金糸雀さん、鴬さん、不如帰さん。
宇蜘蛛に羽ばたき、縁を結ばかなりて・・・。

プロローグ

「あなた、泥棒さんなんですよね?」
春の陽気な木漏れ日が指す廊下。
こんな物騒な言葉をはっしたのは、私立西桜中央学園数学教師、内村 希美。
「あんた・・・何言ってるんだ」
言葉の先にいる彼は、私立西桜中央学園2年、朝霧 純夜。
「ネタは上がってるんですよ!あなたの妹のありすさんから聞いたんですからね」
希美は純夜を指差し、勝ち誇った微笑みを見せる。
「・・・あいつが話したんなら害はないな・・・」
ちらりと一瞥だけして、すぐに明後日を向いてしまう。
「そこでおりいって相談があるんですけど・・・」
「盗みならしないぞ」
希美は再び微笑む。
「大丈夫です。依頼は盗みじゃなくて、奪還ですから」
純夜は怪訝な顔をして、希美を見た。
それに、希美も笑い返す。








最終更新:2007年02月21日 22:41