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【経済】

汚染砕石 経産省出荷見逃す

 福島県二本松市のマンション室内で屋外より高い放射線量が測定された問題で、経済産業省が昨年夏、福島県などから出荷される砕石に放射性物質による汚染がないかどうかを調査したが、確認は業界団体への聞き取りだけにとどまっていたことが分かった。汚染された砕石の出荷を経産省が把握できず、これが流通や使用の広がりにつながった。

 また、経産省は、このマンション室内で高い放射線量が測定された報告を昨年十二月二十九日に内閣府から受けながら、すぐ調査などをしていなかったことも判明。マンションの一階部分だけの放射線量が高かったため、コンクリートが原因とは考えず調査は今月十日ごろから開始した。

 経産省によると、昨年六〜七月の聞き取り調査に対し、業界団体は(1)避難が必要な警戒区域や計画的避難区域内で操業している業者はない(2)自主検査で高い放射線量は出ていない−と回答した。

 しかし問題の砕石を出荷した双葉砕石工業は震災直後の休業を挟み、福島県浪江町の砕石場が計画的避難区域に指定される四月二十二日までの一カ月間は操業。この間に出荷した砕石が汚染されていたとみられる。

 経産省の担当者は「計画的避難区域内で操業した業者があった事実は年明けに初めて知った」と説明。処理の過程で砕いたり水を掛けたりする砕石は放射線が薄まり、「問題は起きにくいと考えていた」と話している。

 

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