【ドバイ＝中西俊裕】サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は14日、イラン産原油禁輸の動きが広がっていることに関連し「顧客のあらゆる需要に応える」と述べ、原油を増産し積極的に供給する用意があることを改めて強調した。キャメロン英首相や中国の温家宝首相など各国首脳が相次ぎペルシャ湾岸の産油国を訪問するなど、原油安定確保への動きが活発になっている。

　ヌアイミ石油相は記者団に対し、サウジは原油の需要増に「いつでも応じる義務がある」と発言。同国の増産余力に疑問があるとの見方については「その見解は採用しない」と否定した。

　これに先立ちサウジを訪れた米議会下院のカンター共和党院内総務は、ロイター通信に対し、欧米の対イラン制裁でイラン産原油の調達が減少しても、サウジにはそれを補う余剰生産能力があると発言していた。

　一方、キャメロン英首相は13日サウジでアブドラ国王と会談。サウジ側からの原油の安定供給のほか、投資・貿易交流の促進などで一致した。中国の温家宝首相も14日からサウジ、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）、カタールの歴訪を開始。韓国の金滉植（キム・ファンシク）首相は12日にオマーン、ＵＡＥ訪問に出発した。

　中韓両首相はアブダビで16日から開く「世界未来エネルギーサミット」に参加する予定。この前後にＵＡＥ指導層と会い、原油の安定供給についても協議するとみられている。