Vol 3「ミノルタXE・XEbのフィルムカウンタにバックライトをつける」


このページは2本立て構成です。

XEb編

最近、私は夜景を撮影することが多いのですが、暗いところではフィルムカウンタが見えないんですね。
SR-T101のように上にカウンタがあるのならともかく、背面にカウンタのあるXEbではまったく見えません。
ところで、このカメラにはバッテリーチェッカーがあります。

通常だと、バッテリーチェッカーとして光っているのは当然まだLED(発光ダイオード)では無く小さい電球(麦球)です。
小さくても一種の白熱灯ですから、電池をチェックするとそれなりに電力を消耗します。
まず手始めに、これをLEDに変えてみようと思いました。

※ある程度の電気的知識、ハンダ付け技術を要する作業です。作業は自己責任でお願いいたします。またこの作業を皆様にお勧めしているわけではありません。
たいしたことではありませんがこれでも改造したことになります。決して自分が手を加えたカメラを、「完動品」「マイナーチェンジ」と称して売ったりすることのないようにしてください。

小さいのが今回使った松下の点発光型LED。大きいほうは一般的な5mm径LED。
麦球は3mm径程度なので、5mm球は大きすぎる。

とりあえず、これを麦球と同じように仮止めして通電させると、ちゃんと光ります。
(麦球は1V程度でも点灯しますが、LEDは3V位の電圧が無いと点灯しませんので、このように電圧が足りているかチェックする必要があります。ちなみに実際の電圧は3V弱ですので、青や白のLEDを光らせるのには電圧不足です)

というわけで麦球を外して、LEDに交換します。ダイオードには極性がありますから、極性を正しくつけないと通電しません。一般的なLEDは+側(アノード)の方が-側(カソード)に比べ足が長くなっていますが、今回使用したLEDは赤いマークがあり太い端子がカソードで、細い方がアノードです。
カメラの基盤表面の端子がカソード、スイッチ電極側がアノードになります。
普通の3mm球ならそのまま足の長さを調整すれば難なく入ると思いますが、今回使用したLEDはアノード側の端子が届かないので、麦球のついていたスイッチの根元の穴ではなく、真ん中よりちょっと根元側の部分につけました。(スイッチ部分にも普通の半田でちゃんとつきます。)
少々スイッチが硬くなりましたが、しっかり点灯しましたのでOKとしましょう。

今度は同じLEDをもう1個使って、フィルムカウンタの方へLEDを持って来れないか、観察してみました。
すると、見事にアイピースの上、シャッターダイヤルの手前の配線受け、そしてフィルムカウンタの横にスペースが存在しています。これは・・・いけるぞ!(爆)
※こちらは一般的な3mm球では厳しいかもしれません、先端を削れば入るかも???

今度はLEDと新しく用意したリード線をハンダでつなぎ合わせます。
双方、まずは半田だけをメッキします。その後LEDと配線を接合します。カソード側が黒の配線になるようにします。アノード側は黒以外の何色でもかまいません。ここでは水色のリード線を使用しました(他にカメラの中で使われていない色なので分かりやすいです)。
その後、LED部分をフィルムカウンターの形に合わせて変形させます。
変形させたら、ビニールテープで絶縁します。
フィルムカウンターとちょっとでも干渉するとフィルムカウンターが動かなくなりますからしっかり整形します。

LEDを収めたら、配線を通すわけですが、元から配線を通すレールがあります。ここにLED配線をテープでくくりつけます。
アイピースの上を通して、巻き戻し側へ持って行きます。
アイピースの上を通っている、水色と黒のねじり線がLEDの配線です。

今度は電源に接続するわけですが、バッテリーチェッカーの周りの狭い空間に2本とも配線を持っていくときついので、カソード側は手前の配線パターンがつながっているところにつけます。
□の部分ですね。ちょっと分かりにくい写真ですが現物の配線パターンを見れば分かります、バッテリーチェッカーとつながっていますので。
ここにカソ-ド端子を接続します。ちょっとここは絶縁が心配なので軍艦の内側にテープを貼り付けて、端子が軍艦の金属面に接触しないようにしています。

アノード側は、バッテリーチェッカーのスイッチにハンダ付けするのが簡単です。
付けたら、バッテリーチェッカーを押してみましょう!
点きました!大成功です。
あとは慎重にトップカバーをつけるだけです。

これで、暗いところでもフィルム残数が読めるようになりました!

※フィルムカウンターの裏蓋連動部の周りをしっかり遮光しないとLEDの光がフィルムに悪影響を及ぼします。

XE編

後日XEが手に入ったので、XEにも照明が追加できるかやってみましたが、追加できました。
XEbもメンテナンスしたので配線をやり直すことにしました。というのも、今までの配線は無駄があったのです。

何もスイッチのところまで配線を引き回さなくても、
写真のEのところにLEDのアノードをつなげて、カソードを適当なグランドに落としておけばよかったのです。
写真はXEbのもので、3mmφの高輝度緑LEDを使用しました。赤い線がアノードに繋がっていて、LEDのカソードは足を複雑に曲げてDのICの上のネジで締めこんでいます。こうすることで、カソードの足がLED自体を固定する役割もかねています。
XEでは、黄色の1.6x0.8mm(1608サイズ)チップLEDを同様の配線でつなぎました。チップ部品は手で半田づけすることを想定していないので、慣れないととても苦労します(特にこのような空中配線の場合は大変難しいです)。
いずれもトップカバーの裏側にアルミテープを張って反射させています。

結果はこの通り。
XE XEb
フィルムが入っていないので画像では分かりませんが、XEではフィルムインジケーターも光って見えます。


2010年6月追記

XEの絞り直読窓にもLEDを追加し暗所で読めるようにしました。
ごく単純に配線を引き回して、直読み窓の視野を覆わずに光が絞りリングに当たるような位置にLEDを固定するだけです・・・が。
1608サイズのLEDでもサイズ(厚み)的にぎりぎりです。(1608サイズLEDに直接リード線をはんだ付けするのですから当り前ですが、はんだ付けには相当の技量を要すると思ってください)
チップLEDの端子は裏側ですからボディとは絶縁しなければいけません。そのためにセロファンテープ1枚貼るのですがその厚みほどの余裕もほとんどありませんでした。

今回手持ちの関係でオレンジのLEDを使いましたが、黄色や緑にすべきでした。オレンジだとMDレンズの最小絞りを示す緑色の数字がオレンジの補色なので照らしてもよく見えません。



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最終更新:2010年07月08日 04:19