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「うっ……、冷たっ……」


 頭がぼんやりして働かない。俺は一体何やってたんだっけ?目の焦点が定まってきたわけだが、周りは真っ暗でよく見えない。ここは、森の中?雨が降っているらしく、顔に無数の水滴が当たっている。
 

 なんで俺はこんなところで寝てるんだ?ああ、そうだ。たしか朝比奈さんと一緒に過去の世界に来て、小さいナツキに会って、その後朝比奈さんが行方不明になって……。やばい、一体どれくらいここに寝てたんだ。


 身体は……、動くな。いきなり意識を失ったわりには、身体はなんともない。だったら、朝比奈さんを探そう。落とし穴にでも落ちていたら大変だ。
 

 それから、散々探し回ったわけだが、どこにも朝比奈さんがいる気配はなかった。もしかしたら、こんな森なんか出て、公園の方で待っているかもしれない。降り続けている雨に打たれたせいで、身体が寒くなってきたし、一度戻ってみよう。
 

 公園にたどり着くと、ついさっき小さいナツキと話をしたベンチに誰かが座っていた。髪が長いし、朝比奈さんじゃないのか?
 

「はあ……」
 

 やっぱりそうだ。やばい、溜息をついているし、様子からして怒ってるようだ。かなり待たせたか。
 

「すみません。すれ違いになったみたいで……はっ?」
 

「えっ?」
 

 思考が一瞬止まってしまった。てっきり朝比奈さんがいると思っていたが、別人だ。このパターンが多いが、なんでこいつがここいる?
 

「ナツキ……なのか?」
 

 言ってなんだが、本当にナツキなのか半信半疑だったりする。だって、さっき会った小さいナツキよりもわずかに成長しているが、俺と同い年のナツキよりも幼く、なぜか中学時代のセーラー服を着ていたのだ。一体どうなってるんだ?


「お兄さん!」
 

 お兄さん?もしかして、俺って気づいてないのか。だったら、あまり顔を見られないようにした方がいいな。
 

「約束したのにひどいよ!いつも待ってたのに、全然来てくれないんだもん」


「あー、その久しぶり……、かな?何歳になった?」
 

「13歳の中1だよ。何年待ったと思ってるの!」


 中1だって?さっき会ったナツキよりも、2歳年を取ったってことじゃないか。ということは、なんだ。いつのまにか時間移動したってことか。朝比奈さんが、黙ってそんなことをやったんだろうか。でも、なんで?だーもうわけがわからん!
 

「あー、その……。悪い!学校が忙しかったんだよなー。えっと、こんな時間に、こんなところで何やってんだ?」
 

 少し、距離をとってベンチに座った。暗いし、これなら顔もよく見えないだろう。
 

「うん……」
 

 なんだ、元気ない。さっきも溜息をついていたし、一体どうしたんだろう?この表情は……、もしかしたら、また何か悩んでいるのかもしれないな。

 

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