「ぬおっ!?」
この情けない声の持ち主は俺だ。真に遺憾なことだがな。
簡潔にこの状況を述べさせてもらおう。
あの忌々しい定期テストの結果が返ってきたのである。
だいたい人を見るという行為がテストなんかで代用できるわけなかろうに。
もっと個性を見るべきだと思うんだがね、俺は。
何て事を考えたがいかんせん、うちの担任はあの岡部だ。
脳まで筋肉だからそんなこと考えたって仕方ないな。クラッシュ・バンディクーだし。
まぁ、この点数を見ればそんなことも考えたくなるさ。

国語 98/200 数学 59/200 英語 61/200 理科 23/100 社会 60/100

国語、社会は比較的できた方じゃないのか?俺にしては。
平均点付近だしな。問題はこのにっくき理系科目三兄弟だ。
点数だけ見るとそうでもないがクラス平均は

数学 120/200 英語 131/200 理科 61/200

だそうだ。赤点確実っっっっっぅぅぅ
もうこれはだめかもわからんね。

さて一方俺の後ろの住民、テスト時間の半分が睡眠時間でつぶれるという
あの忌々しいハルヒはトボトボ席に戻ってくる俺に対し
まるではげたかがツバメの雛を襲うように俺のテスト結果を奪いやがりまくりすてぃ。
ちょ、みるなwwwwftgyふじこlp;@;@

「ふぅん。あんた、私より授業聞いてる様に見えるのにね。
頭ちゃんと動かしてる?ただぼうっと聞いてるだけじゃ意味無いわよ。」
俺よりぼうっとしてるお前にいわれたくないぞ。お前はどうだったんだよ。

「ま、見ての通り国語以外は満点ね。国語は先生の考え方も入ってるから満点取るなんてのは
その人以外無理って訳。努力すればなるようにはなるだろうけどそんな事に時間費やしたくないしね。」
何を言うか。その国語だって9割強取ってるじゃないか。忌々しい。

「だからってあんた、これはいくらなんでも酷いわよ。いくら文系だからとはいえ
理系科目もきちっとやらないと留年確実よ!?SOS団からそんな奴出したくないんだから!!!!」
俺だって留年なんぞにはなりたくないさ。だがなぁハルヒ、数学の授業はあり得なくないか?

数学の先生「次次~次の問題は、山山山下さん!!!!!!」

これ、笑うところ?

「・・・いいわ、あたしが教えてあげるわよ。留年なんかになられたら生徒会から何いわれるか分かんないからね。
次のテストは最低でも8割以上取ってみんなをあっといわせましょ。」
いや、そんなに頑張らなくてもいい。俺は赤点取らない程度なら何点だろうが関係ないのさ。
「なに赤点取った奴がえらそうにいってるのよ。いいから私に従いなさい!!!!」
痛いとこ刺しやがって。こいつの先祖はアサシンダガーかどくばりじゃないだろうか。
まぁ、何故か協力的なハルヒのことだ。何かたくらんでるかもしれないがここはありがたく受けておくべきだろう。

「やるって言っても、何時するんだ?空いてる時間あるのか?」
「そのことなんだけどね、他のみんなはこれから3日ぐらい用事があるらしいのよね。だから部活の時間にやりましょ。
たしか、古泉君は親戚の法事に葬式、有希はお母さんのお見舞い、みくるちゃんは・・・・なんか『あの~ブロウクンファントムが~』って言ってたわね。」
ありえる訳が無いだろ、そんなこと。
…そうか、古泉はこの学校には機関の協力者がいると言ってたな。
ということは俺のテストが悪く、こうなることを予測して・・・
まったくもって、よけいなお世話だ。俺の天使である朝比奈さんを返せ。
てか、朝比奈さん。あなたは勇者王ですか?ハルヒもハルヒでそんなこと信じるな。
このままいくとつっこみの数が原稿用紙8枚と2行ぐらいになりそうなので略させてもらおう。

「さぁ、4日後のテストに向けて頑張るわよ!!!!!」
あのーハルヒさん?今何と?
「ちゃんと人の話は聞きなさいよ。4日後に実力テストがあるでしょ。これで8割以上取るっていってんの!!」

おいおい、3日じゃいくらなんでも無理じゃないか?
どうする?どうすんのよ俺!?

児玉「では、皆さんお待ちかね。大事な大事なアタックチャーンス」
朝倉「ごめん、それ無理」


どうする事もできなかった。
迷ってた俺の顔を勝手に同意と解釈したハルヒは授業が終わったとたんネクタイをつかみ取って
部活を作ると宣言したあのときの様に一目散に部室につれてきやがった。もうちょっと優しくしてくれ。
「何言ってるのよ。勉強見てもらうだけでもありがたいと思いなさい!!」
べつに望んだ訳じゃないんだがな。

こうして俺とハルヒの勉強会は始まったわけである。
といってもそんな大それたものでもなく自習と何ら変わりない訳なんだがな。ハルヒが横で口出ししてくる以外は。
「あっー、違う!!!!違う違う違うちがーう!!!!何でそんな簡単なことも分からないのよ!!!!」
それはな、お前が横から口出ししてくるからだ。俺だって集中すればこんな問題なんて簡単にな・・・解けん。
「あんたはポイントポイント押さえようとしないからこうなるのよ。いい、こういうのはね、
全部憶えようとするからダメなのよ。文章や問題からキーとなるものを見つけることが先決なの。
そしたら後は簡単よ。」
簡単なのはお前だけだと思うがな。他一般大衆はお前みたいな神じみた頭をしてないのさ。
「文句言う暇があったらさっさとやりなさいよ!!!!せっかくあたしがつきあってあげてるんだから!!!」

ん?ハルヒよ。今ふと思いついたんだがな・・・これは言ってもいいことだろうか・・・悩むまでもないか。言っちゃえ
「時にハルヒよ。何で俺の勉強につきあってくれるんだ?」
もしかしたら禁句だったのかもしれないが、言いたい欲望は理性を押しのけて言ってしまった。
おそらく1秒後ぐらいには良くてげんこつ、悪くて部長様を一撃で葬ったドロップキックが来るだろう。
ATフィールドを持っている方がおられたら是非貸していただきたい。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだにげt

が、次の瞬間見たも


谷口「はい、寸切りー。はい、寸切りー。うへへへへ」
長門「谷口を攻撃目標に設定。情報連結解除を申請する。・・・あとチャックが開いている。」
谷口「すまん・・・ごゆっくりーーーー」

次の瞬間、ハルヒの顔が真っ赤になっていた
「え・・・あ・・・何だっていいでしょそんなこと!!!
そもそもあんたがこんな点数とるからでしょ!!別にあんたが気になるとか好きだからとかじゃなくてそういう事じゃなくて、
だからつまり・・・えーと・・・ううぅ~・・・」
ちょっとまて、いくらなんでも泣きべそかくことはないだろ。俺か?俺のせいなのか?
「う、うるさい・・・悪い?あんたが心配でたまらなかったのよ・・・
団長と団員とかそんなんじゃなくて席が前後同士とかじゃなくて私は・・・・あんたのこと・・・グスッ・・」
なんということだ。まさかあの気の強い団長様からこんな言葉が聞けるとは思ってなかった・・・
全然心配してないようにな・・・ここまで思ってくれてるなんて・・・・
…よし、ここで一発やってやらなきゃ男じゃないよな俺。そうだろ?

「なあ、ハルヒ。」
「な、なによぉ・・・・」
「もしよ、ノルマ達成できたら・・・今度一緒に気晴らしにでもいかないか?」
「当たり前でしょ!!できなかったら許さないんだから!!!!!」

そういってハルヒは紅い顔をしながら100Wあろうかと思われる満面の笑みを浮かべた。

その顔の方が似合ってるぜ、ハルヒ

「おおっ」
これも俺の声である。但し悲観であるというよりはむしろ歓喜の声と言うべきであろう。
まさかとは思ったがここまでのもんとはな。
5教科全てノルマに達したわけでは無かったがその点数ははるかに上がっておりクラス、いや学年から数えても
上の方であろう。古泉といい勝負ができそうだ。
だがこれですべき事が全て終わったわけではない。これからすることの方が精神に大ダメージを与えそうだ。
でもせねばなるまい、ここで逃げるのは卑怯だと思わないか?
俺は期待しているハルヒの所へ何の迷いもなく戻った。いや、迷ったけどね。ほら、決意は固まっていたし。

「すまん、ハルヒ。全部達成というわけにはいかなかった。せっかくお前が頑張ってくれたのに・・・」
「そう・・・でもいいわ、頑張ったのはあんただしね。それだけ上がったのでも凄いじゃない。」
「そうか・・・でもこれだけは言わしてくれ。ありがとう。そしてすまなかった。」
「いいっていいって、私も・・・嬉しいんだから。」

「ねぇ、キョン。あ、あのさ・・・・」
「なんだ?」
「あ・・・あの・・・今度の週末にでも行こうか。その・・・気晴らし。」
「・・・ああ、よろこんで。」


-fin-





  おまけ



本編が終わった後でなんなんだが、ここで皆さんにこの省略された勉強会の内容を披露しよう。
といっても3日間のことなんざこれっぽっちも憶えていないからのっけだけで我慢してくれ。
しかものっけもあやふやときた。これはもうダメかもわからんね。

「あのね、キョン。国語の評論を読む上で何が重要だと思う?」
何が重要って言われてもな・・・ただ読んで内容把握に努めればいいんじゃないのか?
「そんなことは当たり前よ。だけどそんなこと、よっぽど国語の得意な人でないと無理よ。
いい?評論ってのはね、たいてい二項対立型でできているのよ。」
なんじゃそりゃ?わかりやすく説明してくれ。幼児にも分かるように。

「たとえば、今一般に広まってる意見をA、そうじゃないなって思われるのをBとおくわ。
ここで質問だけどA,Bどちらの方が作者が言いたいことだと思う?」
そりゃあ、Aのほうなんじゃないか?Aの方がみんな言ってることだしな。

「はぁ・・・いい?良く聞きなさい。評論ってのはね、みんなが言っていることに疑問を持った作者が
『それって一般的にこうこうこういう風に言われているけど実はこうなんじゃないの?』という意見をいう場なの。
Aの方が言いたいんだったら結局作者も一般的に広まってる意見に賛同することになっちゃうじゃない。」
そういわれるとそんな気がしないでもないねぇ。だが待てよ、どうやってそのAとBを見分けるんだ。

「うーん、そうねぇ・・・一番簡単なのは極端に言ってる内容が違うってのがいいんだけどね。
そんなのは少ないの。そこで接続詞の出番よ。『けれども』『しかし』なんていう逆接の接続詞がきたら
その前後では言ってる内容が違うのよ。もし前がAだったら後ろがB、その逆もしかりってね。」
なるほど。だいぶ分かってきたぞ。

「どの部分がA,どの部分がBって分かってきたら後は占めたもんよ。最後の問題の方に良くある『作者の言いたいことをまとめなさい』
ってのが来たらBを中心にしてまとめ上げたらいいことだもん。Aまでそれに入れる必要ないわ。」
あれ?もしかしてハルヒ、すんごく教えるのうまくないか?国語の教師よりよっぽどましだぞ!!!


ドラゴン先生「ホァターーーーア~~~~アチョ~~~~~~~ 、はい、ここテストに出るからな」

確かこんな内容だったような気がするんだけどなぁ・・・大学受験生だけど自信なし(´・ω・`)オワタ

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