憂鬱な金曜日


 

梅雨。

雨は嫌いではない。

でも、あの湿気だけはどうも苦手。

ま、得意な人なんていないか・・・。

そんなことを、考えて外を見る。

すると、窓の縁の方にナメクジが這っていた。

「キモチワルイ」

「ちょっと、キョン塩持ってない?」

返事が、無い。

代わりに聞こえる声。

「彼は、寝てしまいました。涼宮さん。」

振り向くと、机に突っ伏してマヌケな顔

にヨダレまで垂らしている。

「全く、団長の命令なのに何寝てるわけ?」

「顔に、落書きでもしてやろうかしら・・・・・」

まぬけだから、気づかずにそのまま帰っちゃうんだろうな

ふっ・・・。

 

まあ、いいか。

それにしても、よく眠れるわね。

こんなに、ジメジメしてるのに。

そして、また窓の外を眺める。

雨はまだ、止みそうもない。

傘、もって来たっけな?

ふと、窓のふちを見ると

ナメクジは、にげていた。

そして、また、外を、ボーっと眺めながら考える。

明日は、探索の日なのに、まだ雨続くのかな・・・。

晴れたら、いいな。

明日こそキョンと二人になりたい。

そしたら、色んな物奢らせてやろうっと!

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

 

 

パタン・・・・・・。

 

本の閉じられる音がした。

もう、そんな時間か。

そう、思っていると

有希は、本をかばんに入れ、そのまま、出て行った。

「涼宮さん?わたし、夜ご飯の買い物があるので、帰ります。」

「わかったわ。」

「おっと、着替えられるのですね。」

そう言って、小泉くんは、苦笑いしながら、部室から出て行った。

ミクルちゃんが、メイド服を脱ぎ始める

「ん?また胸大きくなったんじゃない?みくるちゃん?」

後ろに、立ちガバっと。

「ひやゃ~、やめてくださいすずみやさ~ん。」

「全く、けしからんおっぱいね。」

そう言って、自分の胸を見てしまう。

はぁ~。

自然とため息が出てくる。

神様は、なんで平等に胸をくれないのかしら?

「許せないわ。」

「ふぇ?どうしたんですか?」

「何でも、無いわ。」

そんなことを、考えていると、

いつのまにか、ミクルちゃんはあとリボンを結ぶだけの

姿に、なっていた。

キュッとリボンを結んで、制服姿の完成。

かわいいわ。

つくづく思う。

ドアの外に向かってミクルちゃんが言う。

「小泉く~ん。もういいですよ~」

「はい。」

がちゃっ。

ドアが開く。

そして、早々に荷物をまとめたみくるちゃんが

「それじゃあ、失礼します。」

と言って、すたすたと、歩いて行った

そして、小泉くんも荷物をまとめ終わったのか、

ふと、こちらに顔を向け、

「私も失礼します。戸締り・・・あと彼をお願いしますね。・・・それでは」

足音が遠のく・・・・・・。

そして、キョンの席のほうを見る。

「スー、スー、スー・・・。」

まだ、起きそうに無い。

しょうが無いので、団長席に座り、また外を眺める。

雨は、まだ降っていた。

 

もう、二年生か。

最近、時間が流れるのが、早く感じる。

楽しい、時間ほど早く過ぎるとはよく言ったものね。

私、この先どうなるんだろう。

このまま、高校生活も終わって、キョンとも別れちゃうのかな?

キョンには、なんにも言えてない。

このままじゃ、ダメってわかってても、こんなの初めてだから

どうしていいかわからない。

 

でも、確実に言えるのは、離れたくない。

 

ずっと一緒に居たい。

 

不思議とキョンが居ればなんでも、うまくいく気がする。

まあ、どこが好きかと聞かれても、なんとも言えないんだけど、

ほっと、するというか安心出来る。

 

「私も、廃れたわね。」

 

 

 

 

 

 

 

キョンside

 

「あたし、留学することにしたわ!」

「どうしたんだ?突然」

「思ったのよ。このままここにいても何も起こらない」

「それなら、なにか、起こりそうなところに行ってやろうってね」

「そうか、がんばれよ。」

「なに・・はんの・・・たなんか・・・。」

教室からズタズタと音を立ててハルヒは出て行った。

なんて言葉を返したかわからない、内心穏やかではなかったから。

え?なんでだ。

どうして?

涼宮ハルヒが居なくなるだと?

突然過ぎるだろ。

そして、浮かんでくる疑問や感情。

今まで、いてあたりまえだと思っていた

ハルヒ。

そんな奴が突然居なくなる。

たしかに、平穏な日々は戻ってくる。

それはいいことなのか?

俺は、それを望んでいるか?

答えはすぐに出る。

NOだ。

だから、あの時、もじもじした長門や、

一女子高生であったハルヒを、

選ばず、こっちのハチャメチャな日常を選んだんだろう。

じゃあ、どうすりゃいい?

どうすれば、ハルヒはどこにもいかない。

いっそ、また

小泉達が、普通の人間でないことをばらすか?

今度は、能力を使ってもらったりして。

んんんん。

あー、どうすりゃいい?

考えろ・・・・・・・。

ふと、外を見る。

雨の音が聞こえる。

それは、まるで俺の今までの思いを流すかのようだった。

 

そして、我に返る。

さっきまで、教室にいたはずなのn!

あぁ・・・・夢か・・・・。

そう思い体を起こし、周りを見ると、ハルヒが外をながめている。

どうやら、他の連中は、帰ったようだ。

何故か、ため息が出る、

そして、ホッとしている俺がいた。

 

言おう。

 

 

 

 

 

ハルヒside

 

ああ~もうやめっ!!!

考えない。

恥ずかしくなってきた。

気がつく、いい加減、キョンを起こして帰ろう。

まだ、時間はある。

絶対、うまくいくんだから

そうして、キョンを起こそうと立ち上がり振り返ると

同時に目が合った。

 

「あっ・・・・・」

 

言葉が続かない。

今まであんな事を考えていたせいもあるだろう。

しかし、キョンは何故か、ホッとしたような顔を浮かべていた。

「なあ、ハルヒ。」

「っなによっ?」

「俺、今夢見てたんだ。」

「ふ~ん。」

なんの話をするのかと思ったらそんなこと・・・。

「その夢でな、ある女子が留学することになった。」

「誰それ?まさか朝倉さん?」

なんの話だろう。

いつものキョンじゃない。

「まあ、最後まで聞け。」

「で、俺は、そいつが今までそこにいて当たり前だとずっと思ってた。」

「だから、すごく混乱した。」

「でも、そのおかげで気がつくことが出来たんだ。」

 

 

「ずっと、そいつのことが好きだったんだって。」

「なにそれ?そんなこと言ってて恥ずかしくないの?」

っていうかそいつ誰なのよ。

ねえ、誰なの?キョン?教えて?

「話を変えるがお前好きな人居ないのか?」

「・・・・・・・・・・。」

えっ?

言えるわけない。本人の前だもん。

自分の顔が熱くなるのがわかる。

「いるのか・・・・。」

鋭いのね、いつになく。

「じゃあ、悪いことするかもしれないが、どうも、俺にはもう止められないらしい」

次の瞬間

私の、体がキョンの体に包まれた。

唇には、熱いものを感じた。

 

そして、離れる。

一瞬、何が起こったかわからなかったけど、

もっとそうしていて欲しかった。

「ハルヒ・・・・・・好きだ・・・。」

再び、抱きしめられる。

「え?なんて言ったのよ?」

「だから、好きだ。」

「なんども、言わせないでくれ、正直恥ずかしい。」

言葉に出来ない、感覚が全身を駆け巡る。

そして、目から、涙が溢れる。

それに気がついたらしい、キョンが謝ろうとする。

「すまn・・・・」

言わせない。

自分から、口をつけた。

「なに・・・謝ろうと・・・してるの?グスッ・・・・」

「だって、お前他にすきn」

「最後まで聞いてっ!・・・。」

「あのね・・・・私も、・・・・・す、すきだから。」

「え?」

もう、何も考えられない。

「私もすきだからっ!!!」

叫んでいた。

「・・・・そうか・・・・・。」

赤い顔をした、キョンがそういった。

また、抱きしめられる。

今までより、長く、強く。

私・・・いや、私達の想いを確かめるように

 

 

 

どれくらいたっただろう。

キョンの、ワイシャツの胸のあたりは、濡れていた。

 

 

校門を、出る。

もちろん手をつないで。

これから先を、誓い合った相手と共に。

 

 

 

 

 

 

そして二人で笑った。

出来過ぎた、その虹を眺めながら。













 

 

PS:校門出口付近での出来事。

「長門さん?彼の夢の改変には成功しましたか?」

「成功した。」

「面倒をおかけして、すいませんでした。」

「問題ない。これも、既定事項。」

「それにしても、虹は出来すぎですね。」

「これも、長門さんが?」

「私ではない・・・・( ̄― ̄)ニヤリ」

「ふふふ」

「これにて一件落着ですね。」

 

 

 

END



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