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 だが、涼宮は一筋縄でいく奴じゃなかった。いきなり俺の腕をつかみ

「尾行するわよ」

意味がわからないことをいう。こいつは何を言っているんだ?尾行してどうしようってんだよ。デートだぞ、デート。邪魔するのは、ルール違反ってもんだ。

「邪魔はしないわ。尾行するだけ。あんた気にならないの?キョンがあんたの幼なじみに手を出そうとしているのよ」

「まあ、気にならないと言えば嘘になるが、あいつは本当にただの幼なじみで……」

「さっさと、歩く!」

聞いちゃいない。こうなった涼宮を止めることができないってのは、数週間の付き合いでわかってるさ。頼むから、疲れることだけはしないでくれ。
 

 午前中、2人は映画館に入っていった。どうやら、今流行の恋愛映画を見るらしい。そういえば、ナツキがCMが流れているときに、見たいとかなんとか言ってたな。

「なんで、みんな似たようなデートばっかりするのかしら?退屈でしょうがないわ」

「ということは、涼宮は彼氏がいたことがあるのか?」

「まあね、中学の時だけど。みんな同じ事の繰り返し。駅前で待ち合わせて、映画館に行ったり、街でぶらぶらしたり。何が楽しいのか、全然っ、わからないわ!」

「涼宮にとって楽しいことってなんだ?」

「宇宙人とUFOに乗ったり、超能力者にスプーン曲げを教わったり、未来人とタイムスリップすることよ!」

 ほんとネジが何本飛んでるんだ。んなこと、普通の人間ができるわけないだろ?まあ、俺が望んでいないにも関わらず、涼宮の願いに似た体験をしてるってのは皮肉なもんだと思う。ん?待てよ。

「そういえば、異世界人とは何をしたいんだ?」

「そうね……。異世界で、異世界人とデートしたいかな」

「そいつは止めたほうがいいな。今の状況と対して差はないから退屈するぞ」

「異世界を知っているような口ぶりね」

しまった。古泉から余計なことを言わないように釘を刺されていたんだった。
 

「そ、それで、今までのデートは退屈だったと?」

「そうよ」

「相手は好きな男だったのか?」

「違うわ。あたしに告白してきた男で、あたしにとってはどうでもいい男ばっかりよ」

なるほど、そういうことか。

「好きな相手だったら、楽しいデートになるじゃないか?一緒にいるだけで楽しい相手なら、どこに行こうが関係ないだろ?」

「わかったような言い方するけど、あんたはそんな人いるの?」

 うぐっ、痛いところをつく。俺は今まで彼女なんてできたことがない。想像で話しているだけだったりする。もてない男ってのは、かなりつらいんだぞ。

 

 だけど、涼宮よ、お前は黙っていれば男が寄ってくるんだから、もったいない。自分の長所というものを有効に使いたまえ。宇宙人や超能力者と遊ぶより、恋愛した方が楽しいはずだぞ。たぶん……

「うるさいわね。恋愛感情なんて一種の精神病。全く興味ないわ。映画、始まるから黙りなさい」

涼宮がさらっと、とんでもないことを言った。しかも、ますます不機嫌になったようだ。こりゃ、古泉の出番が近そうだ。

 

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