ハルヒ「ちょっとキョン!コンビニでプリン買ってきて!みんなの分もね。」
また回避不能の強制イベント発動か。だが一応否定はしておくか。

キョン「何で俺が行かなきゃならん。食いたいなら自分で(ry」
ハルヒ「何度も言わせるな!アンタはSOS団の雑用(ry」

こうして俺はコンビニに向かうためにこの坂道を下っているわけだが、いいかげん俺もストレスが溜まってきたぞ。
ハルヒを不機嫌にさせて閉鎖空間とやらを発動させないためにも耐え忍ぶのが俺の使命なんだろうが
そろそろ限界に近い。どうにかしてあの天上天下唯我独尊女に一矢報いたい。
コンビニでプリンを買い、坂道を登りながらハルヒにどのような仕打ちをしてやろうかを考えた。

あまりやりすぎると世界が崩壊させられるかもしれんしな・・・。
よし、これにしよう。

俺の考えたハルヒへの復讐プランは、ゴキブリやカエル、蜘蛛やミミズといった女子が
嫌う小動物をハルヒの団長机に入れておき、ハルヒが開けたときの反応を見るというものだ。

そこ、笑っていいぞ。小学生レベルのイタズラだが、あの神様に対して度の超えたイタズラを
しちまうと先も述べたとおり世界が終わりかねないのでね。触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものだが、
すこ~し触る程度なら大丈夫だろう。

部室に戻って団員の皆様にプリンをお配りしてやった。
団長様はお礼の一つも言わずに うっれしそうにプリンをむさぼっている。
今に見てろ。その自慢に満ちた面を恐怖に歪ませてやる。
ハルヒがゴキブリやカエルなんかにビビるとは到底思えないがそれでも何か反応は示してくれるだろ。

部活が終わったあと、チャリで近所の川辺までカエルを捕りに行った。この季節だ、いくらでもいるだろ。
欲を言えばでかいウシガエル的なものが欲しかったが、さすがに捕まえるのに苦労しそうだし、明日の部活まで
自分の部屋、教室で保存するのは忍びない。アマガエルを数匹水槽に入れて川辺を後にしようとすると、
イモリが俺の靴に乗っかっていた。

キョン「お前も俺の復讐に協力してくれるのか。よしよし」
イモリも捕まえて水槽にブチ込んでやった。思いがけない収穫だ。

家に帰り、次はゴキブリや蜘蛛を収穫しようと家内を隅々まで探索したが、こういう害虫は出てきてほしいときに
出てこないもので、なかなか見つからなかった。いらん時に出てきて人を驚かせるくせに、調子のいい奴らだ。
だが代わりに面白いものを発見した。カマドウマだ。これはいいぞ。適度に気味が悪い。あの事件のこともあって、
俺には余計に気味悪く見えたが、それでもこの状況においては嬉しい誤算であり、二つ目の水槽にブチ込んだ。

その後も庭にいたコオロギやらバッタやらを捕獲して、その日は終わった。
ベッドに入って明日のハルヒの驚く顔を想像すると興奮して眠れなかった。本当ガキだな俺は。
こんなものでも少しは驚いてくれるだろう。

淡い期待を胸に、眠りについた。

翌日は少し早く置き、3つ目の水槽に土を詰めてその中にミミズを入れた。
三つの小さい水槽をサブバックに入れ、学校へ向かった。坂道をこんなに軽やかな気分で登れるのは貴重だ。

教室に入るとハルヒが既におり、案の定サブバックの中身を問われた。
ハルヒ「アンタなんでカバン二つも持ってきてるの?」
キョン「ああこれか?部活まで内緒だ。楽しみにしてろよ」
ハルヒ「何何?アンタからサプライズを提供してくれるなんて珍しいじゃない!そのサプライズの内容次第ではアンタを
   ただの雑用から格上げして雑用王に認定してあげるわ!期待を裏切るようなことしないでよね。」

プククw 何をうれしそうにしてるんだこのアホはw このバッグの中にお前を違う意味で驚かせるサプライズが
ウヨウヨ・ガサガサしてることも知らずにw ヤバイ、余計に楽しみが増してきた。

授業が終わった後、俺は本日掃除当番のハルヒに部室の鍵をもらい、急いで部室に向かった。
全速力で走ったね。だって部室に既に誰かが居たら計画を実行できないじゃないか。
頼む、俺が一番であってくれ!

ドアを開けるとそこには・・・・よかった!誰もいない!
俺はカバンの三つの水槽を取り出し、団長机の引き出しを開け、水槽の中身を全て机の引き出しの中にブチまけ、閉じた。

プッククw やっちゃった! もう後戻りはできない。ハルヒの奴、どんな顔するだろうな。

そうこうしてるうちに暇な団員どもがぞくぞく揃い、朝比奈さんのお茶を飲みながら古泉のバカとゲームをしてハルヒを待った。

古泉「どうしたんです?今日はやけに機嫌がいいじゃないですか。便の切れでもよかったのですか?」
キョン「今日は面白いものが見れるぞ。お前も楽しみにしておけ。」

朝比奈さん「えー何ですか面白いものって?教えてくださいよ。」
キョン「それをここで言ったら面白さが半減しちゃいますからね。」

長門「・・・・・・」

ガチャ

ハルヒ「ヤッホー!遅れてごめーん! キョン! 早くアンタの持ってきたサプライズを見せて頂戴!」
キョン「ああわかった。まあその前にお前も座れよ。」

ハルヒは100万ドルの笑顔で走って自分の机に向かい、座った。
すごい嬉しそうな顔だなw その顔が数秒後には崩れると思うとたまらないぜw
古泉達も興味津々そうにしている。




・・・それにしても、笑顔のハルヒって可愛いな・・・




毎日こんな顔でいてくれてたら俺もこんなことは考えなかったのによ。
いっつも いっつも 俺のことを雑用係だとか言ってコキ使いやがって。
喫茶店でも毎週毎週おごらされてて俺の財布は重くなることがない。
おまけにコイツの機嫌を損なうと世界が終わるときたもんだ。そのせいで俺は表立って反論もできない。
だが今日だけは! 焼け石に水程度の反乱だが、それでもお前に一矢報いてやるんだ。
俺のサプライズを受け取れ!

キョン「俺の持ってきたサプライズだが・・・ハルヒ、机の引き出しを開けてくれ。」

ハルヒ「あら?この中に既に入れてあるのね? 何かな~・・・?」

ガラッ!

机からカエルが飛び出し、ハルヒの手にくっ付いた。
イモリがカサカサと机の中を這い回っている。
カマドウマがハルヒの胸に飛び移った。
コオロギがハルヒの頭に飛び移った。
バッタが飛び出し、部屋中を飛び回っている。
ミミズが机の中でウニョウニョと這いつくばっている。

↑これらは全て一瞬の出来事だ。
ハルヒは机を開けると同時にこれらの攻撃を同時に受けた。






ハルヒ「 ヒッ!  キャアアアアアアア――――――――――――ー―ー――――――ッ!!!!!」





ハルヒは↑のように叫びながら、両手を上に挙げ、体を後ろに反るように驚いてた。
その反りようは凄まじく、そのまま椅子とともに後ろに転倒した。 
ガタン!と凄い音がした。

キョン「ギャハハハハハハハハハハ!ww ・・・アハ!アハ!アハー!ブハハハハハハハハハ!」
俺は年甲斐もなく大笑いしてしまった。だってあのハルヒが悲鳴あげて驚いてるんだぜ?w
おまけに椅子ごと派手に転倒しやがったw まさかここまでの結果になるとは思わなかった。
机の向こう側でハルヒがどんな表情や格好をしているか知らないが、きっとすごく惨めな姿になっているに違いない。

キョン「おいみんな見たか!?w あのハルヒの驚き方w」

すると机の向こうからすすり泣く音が聞こえてきた。

ハルヒ「・・・・・クスン・・・・・・・・クスン・・・・・・・・・・・」
みくる「涼宮さん・・・」
朝比奈さんがハルヒに向かって走り出した。するとハルヒが本格的に泣き出しやがった。

ハルヒ「う・・・う・・・ ふええええぇぇぇぇぇぇぇぇんん・・・・・・・・・・」
ハルヒは両手で顔を覆って泣いていた。
その泣き方ってのが幼稚園児の女の子が本気で泣いてるときの泣き方に似てて、コイツは本当に恐い思いをしたんだなあと思った。

ハルヒ「うう、うう、 うええん・・・・ グスッ グスッ」
みくる「涼宮さん、今日は帰りましょうか。一緒に帰りましょう」
朝比奈さんがキッと俺を睨んでから、顔を抑えて泣いているハルヒを抱きながら部室を出て行った。

古泉「さて、僕も失礼させていただきます。バイトが忙しくなりそうなのでね。どっかのバカが器の小さいテロを行ったせいでね。」
そう言って古泉も溜め息をして出て行った。

長門「・・・・・・・」
長門は無言で俺に近寄り、ポンと肩を叩いてくれた。長門、お前は優しい奴だな・・・。

長門は俺に何かを差し出した。こ、これは・・・

おしゃぶり と 紙オムツ !

長門も出て行った。


俺、やりすぎたのかな・・?

復讐は上手いこと成功したというのに、何故かスッキリしない。
あんな風に泣かれちゃうとはな。アイツも普段は強気で男勝りに振舞ってても、やっぱり女の子なんだな・・・。

あんなに楽しそうにしていたハルヒの笑顔を壊してしまったことを俺はすごく後悔していた。

やっぱりアイツの泣き顔なんか見ても面白くない。
いつも笑顔で元気にバカやってるアイツが好きなんだ。
今になって自分がガキ臭い阿呆なことをしてしまったことに気付いた。
明日は素直に謝ろう。


翌日、教室にて
ハルヒは既に教室に来ていた。いつものように頬杖をついて窓の外を眺めていた。
キョン「ようハルヒ」
ハルヒ「・・・」
キョン「昨日は・・・ゴメンな。」
ハルヒ「いいわよ別に。あんなもので驚いて泣いちゃうあたしもあたしだわ。こんなんじゃ街中で不思議を発見しても
   まともな対応ができないわね。少し自分の身の程を知ったわ・・・。」

担任が来たので俺は前を向いた。
ハルヒはとくに怒ってる様子はなかったが、すごく悲しそうな表情をしていた。
俺の下らないイタズラのためにハルヒはすっかり落ち込んでしまったようだ。

ハルヒはその日の放課後の部活に顔を出さなかった。
古泉もバイトがあるらしく、俺の頭を撫でて「いい子にしてるんでちゅよー僕ちゃん」と言ってから帰っていった。今日だけはコイツに頭が上がらない。
神人狩り頑張れ。

みくる「キョン君、涼宮さんにはちゃんと謝りました?」
キョン「謝りましたよ。でもハルヒは怒ってなかったんです。あのくらいで驚いた自分が情けないと言ってて、それで元気がないんです」
みくる「そうですか・・・。何とか元気付けてあげられないかな・・・」


長門「パーティー」
キョン「え?」
長門「涼宮ハルヒが生誕したとされる日が近い。いわゆる誕生日というもの。」
古泉「涼宮さんは誕生日を友人に祝ってもらったのは小学生のころが最後らしいですね。中学では誰からも祝ってもらえなかったようなので
  誕生日に対してトラウマがあり、今まで僕たちに誕生日のことは黙っていたようです。ここで僕たちが祝ってあげれば、
  きっと喜んでくれますよ。」
キョン「お前いつ戻ってきたんだよ」
古泉「つい先ほどです。神人もだいぶ落ち着いてきたので僕は監視の任務に戻れと。」
みくる「でもいいですねパーティー。やりましょうよ。」

あいつに笑顔が戻ってくれれば幸いだ。一肌脱いでやるか。
俺達はハルヒにバレないようにパーティーの準備を進めた。場所は長門のマンション。
今回のことで気付いた。俺はアイツのことが・・・

この気持ちをハルヒへのプレゼントとともに伝えよう

―パーティー当日―

キョン「ハルヒ、俺今日部活休むわ。」
ハルヒ「アンタも?今朝古泉くんと有希からも欠席の連絡を受けたわよ。いっぺんにこんなに休むなんて、
   アンタ達部活サボって遊びに行く気でしょ!?」
キョン「そうじゃねえって。」
ハルヒ「勝手にしろ!」
ハルヒはそっぽ向いて俺と顔を合わせてくれなくなった。
ハルヒ、今日はお前に最高のサプライズをプレゼントするよ。前回のとは比べ物にならないぜ。

授業が終わると同時に俺は長門のマンションへ向かった。
ハルヒを呼び出すのは朝比奈さんの役目だ。

数十分後

古泉「クラッカーの準備はいいですか?そろそろ来ますよ。」
キョン「ああ」

ガチャ

パーン パーン パーン!

「誕生日おめでとう!」

ハルヒ「え?ちょ、何なのアンタ達!」
キョン「今日はお前の誕生日だろ?」
ハルヒ「でもあたし、誰にもそのこと言ってないのに」
キョン「えーと、あれだ。お前の生徒手帳を拾ったときに、見たんだよ」
古泉「すみません涼宮さん、部活をちょくちょく休んでしまって。全部これの準備をするためだったんです。」
長門の部屋はハルヒの誕生パーティー用の装飾品でいっぱいになっていた。
猫マンをかたどった切り絵や、宇宙人の絵などが壁にたくさん貼ってあった。

ハルヒ「・・・ありがと・・・」
キョン「ん?」
ハルヒ「ありがとうって言ってんのよ! さっさとあたし、栄えある涼宮ハルヒ様の生誕記念パーティーを始めなさい!」


まあパーティーと言っても鍋をやったりゲームをやったりバカ騒ぎをしただけだ。
朝比奈さんからは猫マンのでかいぬいぐるみ、長門からは怪しげな黒魔術の本、古泉からはホラー映画のDVD数本をプレゼントに
貰ったハルヒはご機嫌だった。

キョン「最後は俺か・・・。ほら、受け取れよ。///」
丁寧に包装された四角い箱だった。

ハルヒ「・・・開けていい?・・・」
キョン「ああ。中に手紙も入ってるから」


ハルヒは優しく包装紙を剥がし、神妙な面持ちで箱のフタを開けた


その中には・・・・

パーン! パパーン! パパパン!
カサカサカサカサカサカサカサ

ハルヒ「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーー!!」

ハルヒがフタを開けると火薬のようなものが爆発音を鳴らし、さらに10匹ほどのゴキブリがワサワサと出てきた。
「バーカ」と書かれた紙が箱の中に入っている。

ハルヒ「いや・・・イヤ――――――!!」

キョン「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハ!w」

ハルヒ「う・・う・・・うぇぇぇぇぇぇんん・・・・」
また泣いたよコイツw 本当泣き虫だな。

みくる「大丈夫ですか涼宮さん?恐かったね・・・。帰ろ?」
ハルヒ「うううう・・・・」

古泉「ふ~っ・・・。それでは僕も途中までご一緒しますよ。」

ハルヒ・朝比奈さん・古泉は仲良く三人で帰った。

キョン「あ~疲れた。長門、お茶いれてくれるか?」
長門「帰って」
キョン「え?」

ドシャッ!
俺は外に投げ出された

パーティーの翌日
ハルヒに話しかけても反応がない。無視かよ。
放課後、部室に入っても誰も俺と口を聞いてくれない。
キョン「おーいおい、昨日は悪かったって」
ハルヒ「それじゃ、今日はSOS団定例会議を行います」
キョン「なあハルヒ?」
ハルヒ「古泉くん、あの計画は進んでる?」
キョン「え?なになに?古泉、計画ってなに?」
古泉「はい涼宮さん、みんなでハワイに行って不思議を探索するツアーの計画は順調です。」
キョン「ハワイかー。よーし水着を買って(ry」
ハルヒ「メンバーはあたしにみくるちゃんに古泉君に有希に・・・あと鶴屋さんも連れて行きましょう。谷口と国木田も
   荷物持ちにさせるために誘いましょう。以上でいいかしら?」
長門「異議なし」

俺はSOS団に居場所を無くした。

次第にクラスでもシカトされるようになり、SOS団における俺の役割だった雑用は谷口と国木田の役割になっている。
教室でもハルヒと谷口と国木田は仲が良い。
俺はというと、谷口や国木田にすらシカトされる、クラスにおける嫌われ者になってしまった。
全ては俺が調子に乗った挙句に起こるべくして起こった罰。

みんなも調子に乗りすぎには気をつけような。



Bad END

|