そして、日曜になった!たまの休みなんだから、昼くらいまで寝て、家でごろごろすることに決めていたんだが、まったく、習慣とはおそろしいもんだ。午前7時には目が覚めてしまった。今からこんな状態なら、年を取ったら、日が昇る前に起きてしまうのではないだろうか。

 パンを食べ終え、しばらく朝の情報発進番組をだらだら見ていたら、携帯が鳴った。一体誰だ?

「至急、駅前に集合!」

それだけ言って、電話が切れた。名前も名乗らず、失礼な奴。だがこんな電話をかける奴は1人しか心当たりがない。天下一のお騒がせ女、涼宮ハルヒだ。せっかくの休みなのに、なんだってんだ。無視したら、殺されかねない。仕方ないな、行くか。やる気がないながらも、だらだら準備をして、駅前に行った。

 さて、涼宮はどこにいるかな、と。辺りを見回して涼宮を探していると、誰かが腕をつかみ、とんでもない馬鹿力で引っ張った。俺の身体が中に浮いている!?

「うわ、なんだ!?」

「静かにしなさい、あれ見てよ」

 なんだ涼宮か。この馬鹿力女、勝手に呼び出しておいてなんの説明もなしになんだよ。涼宮が、指を指した方を見ると、キョンが駅の出入り口前に立っていた。

 あいつは、何をやってんだ?あっ、そうか。今日は、キョンがナツキとデートをする日だった。涼宮に見つかるなんて、運の悪い奴だ。だが、今日くらい味方させてもらうぜ。
 

「キョンか、何やってんだろうな。まあ、気にすることないだろう。あいつも1人でぶらつきたい時もあるさ。ということで解決。ここから、離れよう」

 立ち上がると、

 

「ぐわっ!」

 

涼宮に襟を捕まれ、盛大に倒された。だから、どこにそんな力があるんだよ!

「怪しいわね、さっきから時計ばかり気にしてるのよ。これは何かあるわ。名探偵の目はごまかせないわよ!」

 鋭い……。というか涼宮、名探偵ってのは、「たったひとつの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は……」に任せておくとして、どうしてこんなところでキョンを見つけたんだ?

「宇宙人襲来の痕跡を探そうと思ってたら、駅前に馬鹿面したあいつがいたのよ。きっと、宇宙人に洗脳されてるんだわ」

 涼宮が不敵な笑みを浮かべている。俺は天を仰いだ。すまん、キョン。俺にこいつをどうにかできる力はないみたいだ。

 

 そんなやり取りをしている内に、駅から女の子が出てきた。その子は、白いワンピースを着ていて、10人中、8人が振り返るであろう優雅なかわいさを誇っていた。お近づきになりたいと思っただろう。

 

 ただし内面を知らなければ、の条件つきだ。そう、駅から降りてきたのは幼なじみのナツキだった。ナツキはすぐキョンに気づき、挨拶をした後、歩き始めた。
 

「ん、涼宮どうした?」

 涼宮が、さっきの不敵笑みを浮かべたまま固まっていた。おーい、目を開けたまま寝てるのか?手を振ってみてが反応はない。うん、このままの方が平和そうだし、そっとしておこう。さて、帰るか。

「何よあれ!」

「うわ、びっくりした!」

 

 涼宮が突然、歩いている人が驚いて振り向くくらい大きな声を出した。

「何がって、あいつは俺の幼なじみでナツキっていうんだ。ありゃ、どうみてもデートだな。ということで邪魔するのも何だし、帰ろうぜ。何なら、宇宙人探しってやつを手伝ってやってもいい」

 キョンに後でおごってもらうとしよう。涼宮を止めたんだ。金銀財宝をもらってもおつりがくるくらいだぜ。

 

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