『フラネット社、新たな万能機器を開発か──!?』


 間明蔵人(まぎら-くらんど)。──この名前を覚えている者はいるだろうか?

 20XX年頃、量産型『フォンブレイバー』(通称『ジーン』)を開発・生産したフラネット社を興した若き実業家である。
 その爽やかで"イケメン"な容姿で、20XX年当時、自ら広告やコマーシャルなど数多くのメディアにも出演し、一躍、時の人となった。

 だが、昨今、スマートフォンやi-phoneの普及に伴い、フォンブレイバーも使用者が激減。
 現在ではフォンブレイバーも生産中止となり、間明氏のメディア露出も20ZZ年頃を境に次第に現象。
 間明氏の現在の所在に関しては、フラネット社の社員に取材しても「私もわかりません」との返答が返って来るばかり。
 ネット上では、「脱税が発覚して逮捕された」、「既に社長を退任して鎌倉で一人暮らししている」との噂が都市伝説的に飛び交い、謎の存在となっていた。

 しかし、近年になって、フラネット社が『ジーン』に次ぐ、新たな機器の開発に尽力しているとの情報が入った。
 この情報が明かされるに伴い、間明氏はブログを開設。
 自身が健在であり、社長のポストに就き続けている事を明かした上で、フラネット社の近年の活動についても記述しながら更新している。

 そして、間明氏は、先日、フラネット社が再び「アナタトツナガル新技術」を手に入れたとの発言をブログに投稿。
 これは……またもフォンブレイバーのような先鋭的新技術が開発されるという事だろうか?
 フラネット社が築く明日未来への期待が高まる。


(某ネットニュースより引用)






 誰も足を踏み入れないような、真夜中の社長室だった。
 いや、元々、このフラネット社の社長室には、許可した者以外は立ち入りが許されておらず、数百名の社員の殆どは社長室の表戸すらも目にかかった事が無い。
 この会社の社長──間明蔵人は、爽やかな容姿と正反対の変わり者であり、自宅を持たず、この社長室で暮らしている。
 生活の為の道具は全て社長室にあるようだが、いつもソファで眠っており、食事も買いだめしたカップラーメンで済ませている。
 金に飽かせてリッチなベッドや高級料理を嗜める立場にありながら、彼は全く興味を持たなかった。
 この様子なので、30歳を過ぎても、結婚は、勿論していない。それどころか、浮いた話の一つもない為、同性愛者などと噂されているようである。

 彼は、ほんの少し前まで、何においても渇いていた。
 食事は実際の所、生命を繋ぐ為に食べているだけで、栄養価や味の良し悪しに関心は微塵も持たない。ブドウ糖を点滴し続ける事で生命を繋げるのならばそれで一向に構わない。
 性的不能者というわけではないが、性交渉にも興味は持たなかったし、それ以前に、他者との密着や交流も、余程面白い人材でない限りは彼が興味を向ける事はなかった。
 それに、かつては定職も持たなかった。ある組織のエージェントとして活動していたが、それを辞めてからは定職も定住もない浮浪者として過ごしていた程である。
 今、社長の椅子を得てからも、彼はその時から大きく生活の質が上がったとは思わなかった。多少景色が変わり、目的に近づきやすくなったとは思っていたが、その程度だ。
 下手をすれば、彼は、自分の生命という物にも、関心がないのかもしれない。
 ただ、何か面白い事があるかもしれないから、とりあえずその日一日、適当な事で時間を潰して、待ち続けているだけなのかもしれない。

 そんな彼が、唯一、興味を持てるのは、現代社会の「裏側」に根付いている「ネット」の世界だ。
 現代の社会はネットワークに支えられている──彼の興味の底には、この前提が根を張っていた。
 人間の持つ情報、財産、交流、生活が全てこのネットワークに支えられて久しい現代、それは最早、人間の生命すらも左右すると言っていいだろう。
 インターネット。携帯電話。人工衛星。テレヴィジョン。航空機。車両。
 これら全てが、数十億人の生命線を握っている。

 これを全て破壊したいというのが、彼の願いだった。
 これが壊れた時の世の中がどうなるのか、ずっと見てみたかったのだ。
 ネットワークが世界を支えている以上、それを崩してしまえば世界そのものが音を立てて崩壊する。
 ネットワークからリアルに感傷する「映像」を発して、人類を次々に抹殺する事も容易に可能であるし、かつての『ジーン』による計画もそれが目的だった。
 そして、今は『ジーン』に代わる新たなネットワークプログラムを──いや、ネットワークが可能とした『魔術』を彼は手にした。

『聖杯戦争』

 神話時代の産物と思しき言葉が、彼を少し前から潤している物の正体だ。
 幾つかの『マスター』と『サーヴァント』のペアで、最後の一人まで勝ち残り、死した英霊たちの願いを吸い取った『聖杯』を得る。
 そして、聖杯を顕現した者は、その聖杯によって自身の願いを叶える事が出来る。

 最後の一騎まで殺し合うデスゲームと、その生存の果てにあるプライズ。
 この信じ難いファンタジーが、この世界で彼を魅了するリアルだった。

 間明の『サーヴァント』として、召喚されたのは──『キャスター』のクラスのサーヴァント。
 だが、その姿は実体化を許されず……しかし、彼は常に間明の近くにいた。


「キャスター。いよいよ始まるようだね」


 ────間明は、照明すら灯さない薄暗い社長室で、唯一光っていたコンピュータの『ディスプレイ』へと声をかけた。

 傍から見れば、まるで無機物と会話しているかのようだが、そこには確かに「意思」が存在していた。
 そう、彼のサーヴァントは、「そこ」にいるのだ。
 そこだけにしか存在せず、しかし、「そこ」を絶対不可侵の領域として在り続けた──それが、彼の召喚した『キャスター』。
 だから、聖杯戦争が開始するまでの予選期間を、彼らは他の陣営に看破される事もなく、密やかに乗り切ったのであった。


「……ああ。──漸く、この『魔王カーンデジファー』の魔力に、再び人間共が平伏す時が来たか!」


 魔王カーンデジファー。
 それが、社長室のPCディスプレイに現れた奇怪な魔術師の名であった。
 リアルの魔術師ではなく、彼はヴァーチャルの世界でこそ存在しうるサーヴァントであるらしい。

 カーンデジファーを扱うには、間明自身の協力も必要だが、その相互関係が彼には実に面白かった。
 間明が組んだプログラムに沿って、キャスターは初めて、世界に影響を及ぼす「怪獣」を作成できる。
 つまり、魔術師が持つ『魔力』ではなく、間明が持つ『科学』によって、サーヴァントのスキルや宝具を発動するのである。
 他のマスターが必死に魔力を供給し合う関係とは対照的な、科学による関係が間明とキャスターの間に結ばれる。

 ──ネットワークが根付いた現代故に許されるやり方。
 神話の中で聖杯戦争を行う者たちは、こんなサーヴァントに巡り合い、そして、活用する事が出来るのだろうか?


「……ねえ、キャスター。聖杯戦争が始まったら、まずは、どう『遊ぼう』か。
 人間の時を乱すか、通信手段をジャックして『ジーン』と同様のウイルスを流すか、世界戦争を起こすか……」


 ディスプレイの灯りだけを頼りに、カップラーメンにお湯を注ぎながら、間明は嬉しそうに言う。
 恐ろしい言葉であるが、実際のところ、間明が少し手を動かせば、簡単に人類を混乱の渦に叩きこめるのである。
 それが「コンピュータ」だった。

 500万年の人類史を一瞬で終わらせる「人類滅亡」と「世界戦争」。
 ──これはなかなか面白そうではないか、と間明は思っている。
 たとえ自分が滅ぶとしても、その瞬間を、自分の数十年の人生の中で目の当りにしたいと、ずっと思い続けていた。

 その為に聖杯という願望器を使うつもりはなかったが、やはり聖杯伝説という御伽話には興味もあったし、当面の目標は聖杯になるだろう。
 とはいえ、やはり「世界戦争」というのはジョークだ。
 そんな事を起こせば、聖杯戦争どころではない。
 そして、「地球の支配」を行いたいキャスターとしても、そのやり方は些か反感のある方法のようだ。


「クランド。確かにお前の言っている事は面白い。
 だが、ひとまずは、他のマスターの特定が優先ではないか?」

「わかってるよ。冗談さ」


 間明は、軽い調子で言った。
 非人のキャスターといえども、この男のペースには惑わされる。
 それから、一度伸びをしてから、キャスターに語りかける。


「──聖杯戦争では、街中の監視カメラ、通信機器の通話・メールの記録、SNSや掲示板の書き込みを重点的に洗う。
 キャスターはこの街の各エリアのコンピュータに、『忍者怪獣シノビラー』を分身させて派遣し、『聖杯』『サーヴァント』『マスター』という単語を抽出する。
 もし、これらの言葉を使った者の中に、マスターらしき人間がいたら、それを報告するようにシノビラーに命じてくれ。別に殺害する必要はない。
 後は、キャスターがやれば済む話だからね」

「……なるほど。完璧な作戦だ、クランド。
 その方法が有効であれば、次々に他のマスターを洗い出し、個人攻撃を仕掛ける事が出来るな」

「ああ。みんな、生活の全てをネットワークに頼りすぎている。……それだけさ。
 それに、世界トップのコンピュータだって、『ハイパーワールドの魔王』の英霊が攻撃してくるなんて想定していない。
 マスターたちも同様さ。コンピュータを使わなくたって特定が出来る。
 だから、君の力があれば、元々、世界中の情報を得て、世界を支配する事もそう難しくはないはずなんだ」

「その通りだ。かつては、その能力がありながら、別の奴に邪魔をされたが……」


 キャスター──魔王カーンデジファーが地球に現れた時、彼の邪魔をする者も同時に彼を追ってやって来たのである。
 その英霊の名は、『電光超人グリッドマン』。
 彼さえいなければ、カーンデジファーの地球支配は、悲願ではなく、現実となっていた事だろう。
 敗北の決定打となったのは、かつての相棒である武史の裏切りであったが、この間明は武史と比しても格段に邪悪な意思を持った人間であった。
 故に、キャスターは彼が裏切らないという確信を持っていた。
 カップラーメンを啜る間明は、無邪気な子供のようで、その実、頭も切れる。


「電光超人グリッドマン、か……。コンピューターワールドの守護神というわけだ」

「ああ」

「……まあ、そんな心配する事もないだろう。そいつがここに来ているというわけでもないし」


 間明は、ラーメンを食べ終えると、お湯と箸が突っ込まれたままのカップをコンピュータの隣に置いた。
 このコンピュータは、キャスターのホストコンピューターである為、特別な名前を付けているらしい。
 『クリシス』と言うそうだ。


「クランド……それを零してこのコンピュータを傷つけるような真似はするなよ?」

「大丈夫。いまどきのコンピュータはそんなに柔じゃないよ」


 間明はそう言うが、キャスターは画面上で、怪訝そうな瞳で間明を見続けていた。


「あ、そうだ。それより、僕も一体だけ怪獣を考案してみたんだ。
 これも後で作成してくれよ。キャスターなら簡単だろう?」


 と、間明は唐突にPCのCGモデルのファイルをキャスターに見せた。
 密かに彼もオリジナル怪獣の3Dモデル作っていたらしい。
 そこに映っているのは、「ラーメン怪獣 イッポンミチ」と名づけられた、カップラーメンをモチーフにしたの怪獣であった。
 それを見て、キャスターは頭を悩ます。


「……これを作れというのか?」


 怪獣を製作するセンスに関しては、やはり武史の方が上を行っているような気がするが……。
 間明は、つまるところ──何かへの憎しみも持っていない。
 それを原動力に動く事もない為、怪獣作成に関しては武史より「下」だという事だ。


「──デザインなんてどうでもいいじゃないか」

「ああ、だが──」

「問題は、この怪獣の仕事さ。……彼には、シノビラーとは別の仕事を頼むつもりだ」


 今度はスマートフォンを手に取って、間明は慣れた手つきでそれを操作する。
 スマートフォンから音楽が流れ、画面に出て来たのはアプリゲームのキャラクターである。


「見なよ。これは、架空の会社の名義で、僕が数日かけて作ったアプリゲーム『Grand Order(グランドオーダー)』だ」

「それがどうした?」 

「──ユーザーは今の所、300万人。……早くも口コミで広がっているから、もっと増えるだろう。
 僕のターゲットは、このアプリのプレイヤーだ」


 個人が僅か数日で作ったアプリゲームで300万人を惹きつける──そんな事は通常不可能である。
 しかし、それを可能とするのが、間明のIT技術だった。
 勿論、架空の会社の名義になっているのは、製作者が間明蔵人とフラネット社である事を隠蔽する為の工作だろう。
 簡単には特定できないように操作されているに違いない。


「このアプリには、一定の工程まで進んだ段階でサブリミナル効果が現れる動画が流れるようなプログラムが埋め込んである。
 おそらく、間もなく誰かがそこまで進めて、『自殺』を始める頃からな?」

「……どういう事だ? クランド」

「映像と音とそれぞれ送られる2つのパルス信号の相乗効果で、脳機能を乗っ取って人間を洗脳する──そういうプログラムが動画の中に入っているのさ。
 それに加えて、アプリゲーム自体が依存性を持つような効果もある。怪しいと思ってやめたくてもやめられないようになっているんだ。
 もし、このままユーザーがゲームを続けて動画を再生したら、そいつは死への欲望が刺激されるようになり、手近な方法で自ら死を選ぶようになるだろう」

「──!!」

「つまり、アプリゲームユーザーの、連続同時多発自殺が起きる……。開発者の正体は不明だ。──どうかな?」


 キャスターの趣向を超越する悪魔の発明に、彼も絶句する。
 更に、間明は怪獣について続けた。


「……でも、当然、こんな物を流してもすぐに止められるし原因も特定される。
 だから、このイッポンミチは、『Grand Order』のプログラムを保護する番人になってほしいんだ。
 アプリに攻撃や侵入を仕掛けた情報端末を乗っ取り、それらが全て誤作動を起こし、情報が流出するように命じてほしい。
 そして、掲示板やSNS上での『Grand Order』に関するマイナスの噂もイッポンミチが情報を吸収する事で消失させる。
 ネットやメディアからは、『Grand Order』に悪い噂が流れないように制限するんだ。更に、吸収した情報は、そのままイッポンミチのエネルギーとなる。
 誰でもこのゲームが怪しいと思うだろうけど、メディアからは情報が完全に断たれていく。聖杯戦争のついでだよ。
 ──これ、面白いと思わないかな?」


 あまりの事に、キャスターは黙りこくった。
 そして、それから先、彼が口を開いた時、間明の狂気を実感していた。


「クランド……。貴様も、現代の人間の魔王のようだな」


 間明は、キャスターの言葉にニヤリと笑った。



【CLASS】

キャスター


【真名】

魔王カーンデジファー@電光超人グリッドマン


【パラメーター】

筋力D 耐久D 敏捷E 魔力EX 幸運D 宝具A+++


【属性】

混沌・悪 


【クラススキル】

陣地作成:A+
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 ただし、カーンデジファーが陣地を形成できるのは『コンピューターワールド』の電脳世界内部に限られる。
 これは高度なウイルス対策が行われない限り、コンピューターワールド内で雪達磨式に膨らんでいく。
 現実世界(聖杯戦争が行われている電脳世界)に多大な影響を与える陣地が形成できるのは3日目からであろう。

怪獣作成:A+
 道具作成の替わりにカーンデジファーが持つクラススキル。
 コンピューターワールド内で暴れる怪獣を顕現し、怪獣の特性に合わせてコンピューターを乱す事が出来る。
 これは過去に藤堂武史が製作した怪獣データを基盤としており、このプログラムを復元する形となっている。
 また、過去と同じレベルの能力を引きだすには高度なプログラムを組めるマスターが必要であり、マスターが作成した怪獣データやイラスト・強化案を、カーンデジファーが魔力によってコンピューターワールドで作成するという工程を踏まなければならない。


【保有スキル】

電脳存在:A
 現実世界以外の空間に君臨するスキル。
 カーンデジファーの場合は、『ハイパーワールド』、『コンピューターワールド』の二つの世界に存在出来、データを介してあらゆるネットワークや記憶媒体に侵入できる。
 逆に、現実世界に発現する事が出来ず、その為には膨大な魔力の貯蓄が必要となる。

現実影響:C
 電脳世界内部から現実世界に影響を及ぼす為のスキル。
 上記の『怪獣作成』のスキルを用いない限り、カーンデジファー自身が及ぼせる攻撃範囲は限られる。
 現在可能なのは、コンピュータを介した上での威嚇程度の電撃攻撃であり、現実世界に及ぼす影響は極めて低い。

洗脳の魔力:C
 『現実影響』のスキルと同時に持ち合わせるスキル。
 キャスターが表示されているPCを見た人間を洗脳し、その人物が持つ能力の範囲で簡単な行動を命じる事が出来る。
 これは魔力耐性を持つ相手や邪心のない相手には効かず、その適性も相手の邪心によって左右する。

唯一性:-
 電脳存在のスキルを持つサーヴァントのみが持つスキル。
 このスキルがある限り、サーヴァントはデータとしての「複製」及び「復元」が不可能。
 キャスターの場合、ホストコンピューターや寄生媒体が破壊された場合、それだけでサーヴァントとして消滅してしまう。


【宝具】

『巨大魔王』
ランク:A+++ 種別:対人宝具 レンジ:70 最大補足:1~数万
 コンピューターワールド内部でカーンデジファー自身の身体を巨大化する能力。
 現実世界に顕現する事を想定すれば、身長70メートル、体重6万トンほどまで巨大化する事が可能であり、戦闘能力も飛躍的に上昇する。
 ただし、巨大化の時間は現在の魔力では10分間が限度。それを超過すると自動的に元のサイズに戻ってしまう為、行動は限られる。
 宝具発動時は、魔王剣デジファーソードを使用する事が出来る他、魔力残量によっては、大規模にコンピューターワールドを乱す装置の作成や現実世界への出現も可能となる。
 コンピューターワールド内に敵がいない場合、魔力残量がない限り、宝具の使用は控えられる。

『吸収型成長プログラム』
ランク:- 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:-
 英霊になる前のカーンデジファーが使用しなかった宝具。
 現実世界のマスターがプログラミングした武装データを吸収し、一時的にカーンデジファーの鎧として纏う事が出来る。
 これには現実世界でカーンデジファーと共謀するマスターと一定の連携が必要であり、宝具作成においても、宝具使用においても、マスターの指示が必要となる。
 彼を葬った英霊が扱った同質の宝具は、『アシストウェポン』と呼ばれていた。


【weapon】

 なし


【人物背景】

 『ハイパーワールド』から『コンピューターワールド』に逃亡した魔王。
 邪心を持つオタク少年の藤堂武史と共謀して怪獣を作り出し、コンピューター内部から地球侵略を試みる。
 生み出した怪獣は、基本的にはコンピューターワールドを破壊するが、その行為や特性によって現実世界に影響を及ぼしていく。
 時には、カーンデジファーの魔力を回線に流しこむ事で、『人間の時間感覚が完全になくなる』、『コンピューターから放たれる電流が物質を操る』、『テレビを見た人間が暗示にかかる』、『タイムスリップを起こすプログラムに書き換えて武蔵坊弁慶を出現させる』などの不条理な被害まで起こす事が可能。
 データ容量は自在に変化できるらしくフロッピーディスクに入って移動可能。ちなみに、こうしたメディアが無くても一応コンピュータ間を自由に移動できる。
 尚、今作における『コンピューターワールド』とは、ネットワーク回線に限らず、家電などネットワークが通っていない物にも干渉する模様。


【サーヴァントとしての願い】

 地球全土の征服。


【基本戦術、方針、運用法】

 マスターである間明蔵人は、基本的にネットワーク技術に長けている為、魔力が無くともキャスターを充分に運用できる。
 キャスターに出来るのは、ネットワークを介して人類の統率を乱す事であり、その気になれば魔力を用いずに世界戦争を起こす事でさえ可能である。
 これにより愉快犯的にネットワーク社会を崩壊させるのが間明の興味となっている。
 また、個人を狙う場合、他のマスターの所属組織を崩壊させたり、居住地の電化製品を全て麻痺させたり、電流で危険性のある物質を移動させたり、ネットによって洗脳したり、情報を攪乱したり……といった戦法も可能。
 彼らの陣営は現在、現実世界と思っている場所そのものが聖杯に作られた電脳世界だと気づいていないが、それに気づきさえすれば、「現実世界に侵入出する」、「聖杯のシステムを麻痺させる」といった事をするにも効率的な方法が見つけられるだろう。

 ただし、キャスター最大の弱点として、「唯一性」のスキルにより、ホストコンピューターやUSBメモリなどが破壊されるとサーヴァントが消失してしまうという物がある。
 基本的には、間明も外出時にはキャスターをUSBメモリに移動させた上で、厳重に保管しておく事で対策を練るつもり。
 現在は、他マスター及びサーヴァントを特定する為に、監視カメラやインターネットの映像を監視するのが目的で、それまで外出は避けた方が良いに違いない。


【マスター】

間明蔵人@ケータイ捜査官7


【マスターとしての願い】

 魔王カーンデジファーを現実世界に顕現。
 その後、全世界の抹殺を行い、崩壊する世界を見てみたい。


【weapon】

 買いだめしたカップラーメン
 PC『クリシス』
 USBメモリ(キャスターのデータ置換用)
 ノートPC(外出時のキャスターの憑代)


【能力・技能】

 ネットワークに精通する技術力を持ち、フラネット社㈱の社長という立ち位置にある
 意思を持つ自律移動式携帯電話『フォンブレイバー』についても詳細なデータを持っており、量産型フォンブレイバー『ジーン』を開発・生産した事もある


【人物背景】

 自分を含む全人類の滅亡を企てている男。
 かつては、サイバー犯罪を取り締まるための秘密機関『アンダーアンカー』のエージェントであり、フォンブレイバー・ファイブのバディ候補。
 しかし、ファイブの破損時に脱退し、以後はサイバー犯罪者として定職を持たずに行動していた。
 後に、量産型フォンブレイバー・ジーンの生産で成功し、フラネット社を興し、イケメン実業家として広告に出る。
 だが、ジーンは人類抹殺の計画の為のシステムでもあり、最終回ではジーンによって多くの人間が犠牲になっていった。
 間明はその直後から聖杯戦争に連れてこられたが、ジーンはただのフォンブレイバーとして普及し、既にスマホやi-phoneの登場によってブームが去った事になっている。


【方針】

 ひとまずは他のマスターを、コンピューターワールドを通じて把握する為、街の監視カメラや携帯電話のデータなどについてシノビラーに偵察させる。
 同時に、彼が製作したアプリゲーム『Grand Order』に埋め込まれた動画で利用者を自殺させ、怪獣『イッポンミチ』によって、ゲームの悪評を隠蔽する。
 これは聖杯戦争と無関係な計画だが、ユーザー数から考えて、マスターへの影響が出る場合も考えうるだろう。

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最終更新:2015年12月08日 02:31