「日経サイエンス(2007.2)」より
(※ 前略)
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カリフォルニア大学サンディエゴ校の私たちのチームは1990年代後半から,ミラーニューロンと呼ばれる新たに発見された脳神経細胞と自閉症との関係を調べ始めた。他人に共感したり,相手の意図をくみ取るといった能力にミラーニューロンが関係しているようなのだ。だから,このミラーニューロンシステムの機能障害が自閉症のいくつかの症状の原因になっているという仮説は,論理的に妥当と思われた。過去10年間に,この説を証拠立てる研究がいくつか発表された。ミラーニューロンをさらに深く研究することで,自閉症の原因を突き止められる可能性がある。また,この疾患の診断法や,患者が周囲とよりよい関係を築くための手法の開発にその研究成果を役立てることができるだろう。


■ 自閉症と水銀中毒について―キレート療法は有効か 「NPO法人東京都自閉症協会」より
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□2004年3月7日:
TBS系列テレビ局が全国で放映した「報道特集」(東京では2004年3月7日(日)午後5時半から)は、自閉症の原因が水銀であり、それに対して有効なキレート療法についてのものでした。水銀原因説自体はアメリカで2000年に発表されたものですが、当時否定されたものの、再々浮上してきています。その背景としては、アメリカでは水銀説を根拠にした訴訟問題が起こされており、論争が再燃してくるということがあります。

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■ 【TBS報道特集】自閉症=水銀原因説を論じる 「カイパパ通信blog(2004.3.9)」より
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(※ たいへん長文なエントリー記事です。自閉症水銀原因説を詳細に紐解き、結論として、水銀原因説を支持しない。)


◆ 全米科学アカデミー医学研究所(IOM)の報告 
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(※ 自閉症と新3種混合ワクチンMMRの関連レポートに対する掲示板記事。)






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最終更新:2024年01月27日 20:06