──【無罪】──


 それを勝ち取るのが、弁護士の仕事である。
 ……いや、こう言っては語弊があるかもしれない。
 多くの弁護士は、無罪までは勝ち取れない。
 勿論、できれば無罪にすべきなのであるが、本来の場合、多くの事件は「有罪」で処理され、実際には減刑をするのが彼らの仕事のようになっている。
 その為、「無罪を勝ち取るのが弁護士の仕事」というのは、あくまで彼のポリシーだ。

 彼は社会のあるムジュンに鋭く目を尖らせ、無罪を獲得しようとしていた。


──【冤罪】──


 大事な親友に着せられた冤罪。
 師匠の妹に着せられた冤罪。
 自分自身に着せられた冤罪。

 そう、身に覚えのない罪によって、犯罪者として扱われる社会問題。
 現実には、松本サリン事件や東京電力OL殺人事件、草加事件などが記憶に新しい事だろう。
 かの有名な三億円事件においても冤罪で逮捕され、実名を世界中に公表された被害者もいた。

 成歩堂龍一が生きる世界でも、そんな冤罪事件が当たり前になっている。いや、現実以上の多くの冤罪事件が起きている。
 たとえ、どんな事件でも、容疑者が逮捕され次第、その多くが有罪となるのが、やはり世界の常であった。
 中には、到底ありえないような杜撰な証拠捜査によって起きてしまった冤罪事件も多数存在する。

 そんな最悪な世界にしたのは、その世界にだけ存在するある最悪の法律である。

 ──序審法廷制度。
 多発する凶悪事件を迅速に処理する為、「最大でも三日以内に全ての刑事事件・民事事件の審理を終わらせる」という、現代社会の負の法曹システム。
 僅か三日で捜査官、検察官、弁護士の全てが事件の証拠を確認し、判決を下さなければならないという、弁護士、検事、裁判官、被告人、証人の誰にとっても過酷なルールだ。

 勿論、その短期間では多くのミスが生じ、まともな判決など期待できようはずもない。
 弁護士は、常に逆境に立たされる。それでも、被告人の無罪を信じ、誰も傾けてはくれない「やっていない」の一言に耳を澄ます。
 検察官は、刑事の捜査を信じ、全ての犯罪を「有罪」で処理しようとする。 
 そんな正義だけで回っていればまだしも、中には「法曹界の闇」と呼ばれる証拠のねつ造・隠ぺいの案件も山ほどあるらしい。

 だから、「逆転裁判」こそが、成歩堂のような弁護士たちに強いられた戦いだった──。

 しかし──。

 ある日。
 成歩堂の弁護士人生の中で、最も凶悪な事件において、成歩堂龍一は弁護士として「勝利」し、そして己の正義が「敗北」した……。






──【無罪】──


 その響きは、本来なら喜ばしいはずの物である──。
 だが、その日は違った。

 裁判長が小槌を叩き、被告人の無罪があの日、確定した。
 同時に、別の罪もない人間に殺人の疑いがかけられる事になったのである。

 弁護士にとって、被告人を無罪に出来るというのは喜ばしい事であり、また、同時に被告人を祝福すべき場面だ。
 成歩堂はこれまで、何度もそうして来た。
 被告人を信頼して来たからである。

 しかし。

 ……あの事件の場合、犯人はまぎれもない、被告人だった。

 勿論、成歩堂も全ての犯人を無罪にするわけではない。殺人を行った者は、勿論相応の罰を被るべきであると考えている。
 それが彼や、師匠の千尋や、検事の御剣が信じてきた「正義」である。
 真実を最優先とし、己の職務を決して勝利だけに囚われずに考える信念──成歩堂は、数日前、それを失ってしまった。
 成歩堂がこれまで掲げてきた、司法に携わる人間としての正義は奪われ、その重圧のあまり、弁護士の資格を返還する事さえも頭を過る。


「‥‥マヨイちゃん、僕は‥‥」


 そんな彼が殺人犯を無罪にした事にも、勿論、理由はあった。
 成歩堂の助手である綾里真宵が誘拐され、被告人の無罪を誘拐犯によって要求されたのである。
 成歩堂も最初は被告人も信じて、彼を助ける為に無罪の証拠を集めた。
 だが、現実は違ったのだ。

 ……被告人は、殺し屋に依頼し、実質的に殺人を行っていた。
 真宵を誘拐したのは、その殺し屋であった。
 大事な真宵が誘拐犯に殺されないよう、上手く弁護をしながら、しかし有罪の犯人をどうすべきか──成歩堂は、有罪と無罪の板挟みで、三日間を悩み続けた。
 だが、その調整が難しく、だんだんと、成歩堂の思惑とは裏腹に、局面は「無罪」に偏っていく事になった。
 無罪にしたくはないが、しかし、成歩堂は水面下で危機に晒され続ける真宵をどうしても救わねばならなかった。
 彼女は、大事な師匠から預かった家族であり、成歩堂にとっても家族のような存在だったのだ。
 ……やがて、被告人の代わりに、別の人間が犯人に仕立てられようとしていた。


──【無罪】──


 そして、その審理は、全く罪のない人間に罪を被せ、殺人犯を無罪にする形で、閉廷した。
 その後、成歩堂が罪を被せた人間は、有罪判決を受け──この事件は、表向きには、終わった。


「────」


 ……あの誘拐犯は義理堅い人間だ。
 真宵は、きっと解放されただろう。
 しかし、彼女に会いに行く事はもうできない。

 成歩堂は自分の信じるべき正義を失っていた。
 そして、弁護士のバッジももう、投げ捨てようとしていた。






「────それがおそらく、マスターをここに呼んだ願いだ」


 ……気づけば、成歩堂はこの聖杯戦争の只中にいた。
 セイバーのサーヴァントに今日までの全てを話し、それをヒントにしてセイバーは、彼がここに来た理由を解説する。

 セイバーは、成歩堂によく似た髪型をしていた。ワックスでも再現できないようなツンツンヘアーである。
 実のところ、成歩堂もセイバーも、これが地毛で、ワックスで直そうとしても直る事のない剛毛なのだが、それはまだ良い。
 セイバーも、その髪型以外は傍目には凄く普通の人間に見える外見であった。取り立てて美男子に見えるほどでもないが、見る人が見ればハンサムな顔立ちかもしれない。
 実は、彼はかつて、日本海軍の大尉まで上り詰めた男であり、更に言えば、本来女性にしか扱えないはずの「霊力」を持つ特異体質の人間である。
 英霊なる者の多くそうした逸話を持つ人間や伝承であり、それが実体化した物らしい。

 名を、大神一郎。
 裏では、帝国華撃団、巴里華撃団──そして、大神華撃団という部隊を率いた隊長であった。
 最終的には帝国華撃団の総司令の座に就いたと言う記録も残っている。
 おそらくは、彼の全盛期であるその時期が、今の彼の姿である。


「きっと、その願いと……その霊力の勾玉が結びついて、マスターをここに呼んだんだと思う」


 成歩堂は、そう言われてはっとする。
 成歩堂の懐には、緑の勾玉があった。これは、綾里家の少女に託された「霊力」を持つ勾玉である。
 セイバーは、その存在を一瞬で看破した。霊力を込めた勾玉にふと気づき、それの存在を示したのである。
 それは、やはりセイバーには並々ならぬ霊力の素養があるという事であった。

 こうして、「聖杯戦争」などセイバーの話す荒唐無稽な言葉を成歩堂があっさりと信じる事が出来るのは、成歩堂がこの「勾玉」を所持していたからだ。
 この勾玉がある限り、法廷以外の場所でナルホドに嘘をつく事はできないのである。
 それというのも、この勾玉に込められた霊力のお陰で、成歩堂は「サイコ・ロック」という特殊能力を発現できる。
 人間の心に閉ざされた闇や嘘が見抜けるようになったのだ。
 仮にセイバーが成歩堂の前で嘘をついているのならば、「サイコ・ロック」が即座に発動し、セイバーの目の前に幾つもの赤い錠前がかかる事になる。
 成歩堂は、普段、あらゆる証拠をつきつけて、サイコ・ロックを解除していくのだが、現状、セイバーを相手には、全く、そんな事をする必要はなかった。
 つまり、彼は聖杯戦争の話に関して、一切嘘をついていないという事になる。

 実際のところ、この勾玉の加護そのものが霊力の結晶なのだし、現実に「霊媒」を行う人間がいる事も彼はよく知っている。
 この英霊を疑う余地はない、と成歩堂は判断した。
 セイバーが話した聖杯戦争の話は全て本当だ、とひとまず結論づける。


「‥‥だとしても、一体僕はどうすればいいんだ‥‥」


 だが、結局、聖杯戦争という希望を聞かされても、成歩堂にあるのは、強い落胆のムードであった。
 椅子に座し、頭を抱え、蹲るような姿勢で、セイバーにはまるで成歩堂が何も耳に入れる気配がないようにも見えた。
 しかし、一応は全て聞いているようで、成歩堂とセイバーとの会話は何の問題もなく成立していた。
 セイバーは、促すように毅然として続けた。


「俺がマスターに与えられる選択肢は二つだ。よく聞いて、選んでほしい」


 サーヴァントが本来マスターに従う物であるように、セイバーもまた、成歩堂にも比較的従順であった。
 成歩堂は少し顔を上げ、セイバーを見た。
 真剣なまなざしで、セイバーは成歩堂に語る。


「一つは、この聖杯戦争に乗り、聖杯を得てマスターの願望をやり直す事。その為に、サーヴァントである俺を使うのも構わない。
 ただし、俺の主義として、無抵抗の相手や民間人を巻き添えにする事は絶対にしない。
 それでも、もしマスターに闘う覚悟があるならば、俺は出来る限り協力するつもりだ」


 それは、即ち、他のマスターやサーヴァントなどの犠牲者を生みだす事に等しい判断だろう。
 正義を翳してきた大神一郎という男にとって、他のマスターやサーヴァントをごく個人的な何かの為に積極的に刈り取る事は屈辱に違いないが、もし、セイバーが成歩堂の願いに従えば、成歩堂の世界では一人の女性が冤罪を免れ、また、一人の犯罪者が刑務所に入る事になる。
 そして、逆に、セイバーがマスターの願いを拒めば、一人の女性が冤罪を被ったまま、犯罪者が野放しにされてしまうという事でもあった。
 それもまた、セイバーにとって好ましくない事であるのも事実だ。
 サーヴァントとして顕現した以上、その判断はマスターにゆだねるしかない。


「そして、もう一つは、マスターの正義を取り戻し、それを示す事だ。
 それは、マスター自身の意志が大きく関わる。何を正義とするのか、何を守ろうとするのか……」


 それは、ここでもまた、あの女性のような犠牲を作らないという事──弁護士としてやって来たように、弱い者の味方であり続ける事だ。
 しかし、かつて成歩堂はその正義を捨ててしまった。
 少女一人を救う為に、別の誰かを犠牲にしてしまい、弁護士としての人生を終えようとしているのが今の成歩堂である。
 どちらも救い出せる奇跡は、あの時は起こらなかった。
 いや、奇跡は、起こらないからこそ奇跡なのだ……。それを可能にできるのは、唯一、聖杯のみであった。

 だからこそ。
 選ぶのは難しかった。
 選びあぐねた結果が今の惨状であるが、やはり成歩堂は選択するのが下手であったのかもしれない。
 二つの選択肢を上手に得ようとすると、事態は最悪の形で収束する。
 それを痛い程分かっていたはずなのに。


「‥‥ごめん。僕には、まだ判断ができない‥‥」


 正義を選ぶ事は、成歩堂の弱さが原因で殺人の汚名を着せられた女性を、裏切る行為に思えた。
 そして、何より、一度、誰かの為に捨ててしまった選択肢を、再び選ぶのは、難しかった。
 本心ではそれを選びたいようで、やはり、その為にまた誰かを犠牲にするのは不条理な事でしかなかった。


──【贖罪】──


 それに適切な行為は、正義か、あるいは、戦争か。
 そう問われた時、本当に償うべき相手にとって、今は後者が意味があると思えた。
 成歩堂は、誰にも信じてもらえず、孤独の中で覚えのない罪を着せられた人間がいかに苦しいかを、幼い時から知っている。
 だからこそ、弁護士になり、弁護士であり続けた。それは大事な友の為でもあり、自分の正義の為であったはずだ。
 しかし、あの無罪判決は、そんな成歩堂の正義を揺らがせたのだ。

 それを考えれば、戦うという行為は至極当然かもしれない。
 だが、安易にそれを選べないのが成歩堂に残る本能的な正義だった。


「……無理もない。俺でもきっと、同じ状況なら迷うだろう」


 セイバーは、そんな言葉をかけた。
 悩みあぐねる成歩堂の姿を見て、あまり急いてはならないと思ったのだろう。

 セイバーにも、大切な女性はいる。何人だっている。
 彼女たちが人質にされた時、大神一郎は最初に、どうしようもない程悩むだろう。
 彼も、生前は優柔不断だと言われ続けた男だ。

 帝都と、彼女たち。どちらが大切か──と、問われた事もある。

 勿論、大神の圧倒的な力は、人質の救出と敵の撃退を同時に行う事も可能であったし、「両方を救う」という絶対的な選択肢があった。

 そう、かつて。
 同じ事があった。
 一人の女性の命と引き換えに帝都を守る手段があったが、生前の大神はその手段を自ら破壊した。
 誰かの犠牲のもとに救われる帝都などあってはならない──その信念の下に。
 結果、大神一郎は、その乙女の命も、帝都の平和も守る事に成功した。それだけの力があったからだ。

 しかし、二つを救えるだけの力がなかった成歩堂は、悪の力に屈し、正義を捨てて誰かを救うしかなかったのである。
 それと同じく、綾里真宵という少女が、成歩堂龍一にとってかけがえのない存在だったのは想像に難くない。
 恋愛感情であったのか、それとも師匠の妹だったからか、家族のように思っていたからなのかはセイバーにはわからない。
 成歩堂はそれから再び顔を上げ、セイバーに吐露した。


「‥‥正直言えば、聖杯は欲しいよ。だけど、敗れたマスターは消えてしまうんだろう?」

「ああ。おそらく……そうだと思う。俺も、マスターがどちらを選んでもそれを考慮した上で、敵を倒すつもりだ。
 敵のマスターの墓標を作る……そんな覚悟で」

「じゃあ、そんな人たちを巻き添えにはできない。どっちにしろ、マヨイちゃんにも、チヒロさんにも顔向けできない気がするんだ‥‥」

「……」


 セイバーも、やはり、成歩堂の判断がつかないのは無理もないと判断したようである。
 それから、少しだけ時間が経ったが、セイバーが急かす様子がないという事に気づいたのか、成歩堂は、結局、この日はこう結論した。


「‥‥ごめん。やっぱり、しばらく、考えさせてほしい」

「ああ。聖杯戦争の実態を見てからでも決して遅くはない。俺は、マスターの判断を待つよ」



 正義を果たせた男と、正義を果たせなかった男。
 二人は、こうして出会った。



【クラス】
セイバー


【真名】
大神一郎@サクラ大戦シリーズ


【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力B 幸運B 宝具A~D(EX)


【属性】
秩序・善


【クラススキル】

対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
 大抵の動物、乗り物を乗りこなしてしまう技能。
 幻想種(魔獣・聖獣)を乗りこなすことはできない。


【保有スキル】

霊力:B
 魔力に代わる彼の類似の能力。
 男性ながらにして高い霊力素養があり、霊子甲冑も自在に操る事ができる。

カリスマ:A+
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
 個性豊かな隊員をまとめ上げるカリスマ性を持ち、都市の信頼を勝ち取る。これは、特に女性に対して強い効力を発揮する。

呪縛:D
 シャワーの音が聞こえると体が勝手に風呂場の方に動いてしまう保有スキル。
 魔力(霊力)、又は強い意志で辛うじて抑え込む事ができる。


【下のスキルは、戦闘中、そのターンに実行している作戦によっていずれか一つが使用可能になる】

戦闘続行:A
 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。

仕切り直し:B
 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。


【宝具】

『霊子甲冑』
ランク:A~D 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~1000
 高い霊力を持つ者だけが操る事が出来る鎧のようなメカ。
 一見すると搭乗型巨大ロボットのようでもあるが、その性質上、騎乗スキルの有無に関わらず使用可能であり、セイバーもこれを手足のように自在に操る際は持っているスキル以上の実力を発揮する。
 生前のセイバーには、光武、光武改、光武二式、光武F、光武F2、神武、天武など、あらゆる機体を繰った伝説が残っている為、いずれかを選択して現界させて戦う。
 これは強力であればあるほど魔力消費が絶大になってしまうが、セイバーの実力ならば最弱の光武でも並のサーヴァントを相手に出来るだろう。
 この『霊子甲冑』を纏えば、筋力・耐久のステータスがAランクやA+ランクまで上昇し、魔族・魔物・魔獣などの怪物や巨大な機械などとも互角の戦闘を可能にする。
 しかし、一方で、どの機体を使用しても敏捷のステータスがDランクまで下降する。まさに甲冑の如き宝具である。
 セイバーの機体は、彼の特性に合わせて、いずれもシルスウス鋼製の二刀流を装備している。

『神刀滅却』
『光刀無形』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~100
 二剣二刀と呼ばれる二つの剣、二つの刀の内、大神一郎が譲り受けた二刀。対になって初めて宝具となる。
 いずれも高い霊力が込められており、それぞれ所有者の運命を狂わす加護がある。
 光刀無形は、所持者に希望と野望・野心を達成する強い力を与える伝説があり、かつてこの所有者である山崎真之介が葵叉丹として悪に堕ちた事もある。
 神刀滅却は、所持者に人を統率し正しい方向へと導く力を授ける伝説があり、元々は帝国華撃団の前司令である米田一基の所持品だったが彼が譲り受けた。
 ライダーは二刀流の使い手である為、この二刀を使って生身でも自在に戦闘する事が可能。

『狼虎滅却・震天動地』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:∞ 最大補足:∞
 帝都と巴里、二つの街を守った時に多くの人と信頼と絆を受けた大神一郎のみが使える最大級の技──それが、この宝具である。
 ここでも彼が受けた信頼の数だけ彼の技は強くなっていくが、『狼虎滅却・震天動地』は、行動・会話の選択肢を一つも間違える事なく、最良の判断を下し続けなければ発動できない。
 故に、使用はほぼ不可能だが、 仮にもし成功すれば、マップ上に存在する全ての敵は成す術なく一瞬で消滅する。
 とはいえ、特定人物との信頼と強く絆を深めた場合、それはこの技の縮小版である『合体技』として発現される事もある。
 合体技は、敵の肉体と精神に多大なダメージを与え、並のサーヴァントならば再起不能レベルに追いやられてしまう。


【weapon】
『神刀滅却』
『光刀無形』


【人物背景】
 太正十二年から太正十六年にかけて帝都、巴里で活躍されたとされる軍人。階級は少尉→中尉→大尉。
 海軍士官学校を主席で卒業。その後、銀座・大帝国劇場にモギリとして配属された。太正十六年に大帝国劇場の支配人となる。
 (公的な記録で残っているのはここまで)

 これらはあまりにも不自然な記録であるが、実は大帝国劇場が普通の劇場であったのは表向きの話。
 大帝国劇場は、秘密防衛組織『帝国華撃団』の拠点であり、舞台で踊る帝国歌劇団のスタアは全員、霊力を有している「花組」の戦士なのである。
 大神一郎は帝国華撃団花組の隊長として、彼女たちの信頼を勝ち取り、黒之巣会や黒鬼会と戦い、これを迎撃。
 二度の帝都防衛に成功した後は、その功績を買われて巴里に派遣され、巴里華撃団の隊長として現地でまたも首都防衛に成功している。
 これらの功績により、二十四歳にして帝国華撃団総司令にまで出世する。
 また、帝国華撃団及び巴里華撃団の十三名の女性隊員は殆ど、彼に対して恋愛感情を抱いていたとされ、他にも彼に好意を持つ女性、男性は数知れなかったと言われている。


【サーヴァントとしての願い】
 あくまで自分の正義を貫くが、聖杯戦争におけるスタンスはマスターの決めた方針に委ねるつもりである。
 しかし、肝心のマスターがまだ方針を固めていないので、現状は難しい。



【マスター】

成歩堂龍一@逆転裁判2


【マスターとしての願い】

 2の最終話『さらば、逆転』で出た「無罪判決」のやり直し


【証拠品(weapon)】


『弁護士バッジ』
 ぼくの身分を証明してくれる大切なバッジだ。
 しかし、これをどうしようか悩んでいる。

『真宵の勾玉』
 にぶく透きとおっている。
 フシギな光を放っているように見える。


【能力・技能】

 司法試験に合格するエリートのはずだが、法律にはあまり詳しくない。
 というか、元々、法学部ですらなく、奇跡的に合格しただけ。
 特技はハッタリと、人の嘘を見抜く事である。
 運動神経も低く、機械も苦手で、運転免許は持っていない(資格は弁護士バッジのみ)。
 はっきり言って、推理力とハッタリ以外に取り立てて挙げられるような特技はないだろう。


【人物背景】

 逆転裁判2の最終話のバッドエンドより参戦。
 被告人の無罪を信じて戦い、多くの冤罪事件を解決してきた正義の弁護士だったが、助手を人質に取られた事件において、殺人の罪を無実の人間に着せて無罪判決を勝ち取る結末を迎える。
 結果的に彼は信じるべき正義を失い、街を出た。
 殺し屋から解放されたであろう大事な助手とも会っておらず、精神は半ばダルホドくん状態になりつつある。


【方針】

 聖杯戦争に乗るか、それとも聖杯に反旗を翻して正義を取り戻すか。
 今はまだ決めかねる。

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最終更新:2015年12月15日 22:32