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昨日、俺のクラスは、月に1回の席替えをした。
そして、俺は窓際一番前という最悪なポジションを獲得してしまったわけだが、
じゃあ、ハルヒはその後ろか?と問うものもいるだろう。
しかし今回、ハルヒは俺と同じ列ではあるが、すぐ後ろではなく、窓際の一番後ろという前と変わらないポジションにいた。

ことの起こりは昨日のことだ。
母親は朝っぱらから親父とケンカしたらしく、親父が会社に行った後は俺にまでやつあたりしてきた。
しかも、俺はその日も妹にダイブをされたせいで腹が痛かったわけだ。ったく、朝から怒るなよ。
朝食はやけに焦げ臭かった。
しかも、朝のテレビ番組でやってた星座占いで俺の星座は12位。
そして極めつけの母親の言葉
「あんたも高校生なんだから彼女の一人ぐらい作りなさい!」
なんじゃそりゃ!俺だってできるもんならほしいさ。
気にしていることを言うな!

その日の朝は、「いってきます」とも言わずに学校に向かった。
さらに学校につくと谷口が昨日のナンパは成功した!とか言ってきやがった。
そのときに谷口のチャックが開いてなかったのが、むしょうに腹立たしい。
さらにはチンプンカンプンな数学の授業で俺が指名され、素直に「分かりません」と言うと、「ちゃんと授業聞いてたのか?」とぬかしてきやがる。
さらには後ろの女も「何であれぐらいの問題も分からないの?」とか言ってきた。
体育の授業では5キロマラソンの途中に靴はぬげるし、
英語の授業では日本語訳しろと言われて、言ってみたら全く違っていてクラスの連中に笑われて、
朝ご飯同様、弁当もいつもよりまずくて(これは気もちの問題かもしれないが)
弁当食べ終わった後にトイレに行くと、清掃中。
とにかく、散々な一日だったんだ。

こんだけあってイライラしない人間なんていないだろ?

でも、それだけなら俺もあんなとちったことはしなかったかもしれない。
まあ、そりゃそうだ。この時点ではとちるきっかけがなかったからな。
で、ことの起こりは5時間目と6時間目の休憩時間に起こった。
その途中、俺は背中に鋭い痛みを感じたわけだ。
こりゃあ、いつものシャーペンをつついてくる感触だな。

「今度のみくるちゃんのコスプレなんだけどすっかり忘れてたわ。今度はスッチーよ!最近そういうドラマが多いしね。で、今回はあんたが衣装料だしてちょうだい」
「何で俺なんだよ?」
「あたしは今お金ないの。それにいっつもみくるちゃんのコスプレ衣装はあたしが買ってるのよ?ああいうのは団員から徴収するものよ。今まであたしが出してあげてたことに感謝してほしいぐらいだわ」
そして、俺はその言葉にブチ切れてしまったわけだ。

「そんなことはどうでもいい!だいたいオレは別に朝比奈さんにスッチーのコスプレをしてほしいとも思ってないし、だいたい朝比奈さんにも迷惑だろ!
それよりもだ、だいたいSOS団が発足してから罰金罰金、俺が悪くなくても俺の奢り。今までお前のせいでなくなった金はいくらだろうね?5桁は軽くこすね。あやうけりゃ6桁をこしてるかもしれん。
だいたいお前は朝比奈さんをおもちゃにして楽しんでるかもしれねーが、俺はSOS団のメンバーに昼食奢ってもなんも楽しくないんだ。それに、不思議なんて見つかるわけねーのに不思議探索で大事な大事な休日をつぶされるわ。
今になって思うが、ゴールデンウィーク明けにお前に話しかけるんじゃなかったよ。はっきりいってお前のその態度にはうんざりだ!」

クラスの連中は俺達を終始、唖然と見ていたように思われる。
今考えたらよくハルヒは何も言わずにその言葉を聞いてたなと思うよ。
俺はそのときのことをこれまでにないほど後悔している。
そして、そう思うのに先ほどの文句を喋り終えてから1分もかからなかった。
せいぜい、10秒ほどだろう。

俺はそのときにはもうしまった!と思ったが、言ってしまえば後の祭りである。
その間、教室は沈黙していたはずだ。それとも回りの声が聞こえないほど俺自身、後悔していたのかもしれん。
で、その沈黙を破ったのはハルヒだった。
ハルヒはいきなり机からノートを取り出し、最後のほうのページを破り、そこに『退団宣告』と、大きく書いて、俺に渡した。
「じゃあもうSOS団に来るな!バカキョン!」
すまん古泉、きっと今頃、神人はあばれほうだいなはずだ。
で、俺は何とか謝ろうとしたんだが、授業始まりの鐘が鳴り、岡部の「みんな席につけー」という言葉で俺は謝るタイミングをなくしてしまった。

で、6時間目の授業はLHR。
その時に、月に1回の席替えをして今の座席となったわけだ。

その後、この気もちを朝比奈さんのメイド服姿で癒してもらおうと部室に行こうとしたのだが、後ろでハルヒに襟をつかまれ、
俺を下駄箱の前まで運んだ後、「もう来るなって言ったでしょ」とかこれ以上にないぐらいの恐ろしい笑みで言った。
いやぁ、あれは怖かった。

俺は今日、ハルヒが学校を休んでるというわけでもないのに、ハルヒに会わずに午前中の授業を終えた。
「おいキョン、そろそろ涼宮と仲直りしてやったらどうだ?」
「僕もそうしたほうがいいと思うよ。仲が悪いキョンと涼宮さんって何か違和感があるしね。」
いや、俺もな、そうしようとは思うんだが、むこうがそのチャンスを与えてくれなさそうなんだよ。
「まあ、涼宮は頑固だからな。たとえキョンが謝ったとしても許してくれるかは疑わしいな」
「でも、やっぱり謝っておいたほうがいいよ」
それよりお前ら二人、特に国木田。なぜ俺が悪いのを決め付けて話す。
後悔してる自分が言うのもなんだが、少しはハルヒも悪いだろうが。
「まあ、かく言う俺は、お前があの変人好きハルヒとずっと続くとは思ってなかったけどな」
「そんなこと言ったらキョンがかわいそうだよ。僕はキョンのこと応援してるよ。」
おいおい、まるで俺とハルヒが付き合ってたみたいな言い方しないでくれ。

で、俺はできるだけササッと弁当を食べ終え、
先ほど、古泉から『また中庭に』というメールを受け取ったのでその場所に向かった。
「僕が話したいことは分かっていますか?」
俺が古泉のもとについたとたん、古泉はまるで分かってますよね?というような笑みを浮かべて俺に問いかけた。
まあ、予想はつくさ。
「昨日はホント、部室の中にいるだけできまずかったですよ」
「あれ?昨日お前、部活に行ってたのか。おれはてっきり神人倒しで忙しいかと思ったんだが」
「閉鎖空間は発生したんですけどね。規模が小さかったので他の仲間だけでたりて、機関には涼宮さんの観測をつづけてくれと頼まれたので、そのまま部室にとどまっていました。涼宮さんの様子では規模が小さいようには思えなかったんですけどね。
もしかしたら、涼宮さんは見た目よりも怒ってないのかもしれません・・
…それより、どうやら昨日、席替えをしてあなたのすぐ後ろの席が涼宮さんにならなかったそうじゃないですか」
「ああ」
「これは結構、重要な問題ですよ」
んな大げさな

「まあ、涼宮さんの力が衰えていて、そのような結果になったと考えると話は早いですし、そうだと、こちらとしても嬉しいのですが、確かに衰えてるとは思うのですが、そこまで衰えてるようには思えませんしね。
それと、ここからは僕の予想ですが、涼宮さんは、あなた自身から近づいてきてほしいと思っているのではないでしょうか?」
「俺はハルヒの近くになりたいと念じて近くの席になるような力は持ち合わせていないぞ」
「いいえ、そうじゃなくて、普通に近づいたらいいんです。席が離れてるのにわざわざ休み時間に話しかけてくれる、とかね。とにかく、涼宮さんに謝ってみてください」
「あいつが謝らせてくれる時間を作らせてくれると思えなないのだがな~」
「そんなことはないと思いますよ。まあ、時と場合によるでしょうけどね」
「それに、何度も何度もしつこくて余計嫌われないか?」
「それはあなたの謝り方にもよるでしょう。それにしても、やはりあなたも涼宮さんに嫌われたくないんですね」
「そういうわけじゃねーよ」
「まあ、こちらもできるだけあなたに謝りやすい環境を作って差し上げることにしましょう。できたら今日中に仲直りしてくれたらこちらとしてもありがたいのですが」

まあ、そうは言うものの、その後にハルヒに謝ろうと近くによっても、俺に気づくとすぐにどこかに行ってしまう始末である。

しかたない、明後日の日曜日になんとか謝るか。
古泉が言っていた謝りやすい環境とはこうだ。
明後日は俺ぬきでいつもの不思議探索パトロールをやるらしく、うまくやってハルヒを公園まで連れて行き、そこで俺とばったり会って俺が謝るという設定。
もちろん、明後日は2:2で別れると予想され、ハルヒは誰とペアを組むか分からない。そのため、長門と朝比奈さんにもこのことを伝えておくとのことだ。
で、公園への誘導方法は「最近、公園で幽霊を見たという人がいるらしくて」とハルヒに言うつもりらしい。
とりあえず、朝比奈さんがハルヒとペアにならないことを祈ろう。
嘘がつけなさそうな人だからな。

で、その日曜日になったわけだ。
俺はなぜか、普段の不思議探索の日よりも早い時間から公園にいる。
とりあえず、ハルヒが来るまで誰とペアになったんだろう?ということを考えておこう。

古泉とペアになったらどうだ?
「じゃあ、あたし達は駅の北を探すから、有希とみくるちゃんは南お願いね!」
で、古泉が、
「そうそう涼宮さん。こないだ知人に聞いたのですが、そこの公園で幽霊らしきものを目撃した人がいるらしいです。」
で、ハルヒは目を輝かせて、
「それホント!そりゃあ行くしかないわね!」
ということで順調にいきそうだが、その場合長門たちがどうなるか気になるな。
まあ、こっそりついてくるっていうのが一番ありえそうか。

じゃあ、長門とペアになったらどうだ?
「じゃあ、あたし達は駅の北を探すから、古泉君とみくるちゃんは南お願いね!」
で、長門が、
「こっち」
と言ってそれ以外何も言わずに連れてきそうだな。
ハルヒは長門には従いそうだから。
だが、その場合、古泉が朝比奈さんとペアだからな。それが腹立たしい。

じゃあ、朝比奈さんとペアになったら?
「じゃあ、あたし達は駅の北を探すから、古泉君と有希は南お願いね!」
で、朝比奈さんが、
「あ、あの・・・こ、公園に・・・えっとキョ・・・じゃなくて、ゆ・・・」
「あぁ、もう何が言いたいの?いいからさっさと行くわよ。そうね、今日は新しい衣装を買ってあげる」
「ひょえー」
……やっぱり朝比奈さんじゃダメそうだな。

で、30分ほど待っただろうか?
結局、俺の元にきたのは4人全員だった。
ハルヒは俺に気づいたとたん、後ろの3人を睨みつけているようだった。
ハルヒの顔は見えんが、古泉と朝比奈さんは苦笑している。
長門は、いつもどおり無表情だけどな。今回ばかりは何も読み取れん。

まあいい、とりあえず古泉に言われたとおりに実行しよう。
「俺はパトロールに呼ばれてないぞ」
「あんたはもうSOS団じゃないでしょ」
とりあえず俺は、古泉の言われたとおり一息おいてから、
「こないだは悪かった」と、謝っておく。

「その日は、いろいろ不運続きでな、ついつい八つ当たりしてしまった。とにかく、言葉が自分の意図とは関係なく出ちまって。中には自分でも信じられないことを言っていた。
もし、あの時谷口に『あんな変な部活さっさとやめろ』みたいなことを言われたら、お前に言ったことと全く逆のことで、谷口を怒鳴っていたと思う」
ハルヒは何も言ってこない。少しは何か言ってくると思ったんだがな、だがこのほうがいい。
「本当にあの時は不運続きだった。まあどんなことがあったかは話せば長くなるから言わないが、その時の俺で一番の不運はやっぱり、お前に退部宣告をさせられたことだ。そのときに起こったいろんな不運がどうでもよくなってしまうほどな。嫌なら毎日行ってなかったさ。
だからさ、お願いがある。もう一度、SOS団に入らせてくれないか?」

終始沈黙が起こった。
どんだけ続いただろうな。って言っても、1分もかかってなかったと思うが。
その沈黙を破ったのはまたもやハルヒだった。

「罰金」
普段より小さい声でハルヒはそう言った。
一応、はっきりと聞こえたが「なんだって?」と聞いてみる。

「罰金よ罰金!あたしにあんなこと言ってタダですむと思ったら大間違いよ!そうね、フランス料理のフルコースをSOS団全員分で済ませてあげるわ。いい?あたしは別に許したわけじゃないわよ!あんたがいなくてもSOS団はやっていけるしね。
ただ、こっちの3人がキョンがいなくちゃ嫌なようだから、あんたをSOS団に再入団させてあげる!でも、今度あんなことをあたしに言ってみなさい。その時は死刑だから!」
何でだろうな?怒ってるのにどこか嬉しそうだ。
後ろの3人も。

それにしても、今回は急激に俺の財布が軽くなりそうだ。いや、札がコインに変わるだろうから重くなるか。
だがまあいい、今回ばかりは諭吉様も笑ってらっしゃるようだしな。

次の日、俺は教室の後ろのドアから入って、「はよ!」とハルヒに声をかけてから自分の席に向かった。
ところで、何で今日はポニーテールなんだろうな?

でも、席はやっぱり離れ離れ・・・か。
まあ、たった1ヶ月だ。その分授業に集中できそうだからいいじゃないか、俺。

で、今日は珍しく岡部は鐘が鳴る2、3分ほど前に教室にやってきた。
腕時計を見る。教室の時計を見る。腕時計を見る。もう一度教室の時計を見る。ああ、早く来ちまったーと後悔してる。
一番前の席もなかなか面白いじゃないか。
で、岡部が腕時計の針を動かしていると、その岡部に何か話しかけてる生徒がいた。
何話してるんだろうね~?
ハンドボールのやり方を教えてほしい。とかか?
まさか進路のことじゃないだろう。さすがにまだ早すぎる。
とか考えてると、岡部がこっちを見ていることが分かった。

おいおい、まさか俺に対する文句を言ってたんじゃないだろうな?
ハルヒじゃなくて何で俺なんだ?
と思っていると、岡部が今度は近づいてきた。
何言われるんだ俺?
「なあキョン」
先生もその名で呼ぶんですか・・・
「こいつと席変わってやってくれないかな?」
………え?

どうやらその生徒は最近目が悪くなってきたらしく、後ろのほうの席じゃあ黒板の字が見えにくいということだ。
で、なぜ先週言わなかったかと言うと、先週は目を細めてなんとか見ていたというのだが、やはりそれじゃあ疲れるということで、岡部に相談したらしい。

ちなみに、その目が悪くなった生徒がどこの席だったかは、ご察しのとおりだと思うぞ。


終わり
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