【余ったピース】

二度寝をした朝は、へんに体がだるい、ちゃんとベッドに入って寝るんだった。
時計を確認、時間は大丈夫

威勢良く顔を洗い、夜中の考えを整理する
まあ、こんなところかな、今は周をあんまりゴタゴタさせたくない

簡単な朝食をとる
部屋の中に一人え居ると余計なことを考えてしまう
なかり早いけど、でかけよう、

随分早く、待ち合わ場所に到着する、さすがにまだ誰もきていない。
街路樹もだいぶ色づいてきたようだ、まだ落ち葉の季節には少し早い

昨晩だした答えをかみ締める
どうやって話をきりだそうか
「涼宮さん?」

ふと声を掛けられる、2人連れ大学生か、ラフな感じの着こなし、音楽をやっているのか、
一人はギターもう一人はベースを担いでいる

「文化祭行ったよ、今年のステージもよかったよ、涼宮さん」
あたしのキョトンとした顔に笑いをかみ締めるように2人は続ける

「ENOZの中西です」
「同じく舞だよ」

思い出した、去年の文化祭、あたしと有希が飛び入りで参加したバンドのメンバー、
もう卒業しているんで大学生か、あたしの納得した顔をみて

「思い出してくれました」
「待ち合わせですか お・と・も・だ・ち・と」

「そんなんじゃないですよ、部活です、今日はお2人なんですか?」
なにか見透かされているような感じ
「榎本と瑞樹は、学校が別になっちゃてね、今では別のメンバーで組んでるんだ、
だから本当は元ENOZ」
「舞は一緒だよ」

「そうだったんですか」

去年4人あんなに仲よさそうだったのに、時間がたてば、あたし達もいつかは、

「でも、同じ音楽ってベースがあるから」
「どこに居たって気持ちは一緒なのさ」

「なやみごとでも?」
「そんなら今度、歌いにおいでよ、涼宮さんなら飛び入り大歓迎だよ、おもいっきり
歌えば悩みなんでどっかいっちゃうよ」

励ましてもらうほど、酷い顔してるのかな、あたし
「これから、スタジオで練習なんだ、今度ライブハウスの方にもきてよ」
「まったねー」

あわただしくでも、名残惜しそうに、2人の姿が小さくなってゆく、バラバラになってもあたし達は、なにか繋がっていると思えるものが持てるのだろうか
今のままずっと過ごしてゆくわけにはいかないのだろうか
あたしは誰かを選らばなくてはいけなんだろうか

そんなことを思っていると突然背後から

「ママー」

【足りない欠片】

「キョン君 おっはよー」
一日で、妹はすっかり元気をとりもどしたようで、いつものようにニードロップで
起こしにやってきた。昨日の殊勝な妹はどこにいった、あれは幻覚だったのか
兄は悲しいぞ、せっかく夜中遅くプリン買ってきてやったのに

まだ寝ぼけた頭に携帯の着信音

「はい」
「キョン君、あ、みくるです」
「おはようございます」
「ちょっと、困ったことになるんです」
「えっと、あの、俺への電話でいいんですよね、長門や古泉じゃなくて」
「はい、詳しくはここではいえないんですけど、今日の待ち合わせ場所にいまから
来てもらえませんでしょうか?少し時間が早いんですけど」
「朝比奈さんの頼みなら、でも本当に俺でいいんですか」
「キョン君でないと困るんです じゃあ、駅前でまってます」
訳がわからないが、朝比奈さん頼みだ、文句をいう筋合いは微塵もない
それに、これだけ早く出かければ、今日の罰金は免れそうだ

待ち合わせ場所で見た光景それは

ハルヒと小さい女の子がじゃれあっている姿だった
すこし離れて朝比奈さんが立っている、例の禁則事項ですぅ!のポーズで
朝比奈さん それ反則です、で困ったことってこれですか?

一体なにが起こっているのか、現状の把握に時間がかかる。
風邪のせいか?
すこし惚けてたのだろうが、気がつくと

【余ったピース】

年の頃は三才ぐらいの女の子があたしに向かって駆け出してくる
迷子?

その子はなんのためらいもなく、あたしの腰のあたりに抱きついてきた

「えっと、あの」
事情がわからず、あたふたしてしまう

「涼宮さん、すみません」

みくるちゃんの声、一体どうなってんの

「その子はみちる、わたしの親戚なんですけど、今日ちょっと、その子の両親が、
その子には聞かせたくない話でだから、すみません、今日は一緒につれてきちゃったんで、
その今日は、おじゃまですよね」

みくるちゃんが、しどろもどろで説明を始める
要するに、この子のご両親が離婚かなんかの相談で、みくるちゃんは、いたたまれなく
なって、この子をつれてきてしまったと、そうゆうことらしい
事情が分かれば、なんてこともない、かわいい子である、なんの問題もない

「こんなかわいい子がいるのに、なんで親でしょ、みくるちゃん、とっちめてやって
いいわよ、あたしが許すから、今日は一日一緒にあそびましょ」
「えっと、あたしは、涼宮ハルヒ」
「みちゅるちゃん さんさーい」
えらい、えらい、ちゃんと自己紹介ができる、ちっちゃな指が4本になっているのは、
ご愛嬌

元気一杯で人なつっこい子、みくるちゃんとあたしの2人がかりで、かまったてらうのが
楽しいのか、少しもじっとしていない。

小さい肩を上下させながら、力のかぎり走りまわっている
一緒に走り回っていると、あたしもこの何日かの、頭の中に積もっていたことが、
すっとんでゆくような気になる。
興味の対象に一身に向かってゆく、その行為にみちるちゃんは、何の迷いもない

あたしだって、
頭の中だけで考えた結果に一喜一憂していた、この何日か
あたしは、あたしの望むことを、真っ直ぐ進めばいいんじゃない
きっと望めばなんだって出来る、そんな確信をこの小さい女の子は持ってきてくれた

みちるちゃんみたいな子供、欲しいなぁ

気が付くとキョンの姿が見える、今日は随分早いじゃない
みちるちゃんがあたしから離れてキョンの方へ駆け出す

【足りない欠片】

「パパー」
と叫びながら駆け寄ってくる 小さい子

な なんですと、誓っていうが、俺にはそんな心当たりはないぞ、ハルヒとだって、キスしただけだし

駆け出してくるその子供の後ろで、あたかも「それいけ」と、けしかけるようなかっこのハルヒ。こう見ると、本当の親子みたいだな、元気の一杯で
いたずらそうに笑うその顔は、そっくりだ

ハルヒのこんな笑顔が見られるなら
俺はなんでも出来そうだな

どっしん、力任せに飛び込んでくる、小さな塊、
上目使いで、両手をあげているのを抱きかかえて、俺はハルヒの方へ近づいていった
この子は朝比奈さんの親戚だそうで、今日は事情により一緒に遊ぶんだそうだ

えーと、朝比奈さん説明は何時からになるんでしょうか?
って、朝比奈さん、なんか他人の振りしてません?
朝比奈さんの親戚ってことは、さぞや事情があるんでしょうね

この3人に付き合うのは普段のハルヒ5人分ぐらい、振り回されていると感じだな

朝比奈さん、ハルヒ、それに小さい女の子、3人の笑顔を見ていて、俺は気がついて
しまった。

長門に話すべきこと
ハルヒに話すべきこと

【余ったピース】

「パパー」
思ったとおりの反応をする、みちるちゃんとキョンの2人
キョンが飛び込んできたみちるちゃんを抱き上げている
わたしもおもわず、笑みがこぼれる

見たことはない筈なのに、懐かしいような光景
ずっと昔から約束されていたような光景

キョンの照れくさそうな笑顔が見える

妹がいるせいか、キョンも手馴れたものである、すぐにみちるちゃんに懐かれている
みくるちゃんは、なぜか少し離れた場所で安心したような顔をしている
こうしていると、まるで、あたしとキョンとみちるちゃん、三人は親子みたいに見える
そして何より、そう見られることが、うれしいと感じている

古泉君への返事は決まった
キョンへの返事は決まった

【インターミッション】

「行くの?有希」
「昨晩から、涼宮ハルヒと彼の精神状態は不安定、直接観測の必要性は高い」
「そう」
「それは、監視者としての忠告? 江美里」
「違うわ、友人としての、心配」
「そう」
「待っているから、有希が戻るまで、ここで」
「そう」

【インターミッション】

出かける直前に新川から連絡が入る
朝比奈みくるが動いたようだ
半信半疑のまま、集合場所へ移動する

そこで見た光景を僕は一生忘れないだろう

涼宮さんと彼の笑顔

あの笑顔が見れる距離に僕が居れることを感謝して

「完敗です」

動揺と後ろめたさを悟られないように注意して僕はみんなに声をかける

「僕が最後になってしまいましたか」

【余ったピース・足りない欠片】

そうして4人遊んでいるうちに、有希と古泉君もやってくる

有希は、みちるちゃんを見て最初ちょっと不思議そうな顔をする、小さい子好きじゃないの
かな、みちるちゃんは、そんな有希がちょっと怖いようで、すぐにキョンの後ろに隠れてし
まった。

最後は古泉君が、まあ、罰金は勘弁してあげましょう、パズルのお店は古泉君の紹介だし、
キョンはなにか言いたげな顔してるけど、あんたそんなに罰金払いたいの?普段どおりの
スマイルに、みちるちゃんもちゃんとご挨拶、でも今度は指が2本だよ。

約束の時間まで、余裕があるのと、みちるちゃんを含めたあたし達が昼食を取って無いの
で、軽く食事してから、店へ向かうことにする。

みちるちゃんは、なぜか、あたしとキョンにまとわりついて離れない、しかたなく、あたしと
キョンがずっと近くにいる格好になる

食事中のキョンはちょっと見ものだった、うん、あんた、いいパパになるよきっと

いつもの3割増しは、にぎやかに先日のパズルのお店へ到着

「わぁー綺麗ですねぇ」
「あーきれー」

みくるちゃんとみちるちゃん、店に入った途端に同じ反応、たしかに、あなたたちは親戚だわ、
まあ確かに、彼女たちの見とれているガラスのパズルは手元に置いときたい気持ちも判る
けどね

店のご主人の他に、パズル作家の先生ももう到着されている、挨拶も早々に、あたしと
有希はパズルを披露、今日はみちるちゃんの歓声つき、ちょっと嬉しい
古泉君は先生となにやら、話し込んでいる、少しもじっとしてない、みちるちゃんの後ろを
みくるちゃんとキョンがうろうろしている。

そんな皆をみていて、いいことを思いついた、店のご主人と相談、うまくいきそう

途中でお茶をご馳走になったりしながら、みんな、自分の興味のあることをおもいおもいに
やりながら、みんなで一緒のことをしている、こんな時間を大切にしたい

ふと見ると、みちるちゃんが広げているパズルに有希が出助けしてあげてたりしている、
うちから持ってきた、あたしの余ったピースのパズルと、キョンの足りない欠片のパズルは、
見てもらったところ、どうやら、余ったピースがキョンのパズルの欠片だったようで、ちゃんと
二つのパズルは完成した、部室でまざっちゃたみたい

そろそろお暇しようと思うころ、ご主人がさっき頼んだものをもってきてくれた
綺麗な色の小さい6片ピースのパズル、本来の使い方じゃないんで、頼むのにちょっと
勇気が必要だったけど、1片ごとにペンダントトップをつける金具をつけてもらったもの

今日のみんなに一つずつ
また皆が一緒になれますように、願いを込めて

すっかり遅くまでお邪魔してしまった
帰りがけ、パズルの先生から、あたしと有希に是非、パズルを解くだけでなく、作るほうにも
興味をもって欲しいとのお言葉、製作者はいつも人手不足なので大歓迎とのこと。有希は
どうなんだろ、あたしはちょっと興味がある

みくるちゃんは青、みちるちゃんはさんざん迷って黄色のパズルの欠片をもって一足先に
帰る
「ばいばーい」
みちるちゃんの声、しばらく忘れたくないな

古泉君は赤、有希は透明、キョンは緑、あたしは最後に残ったオレンジ色、みんな
それぞれ1片づつパズルの欠片を手にとる

「キョン、あした時間ある?」
「ああ、俺もハルヒに話たいことがあるんだ」
「奇遇ね、じゃあ、駅前に11時、今度は遅れたら罰金だからね」
「キョン、ちゃんと有希を送っていきなさいよ!」

それだけいって、古泉君と帰る、今日のうちに話をしておきたいことがある
古泉君がちょと意外そうな顔をする、なんで?

みんなにも、小さいパズルの欠片

【エピローグ ハルヒ】

「顔、なんかついてる?」
「いえ、ちょっと以外だったもので」
「そう、こないだの話なんだけど」
「はい」
「あたし、編入試験うける、無事9組になったら、その時はよろしくね、古泉君」
古泉君の、驚いた顔は、あたしも初めて見るかもしれない

「それは、はい、もちろん、喜んで」

「今日、気がついたの、みんな、それぞれの道を進んでいっても、どっかでつながって
いられる物があれば、大丈夫なんだって」
「それが、このパズルですか」
「そう、小さい欠片だけどね、無理いって頼んじゃたんで、後でご主人に謝っておいて
もらえるとうれしい」
「いや、涼宮さんらしいなと、店の方は声かけときます、でもこれはこれで、商品価値が
ありそうですけど」

手の中でさっきの欠片を大事そうに確かめている

「それと、古泉君、あなたの夢、手伝うわ、宇宙船、出来たらSOS団のみんなで乗せてもらう
からね!」
「その話はもう」
「つべこべ言うと、部室でみんなに話しちゃうわよ」
「勘弁してください、あの日だって、結構はずかしかったんですよ」
「あと、もう一つ」
「はい」
あたしは、ひとつ大きく深呼吸して、続ける

「なんでだろう、あたし、やっぱり、キョンのこと
古泉君があたしのセリフをさえぎる

「全部言わなくでも結構ですよ、覚悟は出来てます。でも、これって僕がふられたって
ことになるんですかね」
「ごめん」
「いいえ」
その後は言葉が続かなかった

「じゃあ、この辺で」
「はい、月曜日部室でお会いしましょう」

【エピローグ キョン】

「帰るか」
「うん」

長門は、さっきハルヒから受け取った小さな欠片をじっと見つめている。

「そっか、そのままじゃ使えないな」
「そう?」
「長門ならネックレスがいいかな、まだ雑貨屋あいてるだろ、よっていこう」

小さく無言で肯くしぐさ
近くの雑貨屋でチェーンを買って、長門の首からかけてやる

「似合ってるぞ」
「そう」

「なあ、長門、この前の、おまえが、一度帰るって話」
「なに」
「これで、俺だけじゃなく、SOS団の皆、新しい長門が判るようになったな」
「そう」
「みんな、仲間、友達だろ」
「友達、あなたも」
「もちろん」
ちょっと残酷なような気もするが、俺はそう答えた
「あなたは」
長門は俺が手にもっているパズルのピースを指差す

「ネックレスって訳にもいかないから、携帯にでもつけるか」
「おそろい」
「そう、SOS団のみんな、おそろいだ」

「ありがとう」

「今度、ハルヒにもちゃんと言ってやれ、喜ぶぞあいつ」
「そう」

その後は言葉がなっかた
でも、パズルのペンダントトップを大事に握り締めている長門は
どこか落ち着いている、そんな気がした

【エピローグ 有希】

「おかえり 有希」
「ただいま」
「送ってもらったの、彼に」
「そう、でも送ってもらったのはみんな」
「?」
「みんな ともだち」
「そう」

「彼と古泉一樹を観察対象に加えることを進言する、自立進化の可能性は一人涼宮ハルヒにあるだけではない」
「協力するよ、有希」
「ありがとう」

【エピローグ みくる】

そうゆうことだったんだ

みちるを本来の居場所に返して、私は家にもどり
この時間平面にくる時、母の渡された小さな宝石箱を開ける

その中にあるのは、古くなり、色がくすんで、少し欠けている
オレンジと緑と黄色の小さなパズルのパーツで出来ているペンダントトップ

私は丁寧にそれらを手にとって、今、涼宮さんからもらった青のピースと並べてみる

いま、すべてが繋がった

これは、私の家族の物語だった
四つのピースの物語だった

また古い3つのパーツを丁寧にしまい、自分のピースを手の中で握り締める

まにあったんだ、私
ちゃんとまにあったんだ

【プロローグ 日曜日の駅前】

「よーお茶でも」
「なに、あれ、谷口」
「げ、阪中」
「なに、ナンパかな、谷口君 どう成果か?」
「ちげーよ」
「まあ、そうゆうことにしておいてあげようね」
「まったく、ついてねー・・・」
「なんか いったー」
「なんでもねーよ」

「あれ」
「なに」
「あれ、涼宮さんとキョン君だね」
「本当だ、なにやってんだ、駅前で、はずかしい奴ら」
「でも 仲良しさんだね」
「まあ、涼宮の相手になるような奴は、キョンぐらいだろ」
「でも、なんかいい感じだなぁ あっ 手繋いでる」
「どれ、本当だ、とんでもねーなあいつら」

「ところで、お茶はでないんかな」
「なに」
「声かけたじゃない 失礼ね」

「お、おう」
「どっか連れてけー」
「まさせなさーい」
「谷口」
「なに」
「チャック開いてるよ」

【プロローグ 月曜日の部室】
「おや、長門さんだけでしたか」
「そう」

「話がある」
「僕にですか?」
「情報統合思念体は、あなたと彼を観察対象に加えるという私の申請を許可意した」
「僕もですか、彼だけでなく」
「そう、私とあなたは似ている、合理的、リスク評価を重んじる そして優柔不断」
「確かに、そうゆう面はありますね、お互いふられたもの同士ですし」
「わたしたちは友達?」
「もちろんです、いままでも、これからも」
「そう」

「ところで、相談があるんですが」
「なに」
「ちょっとした報復として、涼宮さんが解けないパズル作ろうと思うんですが?」
「協力する」 
                         【おしまい】

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