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終章<回復>
土曜日の十時。
あたしたちSOS団の待ち合わせ時刻。
横には今聞いた言葉の衝撃に固まる古泉君にみくるちゃんに有希。
あたしも固まっている。
目の前にはキョンとこの間の女の人。
楽しそうにニヤニヤしながら二人がこっちを見ているが、
あたしは頭の整理が追いつかない。
今、なんて言ったの?この人。
それはつまり――

その日あたしは時間ギリギリに駅に着いた。
「これはおごりね」
普段キョンがいたから……って何を考えているの?
あいつのことは忘れる、もう決めたことよ!

案の定待ち合わせ場所にはもう三人が来てた。
「早いわねえ、みんな。いつもどれくらいに来てるの?」
「さあ」
にこやかに笑う古泉君。
「そんなことより、喫茶店に行きましょうか?」
うー、おごりかあ。
まあ、四人分だし軽い軽い。
そのとき。

「ハルヒっ」
聞きたくない声が聞こえる。
あたしは三人に目配せした。
――無視よ、無視。
三人ともうなずく。
「待てよ!」
いつの間にかすぐ後ろでキョンの声が聞こえる。
振り返るとキョンの手が伸びていて……。
古泉君が横からその手を押さえて軽く足を払う。
いい音がして倒れるキョン。
「ほっときましょう」
再び歩き出そうとするあたしの目にあの女が映った。

こんなところにつれて来て、何がしたいの?
そんなに見せつけたいの?

「いい加減にしてもらえませんか?」
キョンの目の前でドスを聞かせた声で言う古泉君。
……ちょっと怖いわよ。
「いい加減にしてほしいのはこっちのほうなんだがな」

どういうこと?
ここまで来てまだ言い訳する気?

「それはいったいどう言う理由で?」
「お前らの勘違いについて訂正したくてな」
キョンの横にはいつの間にか有希がいた。
「勘違いする要因など一つもない。あなたはあの女性と親しい。仲もいい。
それだけわかっていれば十分」
キョンが唖然としている。図星なのね?
「確かにそうだが、お前が”わかってない”のは意外だな」
変なことを言い出すキョン。有希は”わかっている”じゃない?

あんたとあの人は仲がいい。あたしたちを放ってデートするほどに。
あんたとあの人は親しい。楽しそうに笑いながら話してるし、息もあっている。
この二つがわかってれば十分じゃない?

それとも、言い訳じゃなくてのろけに来たの?
あんたよりよほど年上のその人のことを?

もう頭に来た。ぼこぼこにしてやる。
あたしははり倒す前にののしる言葉をキョンにかけようと口を開く。

その時、その人が口を開いた。

「あなたが涼宮さん?話は何度も聞かされたわよ」
いい度胸してるじゃない、キョン?

「いつも弟がお世話になってます」

……は?

その後、喫茶店で

「と言うわけでしばらく姉がこっちに帰って来てて、街を案内させられたのが先週」
どうやら本当に二人は姉弟だったようだ。
あたしたち以外の三人も神妙に俯いてる。
キョンの解説が終わったところで一つ怖くて聞けなかったことを聞く。
「怒って……ない?」
「いや、全く」
よかった。
「なんだかんだでまだSOS団をやめる気はないしな。これからもよろしく頼むよ団長」

その後あたしたちはキョンのお姉さんも入れて不思議パトロールをした。
あたしはキョンと、お姉さんと一緒。
キョンが自販機で飲み物をかわされている間にお姉さんが言った。
「弟は鈍感だから、その気があるなら積極的にならなきゃ駄目よ」
なんてこと言うんですか?
キョンが帰ってくるとお姉さんが
「私は用事があるから帰るね」
「あれ、今日は暇なんじゃないのか」
「ちょっと野暮用がね」

去り際に一言のこしていくお姉さん。
「好きな女の子は悲しませちゃ駄目よ」
飲んでいた飲み物を吹き出すキョン。
『なんてこというんだ!』
被るあたし。

二人とも顔が真っ赤だった。
fin.
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